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無能な働き者とは?よくある特徴や該当しないために心掛けるポイントを解説
更新日
この記事のまとめ
- 「無能な働き者」「有能な怠け者」「有能な働き者」「無能な怠け者」の4タイプがある
- 無能な働き者は自己判断で勝手に行動する特徴がある
- 無能な働き者にならないためのポイントは、周囲への感謝の気持ちを忘れないこと
- 無能な働き者にならないために謙虚で素直な気持ちを心掛けよう
「無能な働き者と思われていないか心配…」と不安に思っている人もいるでしょう。ゼークトの言う「無能な働き者」には、正しい判断力や行動力が備わっていないのにもかかわらず、自己判断で行動してしまう特徴があります。また、自己を過大評価し謙虚な姿勢を忘れている人も「無能な働き者」に該当するようです。
このコラムでは、無能な働き者の特徴を詳しくご紹介。働くうえで心掛けるべきポイントを押さえましょう。
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無能な働き者とは?ゼークトの組織論における4つの分類
「無能な働き者」とは、ドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークトの唱えた組織論に出てくる言葉です。ゼークトの組織論は、軍人を4つのタイプに分けました。ゼークトによると、組織にいる人間は4つのタイプ「無能な働き者」「有能な怠け者」「有能な働き者」「無能な怠け者」に分類されます。
以下で、それぞれの詳しい特徴を確認しましょう。
無能な働き者
ゼークトの言う「無能な働き者」とは、正しい判断力や行動力が備わっていないにもかかわらず、勝手な判断で行動してしまう人を指します。このような人が動き回ると、間違った判断によりミスや損害が大きくなり、組織そのものにダメージを与える恐れがあるでしょう。
しかし、「無能な働き者」に該当する人は善意で行動しているため、仕事でトラブルを起こした場合、責任から逃れようとする可能性も。そのため、起こしたトラブルの後始末や対応に、ほかの人が巻き込まれてしまうこともあるでしょう。
有能な怠け者
「有能な怠け者」は、判断力と行動力があり、マネジメント能力も優れているのが特徴です。物事を俯瞰で捉える能力が長けており、一人ひとりの役割を見極めて適材適所に人員を配置できます。
他者に指示を出して成果を挙げられる様子から、「有能な怠け者」と呼ばれているのでしょう。
有能な働き者
「有能な働き者」は、有能な怠け者と同様に判断力も行動力も備わっており、働き者であるがゆえに、自身で仕事をこなすところが特徴です。そのため、人に指示を与える仕事よりも人に指示を与える人をサポートする、いわゆる参謀や政策秘書のような立場での仕事が向いているでしょう。
無能な怠け者
「無能な怠け者」は、判断力や行動力がなく、自身で考えて行動することが少ないところが特徴。一見、会社や組織にとって不都合な存在のように感じられますが、ゼークトは「そうではない」と説いているようです。
ゼークトの分類する「無能な怠け者」は、職務を与えられると仕事はきちんとこなし、軍隊では兵士として活用できるといいます。物事を勝手に判断し行動を起こすことなく、扱いやすい社員であるといえるでしょう。
無能な働き者については、「『やる気のある無能』って?特徴や自分はどのタイプか確認しよう」でも詳しくご紹介しているので、あわせてご一読ください。
無能な働き者によくある7個の特徴
「無能な働き者」と思われる人の特徴として、「自己判断で作業する」「報告・連絡・相談を怠る」などが挙げられます。自分が無能な働き者にならないよう、以下でどのような特徴があるのかを掴んでおきましょう。
1.自己判断で作業して同じミスを繰り返す
「無能な働き者」の特徴には、上司や先輩社員に確認を取らず、勝手な自己判断で仕事を進めてしまう点が挙げられます。また、自己判断で作業してしまい、指示されていない仕事までやろうとしてしまう傾向もあるようです。
与えられた本来の仕事も完璧にできていない状態で、自ら仕事を増やしてしまうと、仕事効率を落としてしまったり、ミスをしてしまったりする可能性があります。また、失敗から学ばず、同じような内容のミスを繰り返してしまうという悪循環が起こる場合もあるでしょう。
2.報告・連絡・相談を怠る
「無能な働き者」と思われやすい人には、報告・連絡・相談を怠ってしまうといった特徴もあります。また、「無能な働き者」に分類される人は、これらのタイミングを正しく判断できず、大きなトラブルに発展してから相談したり、一人で問題を抱え込んだりするなど、対応が後手にまわりがちな特徴もあるようです。
組織で働くうえでは、上司へ業務の進捗状況を報告したり、必要に応じて同僚同士で小まめに連絡を取り合ったり、仕事の進め方に迷ったときは誰かに相談するのが社会人としての基本です。報告・連絡・相談は、通称「ほうれんそう」とも呼ばれており、これが出来ないと「無能な働き者」と思われてしまう可能性があるでしょう。
3.自己評価が高く謙虚な姿勢が見られない
ゼークトの言う「無能な働き者」には、自己評価が高く謙虚な姿勢が見られないという特徴があります。人によっては、「自分は有能だ」と思い込んでいることもあるようです。そのため、「自分は他者より多くの仕事を任されるべきだ」「高く評価されて当然」と思ってしまい、謙虚な姿勢が見られなくなります。
4.責任感が薄くミスをしたときに認めない
仕事でミスをしたり、思うような結果を得られなかったりした場合、「自分は悪くない。周囲の人のせいだ」と、責任転嫁する人もいるようです。そのような振る舞いによって、周囲からの信頼が得られなくなる可能性もあるでしょう。
5.報酬や周囲に不満を持ちやすく他責的である
報酬や周囲に対して不満を持ちやすいという点も、「無能な働き者」の特徴といえるでしょう。前述したとおり、無能な働き者と呼ばれる人には自己評価が高い特徴があります。
ただし、あくまでも自己評価であり、周囲からの評価は低い場合も。その評価のギャップから、「自分は正当に評価をされていない」と感じ、報酬や周囲に不満を持ってしまいます。また、仕事で思うように結果が出ない場合も、自分の責任ではないと考え、周囲に対して不満を抱く場合があるでしょう。
6.効率よりも「長時間働く」ことを重視している
「無能な働き者」といわれる人のなかには、業務をこなす能力が乏しいことが原因で、長時間労働になっている人もいるようです。本人にその自覚がないと、作業効率を見直すよりも長時間働くことを重視する場合があります。
常に他者よりも長い時間仕事をしていると、「自分のほうが努力している」といった意識が芽生える人もいるでしょう。しかし、周囲からは「いつも長時間働いているが、成果が伴っていない」と思われている可能性もあります。
7.仕事を溜め込みがちで業務が中途半端になる
計画性がなく仕事が中途半端になりがちな点も、「無能な働き者」の特徴です。言われるがままに次々と業務を引き受けてしまい、スケジュール管理が追いつかず納期に間に合わないこともあるでしょう。また、確認が甘く、重要な箇所の見逃しや初歩的なミスをしてしまう場合もあるようです。
無能な働き者の特徴は、「『無能な人』と思われがちな場合の特徴は?話し方や生き方にも現れる!」でもご紹介しています。
無能な働き者にならないために心掛ける8つのこと
無能な働き者にならないためには、「自分の仕事に自覚を持つ」「仕事の優先順位を考える」といったことを心掛けましょう。ここでは、8つのポイントを解説します。
1.自分の仕事に自覚を持つ
自分に与えられた仕事の内容と、どのようなことが求められているのかを把握しましょう。
先述したように、「無能な働き者」の特徴には、自己判断で仕事を進めてしまう点が挙げられます。自己判断で長時間労働をしたり、頼まれていない仕事を引き受けたりすることを「仕事ができる人だ」と考える人もいるでしょう。しかし、そういった行動がチームや組織に迷惑をかけている場合もあるのです。
自分に与えられた仕事に自覚を持ち、求められたことを完璧にこなすよう意識をすれば、無駄な仕事を抱え込まずに済むので作業効率が上がり、仕事の質を高められるでしょう。
2.仕事の優先順位を考える
与えられた仕事は、「何をいつまでに完了させる必要があるのか」を考え、優先順位を明確にしておくことが大事です。
「無能な働き者」とされる人は、多くの仕事を抱え込み、自ら苦しい状況を作ってしまう特徴があります。1つのタスクに対する作業時間や重要度を見極めたうえで優先順位をつけ、期限内に完了できるようスケジュールを組みましょう。
今やるべきことが把握できれば、仕事の効率も上げられます。
仕事の優先順位をつける際のポイントは、「ある法則から仕事の優先順位を決めると業務効率UP!」のコラムで触れているので、あわせてご覧ください。
3.自分で判断できないことは上司に確認する
仕事をするうえで少しでも迷いや不安がある場合は、上司に自分の判断が間違っていないか、偏っていないかを確認しましょう。
ゼークトの組織論では、「無能なことが害なのではなく、無能なのに行動力があることが害だ」としています。業務を進める際に必要な相談をせず、自己判断で行動することが危険であると認識し、少しでも迷いや不安がある場合は上司に相談しましょう。
4.周囲に協力を求める
仕事は1人で進めようとするのではなく、周囲へ協力を求めましょう。
「無能な働き者」は自己評価が高く、問題や課題を自分だけで解決しようとする特徴があります。周囲に協力を求めず自己判断で作業を進めると、思わぬトラブルに発展する可能性も。そのような事態を避けるためにも、ときには周囲の人に頼ることも大事です。
5.こまめな報告・連絡・相談を心掛ける
業務中は、こまめな報告・連絡・相談を心掛けることが大事です。仕事は多角的な視野で見たほうが失敗は少ないもの。他者に伝えると自分1人では見落としてしまいがちなミスに気付けたり、新たな発見を得られたりします。
チームで一つのゴールを達成するためにも、こまめに連絡を取り合い、周りの人の意見を参考にしましょう。また、事後報告にならないよう、早めの報告・連絡・相談を心掛けることも大切です。
6.失敗を人のせいにせず素直に認める
失敗をしたときは素直に認め、人のせいにしないようにしましょう。失敗を認めることには勇気が必要です。なぜ失敗したのかを振り返り反省することで、次の成功につなげられます。
ごまかして隠したり人のせいにしたりすると、本質を見失ってしまう可能性も。失敗してしまったときは素直に反省し、同じ失敗を繰り返さないよう意識しましょう。
ミスを繰り返さないように原因を洗い出そう
仕事でミスをしてしまった場合、同じ過ちを繰り返さないよう、原因と今後の対策を考えることが大切です。業務上のミスは誰にでも起こり得ます。だからといって、放置しても良いわけではありません。単純なミスや同じミスを何度も繰り返すと、自分に対する評価が下がってしまう恐れがあるからです。
仕事でミスを繰り返してしまう場合は、「仕事でミスを連発する原因とは?対策方法をご紹介!」のコラムで対処法をチェックしてみましょう。
7.周囲に感謝する謙虚な気持ちを忘れない
「無能な働き者」にならないために、周囲に対し感謝の気持ちと謙虚な姿勢をもちましょう。ゼークトの組織論では、「無能な働き者は自己評価が高く、謙虚な姿勢がみられない」とされています。
職場で横柄な振る舞いをしていると、周囲からの信用を失ってしまう可能性も。組織の一員として円滑に業務を進めるためにも、かかわる人すべてに感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
8.もらったアドバイスは真摯に耳を傾ける
同僚や上司などからもらったアドバイスには真摯に耳を傾け、自分の成長に役立てましょう。
「無能な働き者」と思われてしまう人のなかには、アドバイスを素直に聞き入れられない人もいるようです。しかし、自己判断で作業を進めると、トラブルや失敗につながる可能性もあります。
自分自身で解決策を考えてみることは大切です。一方で、偏ったやり方に固執してしまう恐れも。客観的な視点でもらったアドバイスは素直に聞き入れ、仕事に活かせるよう意識してみましょう。
アドバイスを聞き入れるとミスを防げる
周囲からのアドバイスを素直に聞き入れれば、仕事のミスを防ぐことにつながります。日ごろから同じミスを繰り返してしまう、周囲に配慮していないという自覚がある人は、人の意見にも耳を傾けてみましょう。「仕事ができるようになるには意識改革が必要!うまくいかない人との違い5選」でも、ご紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。仕事がうまくいかないのは「無能」ではない
仕事がうまくこなせず上司から注意を受けると、「自分は無能なのでは?」と、落ち込むこともあるでしょう。しかし、すべてにおいて無能な人はいません。特に、仕事ではその人の性格や適性に合っているか否かで、結果が大きく異なります。
与えられた仕事をこなしきれなかったり、周りの人と比べて上達速度が遅いと感じたりする場合、自分の性格や適性を活かせない業務を担当しているケースもあるからです。
職場環境を変えると、仕事に関する悩みを解決できる可能性もあります。今の仕事や環境に悩んだら、転職を視野に入れて検討してみましょう。
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「無能な働き者」に関するお悩みQ&A
ここでは「無能な働き者」に関する疑問をQ&A形式で紹介していきます。無能な働き者と呼ばれないためにどうすれば良いのか、チェックしてみてください。
どんな人が「無能な働き者」に該当するの?
「無能な働き者」とは、正しい判断力や行動力が備わっていないのに、自分勝手な行動をする人を指します。
「無能な働き者」と名付けたのはドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークト。彼の提唱する組織論には、「無能な働き者」のほかに、「有能な怠け者」「有能な働き者」「無能な怠け者」と呼ばれる人たちがいます。詳しくはこのコラムの「無能な働き者とは?ゼークトの組織論における4つの分類」の項目をご覧ください。
やる気はあるけど実績が残せないのは無能?
「実績が残せない=無能」というわけではありません。
仕事内容や環境が合っていないだけの可能性もあるので、一度自分のスキルやキャリアを見直してみることをおすすめします。どうしても自分の状況に自信がない方は、「『やる気のある無能』って?特徴や自分はどのタイプか確認しよう」を参考に、当てはまるものがないか調べてみましょう。
会社に無能な働き者がいる場合はどうしたらいい?
はじめから「無能な働き者だ」と決めつけるのは避けましょう。該当の従業員が取り組んでいる業務内容を把握し、目標設定が適切かを確認してみるのがおすすめです。また、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が徹底できていなければ、こまめに連絡するよう助言しましょう。
「知っておこう!仕事に必要なコミュニケーション力を解説」のコラムを参考に、コミュニケーションを図りながら改善へと導く努力が必要です。
有能な怠け者についてもっと知りたい。
「有能な怠け者」とは、物事を効率良くこなせる人を指します。有能であるからこそ、人を使ってうまく仕事をこなし、当人は楽をしているように見える人のことです。
詳しくは「有能な怠け者は出世しやすい?その特徴や効率良く働く方法をご紹介」で説明しているのでご一読ください。
無能な上司にはどんな人が当てはまる?
指示に一貫性がない人や、コミュニケーションが取りにくい人が当てはまります。
詳しくは「上司が使えない、無能と感じたら?傾向と対策」で触れているので、参考にしてみてください。対応を変えても状況が改善されず、職場にストレスを感じるようなら、転職も視野に入れましょう。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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