付き合い残業とは?なくならない理由や定時で帰るための対策を解説

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この記事のまとめ

  • 付き合い残業とは、自分の仕事が終わっているのに周囲に合わせて会社に残ること
  • 付き合い残業がなくならないのは、上司より先に帰ることに気まずさを感じやすいため
  • 付き合い残業の問題点は長時間労働になったり、業務効率が下がったりすること
  • 付き合い残業がつらいなら帰宅時間を宣言したり、働き方を変えたりするのが有効
  • いろいろ試しても付き合い残業が改善されない場合は、転職するのも一つの手

「付き合い残業とは?」「なぜ付き合い残業が発生するの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。付き合い残業が生じるのは、上司より先に帰れない雰囲気があることなどが原因です。このコラムでは、付き合い残業がなくならない理由や問題点、改善するための対策について解説。上司からの強要によるパワハラの疑いがある場合の対処法も紹介します。無駄な付き合い残業を少しでも減らすために、できることから行動に移しましょう。

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付き合い残業とは?

付き合い残業とは、自分の仕事が終わっているのに、同じ職場の上司や同僚に合わせて残業することを指します。たとえば、自分の業務は定時で終えても、上司が作業をしていると退勤できず、デスクに座り続けるケースです。同僚が忙しそうにしているのを見て、実際には手伝えることがないのに付き合いで職場に残ることもあります。

付き合い残業は協調性を重視する職場でよくみられますが、無駄な労働時間を生むだけでなく、長時間労働やプライベートの時間削減につながりやすいことが問題です。自身の業務範囲をしっかりと管理し、無理のない範囲で働く意識を持つことが改善へとつながるでしょう。

付き合い残業がサービス残業につながることもある

サービス残業とは、従業員が残業代の全額、または一部を受けずに時間外労働をすることです。付き合い残業が行われている組織の中には、流れでサービス残業が発生しているケースも見られます。サービス残業は労働基準法に違反するだけでなく、従業員の心身の負担につながるため、早急に解決すべき問題といえるでしょう。サービス残業の概要や対処法を知りたい方は「サービス残業は違法労働!みなし残業との違いや対処法をご紹介」を参考にしてください。

付き合い残業がなくならない4つの理由

「自分の仕事は終わっているのに帰れない!」と思う一方で「自分だけ先に帰れる雰囲気ではない」と感じる人も多い付き合い残業。会社と従業員の双方にとってもマイナスの影響がある反面、なぜなくならないか疑問に思う方もいるでしょう。付き合い残業がなくならない4つの理由について詳しく説明します。

付き合い残業がなくならない理由

  • 上司や同僚より先に帰りにくい
  • 残業が当たり前の風潮がある
  • 適切に仕事が割り振られていない
  • 手当を期待して意図的に残業する社員がいる

1.上司や同僚より先に帰りにくい

付き合い残業がなくならない理由としては、上司や同僚が仕事をしていると先に帰りにくいことが挙げられます。特に、上司が残業していると、先に帰ることに気まずさを感じる人は多いでしょう。先に帰ると嫌味を言われたり、プレッシャーを感じたりするから残るという人も少なくありません。

しかし、上司は「部下の仕事が終わらない」と考えて、仕事をしながら様子を見ていることもあります。結果的に、上司も部下も無駄な付き合い残業をしているケースが多いのも実情です。

2.残業が当たり前の風潮がある

会社の風潮として、残業が根付いていることが原因の場合もあります。定時で帰りづらい雰囲気があったり、上司が長時間働くことを良しとする考え方だったりするケースなどです。会社として残業することが当たり前になっていると、必要のない付き合い残業が発生しやすいでしょう。

日本では「残業をしている人=頑張っている人」と捉えて評価する企業が多くあります。長時間労働が評価基準として根付いている会社では、残業が当たり前になっているケースもあるでしょう。残業が多い会社の特徴は「残業が多い会社の特徴とは?仕事を乗り切るための対処法も解説」のコラムで詳しく解説しています。自分の会社が当てはまらないかチェックしてみてください。

3.適切に仕事が割り振られていない

適切に業務分担が行われず、一部の社員に業務が集中している影響で、他の社員が付き合い残業をしているケースもあります。業務量が多く残業が慢性的になっている人がいる場合、周りの社員も業務を終えるのが難しくなり、付き合い残業が発生してしまいがちです。

また、残業が生じやすい原因として、各自の仕事が明確化されていないことも挙げられます。チーム内で各自の担当分やタスクの優先順位が不明瞭だと、全員が効率的に業務を終えるのは難しいでしょう。無駄な残業時間が多くなると、チーム全体の生産性を低下させるため、業務分担の改善が必要です。

4.手当を期待して意図的に残業する社員がいる

残業手当を見込んだ給与設定が行われている職場では、手当を得ようと意図的に残業をする社員がいる場合があります。残業をする社員がいると周囲に影響を与え、職場全体で付き合い残業をしてしまいがちです。業務状況を問わず残業が常態化している会社は、基本給が安く、手当によって収入が左右される場合によく見られるでしょう。

付き合い残業が引き起こす4つの問題点

「付き合い残業=残業時間が長くなる」というイメージを持つ人は多いですが、ほかにも付き合い残業にはさまざまな問題点があります。付き合い残業が引き起こす問題点を確認し、自分の会社に当てはまるところはないかチェックしましょう。

付き合い残業が引き起こす問題点

  • 長時間労働になる恐れがある
  • 業務効率が下がりやすい
  • 退職者が増える可能性がある
  • 上司からの強要はパワハラになる恐れがある

1.長時間労働になる恐れがある

付き合い残業が増えると必然的に残業をする時間が増え、長時間労働になる可能性があります。長時間労働が続くと従業員の疲労が蓄積されやすく、精神的・肉体的な負担につながるでしょう。近年では長時間労働による健康被害リスクが問題視されています。

長時間労働による影響は、労働者側だけではありません。残業代が発生したり、業務の生産性が下がったりと、企業にもデメリットが発生します。企業の労働環境に対する評判が悪化する恐れもあるため、適切な対応が求められるでしょう。

2.業務効率が下がりやすい

付き合い残業は優先度の高い労働ではないため、業務効率が低下しやすくなります。自分の仕事は終わっているのに、上司や同僚を気にして残業を行っている場合、本来やらなくても良い仕事をしている可能性もあるでしょう。

不必要な仕事をすることによって業務の生産性も下がり、無駄な残業時間を過ごすことになります。業務にメリハリをつけるためにも、付き合い残業をやめて決められた時間内で働くよう意識することが大事です。仕事を効率よく行う方法を知りたい方は「仕事の効率化に効果的な3つのテクニックをご紹介!」のコラムを参考にして、業務の効率化を目指しましょう。

3.退職者が増える可能性がある

付き合い残業が増えると、働き方への不満から退職者が増える可能性があります。特に、仕事の効率を重視している人や、プライベートを充実させたい人にとって、付き合い残業は苦痛になりやすいためです。

前述したとおり、付き合い残業が増えると業務効率が下がりやすく、退勤後のプライベートな時間が減ってしまいます。労働環境に不満を持つ人が増え、結果的に優秀な人材が流出しやすくなるでしょう。

4.上司からの強要はパワハラになる可能性がある

上司から付き合い残業を強要されると、パワハラに該当する恐れがあります。労働基準法 第三十二条で定められている労働時間は、1日8時間、1週40時間が限度です。休日は少なくとも毎週1回は休むことが決められています。

もし規定の時間を超えて労働をさせる場合、企業は「36協定」を締結・届出をしなければなりません。36協定を締結すると、1ヶ月あたり45時間、年間360時間までが上限になりますが、特別条項がある場合は、年間720時間まで残業が可能です。長時間の残業を強要され、パワハラの疑いがある場合は、労働基準監督署などに相談しましょう。詳細は「残業の強制はパワハラ?無意味な残業を強要された時の対処法とは?」のコラムを参考にしてください。

参照元
e-GOV法令検索
労働基準法
厚生労働省
時間外労働の上限規制 わかりやすい解説 2019年4月施行

帰りづらい付き合い残業の対策方法

帰りたくても帰りづらい付き合い残業。「帰るためにはどうしたらいいの?」と悩んでいる方も多いでしょう。付き合い残業をしない人になるには、早くに退勤するための対策をとるのが効果的です。具体的な方法として、以下のような対策が挙げられます。

  • ・少しずつ残業時間を減らしていく
  • ・帰る時間を宣言する
  • ・定時で終われるよう業務の割り振りを行う
  • ・習い事や通院を理由にノー残業デーを設ける
  • ・毎朝1日のスケジュールを組み、残業になりそうな場合は次の日に対応する
  • ・上司や会社に業務の効率化や業務改善について相談する
  • ・自分が上司側であれば率先して帰る

付き合い残業を減らすには、仕事に対する考え方や方針から変えていく必要があります。上司や会社の考えが変わらなければ、せっかく作業効率を上げても次々と仕事を振られてしまうでしょう。すぐに変えるのは難しいかもしれませんが、根気強く行動を続けることが大事です。

近年では、リモートワークやフレックスタイム制など多様な働き方が増えてきています。出勤時間や勤務方法を変えることで、付き合い残業を減らせる可能性もあるでしょう。「残業しない人になろう!働き方のコツをご紹介します」のコラムでも、残業しないための方法を紹介しているので、あわせてご覧ください。

付き合い残業が改善されなければ転職も一つの手

付き合い残業への対策を試みたり、上司に提案したりしても状況が改善されない場合は、転職を考えるのも一つの手です。付き合い残業が慢性化している職場で仕事を続けていると、ストレスが溜まり体調を崩してしまう恐れがあります。付き合い残業による長時間労働がつらいなら、自分に合った働きやすい会社を見つけることも大切です。

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付き合い残業に関するFAQ

付き合い残業についてのお悩みにQ&A方式で回答します。

付き合い残業をしない人の特徴は?

付き合い残業をしない人は、明確に優先順位をつけて効率的に仕事を進める傾向があります。周囲に流されず自分のペースで成果を出し、仕事が終われば退社する意志の強さもあるでしょう。

付き合い残業を避けるには、仕事に対する自律性と自分の時間を大切にする価値観が重要です。作業効率を上げるコツを知りたい方は「作業効率を上げるためには?具体的な方法やおすすめのツールを紹介」を参考にしてみてください。

毎日付き合い残業がありつらいです。

付き合い残業がつらい理由の一つは、精神的なストレスの大きさです。本来なら帰宅できる時間に周囲に合わせて無駄な残業をすることは、心身ともに疲れてしまいます。自分の意志に反して周りの期待に応えようとすることで、義務感やプレッシャーを感じることもあるでしょう。

付き合い残業をやめるための対策としては、業務効率を上げて定時で仕事を終わらせたり、周りに「残業はしない」という意思を伝えたりするのが有効です。いろいろな対策を試しても、つらい状況が続くなら「仕事が辛いのは当たり前?しんどいと感じる原因と対処法を解説」を参考に気分転換したり、転職を検討したりしましょう。

上司が付き合い残業の空気感を出してきます。

上司が付き合い残業を促すのは、チーム全体の一体感を重視している可能性があるでしょう。自分自身の業務量が多く、部下に仕事を任せなければならない状況である場合もあります。

しかし、無駄な残業を促すことは、社員のモチベーションを下げる原因です。付き合い残業をはじめ、上司から理不尽な要求をされて悩んでいる方は「会社で感じる理不尽なこととは?対策も解説」を参考にしてください。

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