所得税の控除ってなに?仕組みと計算方法を知ろう

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この記事のまとめ

  • 所得税とは個人の所得にかかる税金で、(課税所得)×(税率)-(一定額)で計算できる
  • 所得控除とは、納税者の個人的事情を鑑みて所得税額を計算できる仕組み
  • 控除は14種類あり、雑損控除と医療費控除、寄附金控除は自分で申告する必要がある

税金や控除という言葉を聞いたことはあっても、正確な意味や仕組み、計算方法などは知らない、という人は多いでしょう。

しかし、所得税は会社員だけでなくアルバイトであっても引かれているもの。正しい知識を身につけておいて損はありません。
こちらのコラムでは、所得税の基礎知識や計算方法、所得控除の種類などをご紹介します。

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◆所得税とは

そもそも所得税とは何なのでしょうか?

所得税とは、個人の所得に対してかかる税金のこと。日本の所得税は、所得額が多くなるほど税率が高くなる累進課税制度です。
給与所得のみの会社員であれば、源泉徴収といって給料からあらかじめ天引きされており、最終的に年末調整で精算されます。

所得税がかからない金額は、給与所得だけの場合年間103万円(基礎控除38万円+給与所得控除65万円)まで。一般に103万円の壁と呼ばれているのがこれです。
そのため、1年間の所得が103万円を超える場合はパートやアルバイトでも所得税を収める必要があります。
所得税額の計算式は「(課税所得)×(税率)-(一定額)」です。

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◆所得控除について

では、所得控除とは何でしょうか?
控除とは、一定の金額を差し引くことを指します。

つまり所得控除とは、所得から一定金額を差し引いて所得税を計算すること。納税者の個人的事情を鑑みて所得税額を計算できるようにすることで、公平性のある課税をするための仕組みです。
例えば、同じ年収であっても独身の人と配偶者がいる人、子供がいる家庭や病気の家族の治療費がかかる場合など、それぞれに事情があり必要な出費額が違うため、税金を負担する能力にも差があるでしょう。その差を考慮したのが所得控除です。

所得控除の要件に当てはまる場合、所得の合計額から控除額が差し引かれるため、課税される金額が少なくなり支払う税金も安くなります。
会社員の場合、勤め先に年末調整の書類を提出すればほとんど手続きは終了します。ただ、中には自分で申告しなければ受けられない控除も存在するため、事前の確認が大切です。

◆所得控除の種類

現在、所得控除は14種類あります。

・基礎控除
・雑損控除
・医療費控除
・寄附金控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・障害者控除
・寡婦(寡夫)控除
・勤労学生控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除

以下に、基礎控除と自分で申告が必要な控除の一例をご紹介します。

【基礎控除】

納税者に無条件、一律で適用される控除。
憲法に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」に必要な最低限の所得には課税されません。
控除額:38万円

【雑損控除】

災害や盗難、横領などによって資産に損害を受けた場合、一定の金額の所得控除が受けられます。
納税者本人か生計を一にする配偶者や親族が所有する「棚卸資産」「事業用固定資産」「生活に通常必要でない資産」に該当しないものが対象です。

控除額の計算方法
(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
上記のいずれか多い方を控除額とします。

【医療費控除】

納税者本人か生計を一にする配偶者、親族のために医療費を支払った場合に受けられる控除。
その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費に限り、年間10万円を超えると対象になります。
控除額:最高200万円

控除額の計算方法
{(実際に支払った医療費の合計額)-(保険金などで補填される金額)}-10万円

【寄附金控除】

納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに特定寄附金を支出した場合に受けられる控除。
近年普及しているふるさと納税もこれに当てはまります。

控除額の計算方法
(その年の特定寄附金の合計額)-2000円
(その年の総所得金額の40%)-2000円
上記のいずれか少ないほうが控除額になります。

当コラムでは、所得税と控除についてまとめました。
上記のほかにも、生命保険料控除や社会保険料控除などのように自己申告が必要な控除があるので、要件に当てはまらないか一度見直してみましょう。