大学を中退した理由は面接でどう伝える？履歴書の書き方や就活のコツを解説

「大学中退の理由は嘘をついても大丈夫？」「詳しい事情はできるだけ言いたくない」と、お悩みの方もいるでしょう。大学中退の理由は正直かつ簡潔に伝えるのがおすすめです。嘘をついて採用されても、入職後に発覚すれば問題になる可能性があります。このコラムでは、大学中退理由の面接での伝え方や履歴書の記載方法を例文付きでまとめました。大学中退後の就活のコツもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

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大学中退理由ランキング！1位は転学・進路変更

文部科学省「令和５年度学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」によると、大学・大学院・高等専門学校の学生が中退を決めた理由の1位が「転学・進路変更」でした。次いで、2位が「学生生活不適応・修学意欲低下」3位が「就職・起業等」という結果となっています。文部科学省の調査結果をもとに作成した、学生の中退理由ランキングは以下のとおりです。

参照：文部科学省「令和５年度学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」

なお、中退理由のランキングについては、「大学中退の理由ランキング！面接や履歴書での伝え方・書き方も紹介」で詳しくご紹介しているので、興味のある方はチェックしてみてください。

参照元
文部科学省
学生支援／学生の修学状況（中退者・休学者）等に関する調査

大学を中退した後の主な過ごし方

大学中退後の進路は、人によって異なります。ここでは、大学中退した方の主な過ごし方についてまとめました。

仕事をせずに過ごす

大学を中退した理由が病気やけが、精神疾患などによるものだった場合は、療養や休養を重視し仕事をせずに過ごす人もいます。また、学業が忙しく時間に余裕のなかった人のなかには、趣味や関心のあることに時間を割いて過ごす人もいるでしょう。

フリーターとしてアルバイトをして過ごす

大学中退後にはっきりとした進路が決まっていない場合は、フリーターとしてアルバイトをして過ごす人もいます。正社員として働くことに抵抗がある場合や、まだ就きたい職が決まっていないなどの理由からフリーターを選択する人もいるでしょう。アルバイト経験を将来活かしたいとお考えの方は、自分の関心のある職種や能力を活かせる業界で働くのがおすすめです。

ほかの大学や専門学校に通う

大学を中退した理由が、転学や進路変更によるものだった場合は、新たにほかの大学や専門学校に入学し、学び直す人もいます。大学を中退した後にほかの大学を卒業できれば、最終学歴が「大卒」になるため就活には有利でしょう。一方で、再度ほかの大学や専門学校に入学する場合、学費がかかるのがデメリットといえます。転学や進路変更を行う場合は、学費の支払いプランも確認しておきましょう。

資格取得に向けて勉強する

大学を中退後に就きたい仕事が決まっている場合は、関連する資格取得に向けて勉強する人もいます。資格を取得することで、応募条件を満たせる場合や就活で知識をアピールできるなどのメリットも。大学在学中は授業を受けていた時間を、中退後は資格の勉強に使えるため、集中して取り組めるでしょう。

就職活動を行う

大学中退後は、公務員試験を受けたり就職活動を行ったりする人もいるでしょう。公務員試験は、自治体によって条件が異なるものの高卒の方も受験可能です。そのため、大学中退後に目指す人もいるでしょう。また、早く社会人として働きたい方は、中退後すぐに就職活動を行う場合もあります。大学中退後すぐに就職活動を行えば、空白期間が生まれにくくなるためおすすめです。

大学中退後の公務員の目指し方については、「大学中退者は公務員になれる？面接の通過方法や給料事情をご紹介！」のコラムで解説しています。ぜひご一読ください。

大学中退の理由を伝える際に嘘はつかないほうがいい？

大学を中退する際や就活をする際に、「大学中退の理由」を隠したいと思う人もいるでしょう。しかし、退学に至った背景や理由は嘘をつかず正直に伝えることが大切です。もちろん、答えられる範囲でかまいません。不安な方は、下記を参考に中退理由の伝え方を考えてみてください。

大学側には中退理由を詳しく説明する必要はない

大学を中退する場合、所属する学校の学生課へ「退学届」を提出するのが一般的で、複雑な手続きはありません。中退の意向を伝えた際に、教授や職員から引き止められる人もいます。しかし、大学を中退するかどうかを決めるのは自分自身です。中退理由を詳しく説明する決まりはないので、簡単に説明するだけでも問題ないでしょう。

退学届は学生課から受け取り、必要事項を記入したうえで提出します。大学から退学を受理されたときに受け取れる「退学証明書」は、その後の就活で必要になる場合があるため、大切に保管しておきましょう。

大学中退理由で嘘をつくのは就活の際にリスクがある

就活で大学中退の理由に嘘をつくのは、経歴詐称などの疑いを掛けられるリスクがあるため避けましょう。軽犯罪法の「第一条十五」には、学位を詐称した場合、拘留または科料に処すると定められています。そのため、大学を中退したにもかかわらず、履歴書の学歴欄に「卒業」と嘘を記せば学歴を詐欺したことになり、罪に問われる可能性も。学歴を偽っていたことが入社後に判明した場合、懲戒処分を受けることにもなりかねません。

詳しく知りたい方は、「大学中退を履歴書に書かないとバレる？好印象を与える書き方や例文を紹介」のコラムをご参照ください。

参照元
e-Gov法令検索
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大学中退理由を履歴書に書く際のポイントは？

履歴書の学歴欄には、大学中退の経歴と一緒に理由を書いておくのがおすすめです。大学中退の理由が何も書かれていない場合、履歴書を見た採用担当者に「なぜ中退したのだろう」と疑問を抱かれる可能性があります。また、担当者によっては「何か書きたくないことがあるのか」「書き忘れたまま履歴書を見直していないのでは」のように考え、採用を見送ってしまうこともあります。書類選考を通過するためにも、大学中退の理由は簡単に書いておくようにしましょう。

大学中退理由の基本的な書き方の例

大学を中退した場合の、学歴欄の記載方法は以下のとおりです。大学中退の理由は、「中途退学」の右側か一つ下の行に書きましょう。

大学中退理由の前向きな書き方の例

大学中退の理由が「留学」「転学」「就職」など、目的をもったポジティブな内容である場合の例は以下のとおりです。

• ・海外留学をして英語習得をするため退学
• ・△△の分野への転学にともない退学
• ・正社員として就業したいと考え退学

留学をしていた場合は、以下の図表を参考に期間、勉強していた国についても記載しましょう。退学理由のあとに、カッコ書きで記載すればOKです。また、資格欄にTOEICの点数や英検の級数など英語の能力レベルを証明できる資格を記載すると、採用担当者も納得しやすくなります。転学した方は、その後の学歴も記しておきましょう。

大学中退の理由が前向きな理由だった場合の書き方は、以下の図表をご参照ください。

中退理由がやむを得ない事情だった場合の書き方の例

大学中退の理由が「経済的理由」「親の介護」「病気の治療」といった、やむを得ない事情だった場合も、基本的には前項でご紹介した書き方で問題ありません。自分ではどうすることもできない理由がある場合は、下記を参考に大学中退の理由を書いてみましょう。

• ・経済的な事情により退学
• ・親の介護が必要となり退学
• ・△△（病名）の治療が必要となり退学
• ・一身上の都合により退学

親の介護や病気により大学を中退した場合は、現在の状況についても書いておくのがおすすめです。介護や病気の治療が現在も続いていれば、採用側から「仕事に支障が出ないか」を懸念される可能性があります。

病気が理由で退学した方は「現在は完治し、勤務への支障はありません」、介護が理由で辞めた方は「現在は介護施設に入所中のため、介護の必要はありません」のように、現状を簡単に記載しましょう。また、どうしても言いにくい事情の場合は、「一身上の都合により退学」としてもかまいません。

大学中退の理由がやむを得ない事情だった場合の書き方は、以下のとおりです。

中退した場合の履歴書の書き方は、「最終学歴が中退の場合は履歴書にどう書く？学歴別に書き方を紹介します！」のコラムでもご紹介していますので、チェックしてみてください。

大学中退の理由を面接で聞かれたときの対策のコツ

面接で大学中退の理由を聞かれたときは、前向きに回答することが大切です。以下で、大学の中退理由を答えるコツをご紹介するので、しっかりと対策をして面接に備えましょう。

よくある質問の答えは事前に用意しておく

面接で聞かれる可能性のある質問に対する答えは、事前に準備しておきましょう。大学中退に後ろめたさを感じている場合は、面接で理由を問われたときにとっさに回答できないことも。中退理由を聞かれたときにその場でうまく伝えられなければ、「何か隠しているのでは？」という疑念が生じ、採用を見送られてしまう恐れがあります。面接の前には適切な答えを準備したうえで、繰り返し受け答えの練習をしておきましょう。

空白期間については前向きな挑戦や努力の結果を伝える

大学中退後に空白期間がある場合、面接の際に「中退した後は何をしていたのか」と聞かれる可能性があります。空白期間について回答する際は、できるだけ充実した時間を過ごしていた旨を伝えられるようにしましょう。たとえば、「社会人として人の役に立てるようボランティア活動を行っていた」「以前から関心のあった△△の分野に関する勉強をしていた」など、前向きに努力していたことが伝わる内容がおすすめです。

大学の中退理由は嘘をつかずに正直に伝える

大学中退の理由によっては正直に言いづらく、「留学のため」「△△の分野を学ぶため」のように嘘をつきたくなることもあるでしょう。冒頭でお伝えしたように、大学中退の理由は正直に説明することが大切です。
嘘をつくと、詳細を聞かれたときに言葉が出なかったり、話が矛盾したりしてしまいます。回答内容に矛盾が生じないよう、はじめから正直に伝えましょう。

ネガティブな中退理由はポジティブな内容に変換する

中退理由がネガティブな内容の場合、できるだけポジティブな表現に言い換えることが大切です。たとえば、「学校の勉強についていけなかった」という理由は、「早く社会に出て働くほうが自分に合っていると考えた」といった前向きなアピールにつなげて伝えましょう。

大学を中退したことへの反省点を盛り込む

大学中退に至った理由が学業不振や人間関係に対する不満のようにネガティブな内容であった場合は、失敗を認め反省しその経験を今後に活かしていく決意を述べましょう。過去の失敗を繰り返さない覚悟と前向きな考えを示すことで、「入社してもすぐに辞めるのではないか？」という企業の不安を払拭できます。
大学を中退したことに対する後悔や反省点については「大学を辞める理由や後悔したことは？中退後のメリットとデメリットを解説！」のコラムでご紹介していますので、ぜひご一読ください。

大学中退の理由を就職面接で答えるときの例文

ここでは、面接で大学を中途退学した理由を聞かれた際の具体的な回答例をまとめました。今後面接を受ける予定がある方は参考にご覧ください。

経済的な理由に関する例文

「家庭の経済的な理由から学費の支払いが難しくなり、退学しました。大学中退となり卒業できなかった悔しい思いはありますが、今後は社会人として働き家族を支えられるよう前向きに頑張っていきたいと思います。」

学業不振が原因だった場合の例文

「アパレルショップでのアルバイトに熱中して単位を落としてしまい、大学中退となりました。学業と両立できなかったことは反省しており、これからは物事の優先順位を考えて行動したいと思っています。ただ、お客さまに商品を提案するアルバイトは非常にやりがいがあり、営業の仕事をしたいと考えるきっかけになりました。」

大学が合わずに退学した場合の例文

「入学前の下調べが足りず、入学後に自分がやりたい勉強ができないことが分かり退学しました。この経験から、就活では自分の適性や性格を分析し企業や職種について詳しく調べることを意識しました。また、入社後のギャップを防ぐためにも、自己分析を行いどのような仕事で自分の能力を発揮できるかを考え、就活を進めることができました。」

精神的な理由で大学を中退した場合の例文

「学業とアルバイトの両立で多忙を極め、精神的に不安定になってしまい退学しました。責任感が強い性格のため『自分がアルバイトを休むと周りに迷惑がかかる』と考え、無理をしてしまいました。退学後はすぐに回復し、現在は心身ともに健康で問題なく働ける状態です。」

大学中退を経験した場合、中退理由だけでなく自己PRなどに迷う場合もあるでしょう。「大学中退者の自己PRの書き方を例文付きで紹介！面接での伝え方も解説」では、大学中退者に役立つ自己PRの書き方や伝え方を紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

「大学中退は人生終了」ではない！就活の3つのポイント

大学中退から就活を成功させるには、いくつかのポイントがあります。ただやみくもに就活を進めるだけでは時間がかかってしまう恐れがあるので、下記のポイントを参考に計画的に進めるのがおすすめです。

1. 学歴不問・ポテンシャル採用の求人を狙う

大学を中退した方は、学歴不問やポテンシャル採用の求人が狙い目です。企業によっては、「年齢が若い人材を採用して自社で一から育てたい」と考えているところもあるため、スキルがない状態から採用される可能性もあります。
一定の経験やスキルを身につけ自分の市場価値を高めていけば、将来転職を有利に進めることも可能です。まずは今の自分が挑戦できる求人で、経験値を上げましょう。

2. 就職先の業務に役立つ資格を取得する

大学中退者が就職活動を有利に進める手段の一つが、資格の取得です。資格を取得する際は、応募先での業務に役立つ資格をおすすめします。たとえば、不動産業界なら「宅地建物取引士」、経理の仕事なら「日商簿記検定試験2級」が役立つでしょう。
ただし、資格取得に時間を費やし過ぎないよう、就職活動を見据えて取り組むのが望ましいといえます。求人情報や企業のWebサイトをチェックし、目指す職種に資格は必要なのかを確認しましょう。

3. 就職・転職エージェントを活用する

大学を中退すると、在学生向けの就職支援を受けるのが難しくなります。基本は1人で就職活動を進める形になるため、不安を感じることもあるでしょう。「就活がうまくいかない」、「1人で進めるのは不安」だと感じる大学中退者は、就職・転職エージェントでアドバイスをもらいながら仕事を探すのがおすすめです。専任の担当者がカウンセリングから求人提案、選考対策までフォローしてくれるので、初めて就職活動する方にとって心強い存在になるでしょう。

就職・転職エージェントのハタラクティブでは、大学中退者への就職支援を行っています。専任のキャリアアドバイザーがカウンセリングを行い、就職活動に対する不安や職場の希望をヒアリングしたうえで、適性に沿った求人をご提案。面接の日程調整や選考対策などを一貫してサポートします。
大学中退の理由の説明方法が分からない方には、企業が納得する理由の伝え方もアドバイスすることが可能です。所要時間1分程度でできる、性格から分かる適職診断もおすすめなので、ぜひ試してみてください。
ハタラクティブを使った内定までの期間は1ヶ月程度が目安です。最短2週間程度という場合もあるので、プロの指導で効率よく就職活動を進めたい方は、ご相談ください。

大学中退に関するよくある質問

ここでは、大学中退者からよくある質問やお悩みについてQ&A方式でご紹介します。「大学を中途退学しようか悩んでいる」「大学中退者の就職活動について知りたい」という方はチェックしてみましょう。

大学中退者も就職できる？

もちろん就職できます。「中退」の学歴に不安を感じる方もいるでしょう。しかし、大事なのは仕事に対する意欲やポテンシャルです。特に、大学を中退したばかりの若い年齢の方は、若手を必要とする企業からの需要が高く、就職先の選択肢も豊富にあるので前向きに就活を進めましょう。中退後の進路については、「大学中退者の将来はどうなる？その後の進路をご紹介」のコラムでも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

大学を中退して進路変更は可能？するのは避けたほうがいいですか？

明確なビジョンがあれば、大学卒業を目指さず進路変更をしても問題はありません。ほかの大学に再入学したり、学歴を必要としない企業でいち早く経験を積んだりするなど、目的が定まっていれば工夫して乗り越えていけるでしょう。ただし、「なんとなく辞めたい」といったあいまいな事情で大学を中退するのは避けたほうが無難です。これからの進路を考えるなら、「大学中退後の進路とは？メリットとデメリットや就活成功のコツを解説」でも、大学中退者の就職事情について詳しくご紹介しているので、ぜひご参照ください。

大学中退で後悔しないためにはどうすればいい？

大学中退後に何をするのかをよく考えてから決めましょう。大学を中退してから、「学位を取得しておけばよかった」「新卒向けの求人に応募しにくい」「なんとなくフリーターになったけどこの先の方向性が分からない」といった理由で後悔する方も少なくありません。大学中退の選択は自由です。後悔しないためにも中退後の進路についてよく考えることをおすすめします。大学中退を迷う方は、「大学中退は後悔する？ポジティブな捉え方や就職への影響を紹介」も参考にしてみてください。

大学中退の経歴は就職活動で不利になる？

企業の判断によっては、不利になる場合もあるでしょう。理由は、大学を中退したことにより、「入社してもすぐに辞めてしまうのでは？」と企業から懸念される可能性があるからです。また、最終学歴は「高卒」になるため、大学新卒向けの求人に応募しにくくなることも考えられるでしょう。
就活についてお悩みの方は、ハタラクティブがサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。