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試用期間中も社会保険の対象?加入なしのケースとは
更新日
この記事のまとめ
- 試用期間は、社員が会社にマッチしているかを企業が判断するために設けられている
- 試用期間中の社員を企業は、正当な理由なしに解雇することはできない
- 企業が「面倒だから」という理由で、試用期間中は社会保険なしとするのは違法
- 社会保険なしのデメリットは、失業保険を受け取れないことや年金が減ることなど
- 試用期間中にトラブルがあった際は、まずは会社に相談しよう
「試用期間中は社会保険なし?」と疑問に思っている方は少なくないでしょう。このコラムでは、試用期間について詳しく紹介。どのような目的で企業が試用期間を設けているのかを解説しています。また、試用期間中に解雇があるケースについても触れています。さらに、試用期間の社会保険の加入義務についてもまとめました。ぜひ本コラムを就職・転職活動の参考にしてください。
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試用期間とは
試用期間とは、採用した社員が適切な勤務態度でいるか、必要なスキルを持っているかなど、会社に適しているかを判断するための期間のことです。適性を判断するための期間ですが、あくまでも長期雇用を前提に設けられているので、試用期間が終了するとそのまま本採用になるケースがほとんど。労働基準法で期間は定められていませんが、大半は1ヶ月〜6ヶ月、最長1年間を限度とするのが一般的です。
試用期間は短い採用フローで判断できなかった部分を補っている
近年は、人材不足によって採用スピードが早まりつつあります。しかし、短い採用フローで応募者の適性を判断できないという企業が増えてしまっているのが実情です。数ヶ月の試用期間は、社員が会社に本当にマッチしているかを企業が判断するために設けられています。試用期間の解雇はなし?
試用期間と聞くと、「すぐに解雇されてもしょうがない」と捉える人もいるかもしれませんが、試用期間は先述したとおり「長期雇用を前提とした雇用契約」です。通常の労働契約と同様に、企業は試用期間中の社員を安易に解雇することはできません。ただし、正当な理由があれば試用期間中でも解雇されることはあります。正当な理由と不当な理由の代表的なものを、以下にまとめました。
正当な理由の例 | ・勤務態度の悪さ ・経歴詐称 ・理由なく遅刻や欠勤を繰り返す |
不当な理由の例 | ・期待していた能力を持っていない ・社風に合わない ・ほかの応募者を採用したい |
また、正当な理由があったとしても、「労働基準法第20条」に基づいて、企業側は社員へ30日前に解雇を予告するか、30日分以上の賃金を支払うことが義務付けられています。ただし、試用期間開始より14日以内であれば、いずれの義務を果たさなくても良いという特例があるので注意しましょう。「試用期間とは?解雇されやすい?給料や社会保険についても解説」のコラムでも、試用期間中の解雇ついて触れてので、併せてご一読ください。
参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号「労働基準法」
試用期間中は社会保険の加入なしというケースもある?
試用期間も企業と労働者の間で労働契約が締結されています。よって、企業側には試用期間中の社員も社会保険に加入させる義務があります。ただし、「社員が試用期間中に辞めると手続きが面倒だから」という理由で社会保険が未加入のケースもあるようです。これは「試用期間なら簡単に辞められる」と考える労働者が多いために起こるもの。会社側は「手続きをしても数週間で辞められると面倒なので、長期雇用が見込める本採用になったら手続きをしたい」というのが本音のようです。
しかし、面倒という理由で社会保険に加入させないのは違法にあたります。社会保険の加入条件を満たしている場合は、試用期間中の社員も対象になります。もし、試用期間中に社会保険に入れてもらえないというケースに遭遇した場合は、総務や労務などに加入を依頼したり年金事務所に相談したりすると良いでしょう。
社会保険なしのデメリットは?
この項では、社会保険に加入できなかった場合のデメリットをまとめました。
失業保険を受け取れない
何らかの理由で失業保険を受給するとき、雇用保険の被保険者期間が影響して受け取れない、もしくは減額になる可能性があります。
年金が減る
厚生年金に加入していた期間が短くなるため、将来受け取れる年金額が減ることも考えられるでしょう。
保険証を切り替える必要がある
企業の健康保険に加入できなければ、国民健康保険に切り替えないと保険証を保持することができません。
ほかに、労災を受けられない、年金と健康保険は自分で支払う必要があるといったデメリットが考えられます。社会保険については「社会保険とはどんな制度?アルバイトやパートでも加入対象になる?」のコラムで詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧になってみてください。
試用期間に関するそのほかのトラブルと対処法
社会保険の加入以外にも、試用期間中にトラブルに遭遇することもあるでしょう。対処法と合わせてまとめたので、参考にしてください。
試用期間を勝手に延長された
試用期間の延長は、以下のケースに当てはまる場合は正当に認められます。
- ・延長する場合があることについて、就業規則や雇用契約書に記載されている
・合理性のある延長理由が述べられている
・当初の予定を含めておおむね1年以内の延長
上記に当てはまらない、企業側の都合や曖昧な理由による延長は認められません。
最低賃金より低い、残業代が支払われない
試用期間中は本採用に比べて安価な賃金を提示する企業が多いようですが、提示された給与が最低賃金より低いケースは違法です。また、「勉強のため」「見習いだから」という理由で無給で働かされる、残業代が出ないといった場合も対処する必要があるでしょう。
どのようなトラブルでも、まず最初は会社側に相談しましょう。雇用に関しては上司、保険や賃金に関しては総務など、然るべき部署に冷静に相談することが大切です。会社側が聞く耳を持たないなど、相談で解決しない場合は、行政に問い合わせましょう。社会保険は年金事務所、解雇や賃金は労働基準監督署、雇用保険に関してはハローワークが窓口となっています。
行政に相談しても解決しない場合は、弁護士に相談するのも一つの方法。しかし、裁判や訴訟は時間とお金がかかるので、転職を検討するのも良いでしょう。「正社員の試用期間中に退職は可能?理由や伝え方の注意点を解説」のコラムにあるように、試用期間中でも退職は可能です。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。