給料未払いの相談先は?対象となる賃金や手続きを解説

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この記事のまとめ

  • 給料未払いが起こる原因は「企業の事業不振」「給与管理がずさん」など
  • 未払い給料の対象となるのは基本給や退職金、ボーナスなど
  • 給料未払いにはまずは話し合いを試みて、解決できなければ労基署や裁判所を利用する
  • 給料未払いの法的措置には、支払督促や少額訴訟などがある
  • 労基署や裁判所に給料未払いを申告する前に、証拠を十分にそろえよう

勤めている企業で給料未払いが発生した場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。給料未払いが起きたとき、まずは社長と話す機会を設けたり、会社に内容証明郵便を送ったりしましょう。それでも会社が未払い給料を支払わない場合、労働基準監督署や裁判所に申告する方法があります。
このコラムでは、未払い給料の対象となる賃金や未払い給料を請求するまでの流れを解説します。

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給料未払いとは?

給料未払いとは、労働契約や就業規則で定めた賃金を支払日に支払わないことを指します。
基本給だけでなく、ボーナスや手当、割増賃金、有給で発生した賃金なども対象に。「毎月の給料が給料日に振り込まれていない」「残業代や休日出勤手当が含まれていない」「給料の一部しか支払われていない」などが該当します。給料の未払いは、労働基準法(第11条、第24条)違反です。

参照元
東京労働局
未払賃金とは

給料未払いが起こる4つの原因

給料未払いは、主に企業の経営不振や給与管理に起因します。

1.経営不振のため

経営不振によって企業の業績が思わしくない場合、従業員に賃金を支払うための資金がなくなり、給料が未払いになってしまうことがあります。「そもそも支払うお金がないから仕方ないのでは」と思う人もいるようですが、労働基準法には経営不振を理由とした給料未払いを認める内容はありません。どんなことがあっても、企業は社員に給料を支払う義務があります。

2.企業と労働者間でのトラブル

「労働者が急に会社を辞めた」「企業に迷惑をかけた」などの理由から、企業側が故意に給料を支払わない場合があります。しかし、労働者が会社を急に辞めたり迷惑をかけたりしたからといって、給料を未払いにすることは認められません。

3.企業の給与管理がずさん

給料の未払いが発生する企業は、経営管理や給与管理がずさんな場合があります。このようなケースでは、資金繰りがどんぶり勘定で行われているため、結果的に給料を支払う段階になって社員の給料が用意できないといった状態になるようです。

4.ワンマン経営

ワンマン経営の企業には、経営者が労働基準法についてよく把握していないケースがあります。そのような企業では、社員への給料の支払いについて理解が浅く、「少し遅れてもいいだろう」「来月にまとめて支払うので問題ない」など間違った認識のもと、給料未払いが発生するようです。

給料未払いが発生したらどうする?

給料未払いが発生したら、まずは支払われなかった賃金の種類や未払いの証拠を確認しましょう。給料の未払いには時効があり、2020年3月31日以前に起きた給料未払いに対する請求は2年間、2020年4月1日以降に起きたものに対する請求は3年間です。「まとめて請求しよう」「時間が出来たら対応しよう」と考えていると消滅する可能性もあるので注意しましょう。

給料未払いを解消する5つの手順

給料未払いが起きたときは、「証拠を集める」「社長と話す」「会社に内容証明郵便を送る」「労働基準監督署に相談する」「法的措置をとる」の順に対応しましょう。

1.未払い給料の証拠を集める

未払い給料を請求する場合、会社との話し合いでは解決せず、後に労働基準監督署や裁判所などに相談する可能性もあります。そのために、給料が未払いである証拠を必ず確保しておきましょう。

給料未払いを証明するもの

給料未払いを証明するものには、給与明細や源泉徴収票、給与口座の履歴などがあります。給料が未払いであることが客観的に分かる書類を、証拠として集めておきましょう。

支払われる給料を証明するもの

支払われる給料を証明するものには、雇用契約書や就業規則、労働条件通知書、求人票などが挙げられます。
企業には、雇用契約に基づいた給料を支払う義務があります。雇用契約で提示された給料の金額やその計算方法などが明確に分かる証拠を集めておきましょう。

勤務したことを証明するもの

自身の勤務状況を証明するものには、タイムカードや業務日誌、月報などがあります。証拠を残し、雇用契約の時間どおりに勤務したことを証明できるようにしましょう。

給料未払いの証拠が手元にないときには

給料未払いの証拠が手元にないときには、裁判所で「文書提出命令の申立て」や「証拠保全手続」を行う必要が出てきます。しかし、これらの手続きを個人で行うのは難しいので、弁護士といった法律の専門家に相談すると良いでしょう。

2.社長と話す機会を設ける

証拠を集めたら、まずは社長と話し合い、未払い給料の支払いを交渉しましょう。払い忘れなどが原因なら、この段階で解決することがほとんど。また、早期解決を図るなら、いきなり法的措置をとったりせず基本的には会社との話し合いで解決するのが望ましいです。

3.会社に内容証明郵便を送る

未払い給料について話し合いでの解決が難しいと判断したら、会社に内容証明郵便を送りましょう。内容証明郵便を送ることで、会社に未払い給料の支払いを請求したことを第三者に証明できます。内容証明郵便は
縦書きの場合は「1行20字以内、1枚26行以内」です。一方、横書きの場合は、「1行20字以内、1枚26行以内」と「1行13字以内、1枚40行以内」「1行26字以内、1枚20行以内」と3つの書き方があります。字数と行数が決まっているので、規定に従って作成しましょう。
内容証明に記載する項目は、以下の7つです。

・内容証明の記載項目
・文書の表題
・通知内容
・振込先の口座
・期限などについて
・日付
・相手方の住所、社名、代表取締役の氏名
・自分の名前

内容証明郵便の料金は、「基本料金+一般書留の加算金+内容証明の加算金」です。

4 .労働基準監督署に相談する

会社が未払い給料の支払いに応じないときは、労働基準監督署を利用しましょう。給料未払いを申告したあと、労働基準監督署は調査を行い、会社に対して賃金の支払い勧告をします。この時点で、会社から賃金が支払われる可能性があります。
注意しておきたいのは、労働基準監督署は勧告を行うだけで、弁護士のように労働者の代理人として未払いの給料を回収したり、未払い分の給料を支払うよう命令したりする権限はないということ。未払い給料の請求自体は自分でしなければならないのを覚えておきましょう。

労働基準監督署の対応が難しいと予想できる状態

給料未払いがあっても、状況によっては労働基準監督署の対応が難しいこともあるようです。

・給料未払いの証拠が不十分
労働基準監督署は、企業が行っている法律や業務が正しく行われているか、法令が守られているかを確認する機関です。公的機関のため、証拠や根拠がないと捜査や指導を行えません。

・未払い請求をしていない
純粋に給料の未払いが発生しているという事実だけでは、労働基準監督署の対応は期待できない可能性があります。振込日がズレたり、何らかの事情で遅れたりすることも考えられるからです。「未払いでは?」と思っても、すぐに労働基準監督署に相談するのではなく、まずは企業に問い合わせてみましょう。問い合わせに応じない、内容証明郵便にも対応しないといった場合は、悪質かつ意図的な未払いと判断できるため、労働基準監督署に相談できます。

・労働基準監督署の都合や優先度
労働基準監督署には多くの労働問題が寄せられます。そのなかには、勤務に関する健康被害や規模の大きな案件などもあるでしょう。労働基準監督署も、働く人やリソースは限られているため、重大な案件から取り掛かるのが基本。そのため、従業員1人に対する給料未払いといった案件は優先度がどうしても低くなり、なかなか対応してもらえないこともあるようです。

5.法的手続きをとる

労働基準監督署への申告で未払い給料の問題が解決しない場合は、法的措置をとる方法もあります。請求する未払い給料が少額だと、法的措置の方法によっては費用の方が多くかかってしまう場合も。法的措置をとると時間や費用がかかるため、未払い給料が少額の場合は会社との話し合いや少額訴訟、民事調停など労働者自身でできる制度の活用も検討しましょう。

労働基準監督署で給料未払いを解決するコツ

前述のように、法的手続きは時間と費用がかかるため、未払いの給料が少額であれば労働基準監督署で解決することも検討しましょう。

「相談」をしない

労働基準監督署は、企業など雇用者の法令違反を是正するのが設置目的であり、そもそも「相談」する機関ではありません。初めから「給料の未払いの通報に来ました」といった態度を示すと、早い段階で対応してもらえる可能性が高まるようです。

対面で伝える

労働基準監督署ではメールや電話といった通信手段でも通報を受け付けていますが、早い解決を望むならできるだけ対面で報告するのがおすすめ。電話やメールだと相手の顔が見えず、どうしても弱い印象になってしまいます。対面で、後述する資料や証拠とともに違反を伝えたほうが、緊急性や重要性が高い印象を与えやすくなるでしょう。

説明資料を用意するのもおすすめ

対面で給料未払いについて報告する際に、これまでの経緯や出来事をわかりやすくまとめた資料を用意するのもおすすめです。報告内容が分かりづらいと報告にも時間がかかりますし、最悪の場合は出直しを求められる可能性もあるようです。

給料未払いの証拠を用意する

前述したように、単に「給料飲み払いが起きている」と伝えるだけでは真偽が分からないため、証拠を提出しましょう。タイムカードや振込先の通帳、内容証明郵便など「給料の未払いが起きていた事実」「相手が応じていない証拠」を用意することで、早急な対応が期待できるでしょう。

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給料の未払いはどう対応したら良い?お悩み解決Q&A

ここでは、給料未払いへの対処法について、よくあるお悩みと回答をまとめています。

給料未払いが発生したらどこに相談すれば良い?

給料未払いが発生したときは、労働基準監督署や法テラスなどに相談しましょう。給料未払いの相談をスムーズに進められるよう、事前に証拠を用意しておくことが大切です。「労働基準監督署に相談する方法」のコラムでは、労働基準監督署がとり扱う内容や相談方法などを解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

未払いの証拠がないと給料を払ってもらえない?

手元に給料未払いの証拠がなくても、請求できます。ただし、企業側に「文書提出命令の申立て」や「証拠保全手続き」といった手続きをする必要があり、個人で行うのは難しいでしょう。証拠なしで未払いの給料を支払ってもらいたいときは、弁護士に相談することをおすすめします。

給料の未払いに時効はあるの?

給料の未払いには時効があります。これまでの時効は給料支払日から2年でしたが、労働基準法改正により、2020年4月1日以降の給料未払いについては、3年が消滅時効になりました。 ただし、2020年3月31日までに発生した給料未払いは、従来どおり2年が消滅時効なので気をつけてください。

退職後だと給料未払いの請求は間に合わない?

退職後でも、未払い給料の支払い請求ができます。ただし、給料支払日から2年あるいは3年で消滅時効がかかる点に注意してください。また、退職後では、給料未払いの証拠を集めるのに苦労する可能性も。その場合には、弁護士への相談を検討しても良いでしょう。

未払いの給料は利息がつく?

未払いの給料が支払われる際、利息がつきます。利息は、在職中と退職後の場合でそれぞれ異なります。在職中の場合、年3%の利率で計算した「遅延損害金」が未払いの給料に加算されます。退職後の場合、退職日の翌日から支払日まで、年14.6%の利息がつきます。なお、「給料未払いの会社を辞めて転職先を探している」という方は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブでは実際に取材した企業をご紹介しており、職場の雰囲気や具体的な仕事内容を把握したうえで応募できます。

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