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【このページのまとめ】
・終身雇用制度とは、企業が社員を定年まで雇用し続けるという日本の慣行である
・戦後に確立され、1990年代の経済不況により崩壊を始める
・社員の生活が安定することや会社への忠誠心が育つなどのメリットがある
・一方で、モチベーションの低下や女性の労働機会が減少するなどのデメリットがある
そもそも終身雇用制度って何?いつ確立していつ崩壊を始めたの?そんな疑問から、終身雇用についてのメリットとデメリットまで紹介します。
日本の特徴的な雇用制度として知られておりますが、あくまでも法律で定義はされていません。企業側の努力によって成り立っているというのが実情です。
現在のような終身雇用制度は、戦後本格的に確立され、日本の高度経済成長期を支えました。
もともと、戦前の熟練工はより高い給料を求めて職場を転々としていました。企業は優れた熟練工を手放さない対策として定期昇給や手厚い福利厚生を導入。
これらの制度が各企業に普及していったというのが、終身雇用制度の原型だと考えられます。
長期的な雇用により生活が保障されるので、社員はモチベーションを高くしながら働くことができます。
故に、自らの身や家族も顧みず、会社の命令に従い働く人々が増えたといわれています。このような人々は、「企業戦士」や「モーレツ社員」と呼ばれました。
当時は会社のために遅くまで働くことが当たり前で、それが美徳とされていました。
1990年代からの経済不況で、終身雇用は崩壊をはじめました。
リストラによる会社への不信感が高まったことやフリーターなどの非正規雇用者が増加したこと、実力主義の考え方が広まった影響もあります。
終身雇用制度にはメリットとデメリットがありますが、転職活動におけるコスト面や労働者の生活が保護されるというポイントは非常に高く、未だに根強い人気があります。
それでは、終身雇用制度のメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。
終身雇用の最大のメリットは、安心して働ける環境を提供し、社員の生活が安定することです。
生涯に渡り雇用されるので、人生設計も立てやすいと考えられています。
キャリアを積むことができるので、精神的にも経済的にも安心できるというのが強みです。
また、終身雇用により年々昇給していくので、住宅ローンなどの長期的なローンを組みやすいというメリットがあります。
雇用が維持されることで、会社と社員は強い信頼関係を築くことが可能です。
社員の忠誠心が育ち、着実に業務成果を上げられます。
信頼関係を深めることにより社員の定着率が高くなり、高い能力を持つ人材が流出しないという利点にも繋がります。
長期的な雇用により離職率が低下するため、社員の育成に力を入れることができます。
先輩から後輩へとスキルの継承ができる環境にあるので、教育コストの削減が可能。
また、終身雇用によって従業員の転職を防いでいるため、一人ひとりが会社の中で成長することができます。
業務において経験豊富な社員は、会社の資産になるため重宝されるでしょう。
生涯雇用してもらえるという安心感から、適当にやっても首にならないと勤務を怠る人もいます。
このようなモチベーションの低下が原因で、従業員の質の低下に繋がっている企業もあるでしょう。
指示されたことは行うがそれ以上のことはしないという、このような社員は「ぶら下がり社員」とも呼ばれています。
終身雇用の職場では、結婚や出産などで会社を辞める可能性の高い女性を積極採用しない傾向にあります。
出産や育児などで休暇を取得されると、その間新たに人を雇い教育するコストなどがあるからです。
また、雇用されたとしても補助的な役割を与えられる機会が多く、出世を望めないなど不利な状況になるケースもあります。
終身雇用制度を取り入れている会社は年功序列の制度も組み合わせているところが多く、女性の昇給に繋がりにくいのもデメリットの1つです。
業績が悪化しても簡単に解雇できないため、もともと少ない人数を雇っているという背景があります。
そのため、正社員の長時間労働により人手不足を補うという状況になっています。
滅私奉公が求められ、ワークライフバランスが確保できないというマイナス面があります。
終身雇用制度には、雇用する側・される側にそれぞれメリットとデメリットがあります。
さらに、転職活動の一般化や、個人の能力が重視されるようになり、時代の変化とともに終身雇用制度が成立しなくなってきました。
メリットとデメリットの両方を知った上で、企業が今後どのような立場になるかを見据えることや、終身雇用制度に対して正しく理解することが必要です。
最近では、派遣社員やパートタイムなどの雇用形態が多様化し、終身雇用を採用している企業は減少傾向にあります。
柔軟にキャリアを積んでいけるよう、終身雇用に頼るのではなく自分自身のスキルをのばしてみるのも良いのではないでしょうか。
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