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国民年金は扶養の場合どうなる?社会保険制度の仕組みを解説
更新日
この記事のまとめ
- 国民年金は、働いている世代が保険料を出し老後や事故に備える社会保険制度
- 国民年金は20~60歳未満のすべての人が加入対象となる
- 会社員や公務員などは、国民年金に加えて厚生年金にも加入する
- 厚生年金の加入者の扶養に入る「第3号被保険者」は、国民年金を支払わなくて良い
- 世代間扶養とは、働いている現役世代が保険料を負担することで受給世代を支える仕組み
- 国民年金と厚生年金の二階建て構造となる正社員として働いた方が、将来的な保障も安心
「国民年金は、扶養に入った場合どうなる?」と疑問に思っている方は少なくないでしょう。このコラムでは、国民年金について詳しく解説。社会保険制度の仕組みや、国民年金と厚生年金の違いなどをまとめました。また、第3号被保険者の条件や国民年金の支払いについても紹介。「世代間扶養」や「二階建て構造」といった年金制度の気になるワードの解説もしているので、ぜひご覧になってみてください。
国民年金とは?社会保険制度を解説
社会保険制度とは、働いている世代で保険料を出し合い、老後の生活や事故などで障害を負ったときなどに、必要な給付を行う制度です。名前だけ聞くと難しそうですが、「みんなで暮らしを支え合うシステム」と聞くと分かりやすいでしょう。
社会保険制度をデパートにたとえると
社会保険制度は目的に応じて分類されています。ここではイメージしやすいように社会保険制度の分類をデパートにたとえてみました。
- ・社会保険制度は5階建てのデパートで様々な商品を扱っている
・フロアごとに「年金」「医療」「介護」「雇用」「労災」とジャンルが分かれ、入っているテナントも異なる
・その中の1つ「年金(公的年金制度)」フロアは「国民年金」「厚生年金」の2店舗が並び、訪問者のタイプ別で入れる店舗が異なる
・各店舗では訪問者のニーズによって「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」という3種類の商品を扱っている
つまり、社会保険制度という大きな枠組みの中に年金(公的年金制度)があり、その中に国民年金と厚生年金があり、それぞれ老齢年金、障害年金、遺族年金と枝分かれしているということです。次の項目では国民年金の概要を説明しながら、厚生年金との違いについても触れていきます。
国民年金と厚生年金の違い
前項でも触れたとおり、日本の年金(公的年金制度)は国民年金、厚生年金の2つです。国民年金は基礎年金とも呼ばれています。ちなみに、公務員や私立学校の教職員が対象の共済年金は、2015年10月から厚生年金に統一されています。国民年金と厚生年金については、名称に馴染みはあるものの、その中身や違いについては混同しがちな方もいることでしょう。まずはそれぞれの概要や違いを紹介します。
公的年金制度(年金)の仕組み
運営方法や給付種類について、以下にまとめました。
運営方法
被保険者が支払う保険料と国の税金で運営されています。
給付の種類
給付対象となる人の目的に応じて以下の3つに分類されます。
- ・老齢年金:老後の暮らしを支えるための年金で、国内に住む原則65歳以降の人が給付対象
・障害年金:病気やけがで障害を負った方の暮らしを支えるための年金で、障害の程度に応じた金額で給付される
・遺族年金:収入を支えていた人が亡くなった場合に、その家族の暮らしを支えるための年金
また、厚生労働省の「公的年金の給付の種類」によると、これら3つの年金は国民年金と厚生年金で以下のように分けられています。
国民年金(基礎年金) | 厚生年金 | |
---|---|---|
老齢年金 | 保険料を納めた期間などに応じた額 | 保険料を納付した期間や賃金(※1)に応じた額 |
障害年金 | 障害等級(※2)に応じた額(子がいる場合には加算あり) | 賃金(※1)や加入期間、障害等級(※2)に応じた額 |
遺族年金 | 老齢基礎年金の満額に子の数に応じて加算した額 | なくなった方の老齢厚生年金の3/4の額 |
引用:厚生労働省「公的年金の給付の種類」
(※1)賃金とは、正確には「平均標準報酬額」といい、厚生年金への加入期間中の給与と賞与(ボーナス)の平均額のことをいう。
(※2)障害等級は、基礎年金と厚生年金で共通。障害厚生年金(2級以上)受給者は、同時に障害基礎年金を受給できる。
年金は納付された保険料だけで運営していると思う方もいるようですが、実は国の税金も使って運営されています。年金というと、老齢年金のイメージが強いですが、障害年金や遺族年金などの給付内容を見ると高齢者だけでなくすべての世代に大切な制度ということが分かるでしょう。
参照元
厚生労働省
公的年金の給付の種類
被保険者の分類と保険料の納付方法
国民年金と厚生年金それぞれについて、被保険者となる人は以下のとおりです。
- 国民年金:国内に住む20~60歳未満の人が対象
厚生年金:厚生年金保険に加入している会社や工場、官公庁などに勤める70歳未満の人が対象
国民年金は職業などによって、3つの種別があります。保険料の納付方法も、被保険者の種別によって異なります。
被保険者の3つの種別
- 〈第1号被保険者〉学生や自営業者(国民年金に加入)
〈第2号被保険者〉会社員や公務員(国民年金と厚生年金に加入)
〈第3号被保険者〉第2号被保険者に扶養されている配偶者(国民年金に加入)
保険料の納付方法
- 〈第1号被保険者〉納付書や口座振替などで納付。納付できない時は免除や猶予する制度がある
〈第2号被保険者〉保険料は勤務先と折半。自己負担分は給与から天引きする形で納付
〈第3号被保険者〉配偶者が加入している年金制度で負担するので、自分で支払う必要はない
ポイントとなるのが、加入する年金が被保険者ごとに異なること。第1号・第3号被保険者は国民年金のみ、第2号被保険者は国民年金にプラスして厚生年金にも加入します。
国民年金は第2号被保険者の扶養にある配偶者は払わなくて良い
ここで注目したいのが、第3号被保険者についてです。第2号被保険者の扶養に入っている第3号被保険者の国民年金は第2号被保険者全体の支払う保険料によって賄われているため、本人が支払う必要はありません。第2号被保険者に扶養され、年収130万未満(かつ、配偶者の年収の2分の1未満)であれば専業主婦・主夫、パートなどの方も第3号被保険者になることができます。結婚や就職などで被保険者の種別が変わった場合は、2週間以内に手続きが必要です。「扶養なのに国民年金を支払ってしまった」ということがないようにしましょう。
「世代間扶養」「二階建て構造」とは?
ここでは、年金制度の気になるキーワードを解説していきます。
世代間扶養
正確には「世代間扶養の賦課方式」と言いますが、省略された「世代間扶養」のほうが一般的です。読んで字のごとく、働いている現役世代が保険料を負担することで、受給世代を支える仕組みのことを指しています。自分が受給世代になったとき、支えてくれるのはそのときの現役世代ということです。
しかし、この仕組みを見て「少子高齢化で将来的に現役世代の負担が増えそう」と不安に感じた方もいることでしょう。このような社会情勢に合わせて、2004年に年金(公的年金制度)における財政の枠組みを改正し、「マクロ経済スライド」と呼ばれる方式が採用されました。マクロ経済スライドとは、現役世代の減少や平均寿命が延びた分を差し引きしつつ、物価や賃金変動に対応して年金支給額を改定する仕組みのことです。
現役世代の時は保険料の負担だけに意識が向きがちですが、受給世代になった時に生活を支えてくれるのが年金制度。厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況(P11)」によると、高齢者の収入源のうち62.8%が年金です。また、高齢者の44%が年金だけで生活している、という現状も分かります。年金制度は、自分の老後を支えてくれる重要な制度ということを理解しておきましょう。
参照元
厚生労働省
2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
二階建て構造
前の項目でも解説しましたが、自営業者や学生、専業主婦・主夫、パートやアルバイトなどで短時間勤務をしている方は国民年金のみの加入です。会社員や公務員として働いている人は、国民年金に加えて厚生年金にも加入することになります。この状態を建物の1階(国民年金)、2階(厚生年金)にたとえて「二階建て構造」と呼びます。
国民年金にプラスして厚生年金にも加入するということは、いざという時の給付が手厚いということ。最近では、さらに任意の企業年金(厚生年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金)や、個人型年金のiDeCoに加入して、将来に備える方も少なくないようです。このような加入の形は、二階建てにさらにプラスするため「三階建て構造」とも呼ばれます。
ちなみに国民年金のみの第1号被保険者の方も、任意の国民年金基金やiDeCoに加入することで、将来への備えを手厚くすることが増えているようです。年金制度についてはさまざまな議論がされています。自分のライフスタイルや将来について見直す際、一緒に年金制度についても考えてみましょう。
フリーターの方は第1号被保険者になりますが、この記事を読んで「もっと将来に備えておきたい」と思った方もいることでしょう。年金に関しては、厚生年金に加入できる正社員として働いた方が、将来的な保障の意味では安心材料が増えます。また、出勤日数に左右されずに安定した収入が確保できること、企業によって企業年金も含めさまざまな福利厚生が適用されることを考えると、就職するのがおすすめです。
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国民年金についてのお悩みをQ&A方式で紹介
国民年金は社会保険制度の一つで、国内に住む20〜60歳未満の人が対象です。ここでは、知っておくことで活用できる年金制度や保険についてQ&A方式でお答えします。
年金が支払えない…どうしたら良い?
経済的な理由から支払いが難しくなってしまったときには、保険料の免除制度や納付猶予制度を利用すると良いでしょう。申請は必要な書類を日本年金機構のWebサイトからダウンロードできます。詳細は「フリーターが加入する年金の種類と未納のリスク」をご確認ください。
保険証はすぐ届く?
社会保険の場合、発行には1週間〜2週間かかると捉えておきましょう。発行までに保険証が必要となった場合(病院にかかったとき)は、一旦全額を支払います。後日に保険証を持参すれば基本的に差額の払い戻しをしてもらえるでしょう。アルバイト先の保険証の発行については「アルバイト先で保険証はいつもらえる?社会保険の加入条件も解説」のコラムも参考にしてみてください。
社会保険に加入したら、国民健康保険はそのままでも良い?
社会保険に加入したら、国民健康保険の脱退手続きをしないと保険料を二重に支払ってしまう恐れも。なるべく早く手続きに行きましょう。詳しくは「会社に入ったら保険証の手続きを!社会保険への切り替え方法」を読んでみてください。
「社会保険完備」って何?
社会保険完備とは、条件を満たせば健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険のすべてに加入できるという意味で、多くの企業が採用しています。それぞれの役割は「社会保険完備の内容って?それぞれの役割やメリットについて解説」で説明しています。「社会保険完備の求人に就職したいけど自信がない…」という方は、「ハタラクティブ」にお気軽にご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。