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高齢ニートから脱出しよう!就職のために活用できる支援とは?
更新日
この記事のまとめ
- 高齢ニートの増加は社会問題となっている
- 高齢ニートになってしまう理由は挫折や就職の失敗、仕事への意欲のなさなどがある
- 高齢ニートの懸念として就職の困難や経済的な苦境、孤独死などが挙げられる
- ハローワークやジョブステーションを利用することで高齢ニートからの脱却が目指せる
- 将来高齢ニートにならないように、若いうちから就職するのが大切
高齢ニートの方が就職を目指すのは、本人の心理的にも社会の評価的にも厳しい面があるのが現状です。このコラムでは高齢ニートが直面する問題や、今の状態から脱却する方法について解説します。また、高齢ニートの方におすすめの就職支援機関も詳しく紹介。現状を変えたい、自分にできることを見つけたいとお考えの方は、ぜひ目を通してみてください。
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高齢ニートとは?
高齢ニートとは、一般的に35歳以上のニートを指して用いられる言葉です。厚生労働省の「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」によると、ニートの定義は「15~34歳までの通学も家事もしていない働く意思のない若者」となっています。35歳以上で通学や家事をしておらず、働く意思のない人を通称として高齢ニートと呼ぶことがあるのです。
参照元
厚生労働省
ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書
高齢ニートの増加は深刻
高齢ニートが増加した背景には、1990年代半ばから2000年代前半にかけて起こったバブル景気の崩壊があります。バブルが崩壊したことにより、企業は新卒採用を大幅に抑制しました。高齢ニートの一部は、この時期に就職活動に失敗した人たちと考えられています。
また、就職していたものの、仕事上の失敗やプレッシャーに耐えられなくなり、仕事を辞めてそのまま高齢ニートになる人も増加しています。
加えて、2000年代に入ってから多様な働き方が認められるようになり、非正規雇用や派遣社員、フリーターとして仕事をする人が増えてきました。しかし、派遣切りや雇い止めにより仕事を失うケースが増加し、高齢ニートを増やす一因となっています。このような高齢ニートの増加は、近年懸念すべき社会問題になっているといえるでしょう。
総務省の「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均」によると、2012年から2022年の10年間、15歳から34歳の若年無業者の数は53万~69万人の間を推移していますが、人口に占める無割合に劇的な減少は見られません。
引用:総務省「労働力調査 図10 若年無業者及び 35~44 歳無業者の数及び人口に占める割合の推移」
また、2022年の35歳から44歳の無業者の数は36万人で、過去10年間と比較すると低水準であるものの、人口に占める無業者の割合は2.4%と、ほぼ変化がありません。若年ニートに対する対策が取られなければ、いずれ高齢ニートになってしまう可能性があるでしょう。高齢ニートについてもっと知りたい方は、「高齢になるとニート脱出は難しい?早めに抜け出すには」をご覧ください。
参照元
総務省
労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均
高齢ニートになる主な3つの原因
高齢ニートになってしまう原因はいくつかあります。若年ニートが高齢ニートになることもあれば、中年の方が急にニートになってしまうケースもあります。ここでは、高齢ニートになる原因について3つ考察します。
1.何らかの挫折を経験した
高齢ニートに限らず、ニートになってしまう人は何らかの挫折を経験しているケースが多いようです。たとえば以下のような理由でニートになってしまう方がいます。
- ・就職活動がうまくいかなかった
・就職したものの職場にうまくなじめなかった
・学生時代から不登校だったため就職活動ができなかった
・受験に失敗して意欲を失ってしまった
こうした問題を抱える可能性は誰しもありますが、ニートになってしまう人は挫折によって自信を喪失し、何かに挑戦する意思をなくしてしまったと考えられるでしょう。特に、打たれ弱かったり失敗の経験が少なかったりする人は、挫折経験から立ち直れない場合があるようです。
2.ただ単に働きたくない
高齢ニートになってしまう原因として、ただ単に働きたくないという理由が挙げられます。両親が裕福で優しく、自分が働かなくても何も言わないなどのケースでは、仕事をしなくても経済的な不自由さを感じないので働く意欲が湧かなくなってしまう方もいます。このケースに当てはまる高齢ニートの主な特徴は次のようなものです。
-
・無気力でやる気に乏しい
・内向的で他の人との関わりを持ちたがらない
・他の人へ依存しやすい
特に、学生のころから親への依存度が高く、一度も就業経験がないという方は、このケースに該当すると考えられるでしょう。
3.フリーターから正社員への転身に失敗した
高齢ニートになってしまう別のパターンは、年齢を重ねてから正社員になろうとしたものの、就職できなかったというものです。フリーターとして働いていた期間によっては、正社員になるのが難しくなることもあります。
労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書」によると、フリーター継続期間が1年以内の場合、その後、男女ともに6~7割ほどが正社員になれています。しかし、フリーター継続期間が長くなるにつれ、正社員になれる割合は減少傾向に。5年以上フリーターを続けると、男性4割、女性2割ほどしか正社員になれていないという実態があります。
男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合
フリーター継続期間 | 正社員になれた割合(男性) | 正社員になれた割合(女性) | 正社員になれた割合(男女計) |
---|---|---|---|
1年以内 | 74.7% | 64.6% | 68.8% |
1年~2年 | 64.2% | 58.8% | 61.2% |
2年~3年 | 68.9% | 47.5% | 56.6% |
3年~4年 | 69.0% | 55.8% | 61.1% |
4年~5年 | 51.4% | 28.8% | 37.9% |
5年以上 | 44.3% | 24.5% | 32.3% |
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213 2022 図表4-33 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合」
フリーターから正社員として就職できなかった結果、働く意欲を失ってしまい若年ニートあるいは高齢ニートとなってしまうケースが考えられます。ただし、身体的、精神的な病気や障がいにより仕事に就けず、障害者年金や他の支援を受けて生活している方も統計上は高齢ニートに分類されます。このように正当な理由がある方は例外と認識しておきましょう。
高齢ニートの方が就職するために利用できる施設について知りたい方は、「ニートが使える就労支援機関は?ひきこもりから就職する方法を解説」をご覧ください。
参照元
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
労働政策研究報告書 No. 213 2022 大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から-
高齢ニートの将来について
高齢ニートの中には「今後の生活が不安」「楽しみが少ない」という悩みをお持ちの方もいるでしょう。ここでは、高齢ニートの方が陥りやすい状況について具体的に見ていきます。
1.友人が減っていく
高齢ニートになると、友人が減っていくことが大きな問題です。高齢ニートの場合、他者との関わりを避ける傾向があり、友人と接する機会も少なくなります。特に、長い間高齢ニートを続けていると、友人たちとも話が合わなくなっていくことが考えられるでしょう。
友人の中には、会社で出世したり、高収入を得たりする人が出てくるかもしれません。家を建てたり、子どもが生まれたりして、キラキラした人生を送っているように見える場合もあります。高齢ニートのなかには、こうした話題についていくことが難しく、友人に対し引け目を感じて、1人でいる方が気楽になってくる人もいるようです。インターネット上で知り合いや友達を作ることもできますが、困ったときに助けてくれる人脈作りは難しくなるといえるでしょう。
2.働き口が少なくなる
高齢ニートを続けていると、働き口が少なくなる恐れがあります。企業は人材の価値を年齢で判断することも多く、同じスキルを持つ20代と30代であれば20代が採用される傾向が高いといえます。社会において、30代はすでに中堅どころであり、他の人に仕事を教える立場にいることも多いです。したがって、未経験の高齢ニートの場合、会社にとって雇用するメリットが少ないと判断されてしまうでしょう。高齢ニートは30代、40代と年齢を重ねるにしたがって、仕事の選択肢が少なくなっていくことが考えられます。高齢ニートになると魅力的な仕事がなかなか見つからないから働かず、働かないまま時間を過ごすことでさらに働き口が少なくなる、という悪循環に陥ってしまうことも懸念されます。
3.親に依存する生活になる
高齢ニートは、親に依存する生活に陥りがちです。たとえかつて正社員として働いていたとしても、ずっとニートとして生活していけるほどの貯金がある人はほとんどいません。数ヶ月、あるいは1年程度、貯金を切り崩しながら生活したとしても、最終的には親に頼って生活していくことになるでしょう。
親が定年を迎えても高齢ニートを続ける場合、親の年金収入を頼る生活となります。高齢期を迎えた親が、中年の子どもを養っていかなければならない「8050問題」が深刻化している背景にはこうした事情があると考えられます。親の年金収入だけでは暮らしていけない場合、定年後も親が高齢ニートを養うために働き続けなければならないでしょう。
4.結婚や子育てなどのライフイベントがない
高齢ニートの場合、結婚や子育てといったライフイベントとは無縁の生活を送る可能性が高いでしょう。高齢ニートは社交的な集まりに出ることが少なく、パートナーとの出会いもあまり期待できません。また、経済力や仕事への意欲がないので、結婚や子育ても現実的には厳しいといえるでしょう。高齢ニートの中には、こうしたライフイベントは自分に必要ないと感じる方もいますが、自分の肉親や友人が家庭を持っているのを見ると疎外感を感じることもあるようです。
5.親に頼れなくなると苦境に陥る
高齢ニートは親に依存した生活を送りがちですが、親がいつまでも助けてくれるわけではありません。通常は親が先になくなるので、自分で生計を立てなければならないでしょう。親の遺産があっても、ずっとニートを続けていくのは困難です。なかには、経済的に苦境に陥り、借家を出なければならなかったり、生活に困ったりするケースもあります。生活保護を受ける選択肢もありますが、資産や働ける能力があると見なされれば受給できません。加えて、親族から援助を受けられる場合にも生活保護の受給は難しいでしょう。
6.孤独死の危険性がある
高齢ニートの行く末として、孤独死も考えられます。孤独死とは、一人暮らしの方が誰にも看取られずに突発的な疾病によって亡くなることを指します。一人暮らしの高齢ニートの場合、命に関わる突発的な疾病があったとしても、誰にも気がついてもらえない可能性があります。また、死に至らずとも、病気や怪我の際に周囲のサポートが受けづらい状況も考えられるでしょう。
高齢ニートから脱却するための4つの方法
高齢ニートの方の中には、何とかして現状から抜け出したい、自分を変えたいと思っている人もいるでしょう。ニート歴が長くなると正社員雇用が厳しくなるため、できるだけ早く現状を打破することが望ましいです。ここでは、高齢ニートから脱却するために行える4つの方法をご紹介します。
1.自分の状況を受け止める
高齢ニートから脱却するための1つの方法は、自分が置かれている状況を受け止めることです。まずは、現状を変えなければならないことを自覚することが大切。今後の生活に必要なお金を具体的にシミュレーションしたり、実はやってみたかったことを書き出したりすると、現状を把握したうえで前向きな気持ちになれるでしょう。
2.粘り強く物事を行うことを学ぶ
物事を粘り強く行うことは、高齢ニート脱却の助けとなります。失敗を怖がるのは大きな問題ではありませんが、すぐにあきらめてしまうと物事を継続したり達成したりすることはできません。そこでまずは、自分ができそうなことにチャレンジしてみる方法があります。最初から大きな問題をすべて自分で解決するのは難しいですが、小さな達成感や成功体験を積み重ねていくことで粘り強さを身につけられるようになります。
3.自己肯定感を高める
高齢ニートから脱却するためには、自己肯定感を高めることも重要です。自己肯定感の積み重ねは、自信ややる気に繋がります。まずは、人より少しでも詳しいことや得意なこと、過去に人に言われてうれしかったことなどを紙に書き出してみるのがおすすめ。自分をポジティブに評価することで、自己肯定感が高まり新しいことに挑戦したいと思うようになるでしょう。
4.とにかく仕事を始めてみる
高齢ニートが現状を打破するための一番の近道は、「働くこと」です。今はさまざまな勤務形態があるので、自分が働きやすそうなものを選ぶことができます。いきなり正社員で働く自信がないのであれば、アルバイトから始めるのも一つの手です。最初は無理のない程度に働き、徐々にシフト量を増やしていくのも良いでしょう。
「在宅ワーク」も高齢ニートの方が始めやすい仕事の一つです。在宅ワークでできる主な仕事は、データ入力やライティング、文字起こし、アンケートモニターなど。なかには、人とほとんど関わらずにできる仕事や、自分の持っている知識を活かして行える仕事もあります。自分の性格やスキルに適したものだとチャレンジしやすいでしょう。
資格やスキルの習得を目指すのもおすすめ
職業訓練学校に通ってスキルを身につける方法もあります。職業訓練学校では、溶接や介護、建築など就職のために必要な知識や技術を身につけられます。基本的に授業料はかかりませんが、入校にあたって学力試験や面接があるので、本気で働きたい方におすすめです。
高齢ニートの就職を支援してくれる4つの機関
高齢ニートの方は、自分だけで仕事を探すのは難しいと思うかもしれません。しばらく社会との関わりを持ってこなかった場合には、そう思うのも無理はないでしょう。ここでは、高齢ニートの方の就職支援を行っている機関を紹介します。
1.ハローワーク
高齢ニートの方が仕事を探す際に利用できる期間の一つが、ハローワークです。求人情報が検索できるのはもちろん、どのような求職活動をすれば良いのか、履歴書はどのように書くのかなどの疑問にも答えてくれます。職業訓練や講習会、就職セミナーといった具体的な支援を行っているのもポイントです。自分が住んでいるエリアのハローワークは、厚生労働省のWebサイト内にある「全国ハローワークの所在案内」で検索できます。
参照元
厚生労働省
全国ハローワークの所在案内
2.地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション、通称「サポステ」は、15歳から49歳の男女が就労のために利用できる機関です。全国の各都道府県に合計170ヶ所以上も設置されており、多くの実績を上げています。利用は無料で、支援計画の作成やビジネスマナー講座、キャリアアドバイザーによる個別支援などが受けられます。少人数のグループによる作業なども体験できるため、仕事を始める前のリハビリがしたい高齢ニートの方にもおすすめです。
3.ジョブサロン・ジョブステーション
ジョブサロンやジョブステーションは、都道府県が主体となって設置している就職支援施設です。さまざまな名称で呼ばれています。たとえば「ジョブサロン」は35歳以上の男女を対象にしており、就職相談や業界情報の提供、講習の紹介などを行っています。一方、「ジョブステーション」は年齢制限なく利用でき、職業紹介やカウンセリング、各種セミナーの紹介などが受けられるようです。
4.就職エージェント
就職エージェントも高齢ニートの方が仕事を探すのに有用です。専門的な知識を持つアドバイザーが個別にヒアリングし、それぞれの希望や適性に合った求人を提案。書類の作成、面接対策なども行っているので、求職者にとって心強いでしょう。
もし、すでに高齢ニートになった方が就職先を探すのであれば、ニートの就職支援に注力しているサービスを選びましょう。また、過去に就業経験がある方は、スキル・経験を活かせる業界に特化した就職エージェントを選ぶのもおすすめです。
「将来高齢ニートになるのを避けたい…」「今すぐ就職したい!」という方は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、20代や30代のフリーター・第二新卒・既卒などの若年層向けの就職・転職サービスです。専任のアドバイザーが、仕事探しから内定まで一貫したサポートを提供します。未経験からの正社員就職に強みを持っているので、現在ニートの方にも手厚くサポートをし、就職まで支援させていただきます。サービスはすべて無料です。まずはお気軽にご連絡ください。
高齢ニートの方に向けたQ&A
ニートを卒業して働きたいのに、「働けるか不安…」「就職が怖い…」と感じて躊躇してしまっている人も多いでしょう。ここでは、高齢ニートの方が抱える悩みや疑問にQ&A形式でお答えします。
高齢ニートって何歳から?
明確な定義はありませんが、主に40代・50代の働いていない人を指します。
当コラムの「高齢ニートとは?」で先述したとおり、ニートは「15歳~34歳までの通学も家事もしていない若者」と定められており、35歳以上は「無職」という扱いになるようです。高齢ニートについては、「35歳以上のニートが就職するには?呼び方や定義をご紹介!」でも詳しく解説しています。ご一読ください。
高齢ニートが就職しやすい職業はありますか?
介護職・警備員・工場勤務・プログラマー・営業・接客業がおすすめです。いずれの業界も慢性的な人手不足が続いており、ニート期間が長くても比較的就職しやすい傾向があります。「ニートからの就職のコツを紹介!支援機関を使って就活を有利に進めよう」に、ニートが就職しやすい職種や就活のポイントがまとめられているのでご覧ください。
ニート期間が長く、社会復帰できるか心配です…。
まず目指すべきは心身ともに健康になることです。食生活や運動に気を配り、規則正しい生活を心がけましょう。次にリハビリ期間として、「確実にできそうな仕事」を探すのが社会復帰のためのポイントです。在宅ワークや単発のアルバイトなど、無理なくできそうな仕事から働く習慣を身につけていきましょう。脱ニートに関しては、「ニートを卒業する!おすすめのバイトと求人の探し方」でもまとめています。ぜひご覧ください。
どうやって仕事を探せばいいですか?
求人誌や求人情報サイトから探すこともできますが、就職支援サービスを利用するのも1つの手です。高齢ニートの中には、何をしていいのか分からないために動けない人も多いと思います。自分1人だけで頑張ろうとせず、業界に精通するプロの力を借りた方がより就職を実現しやすいでしょう。「ハタラクティブ」では、カウンセリングから書類の作成、面接対策に至るまで就活全般をサポートしています。お気軽にご相談ください。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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