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ブラック企業を退職するタイミングは?辞める流れやトラブルの対処法を解説
更新日
今年の4月から仕事を始めましたがブラックでした。辞めるタイミングはいつが良いですか?
4月に新卒で就職した会社が、土日休みナシ、毎日のように終電やタクシーで帰るブラック企業でした。社員同士で行った食事の代金は給料から天引き。仕事は楽しいこともありますが、退職も考えています。ブラック企業を退職するのは早めの方が良いでしょうか?
ブラック企業だからといってすぐに退職するのはリスクがあるのも事実です。退職しても次の就職先が決まっていなければ空白期間ができ、転職活動に影響が出ることも。しっかりと退職時期を見極めて、準備をしていきましょう。
就活アドバイザーに聞いてみました!
ブラック企業であっても、退職するかどうかはリスクを考慮して判断することをおすすめします。焦って退職せず、本当に辞めて良いのかよく考えましょう。そのうえで転職を決めた場合は、「次の企業もブラック企業だった」ということがないように、しっかりと準備が必要です。スムーズに退職するコツや、ブラック企業を避けて転職するポイントも知っておきましょう。
退職したい!ブラック企業の特徴7つ
ブラック企業によくある7つの特徴についてご紹介します。自分の勤め先がブラック企業かどうかチェックする参考にしてみてください。
1.労働条件があいまいで分かりにくい
労働条件があいまいな場合、ブラック企業である可能性があります。
仕事の内容や業務時間について明確に募集要項に記載すると、労働環境の過酷さなどが露呈してしまうためです。説明を求めた場合でも明確な回答が返ってこない、あるいは回答をはぐらかされてしまうような場合は、ブラック企業の可能性が高いでしょう。
2.精神論ややる気を必要以上に重視する
精神論ややる気を重視し過ぎる傾向のある企業は、ブラック企業である可能性があります。
過酷な労働環境にも関わらず、やる気や気合いでどうにか乗り越えさせる風潮があったり、無給での奉仕を強要したりする例があるようです。このような企業はブラック企業といってよいでしょう。
3.給料が極端に安い・高い
極端に給料が安い、あるいは高い場合は、ブラック企業の可能性があります。
ただ給料が安いだけではブラック企業だとはいえませんが、最低賃金を割り込んでいればブラック企業だと捉えて良いでしょう。また、給料が高過ぎる場合も、過度なノルマ設定やみなし残業が含まれている場合があり、注意が必要です。
4.残業代が出ない
どんなに残業しても残業代が出ない企業は、ブラック企業の可能性があります。
みなし残業代として一定の額を支給する企業も増えていますが、みなし残業の時間と実際の残業時間が大きく違うこともあるようです。また、残業をしているにも関わらず、定時にタイムカードを押さなければならないといった暗黙のルールがある企業などは、ブラック企業といってよいでしょう。
5.離職率が高い
頻繁に求人が出ていて離職率が高い企業は、ブラック企業の可能性があります。
多くの人が退職しているということは、労働環境に問題がある場合があるからです。特に、入社して間もない社員が大量にすぐ辞めてしまうような企業は注意しましょう。「離職率の平均は?新卒者や業界別のデータを参考に早期退職を防ごう」のコラムでは、平均的な離職率について解説しています。
6.長時間労働や休日出勤が多い
残業や休日出勤が極端に多い企業も、ブラック企業である可能性があります。
長時間労働や休日出勤の程度が法律的に問題ない範囲かどうか確認してみてください。また、自分の体力に見合った労働時間かどうかをよく見極めましょう。「労働基準法で定められている休日は?休暇との違いや休日出勤のルールを確認」では法的に定められている休日や労働時間についてまとめられています。
7.パワハラやセクハラがある
パワハラやセクハラが行われている企業の中には、ブラック企業が含まれている場合があります。
パワハラには、暴力や罵倒など直接的なもののほかに、処理しきれない量の仕事を押し付けたり、逆に仕事を与えないというものもあります。
パワハラやセクハラが常態化していても、誰かが声を上げたり、是正されることのないような場合は、ブラック企業かもしれません。ブラック企業への対処法については「ブラック社員に負けない!その特徴と対処法を徹底解説」のコラムで詳しく紹介しているので、こちらもご覧ください。
ブラック企業をスムーズに退職する流れ
ブラック企業を退職したい場合、どのような流れになるのか確認しておきましょう。「もう我慢できない」と衝動的に退職を考えるのではなく、基本的な流れを押さえたうえで、計画的に進めることが大切です。
本当に退職すべきかよく考える
まずは、本当に退職すべきかよく考えましょう。いくらブラック企業だからといっても、感情的に退職してしまうのはよくありません。残業が多いなど不満はあっても、「仕事そのものは楽しい」と感じる場合は慎重に検討した方が良いでしょう。
ブラック企業だからとすぐに退職を決めてしまうと、すぐに次の仕事が決まらない可能性があり、経歴に空白期間を作ってしまうリスクがあります。今の企業で労働環境を改善する方法はないか、しっかりと考えたうえで、転職を決めましょう。
ブラック企業でも「3年は働くべき」は本当?
勤続年数に対する受け取り方は転職先の企業次第です。1年未満での退職をしているだけでマイナスに受け取る企業もあれば、1社の早期退職だけでは問題にしない企業もあるでしょう。
さらに、退職理由をどう伝えるかによっても早期退職に対するイメージは変わります。退職理由を「前の会社がブラック企業だったから」とだけで済ませてしまっては、自分に問題がなかったか分析する能力がなく、前の会社に責任を押し付けていると思われてしまう可能性も。また、勤続年数はあなたが就活でチェックされる多くの項目の中の一つに過ぎません。
意欲や経験など、ほかにもアピールできる要素はあります。面接で自分をどう見せるかも重要といえるでしょう。
退職理由を明確にする
よく検討したうえで退職を選ぶ場合、退職の理由を明確にしておきましょう。ブラック企業を辞める際には、会社や上司を納得させるような退職理由が必要です。退職理由があいまいだと、引き止めに合う可能性があります。「キャリアアップしたい」「今の仕事を辞めて新しいことに挑戦したい」など明確な退職理由を伝えることが大事です。
退職する時期を検討する
退職理由が明確になったら、退職する時期を検討しましょう。繁忙期などに退職する場合、迷惑を掛けてしまうことも考えられます。年末の12月・年度末の3月などは避け、受け入れられやすい時期を選んで退職しましょう。転職先の企業の都合がある場合は、そちらの入社日も考慮して退職日を決めてください。
就業規則を確認する
退職前に就業規則を確認しましょう。就業規則とは、会社が定めるルールのことで、入社時にすべての社員に提示されるものです。この就業規則に、退職の申し出に関して守るべきルールが記載されています。企業によって、2ヶ月前までや3ヶ月前までなど、退職届を提出する期限が決められているため、決まりに則って手続きをしましょう。
退職届を作成し上司に提出する
退職届を作成し、上司に提出します。退職理由を聞かれたら、事前に考えた理由を伝えましょう。
口頭で伝えた後に、正式な書面を提出するのが一般的です。
退職を申し出る際に提出する書類には「退職願」と「退職届」の2種類があるため、違いを知っておきましょう。退職願は退職を願い出るもので、会社が承認するまでは撤回が可能なものです。一方で、退職届は退職を通告するもので、会社が受理した時点で撤回はできません。
なかには、人手不足のため、退職願を提出しても受理してもらえない場合があります。そのような場合は退職届を提出しましょう。
退職届の書き方については「退職届の書き方を解説!退職理由は一身上の都合でいい?」のコラムで詳しく解説しているため、確認してみてください。
引き継ぎや備品の返却を行う
退職が決まったら、退職日までに業務の引き継ぎを行いましょう。ブラック企業だからといって、必要な引き継ぎや手続きをおろそかにしてしまうのは良くありません。後任の人のためにも丁寧に対応しましょう。
業務マニュアルの作成や、関係部署へ引き継ぎの旨を伝えておくとスムーズです。会社の備品や書類の返却、私物の整理も忘れずに行いましょう。
退職の挨拶をして離職票を受け取る
退職時になると、さまざまな書類を受け取ります。健康保険や年金の手続きに必要なもののため、大切に扱いましょう。その中でも離職票は失業手当を受け取る際に必要な書類です。忘れずに受け取るようにしてください。
最終出勤日は、お世話になった部署に挨拶をして、忘れ物のないようにしましょう。書類が間に合わない場合は郵送してもらうことになるため、住所を確認しておくと安心です。
ブラック企業を退職するときの注意点
この項では、ブラック企業を退職するときの注意点について紹介します。スムーズに退職できるように、あらかじめ確認しておきましょう。
有給を消化する
有給が残っている人は、有給を消化しましょう。会社によっては、有給の取得を認めてもらえず、日数が多く残っている場合もあるようです。ブラック企業だからといって、有給が取得できないことはありません。有給休暇は労働基準法で定められている権利なので、退職前に取得できるよう交渉してみてください。
退職を申し出た際に、有給取得の件もあわせて伝えると良いでしょう。まとまった休日があると、転職活動に集中できるだけでなく、身体や心をゆっくりと休められます。
退職前に転職先を見つけておく
ブラック企業を退職してすぐに次の会社で働きたいと考えるのならば、退職手続きと同時に転職活動をしておくことをおすすめします。有給が残っているならば、有給休暇を利用して転職活動をしましょう。転職先の入社が決まっていれば、現在勤務する会社の退職日も決めやすくなるはずです。
また、転職先を早く決められれば気持ちに余裕が生まれるでしょう。転職活動は焦らず計画を立てて進めるのがおすすめです。
ブラック企業を円満に退職するコツ
退職の際に企業とトラブルになってしまうと、退職に苦労する可能性があります。ブラック企業を円満に退職するコツを押さえておきましょう。
退職について周囲に言いふらさない
退職することや転職活動を行っていることを周囲の人に言いふらすのは辞めた方が良いでしょう。辞めることについて良く思わない人がいる可能性もあります。余計な噂を立てられたり、上司に報告されたりすると、仕事をしづらくなってしまうことも。
上司に退職届を提出しはっきりと決まるまでは、周囲に情報を漏らさないのがおすすめです。
最後まで勤務し出社拒否しない
上司に退職を伝えたとたん、出社しなくなってしまう人が稀にいるようです。しかし、出社拒否するのはおすすめしません。業務の引き継ぎなど、やらなければいけないことを投げ出すことになってしまいます。また、出社拒否を雇用契約違反とみなされてトラブルに発展する可能性もあるでしょう。有給を最大限使用してまとまった休みをもらいつつ、できるだけ最後まで出勤しましょう。
ブラック企業に退職を引き止められたときの対処法
ブラック企業は労働環境の過酷さから人手不足の状態になっていることがあり、退職を引き止められることがあります。なかには退職自体を拒否される場合も。
ここからは、退職を申し出たものの引き止められた場合の対処法について紹介します。
退職の意思を強く持って断る
上司から強く引き止められても、強い意志を持って断りましょう。退職するかどうかは十分検討し、理由も明確にしたはずです。しつこく引き止められた場合は、次の転職先が決まっていると伝えるのも一つの方法。確固たる意志を持って退職に踏み切りましょう。
勤務時間改善などの提案をされた場合
残業や休日出勤の多さを理由に退職を申し出た場合、労働環境を改善する、もしくはそのぶん給料を改善するなどと言って退職を引き止めようとする場合があります。改善されるのはありがたいことですが、このような口約束は守られないことも多くあることを覚えておきましょう。
また、給料が上がっても本来の長時間勤務について改善されなければつらい思いをするのは変わりません。本当に改善されるのか、会社の姿勢などを良く見極める必要があります。
ほかの職員を引き合いに出された場合
残った職員の負担が増えることを挙げ、退職を引き止められることもあります。お世話になった職場に迷惑を掛けるのは心苦しいと感じるでしょうが、退職を決めたのなら意思を貫きましょう。
残った社員に負担を掛けるのは、適切な人員配置や労働力の確保を行っていない会社であり、自分ではありません。そのため、自分が罪悪感をおぼえる必要はないといえます。
内容証明郵便で退職届を送付する
退職について申し出たものの、退職願を受け取ってもらえない場合に、内容証明郵便で退職届を郵送する方法があります。内容証明郵便とは、郵便物の内容を記録として残せるサービスのこと。いつ、何が、誰から誰に差し出されたかを証明できるものです。
やむを得ず手続きを郵送で行う場合、「退職届の郵送はしても良いの?マナーを解説します【添え状の例文付き】」のコラムが参考になります。退職届の郵送方法や添え状の書き方がまとめてあるので、ご一読ください。
労働基準監督署や弁護士などに相談する
退職を拒否され、「どうしても退職するなら給与は払わない」などと会社に言われた場合は、労働問題を扱う第三者に相談しましょう。まれに、給与の支払い拒否や損害賠償を請求すると脅しをかけてくるブラック企業が存在するようです。
各都道府県労働局や労働基準監督署では、全国に総合労働相談センターを設置しています。相談は無料で受付しているので、相談してみましょう。労働基準監督署への相談については「労働基準監督署に相談できる内容は?方法は電話やメール?」で詳しく解説されています。
退職代行サービスの利用を検討する
パワハラを受けている場合やどうしても自分から退職を言い出せない場合は、退職代行サービスを利用する方法があります。退職代行サービスとは、退職に関する手続きを代行してくれるサービスです。サービスを利用する場合は、「顧問弁護士がいるかどうか」や「価格が適正かどうか」などをよく確認したうえで、業者を選びましょう。
ブラック企業の退職でよくあるトラブルと対処法
ブラック企業に退職を申し出た場合、必要な書類を出してくれない、給与が支払われないなどのトラブルが起こることがあるようです。よくあるトラブルと対処法をあらかじめ知っておき、適切に対処できるようにしておきましょう。
離職票を出してくれない
ブラック企業の中には、退職の手続きで会社から交付されるはずの離職票を出してくれない場合があるようです。
離職票とは、雇用保険や失業給付を受けるときに必要な、重要な書類のこと。発行には時間がかかるのが一般的なので、会社から提示された時期を過ぎても交付してもらえない場合は問い合わせてください。それでも届かない場合はハローワークや労働基準監督署に相談すると良いでしょう。
有給休暇を拒否される
有給休暇を取得するのは労働者の権利ですが、ブラック企業の場合は残りの有給を取得させてもらえない場合があるようです。有給を拒否されても何も言えず、諦めて働き続ける人も少なくありません。
しかし、先述したように有給休暇を取得するのは労働者に認められている権利です。よって、本来会社が拒否できるものではありません。退職する申し訳なさから我慢してしまうことなく、権利を主張しましょう。
損害賠償を請求される
「どうしても退職するのなら、損害賠償を請求する」と脅し、退職を阻止しようとする場合もあるようです。このような脅しには法的な根拠はないので、就業規則に則って退職の意思表示をすれば、退職して問題ありません。自分での対応が難しい場合には、弁護士に相談してアドバイスをもらうと良いでしょう。
パワハラなどの嫌がらせを受けた
ブラック企業へ退職の意思を伝えた際に、パワハラなどのいやがらせを受ける場合もあるようです。このような場合は弁護士や労働基準監督署に相談してください。弁護士に相談するのはハードルが高いと感じる人は、法テラスなど無料で相談できるサービスを利用する方法もあります。
給与が支払われない
退職の意思を示したとたんに給与が支払われなくなる場合もあるようです。その場合には自分で請求しましょう。給与の支払いを担当している総務や経理に連絡して振り込んでもらうよう依頼してください。それでも支払われない場合は内容証明郵便で請求書を送る方法もあります。自分で請求しても相手にされない場合は、弁護士に相談してみましょう。この際、勤務の実態が分かるタイムカードなどの記録を用意しておくと役立ちます。
退職後は?ブラック企業を避けて転職しよう
「次の転職先もブラック企業だった」という状態にならないよう、ポイントを押さえて転職活動をしましょう。働きやすく、自分にあった企業の内定を掴んでください。
応募企業の離職率をチェックする
次の転職先でもブラック企業に当たらないようにするための方法として、離職率を確認する方法があります。離職率が高い企業はそれだけ退職者が多くいるということ。労働環境が良くない可能性があり注意が必要です。
離職率が高い企業はすべてブラック企業というわけではありませんが、一つの情報として参考にしましょう。離職率は企業のWebサイトで調べる方法や、転職エージェントに情報提供してもらう方法などがあります。
企業の口コミを確認する
ブラック企業を避けて転職するには、企業への口コミも確認しましょう。実際に企業で働く人の口コミは非常に参考になります。残業や休日出勤の頻度、社内の雰囲気など、自分が重要と考える項目をチェックしておくと良いでしょう。
ただし、口コミはあくまで一人の労働者の意見なので、全体の意見や事実とは異なる可能性があります。すべての情報を鵜呑みにするのではなく、一つの情報として参考にすると良いでしょう。
転職エージェントを利用する
ブラック企業を避けるためには転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントは求人票に記載されていない社内情報も詳しく把握していることがあります。会社の雰囲気や評価制度の実態、離職率などを教えてもらいましょう。
また、自分の希望に合った条件で求人を探してくれるので、残業は少なめ、休日出勤は難しいなど条件を伝えたうえで企業を提案してもらうことができます。希望の条件に合う企業探しを、効率的に行えるでしょう。
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