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新入社員が会社を辞めたいときの対処法は?退職するメリット・デメリット
更新日
この記事のまとめ
- 心身に支障をきたしているときは、新入社員でも会社を辞めた方が良い
- 新入社員が辞めたい理由は「労働条件に不満がある」「職場の人間関係が悪い」など
- 辞めたいときの対処法は「仕事の取り組み方を見直す」「信頼できる人に相談する」など
- 新入社員の場合、第二新卒として転職活動できるのがメリット
- 新入社員で転職活動する際は、辞めたい理由の検討や企業研究を十分に行おう
仕事内容や人間関係、労働環境などを理由に「新入社員だけど会社を辞めたい」と悩んでいる人もいるでしょう。早期離職は転職活動において不利になる傾向があるものの、状況によって早めに辞めた方が良い場合があります。このコラムでは、新入社員が会社を辞めたいときの対処法や転職するメリット・デメリット、転職活動のコツなどを解説。「辞めたい」と1度でも悩んだことのある新入社員の方は、ぜひ参考にしてください。
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新入社員だけど会社を辞めたい…退職しても良い?
新入社員が会社を辞めても問題はありません。労働者には「退職の自由」があります。新卒時にしっかりと企業研究などを行っていても、個人的な事情や生活の変化があり、現在の職場や環境が自分に合わないこともあるでしょう。たとえ新卒入社から一ヶ月だけの勤務期間だったとしても、明確な理由があれば辞めて問題ありません。
新入社員であっても会社を辞める権利がある
新入社員も、会社を辞める権利はあります。「民法第627条」では、「一般的な正社員などの期間の定めがない雇用契約の場合、会社を辞める2週間前までに退職届を提出すれば、会社の承諾が得られなくても会社を辞められる」と定められているからです。契約社員の場合はやむを得ない理由がない限り雇用期間内の退職は認められませんが、正社員の場合は会社の承諾がなくても、2週間前までに退職届を提出すれば退職できます。
ただし、入社後すぐの退職はネガティブな印象を抱く人が多いのも事実。デメリットもふまえたうえで決断しましょう。会社の辞め方については「会社の辞め方や手順を解説!退職理由の伝え方で注意したいことも紹介」で詳しく説明しているので、退職を検討している方は参考にしてみてください。
参照元
e-Gov法令検索
明治二十九年法律第八十九号 民法
新入社員で会社を辞める人の割合は大卒者で約3割
「厚生労働省の調査」によると、中卒者は約5割、高卒者と短大卒者は約4割、大卒者は約3割の人が新卒として就職後、3年以内の新入社員のうちに離職しています。
2019年度の入職者における学歴別の就職後3年以内の離職率は、以下のとおりでした。
最終学歴 | 入社後3年以内の離職率 |
---|---|
中学校 | 52.9% |
高等学校 | 37.0% |
短大 | 42.6% |
大学 | 32.3% |
引用:厚生労働省「学歴別就職後3年以内離職率の推移」
中卒・高卒・短大卒・大卒の就職後3年以内の離職率は、ここ数年で大きな変動はないとされています。つまり、新入社員として入社した新卒大学生のうち、およそ3割以上が入社3年以内に退職しているということ。10名いれば3名は3年以内に退職しているので、決して少なくない数字といえるのではないでしょうか。
新入社員が退職する場合の影響や転職活動のポイントは、「新卒入社から3ヶ月で退職したら転職は不利?その後の影響や対策を解説!」のコラムで解説しています。「入社3ヶ月目の新入社員だけど会社を辞めたい…」と考えている方はぜひチェックしてください。
参照元
厚生労働省
新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します
新入社員が会社を辞めたいときの対処法
新入社員が会社を辞めたいと思ったときは、退職の前に取り組める対処法があります。すぐに退職への行動を起こすのではなく、まずは「自分の伸びしろを考える」「人間関係の悩みは信頼できる人に相談する」といったことを実践してみましょう。
新入社員が会社を辞めたいときの対処法
- 自分の伸びしろを考える
- 仕事の取り組み方を見直す
- 人間関係の悩みは信頼できる人に相談する
- 転職を検討する
自分の伸びしろを考える
自分の伸びしろを考えることは、会社を辞めたいと思うときの対処法の一つです。たとえば、仕事のノルマ・目標を達成できないことにつらさを感じ、辞めたいと考える新入社員もいるでしょう。しかし、新入社員のうちから毎回ノルマ・目標を達成するのは難しいことです。
達成できなかったノルマ・目標は、自分の伸びしろと捉えることもできます。また、自身が成長してポジションや役割が変われば、辞めたいと思っていた理由がなくなる可能性も。自分の伸びしろを考えて、今の会社で成長を目指すことも考えてみましょう。
仕事の取り組み方を見直す
新入社員のうちに会社を辞めたいと思うのなら、仕事の取り組み方を見直してみましょう。残業が多く、思うように仕事が進まないと感じている場合は、効率化して解決することもできます。働き方に無駄がないか確認し、効率的な働き方を見つけることで、残業せずに帰宅できるようになるでしょう。仕事が早い先輩の働きぶりを参考にするのもおすすめです。
コミュニケーションを改善する
チーム内や上司とのコミュニケーションを改善することも、辞めたいと思ったときの対処法として挙げられます。新入社員であれば仕事の仕方が分からないことは当たり前なので、分からないことがあれば積極的に質問してみましょう。質問の仕方や問題を適切に伝えるようにして、円滑なコミュニケーションを図ることで、仕事の進行や協力関係が円滑になります。
人間関係の悩みは信頼できる人に相談する
職場の人間関係で辞めたいと考えているなら、家族や友人など信頼できる人に相談してみましょう。悩みを相談することで、辞めたいという気持ちを見つめ直すきっかけになることも。信頼できる人であれば、あなたの気持ちや状況に共感し、適切なアドバイスや支援を提供してくれるでしょう。
人間関係が原因で仕事に悪影響が出ているときは、上司に相談するのも一つの手段。部署異動や関わる機会を減らしてもらうなど、対策をとってくれることもあります。ただ、思わぬところから噂が広がり居心地が悪くなってしまうことがあるので、相談した内容が漏れる恐れのない信頼できる人に相談しましょう。
ハラスメントは社内の窓口に相談する
セクハラやパワハラを理由に辞めたいと考えているなら、つらい気持ちを我慢せずに上司に相談することをおすすめします。もし上司本人からハラスメントを受けていたり、どうしても言いにくかったりするなら、社内の窓口に相談しましょう。相談した際、ハラスメントの証拠を求められることが多いので、日付や言動のメモを用意しておくことも大切です。社内で解決しない場合は、労働基準監督署に相談する方法もあります。
転職を検討する
新入社員が会社を辞めたいときは、転職を検討することも選択肢の一つです。実際に行動に移さない場合であっても、転職を検討することで「辞めたい」気持ちに変化が起きることがあります。転職を検討する過程で、自己分析をしたり、現在の職場の環境を見直したりすることで、自分の興味の幅の広さや新たな可能性に気付けることがあるでしょう。
新入社員が会社を辞めたいと思う7つの理由
新入社員が会社を辞めたい理由は、「社風が合わない」「残業や休日出勤など労働条件に不満がある」「職場の人間関係が悪い」など人それぞれ。ここではよくある理由を紹介します。
新入社員が会社を辞めたいと思う理由
1.社風が合わない
「売上重視の企業に対し、自分は顧客に寄り添う姿勢を重視したい」「社風が個人プレーで周りと協力する雰囲気がない」など、自分には合わない社風が原因で会社を辞めたいと思うケースは珍しくありません。
新卒の就活時に企業研究を行っていても、実際の社風が入社前のイメージと違うこともあるでしょう。社風が合わないと、仕事への取り組み方や考え方にずれが生じるため会社に行くのが億劫になり、辞めたい気持ちが強くなってしまうでしょう。
2.残業や休日出勤など労働条件に不満がある
労働状況に不満を抱き、会社を辞めたいと考える新入社員もいるでしょう。定時で帰れる日が少なかったり休日出勤が必要だったりすると、心身ともに疲れを感じて体調を崩す可能性も。体力的にも精神的にも自分に合ったワークライフバランスを確保できない場合、退職の考えが浮かぶのは無理もありません。
3.希望の配属ではない
入社時に希望した部署への配属が叶わずモチベーションが下がり、会社を辞めたいと思う新入社員もいるでしょう。たとえば、IT業界のマーケティング職を希望して入社したのに、入社後に営業部署に配属されたというパターンが考えられます。
興味のある職種やスキルを発揮できる領域ではないため、やりがいを感じづらくなるでしょう。また、希望とは異なる勤務地になった場合は、「知り合いがいない場所で働くのがつらい」と感じることも。企業によっては、採用の段階で職種別の選考を行ったり、人事が適性を判断したうえで部署を決めたりしますが、配属先に納得できずに辞めたいと考える新入社員もいるようです。
4.ノルマが厳しい
ノルマが厳しいと感じる状況では、新入社員は達成困難な目標に対してプレッシャーや不安を感じ、辞めたいと考えるものです。また、ノルマの達成に失敗すると評価や報酬にも影響を及ぼす可能性があり、モチベーションの低下やストレスの増加につながることも。特に営業職や販売職はノルマが厳しい場合があります。
5.職場の人間関係に悩んでいる
職場の人間関係にストレスを感じ、仕事を辞めたいと考える新入社員は多いでしょう。同僚との関わりが薄く、職場で孤立してしまうとコミュニケーションに悩みを抱える場合も。人間関係がうまくいかないと、会社での居場所やチームへの適応に不安を感じたり、信頼関係の構築が難しくなったりします。その結果、仕事へのモチベーションが下がってしまうでしょう。
6.会社に将来性がないと感じる
新入社員の中には、会社の成長や発展の見込みが少なく、会社に将来性がないと感じて今の仕事を辞めたいと思う人もいます。また、企業自体に成長意欲がなかったり、業績が悪化していたりするなどの理由で将来性を感じられなくなることもあるでしょう。会社の将来性を踏まえ、「自分自身の成長のために今の仕事を辞めたい」と考える新入社員もいるようです。
7.仕事内容に対して給与が低い
入社前は納得していた給料でも、働き始めると業務量に見合っていないと感じたり、業績悪化で見込みより少ない給与になったりして不満を感じることがあります。奨学金の返済や一人暮らしの生活費などの支出があると、自由に使えるお金は多くありません。仕事に対して適正な報酬を受け取ることはモチベーションや働く意欲に直結します。給与が低いと「今の仕事を辞めたい…」と考える新入社員もいるようです。
新入社員が辞めたいのは甘え?辞めたほうが良いパターン
新入社員が会社を辞めたいと感じたとき、単純に「甘え」として片付けることはできないパターンもあります。「心身に支障をきたしている」「違法な長時間労働で働かされている」などが当てはまる場合には、退職を検討することが適切な選択になるでしょう。
1.仕事が原因で心身に支障をきたしている
仕事が原因で心身に不調を感じているのであれば、新入社員であっても休職や退職を視野に入れましょう。辞めたい気持ちを我慢して働き続けると、体調が悪化する恐れがあります。休日にストレスや不安を解消できれば問題ありませんが、改善の見込みがなければ、早めに対処することがおすすめです。
2.違法な長時間労働で働かされている
勤務先で違法な長時間労働や休日出勤が続くようなら、新入社員でも早めに辞めた方が良いでしょう。残業代の未払いがあったり劣悪な労働環境で働かされたりしている会社は、ブラック企業といえます。
会社を辞めたい旨を伝えた際に引き止めにあうこともあるかもしれませんが、強い意志を持って退職手続きを進めましょう。長時間労働のリスクについては「過労死ラインとは?長時間労働を続けるリスクなどを紹介」でまとめているので、参考にしてみてください。
3.ハラスメントが横行している
セクハラやパワハラといったハラスメント行為があり辞めたいと考えている場合、改善の見込みがなければ退職・転職を検討したほうが良いでしょう。ハラスメント被害者は、精神的な苦痛やストレスを抱え、仕事への集中力や自尊心に悪影響を受ける可能性があるからです。
我慢し続けるとストレスで体調を崩す恐れがあるので、会社でハラスメントが横行している場合は、新入社員のうちに辞めて転職するのが得策。パワハラ問題に悩んでいるものの、「どこに相談すれば良いのか分からない…」という方は、「パワハラはどこに相談する?24時間無料の窓口や労働基準監督署などを紹介」を参考にしてみてください。
4.会社が倒産する可能性がある
業績悪化や経営不振など、勤務先が倒産する可能性がある場合、見切りをつけて転職に踏み切るのも一つの選択肢です。自身の経済的な安定やキャリアの発展を考えて、現在の勤務先を退職することは甘えではないでしょう。
自分の将来を考えての行動であれば、採用担当者にも納得してもらえるはずです。倒産や解雇などによる会社都合退職については、「会社都合退職は転職に不利?自己都合との違いや応募先にばれる可能性を解説」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
新入社員が半年で仕事を辞めて大丈夫?
特定の理由や状況がある場合には、半年での退職も問題ありません。前述したように、我慢して働き続けることが、自分にとって不利益になることがあります。事情を知らない周囲から、辞めるのは甘えと言われるかもしれませんが、自分の心身の健康状態が大切です。新卒入社から半年で退職した「第二新卒」は、若さや柔軟性を求める企業からのニーズもあり、再就職は十分に可能。「新卒入社から半年で転職できる?早期退職の強みや退職理由の伝え方を解説」では、新卒が半年で転職するメリットも紹介しているので、「退職したいけど、転職は難しそう…」と不安に思う方はぜひ読んでみてください。
仕事を辞めたい新入社員が転職するメリット
新入社員で転職する場合、「第二新卒として転職活動ができる」「年齢が若いためポテンシャルが評価される」といったメリットがあります。
仕事を辞めたい新入社員が転職するメリット
- 第二新卒として転職活動ができる
- 年齢が若いためポテンシャルが評価される
- 心身の疲労をリフレッシュできる
第二新卒として転職活動ができる
新入社員の場合、早期に離職しても第二新卒として転職活動できるのがメリットです。第二新卒とは、学校を卒業して就職し、数年以内に会社を辞める人のこと。企業側から見た第二新卒を採用するメリットは「柔軟性がある」「基本的なビジネスマナーが身についている」といった点です。第二新卒の需要は高いため、大きな実績や高度なスキルがなくても、未経験職種にチャレンジしやすいといわれています。
第二新卒として転職するメリットや就活成功のコツは「第二新卒とは?いつまでが該当する?定義や求職活動を成功させるコツを解説!」のコラムで解説しているので、新入社員で会社を辞めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
年齢が若いためポテンシャルが評価される
新入社員が転職するメリットは、年齢が若いためポテンシャルが評価されること。新入社員は年齢が若いため、将来的に成長や発展の可能性を秘めていることが転職時に評価されやすいでしょう。
また、柔軟性があり、変化に対応する能力が高いと採用担当者に評価されることもあります。ただ、単に年齢が若いだけでは内定を得ることは難しいので、仕事に対する意欲や前向きな姿勢を示し、将来のキャリアビジョンをしっかり持ちましょう。
心身の疲労をリフレッシュできる
現在の職場で、長時間労働や過重な業務負荷、人間関係の問題などで疲労やストレスが溜まっている人にとっては、転職によってその環境から解放されることで心身の疲労をリフレッシュできます。転職先が働きやすい職場環境が整っている場合、ストレスや疲労を感じることなく働くことが可能です。また、新たな成長の機会が得られることで、仕事へのモチベーションや自己成長の意欲が高まることもあるでしょう。
新入社員が会社を辞めるデメリット
新入社員のうちに会社を辞めるデメリットには、「転職活動時にマイナスイメージを与える恐れがある」「環境に慣れれば働きやすくなる可能性がある」などがあります。退職する前に、会社を辞めるデメリットについて理解しておきましょう。
転職活動時にマイナスイメージを与える恐れがある
新入社員のうちに辞めると在職期間が短いため、「忍耐力に問題があるからでは」「自社で採用してもすぐに辞めそう」と採用担当者にマイナスイメージを与える恐れがあるでしょう。採用担当者は、新入社員がなぜ早期に辞めたのかを知りたいと思っています。
退職理由の説明が不十分だったり、妥当性を欠いたりすると、不信感を与えることも。採用担当者を納得させられる理由がないのであれば、新入社員のうちに転職するのは避けて、今の会社で経験を積んだりスキルを身につけたりしたほうが良いでしょう。
転職しても状況が変わらない可能性がある
辞めたい理由によっては、新入社員のうちに転職しても状況が変わらないことがあります。たとえば、仕事内容・職場に慣れていないことが辞めたい理由なら、転職先でも一から始めることになるので、同じ状況に陥る可能性があるでしょう。現在の仕事と同業界や同職種への転職は、新入社員のうちにする必要があるのか、よく考えてから行動に移しましょう。
環境に慣れれば働きやすくなる可能性がある
新入社員のころは業務や職場に慣れていないことが多く、仕事ができないことや人間関係の構築に悩み、辞めたいと考えることもあるでしょう。新入社員として少しずつ周りとの関わり方や仕事の進め方をつかんでいけば、気持ちに余裕が出てやりがいを感じられることがあります。
入社当初は苦労や不安もあるかもしれませんが、焦らずに前向きな姿勢で業務に取り組むことが重要です。新入社員で仕事を頑張れないと思う原因や対処法は「仕事を頑張れないのは甘え?職場でついていけないときの原因と対処法!」のコラムで解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
入社後1年以内に辞めると失業手当がもらえない
失業手当は、会社を辞めて転職先が決まっていないときにハローワークから支給される給付金ですが、入社してから1年以内に辞めてしまうと受給できません。失業手当を受け取るには、雇用保険への被保険者である期間が通算して満12ヶ月必要だからです。
失業手当を受給できず転職先が決まらないままでいると、収入源がなくなり、生活が厳しくなる可能性も。入社後すぐ退職した際の保険に関しては、「入社してすぐ辞めるのは大丈夫?保険はどうなる?理由の伝え方も紹介!」で詳しく解説しています。
スキルを積むチャンスを逃す可能性がある
会社を辞めることによって、新入社員はその会社で得られるはずだったスキルや経験を十分に積む機会を逃してしまうかもしれません。長期的なキャリア視点を持ち、スキルの獲得に時間がかかることを考慮して転職や会社を辞めるタイミングを検討しましょう。
新入社員が会社を辞める前に取るべき行動
新入社員が今の会社を辞めると決意したら、事前に取るべき行動があります。いっときの感情や考えで転職を決意するのはリスクがあるので、しっかりと考える必要があるでしょう。
現在の生活状況を把握し辞めても問題がないか考える
新入社員は会社を辞める前に、現在の収入と支出を把握しましょう。当たり前ですが、仕事を辞めれば収入がなくなります。また、前述したように新卒新入社員の場合は失業保険の対象外になる可能性が高め。
生活費や固定費、貯金の状況などを確認し、辞めた後の生活に必要な資金が十分にあるかを考えます。一般的に転職活動には3ヶ月かかるといわれているので、3ヶ月分の家賃や生活費の確保が必要です。実家に帰るとしても引っ越し費用などがかかります。
今の職場で状況を改善するために手を尽くす
「新入社員が会社を辞めたいときの対処法」で紹介しましたが、辞めたいと思う状況を改善するために手を尽くすことは、転職を検討する前の重要なステップです。辞める前に、仕事の取り組み方を見直したり信頼できる人に相談したりするなどして今の職場でできることを改めて考えてみましょう。
希望とは異なる勤務地になったことが原因で会社を辞めたいと考えている場合は、転勤まで今の仕事を継続することも選択肢の一つ。退職理由が本当に改善できないものなのか確認することが大切です。
これからのキャリアビジョンを明確にする
会社を辞める際には、これからのキャリアビジョンを明確にしておかなければなりません。「早く辞めたい」という気持ちに引っ張られて、退職後の自分の目標や志向性を具体的に考えずに辞めてしまうと、その後の仕事選びが難しくなる可能性があるからです。退職後のキャリアビジョンを明確にするために、自分が取り組みたい領域や興味のある分野を考えてみましょう。
たとえば、「自分のアイデアや才能を活かせる自営業に挑戦したい」「社会貢献度の高い仕事に従事したい」といった志向性を持つことが重要です。自分自身の長所やスキルにマッチしたビジョンを考えることで、退職後の方向性をより具体的に定められます。
周囲に相談できる人がいれば相談してみよう
周囲に相談できる人がいれば、会社を辞める前にまずは相談してみましょう。相談することで辞めたいという気持ちを見つめ直すきっかけになることがあります。今の会社で改善できることを見つけられたり、キャリアビジョンを描く際の自己分析の助けになったりすることもあるでしょう。新入社員で転職の相談相手に迷ったら「第二新卒の転職相談はどこでできる?おすすめの場所やよくある悩みを紹介!」を読んでみてください。
新入社員が円満に会社を辞める方法
新入社員が仕事を辞めることを決断した場合は、円満に会社を辞めるためにすべきことがあります。
就業規則を確認する
退職を決断したら、最初に就業規則の確認をしてください。退職の意志を伝えるタイミングや方法などが就業規則にて定められている可能性があるからです。法律では「退職の申し出から2週間で雇用契約が終了する」とされていますが、多くの企業では「退職は希望日の3ヶ月前までに申し出る」などのルールを設けています。
会社への申告を業務規則よりも遅らせてしまうと、会社に迷惑をかける可能性が高くなります。円満退職を叶えるためにも、できる限り就業規則に沿いましょう。
退職の流れと対応を確認する
次に、退職の流れと対応について確認しましょう。就業規則に記載されている退職を申し出る期日までに直属の上司に相談し、了承を得たら「退職届」を提出。退職日までに引き継ぎを終えるのが大まかな流れです。
退職までの全体のスケジュールを決めておかないと、退職の意思を会社に伝えるのが遅れてしまったり、転職活動に身が入らず空白期間を作ってしまったりしてしまいます。退職スケジュールの立て方については、「退職までの流れと手続きを解説!上司にはいつ伝える?転職活動はいつ行う?」を参考に考えましょう。
仕事の引継ぎ資料を作成する
退職の日程が決まったら、引き継ぎ資料を作成しましょう。引き継ぎ資料は、これまで自分が担当した仕事について、自身が退職後も他の社員がスムーズに業務を引き継いでもらえるように作成する資料。新入社員は、自分が担当した仕事が少ないかもしれませんが、引き継ぎ資料にはできるだけ詳細な情報を記載を心がけましょう。手順やプロセス、関連する文書や連絡先など、必要な情報を適切に共有することが大切です。
今の会社を辞めたい新入社員が転職を成功させるコツ
新入社員の転職成功のポイントには、「辞めたい理由を明確にする」「企業研究を念入りに行う」などがあります。
今の会社を辞めたい新入社員が転職を成功させるコツ
- 辞めたい理由を明確にして面接対策を万全にしておく
- 条件を絞り過ぎずに視野を広げて転職先を探す
- なるべく退職前に転職活動をする
辞めたい理由を明確にして面接対策を万全にしておく
転職の採用担当者に納得してもらうためにも、退職理由をはっきりさせておきましょう。新入社員のうちに会社を辞めた理由は、転職面接で必ず聞かれます。伝える内容は「前職でできなかったこと」と「転職先で実現させたいこと」の2つ。将来について前向きな考えを述べつつ早期離職の反省点を伝えれば、採用担当者に「衝動的な退職ではない」とアピールできるでしょう。
たとえ人間関係や仕事内容への不満が辞めたい理由であっても、ネガティブな表現でそのまま伝えると、面接官に悪印象を与えてしまう可能性があります。たとえば人間関係が悪くて会社を辞めたいと思ったなら、「チームで協力して仕事を進めたいと思った」などとポジティブな言い回しを心掛けることが大切です。
条件を絞り過ぎずに視野を広げて転職先を探す
視野を広げて求人を探せば、その分自分に合う仕事を見つけやすくなるでしょう。新入社員のうちに会社を辞めてアピールできるスキルがないとき、条件を絞り過ぎると転職先を見つけるのが難しくなってしまいます。
知名度の高さや特定の職種にこだわり過ぎず、より多くの業界・企業を選択肢に入れることがおすすめです。「転職先の効率的な探し方5選!自分に合う仕事を見つけるコツを解説」では、効率的な転職先の探し方を詳しく解説しています。
仕事に求める条件を明確にする
自分に合う転職先を見つけるには、仕事に求める条件を考えて「転職活動の軸」を定めることが重要です。たとえば、「ワークライフバランスがとれる」「高収入が見込める」など、仕事に求める条件は人によって異なるもの。辞めたいと思った理由をもとに「仕事を継続したいと思う要素や条件は何か」を逆算して考えると、転職活動の軸を見つけやすくなります。
企業研究を念入りに行う
転職活動では企業研究を念入りに行うことが大切です。事前に情報を集めておけば、入社後にミスマッチを感じて辞めたいと思うリスクを減らせるでしょう。企業研究の際は企業が求める人物像をチェックして、ニーズに合わせた自己PRや志望動機を考えておくことも大切です。転職時の企業研究については「企業研究は転職でも必ず行おう!情報の集め方と活用のポイント」で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
なるべく退職前に転職活動をする
体調不良などで退職を急ぐ必要がなければ、在職中に転職活動を始めるのが無難です。退職後に転職活動をすると、「早く転職先が決まらないと貯金がなくなる」といった焦りから、十分に検討せずに企業を選んでしまうことも。
結果的に入社後のミスマッチを起こして「辞めたい…」となる恐れがあるため、経済面の負担を考えるなら、退職前に転職活動するのが賢明です。「新入社員だけど会社を辞めたい」「そもそも仕事をやめたほうが良いか相談してみたい」という方は、ハタラクティブにご相談ください。
ハタラクティブは20代を中心に就職・転職支援を行うエージェントです。働くうえで譲れない条件や希望の仕事内容などをヒアリングし、あなたに合う求人をご紹介します。ハタラクティブがご紹介するのは、実際に取材した企業の求人です。
職場の雰囲気や具体的な仕事内容をお伝えしているので、入社後のミスマッチを防げます。履歴書・職務経歴書の添削や模擬面接も行っているため、転職活動が初めての方も自信を持って選考に臨めるでしょう。自分に合う企業に転職できるよう、ぜひハタラクティブにご相談ください。
辞めたいと考えている新入社員にまつわるQ&A
新入社員が辞めたいと思ったときに疑問に思うことをQ&A方式でまとめました。ボーナスや退職金、辞めるタイミングについて回答しています。
新入社員はボーナスは受け取れますか?
ボーナスは一定期間における仕事の成果に対して支払われるお金のため、4月に入社してまだ会社への貢献度が低い新入社員には、夏のボーナスは支給されない、あるいは少額が支給される場合が多いようです。
業界ごとのボーナスや新入社員のボーナス平均額などは「新入社員のボーナスはいつからもらえる?支給のタイミングと平均額を紹介」で紹介しているのでぜひご覧ください。
新卒の新入社員でも退職金はもらえる?
新入社員で退職した場合でも、会社によって退職金が出ることがあるようです。
退職金の有無や支給額は、一般的には勤続年数によって決まります。勤続年数が1年未満の新入社員でも退職金を受け取れる会社もあるので、まずは就業規則を確認することが重要です。詳しくは「退職金は何年目からもらえる?制度の種類と相場は?計算方法や注意点も解説」のコラムをご覧ください。
新入社員が会社を辞めるベストなタイミングはありますか?
転職のタイミングとして一般的なのは、通常「2〜3月」と「8〜9月」です。
年度が変わり求人数や採用人数も増える傾向にあるので転職しやすい時期といえます。心身の不調など退職を急いだほうが良い事情がある場合は、最適なタイミングを待つ必要はありません。
現在の職場が心身に負担を与えると感じるのであれば、自身の健康を優先して行動することも大切です。自分にマッチした会社で働きたいという方は、ハタラクティブにご相談ください。あなたのご希望に合った求人を紹介いたします。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。