ブラック企業とは?厚生労働省による定義の有無についても解説

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この記事のまとめ

  • ブラック企業とはという問いに対して、厚生労働省による明確な定義はない
  • 一般的にブラック企業と呼ばれる企業には5つの特徴がある
  • ブラック企業を見分けるには、求人情報や口コミなどが参考になる
  • ブラック企業に入社してしまったら、無理をせず転職を

「ブラック企業とはどんなところ?」「厚生労働省など公的機関による基準はないの?」と疑問に思う人も多いことでしょう。就職先や転職先を探すうえで、労働環境が過酷なイメージがつきまとうブラック企業を避けたいと思うのは当然のこと。

このコラムでは、ブラック企業に関する厚生労働省での基準の有無や、ブラック企業の主な5つの特徴を中心に解説します。

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ブラック企業とは?厚生労働省による基準の有無

ブラック企業は、厚生労働省による明確な基準はありません。
厚生労働省の「ブラック企業ってどんな会社なの?」では、「ブラック企業」について定義していないものの、一般的な特徴として以下を挙げています。

・労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
・賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど、企業全体のコンプライアンス意識が低い
・このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

ブラック企業の特徴については、次項で詳しく説明します。

参照元
厚生労働省
ブラック企業ってどんな会社なの?|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合相談サイト

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ブラック企業の5つの特徴

ここでは、一般的にいわれているブラック企業の特徴を5つご紹介します。

1.長時間労働が常態化している

分かりやすいのが、長時間労働です。

1.月45時間以上の時間外労働

月45時間以上の時間外労働は、労働基準法第36条第4項により禁止されています。このラインを超えた長時間労働が常態化している企業は、ブラック企業の可能性があるでしょう。

残業や休日出勤など、企業が従業員に対して法定労働時間以上の労働を命ずる場合は、事前に締結した36協定(サブロク協定)を労働基準監督署へ届け出をする必要があります。36協定は、労働基準法第36条第1項によるものです。

参照元
e-GOV法令検索
労働基準法

2.月80時間以上の時間外労働

月80時間以上の時間外労働は、「過労死ライン」と呼ばれています。根拠となるものが、厚生労働省の、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」です。

この基準では、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの血管性病変に関して「発症前1ヶ月間に約100時間」、「発症前2~6ヶ月月間にわたって、1ヶ月当たり約80時間」を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされています。

過労死ラインを超えた時間外労働が常態化している企業は、ブラック企業の可能性がより大きいといえるでしょう。過労死ラインに関しては、「残業80時間は危険!過労にならないためにできること」でも紹介しているのでご一読ください。

参照元
厚生労働省
血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について

2.正当な賃金が支払われない

最低賃金法第4条では、使用者は、国が定めた最低賃金以上の賃金を支払わなければならないとされています。
また、同法第9条では、地域別の最低賃金が設定されているのです。

以下に、都道府県別の最低賃金表を示しました。

都道府県最低賃金時間額発効年月日
北海道920円令和4.10.02
青森県853円令和4.10.05
福島県858円令和4.10.06
東京都1,072円令和4.10.01
神奈川県1,071円令和4.10.01
愛知県986円令和4.10.01
大阪府1,023円令和4.10.01
福岡県900円令和4.10.08
沖縄県853円令和4.10.06

引用:厚生労働省 「厚生労働省地域別最低賃金全国一覧

従業員の賃金が最低賃金を下回っていることは、そもそも違法であり、ブラック企業である可能性が高いでしょう。

参照元
e-GOV法令検索
最低賃金法
厚生労働省
厚生労働省地域別最低賃金全国一覧

3.休日が少ないもしくは有給休暇を取得できない

休日が少ないことも、ブラック企業の特徴です。1日8時間労働で週休2日制の企業の場合、休日が年間120日未満は危険といわれます。1年間を52週とすると、計算上では2日×52週=104日。これに夏季休暇や年末年始休暇などを合わせると、約120日の休日となるからです。

ブラック企業と休日の少なさに関しては「仕事で休みがない…ブラック企業かも?」のコラムでも解説していますので、合わせて読むことをおすすめします。

また、有給休暇が取れない状況は労働基準法違反です。労働基準法第39条では、「6ヶ月以上継続勤務して、全労働日の8割以上出勤したものに年次有給休暇を与えること」としています。加えて、2019年には労働基準法が改正され、年次有給休暇が10日以上付与される労働者については年次有給休暇を年5日取得することが義務付けられました。

有給休暇は、繁忙期など特別な場合を除き、労働者が請求する時期に与えることとされています。つまり、希望する時期に有給休暇を取れない場合もブラック企業の可能性が大きいでしょう。

参照元
e-GOV法令検索
労働基準法
厚生労働省
年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説

4.ハラスメント行為が横行している

職場内でハラスメント行為が横行しているのも、ブラック企業の特徴です。主なハラスメント行為としては、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)が挙げられます。パワハラとは、自分より立場が弱い人を、業務の適正な範囲を超えて言葉や行動などで威圧し、精神的・身体的苦痛を与える行為のことです。

職場のパワハラに関して、厚生労働省の「パワーハラスメントの定義について」では以下の6つに分類しています。

・身体的な攻撃(殴ったり蹴ったりする、物を投げつけるなど)
・精神的な攻撃(人格を否定する発言をするなど)
・人間関係からの切り離し(1人だけ別室で仕事をさせるなど)
・過大な要求(能力や経験以上の業務を強制するなど)
・過小な要求(本来業務を取り上げるなど)
・個の侵害(プライベートを詮索するなど)

パワハラについては、「パワハラ対策に有効な手段とは?ハラスメントの原因や対処法を徹底解説」のコラムでも詳しく紹介しています。合わせてお読みください。

セクハラとは、性的な言動で職場内の他者を不快にさせることです。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

・性的事実をたずねる
・性的な噂を流す
・食事やデートにしつこく誘う
・誘いを拒否した人に業務上の不利益を与える

男性から女性に向けての行為に限らず、女性から男性、男性から男性、女性から女性に向けての行為もセクハラに該当すると覚えておきましょう。

マタハラは、妊娠・出産・育児に伴う不当な扱いや嫌がらせ行為です。主な例は以下のとおりです。

・産前休業の取得を申し出たところ、「休むなら辞めてもらう」と退職勧奨をする
・職場に妊娠を報告したところ、「なぜ忙しい時期に妊娠したのだ」という言動をする
・育児時間取得や短時間勤務中の社員に「子どもがいると早く帰れていいですね」という言動をする

パワハラ、セクハラ、マタハラといったハラスメントは、働く人に大きな苦痛を与える行為です。自分の職場でこのような行為がないか、今一度見直してみましょう。

参照元
厚生労働省
パワーハラスメントの定義について

5.不当な人事がある

「この人が気に入らない」という感情的な理由で退職を促したり、パワハラを利用して自分から辞めるように仕向けたりするのも、ブラック企業の特徴です。
逆に、退職届を出しても退職できないのもブラック企業の特徴といえるでしょう。

ブラック企業とは?厚生労働省公表事例から考える

厚生労働省は、2017年5月以降、労働基準関係法令違反の疑いで送検された企業の一部を「労働基準関係法令違反に係る公表事案」としてWebサイトで公表しています。

公表日違反法条事案概要その他参考事項
R4.9.7労働基準法第24条労働者1名に、違法な時間外労働を行わせたものR4.9.7送検
R4.12.15労働基準法第24条労働者9名に、4ヶ月間の定期賃金合計約1千250万円を支払わなかったものR4.12.15送検
R5.2.21最低賃金法第4条東京都最低賃金の適用を受ける労働者に対して、東京都最低賃金以上の賃金を支払わなかったものR5.2.21送検
R5.2.28労働基準法第20条労働者を即時解雇するにあたり、30日分以上の
平均賃金を支払わなかったもの
R5.2.28送検
R5.3.2最低賃金法第4条東京都最低賃金の適用を受ける労働者に対して、東京都最低賃金以上の賃金を支払わなかったものR5.3.2送検

引用:厚生労働省 「労働基準関係法令違反に係る公表事案

労働基準法以外の違反事例もありますが、ここでは労働基準法と最低賃金法違反事例をまとめました。

参照元
厚生労働省
労働基準関係法令違反に係る公表事案

ブラック企業はどうやって見分ける?

苦労して入った会社がブラック企業だった…とならないためにも、応募をする前に労働条件や給料形態に曖昧な部分がないか、きちんと求人情報を確認しておきましょう。少しでも疑問に思う点があるなら、それを明らかにしてからでも遅くはありません。

求人情報だけでは分からない場合、求人を出している頻度にも着目してみましょう。常に求人を出している企業は、ブラック企業の疑いがあります。労働環境が過酷なため離職率が高く、人手不足の状態が続いていると考えられるからです。しかし、人員増員のために求人を頻繁に出している企業もあるので、求人の掲載頻度だけで見分けるのは難しいかもしれません。

「やりがいがある」「成長できる」などの文言が求人情報に多用されている企業も要注意です。ブラック企業特有の過酷な業務を、ポジティブに転換している可能性があります。

面接して、その場で採用を言いわたすような企業も注意が必要です。「明日から働ける?」といった人手不足を感じさせるような質問にはすぐに返答せず、十分に検討してから返答しましょう。

実際に働いた人の口コミをインターネットでチェックするのも、有効な手段です。インターネットにはさまざまな情報があるので、新聞やニュースなど、多くの情報を集め客観的に判断しましょう。

ブラック企業を見分けたい方は、「ブラック企業の見極め方は?求人から分かることや面接で注意すべきポイント」のコラムも合わせてお読みください。

入社したらブラック企業だった!そんなときは?

最大限の注意を払ったにも関わらず、就職先がブラック企業だった場合にはどうすれば良いのでしょうか。

選択肢としては、いくつか挙げられます。

・労働環境改善のために動く
・転職する
・未払賃金や損害賠償を請求する

労働環境改善のために動く場合は、会社の上司や相談窓口、労働組合、労働基準監督署に相談することになります。ただし、確実に労働環境が改善されるとは限りません。そして、解決までには長い時間を要する可能性が高いでしょう。

「せっかく入ったのだからがんばりたい」と思う気持ちも分かりますが、無理をして体調を崩してからでは取り返しのつかないことになる恐れがあります。できるだけ早く、転職に向けて行動することをおすすめします。

未払賃金や損害賠償請求を行う場合は、弁護士に相談するのが有効です。なお、退職届を出しても受理されずこじれてしまった場合も、弁護士に頼ると良いでしょう。

安心できる再就職先を見つけるには

前項では、ブラック企業に就職してしまった場合、転職することをおすすめしました。しかし、「またブラック企業だったらどうしよう…」と、転職に対して前向きな気持ちが持てない人もいるでしょう。

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