深刻な人手不足はなぜ起こる?転職時に知っておきたい原因と対策法

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この記事のまとめ

  • 人手不足は少子高齢化をはじめとしたさまざまな要因がある
  • 人手不足といわれる業界は、ネガティブなイメージを持たれやすい傾向にある
  • 人手不足の業界でも採用されないケースがある
  • 人手不足の業界も企業単位で見ると、知名度のある企業や大手企業は人気がある
  • 人手不足の企業に転職する際は見極めが大切である

少子高齢化に伴って生産年齢人口が減少していることを受け、企業の人手不足が深刻化しています。仕事がない・就職先がみつからないといった理由で仕事を求めている人がいる一方、「募集しているのに人が集まらない」と人材確保に悩む会社は少なくありません。このコラムでは人手不足が起こる原因や転職者向けに「人手不足でもブラック企業ではない求人選び」のコツを紹介します。

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人手不足はなぜ起こる?3つの理由を紹介

人手不足が起こる大きな原因として挙げられるのは、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少です。また、働き方改革の影響で働き方の選択肢が広がったため、企業に属さず働かない人が増えたことも、人手不足の要因として考えられます。

少子高齢化による生産年齢人口の減少

人手不足の原因として労働人口の減少が第一に挙げられます。総務省が発表した「情報通信白書 令和4年版」によると、令和3年10月1日時点での生産労働人口(15~64歳)は7,450万人。全体に対して59.4%の割合です。

なお、同調査によると日本の生産年齢人口はすでにピークを過ぎており、2050年には5,275万人まで減少すると予測されています。

令和4年版高齢社会白書 第 1 章 高齢化の状況の引用画像

 

引用:総務省統計局「令和4年版高齢社会白書 第 1 章 高齢化の状況(4p)」

このグラフを見てみると労働人口が2060年まで少しずつ減少していくことがわかります。そもそも働ける年齢の人口が減っているため、人手不足が起こります。

参照元
総務省統計局
人口推計の結果の概要

人材のミスマッチによる早期退職

企業が人材を確保できたとしても、業務内容や考え方にミスマッチが生じ、従業員が早期退職すると再び人手不足が起こります。どれだけ優秀な人材を採用しても、会社の考え方に同意してもらえなかったり労働環境が悪かったりすれば、離職率が高まるでしょう。

企業が改善活動を行わなければ、離職率が高いまま残された従業員が疲弊してしまうことも。人材のミスマッチは人手不足に直結する課題です。

働き方の多様化

働く選択肢が増加したことも人材不足の要因です。近年は従来の出社する働き方だけでなく、正社員であっても在宅で働けるケースが増えているようです。出社の必要がないことから遠方や働きに出づらい人も対象となり、新たな雇用を生み出す企業も。

また、フリーランスの活躍も目立ち、企業に属さなくともお金を稼げる仕組みが整っています。働き方の選択肢が増えることで、求人に対する応募数が減っていったり、優秀な人材の確保が難しくなったりするでしょう。

なお、「人手不足はいつまで続くの?」という疑問を抱える方もいるでしょう。先ほど紹介した総務省のグラフによると労働人口は年々低下し、2060年までは増加の見込みが立っていません。そのため人材不足は今後も続くと考えられるでしょう。

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人手不足と人材不足の違い

ここでは人手不足と人材不足について解説。似ている用語ですが意味合いは少しずつ異なります。

人手不足は労働力は不足している状態

人手不足は労働力が不足している状態を指しています。たとえば、製造業の場合で生産ラインに本来20人必要にもかかわらず、17人しかいない状態は人手不足です。

また、飲食店の場合、3人いなければ店舗が回せないにもかかわらず2人しかいない状態も人手不足でしょう。人材の質を問わず人手が足りていない状態を人手不足とあらわします。

人材不足はスキルを持つ人間が不足している状態

人材不足は「企業が求めるスキルを持った人間が足りていない状態」。たとえば、IT企業において、プログラミングの高度な知識を持つ人材が不足している、マネージメントができる人材が不足しているなど、特定のスキルや業務に携わる人が不足している状態を指します。

人材不足の場合、求人をかけるだけでなく人材紹介会社やプロフェッショナルの求人を扱う会社への依頼が必要です。転職において自分にスキルがある場合、企業の「人材」として採用を狙う方法もおすすめ。

人手不足に陥っている業界は?

厚生労働省が実施した労働経済動向調査によると、正社員労働者が不足していると回答した業界と不足値(労働者数について「不足(やや不足、おおいに不足)」と回答した事業所の割合から「過剰(やや過剰、おおいに過剰)」と回答した事業所の割合を差し引いた値
)は下記の通りでした。

産業不足値(令和5年2月調査)
全体46
建設業56
製造業46
情報通信業49
運輸業、郵便業56
卸売業、小売業23
金融業、保険業18
不動産業、物品賃貸業41
学術研究、専門・技術サービス業50
宿泊業、飲食サービス業35
生活関連サービス業、娯楽業44
医療、福祉63
サービス業(他に分類されないもの)45

引用:厚生労働省「労働経済動向調査(令和5年2月)の概況 2 労働者の過不足状況 (1)正社員等労働者(9p)」

上記の結果から、建設業や運輸業、福祉関連の仕事で特に人手不足が深刻化していることが分かります。ここでは、特に人手不足が深刻といわれる「介護業界」「建設業界」「IT業界」「サービス業界」についてまとめました。

参照元
厚生労働省
労働経済動向調査

介護業界

生産年齢人口の減少に加え65歳以上の高齢者の割合が増加し、利用者が増えたことで介護業界は慢性的な人手不足に悩まされています。「施設はどんどん増えるのに働く人が集まらない」「施設を必要とする利用者がいるのに介護職員が集まらず施設は閉鎖」といった、需要と供給のバランスが崩れている傾向に。

介護業界の仕事と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人が少なくないようです。しかし、今度も高齢者人口は増加傾向が続くと見込まれているため、経験を積めば年齢を重ねても長く続けられるのが介護職。施設や事業所によっては、介護業界が未経験でも働きながら介護の資格を取得でき、資格取得をサポートする制度が設けられている場合があります。

介護業界には、特別養護老人ホームをはじめ、グループホームや老人保健施設、デイサービス、訪問介護事業所など、さまざまな種類があります。また、業務内容も施設・事業所によって異なるため、自分の希望や適性に合った仕事を見つけやすいでしょう。

介護職については「未経験から介護職に転職したい!無資格も大丈夫?仕事内容も紹介」でも解説しています。

建設業界

首都圏を中心とした再開発や交通インフラの整備、各種施設・住宅の建設など、人々の暮らしになくてはならない建設業界。さらに近年では、各地で発生する自然災害による復興事業の施工が重なり、ますます建設業界の需要が高まっているといわれています。建設業界は、「仕事はたくさんあるけど人手が足りない」という状況に陥っているのが現状です。

また、建設業界は従事する人の高齢化が進んでいることから若手人材の採用に積極的。学歴や経験を問われないため、スタートしやすい仕事といえるでしょう。
建設業界には、最初から最後まで一環して業務を請け負う企業から足場組立やハツリ工、解体など、専門工事毎に請け負う企業までさまざまあります。「流れ作業が好き」「高い所も平気」など、自分の得意なことを活かせる仕事を探しやすいでしょう。なお、建設のお仕事については「建設業界の仕事」でも解説しているためぜひご覧ください。

IT業界

インターネットの普及によって急激にIT化が進んでいるのに対し、プログラミングなどを行うエンジニアが不足しているのがIT業界の現状です。また、IT技術の変化は著しく、それを追い求めるスピードが要求されるのは大変なこと。スキルの習得に追いつかず、熟練した技術を持つ人材が減ってきているのも人手不足の要因でしょう。
優れた技術を持つ人材の中には、フリーランスとして働く人も少なくありません。IT関連の仕事は柔軟な働き方を取り入れる人も多い傾向から、会社に属する人材が求められています。

IT業界はプログラマーをはじめ、システムエンジニアやネットワークエンジニア、Webデザイナー、ゲーム開発など、豊富な職種があります。IT業界の仕事については「IT業界の仕事」でも紹介しています。

サービス業界

サービス業界には物品販売や飲食店、宿泊業などが該当します。
サービス業界はその仕事の特性上、休みが不規則になったり勤務時間が長くなったりすることも。また、店舗数が多いためアルバイトなど非正規雇用者も多く働いています。そういったイメージから働き手が集まらず、人手不足に悩む企業も多いようです。

その一方で、サービス業界の多くの仕事は特別な経験や資格は不要です。就業先も多いため、自分に合った条件の求人を探しやすいでしょう。

サービス業については「サービス業とは」でも解説しています。

人手不足解消に向けて企業が取り組んでいる対策 

ここでは多くの企業が人手不足解消に向けて取り組んでいる対策を4つ紹介します。転職活動で企業を選ぶ際は、取り組み内容を確認しましょう。

働き方改革や人事評価制度の見直し

労働環境が悪かったり働いても評価されにくかったりする企業の場合、従業員が離れていく可能性も。企業においては従業員が働きやすい環境を整えたり、頑張りが反映される評価方法に改善したりする取り組みが大切です。ワークライフバランスを保てる企業の場合「無理なく長く働ける」と思ってもらえ、従業員が定着しやすいでしょう。

従業員の育成

従業員の育成も多くの企業が取り組んでおり、近年は国を挙げてリスキリング(学び直し)の推進が目立ちます。企業がリスキリングを推奨することで従業員に生きる力を身につけさせ、企業に貢献できる優秀な人材育成が叶います。優秀な人材が増えると業務効率改善ができたり生産性が向上する可能性もあるでしょう。

ITツール活用による業務効率化

人手不足を解消する直接的な方法としてITツール活用が挙げられます。たとえば、バックオフィスで人手が不足している場合、経理のツールを導入したり契約書を電子化したりと、手間を省く取り組みが見られるでしょう。

また、営業部門の人手が不足している場合は顧客管理ツールを導入し細かな手間を省く方法も。このように、ITツールを活用し業務効率化を目指すことで従業員の負担を軽減できます。転職先を選ぶ場合は、DX推進やITツール導入に力を入れている企業を選ぶといいでしょう。

外部委託

人手不足の解消法として人材の外部委託も有効です。派遣社員や人材紹介会社を介し、業務のスペシャリストを受け入れます。外部委託の場合、費用はかかるものの即戦力を導入できるため、人手不足をすぐに解決可能です。その結果、既存の従業員は業務負担を軽減できるでしょう。

なお、派遣社員について詳しく知りたい方は「派遣社員とはどんな働き方?フリーターとの違いと正社員をおすすめする理由」こちらのコラムも併せてご覧ください。

人手不足の企業に転職はあり?

人手不足の企業への転職は企業の状態を見極めた上でならありといえます。これから紹介する2つのポイントを意識すると人手不足でも無理なく働ける可能性が高まるでしょう。

求人票をよく確認して選べばOK

志望する業界や企業が人手不足の場合は求人票の確認が必要です。求人票の労働時間にプラスして残業時間が多い場合や休日出勤が記載されている場合、人手不足で負担が増える可能性があります。

また、求人票や企業のメッセージの中で「たくさんの方を募集しています」など、まとまった人数を募集している場合は労働環境が悪く離職者が多い可能性も。見極めには注意が必要です。

求人の見極めが難しい場合は転職エージェントの活用を

求人票の見極めが難しい場合、転職エージェントを活用する方法があります。転職エージェントでは様々な求人を取り扱った実績があるため、人材不足の企業について見分け方を教えてもらえたり、おすすめの企業を紹介してもらえたりします。

また、転職エージェントで扱っている求人には、基本的にブラック企業はありません。志望業界が人手不足でブラック企業に不安がある場合は、エージェント経由の求人を探しましょう。

求人に応募する側も、業界・企業の仕事について調べたり、働きたいという意欲をしっかり採用担当者に示したりなど、誠実な姿勢で臨みたいところです。しかし、不採用になったからといって、「自分は社会に必要とされていない?」「人手不足は嘘?」とネガティブになることはありません。自分がやりたい仕事・希望の企業がきっと見つかるはずです。

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人手不足の企業や転職活動に関するFAQ

ここからは人手不足に関するよくある質問に回答します。転職時の求人選びにお役立てください。

転職を検討していますが人手不足のブラック企業に応募してしまわないか心配です。

企業選びに自信がない場合、ハタラクティブを始めとした転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントでは求人票の情報だけでなく、企業に関する多くの情報を持っています。そのため、企業の内情や採用担当者との間で知り得た情報を伝えてくれるでしょう。なお、ブラック企業の見極め方は「ブラック企業とは?厚生労働省による定義の有無についても解説」の記事も参考にしてください。

人手不足の企業は将来性が見込めないのですか?

人手不足の企業の中には新規事業の立ち上げで一時的に人が足りていない、また突発的なニーズで人員が不足しているだけの場合もあります。そのため、必ずしも将来性が見込めないわけではありません。

人手不足の企業で不採用になることはありますか?

人手不足の会社であっても不採用になる可能性はあります。
求める人材にマッチしない場合は不採用になるでしょう。人手不足でもそうでなくても採用試験では企業が求める人材に合う志望動機や自己PRが大切です。

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