若者しごと白書2024

1-1. 現在就業している職種

フリーター・正社員の就業中の職種は、フリーターは「接客業」が約4割を占め、正社員は「事務」が27.1%で最も高い割合を占めています。正社員は、事務に次いで、「技術職」や「工場・製造業」、「医療・介護・福祉」が多く、フリーターに比べると結果はなだらかです。
また、「営業」「技術職」「建設・土木」「企画」に従事するフリーターの割合は、正社員と比べて低い結果になっています。
「その他」の回答としては、正社員では「公務員」や「教育関係」、フリーターでは「保育」が多く見られました。

現在就業している職種【フリーター】

※回答者数 : 1,000人

現在就業している職種【正社員】

※回答者数 : 1,000 人

現在就業している職種【男女別】

職種を男女別でみると、フリーターの場合1位は「接客業」で男女ともに同じ結果となりました。正社員の場合は男性は「技術職」が、女性は「事務」がそれぞれ1位になっています。

「医療・介護・福祉」は男性が就業している職種では上位5位に見られませんでしたが、女性フリーターでは4位、女性正社員では2位に見られ、女性が働いている割合が高いことがわかります。また、「事務」も女性が就業している割合が高い職種と言えます。

  • 男性フリーター

    1. 1位 接客(31.39%)
    2. 2位 軽作業・物流(15.7%)
    3. 3位 販売(14.3%)
    4. 4位 工場・製造(8.1%)
    5. 5位 事務(7.1%)
  • 女性フリーター

    1. 1位 接客(41.4%)
    2. 2位 販売(12.8%)
    3. 3位 事務(12.2%)
    4. 4位 医療・介護・福祉(9.2%)
    5. 5位 工場・製造(7.0%)
  • 男性正社員

    1. 1位 技術職(21.6%)
    2. 2位 工場・製造(17.4%)
    3. 3位 事務(16.0%)
    4. 4位 営業(11.4%)
    5. 5位 建設・土木(5.4%)
  • 女性正社員

    1. 1位 事務(38.2%)
    2. 2位 医療・介護・福祉(18.0%)
    3. 3位 接客(10.6%)
    4. 4位 営業(8.2%)
    5. 5位 技術職(5.6%)
※回答者数:男性フリーター 210人、女性フリーター 790人、男性正社員 500人、女性正社員 500人
※5位まで抜粋

職種別フリーターと正社員の就業割合

職種別にフリーターと正社員の就業割合を見ると、「接客業」「軽作業・物流」「販売」はフリーターの割合が高いことがわかります。「企画」「技術職」「営業」は正社員の割合が高く、フリーターで従事している人は1割程度でした。

一般的にスキルや専門知識が求められる職種は正社員の割合が高い一方で、「接客業」などの未経験でも入りやすいといわれる職種※ではフリーターの比率が高い傾向にあります。※厚生労働省,職業情報提供サイト job tag

※回答者数:フリーター 1,000人、正社員 1,000人

1-2. 平均労働日数・時間(フリーター)

フリーターの週の平均労働日数でもっとも多かったのは、「週5~6日」。1日あたりの労働時間は「4~6時間未満」「6~8時間未満」で7割を占めています。
「週3~4日×4~6時間」の回答が2割程度と1番多く、次いで「週5日以上×6~8時間」「週3~4日×6~8時間」「週5日以上×4~6時間」の結果となりました。

1週間の平均労働日数【フリーター】

※回答者数 : 1,000人

1日の平均労働時間【フリーター】

※回答者数 : 1,000人

平均労働日数・時間【フリーター】

※回答者数 : 1,000人

1-3. 正社員の仕事を辞めた理由

正社員経験があるフリーターに、正社員の仕事を退職した理由を尋ねると、男女ともに「労働環境・時間」や「人間関係」「健康上の理由」といった回答が多く見られました。「社風が合わなかった」「給与が低かった」も、会社を辞める理由として一定の割合を占めています。

女性は「結婚・出産などのライフステージの変化」を、男性は「上司や経営層の仕事の仕方が気に入らなかった」という理由を挙げる方が多く、退職した理由には男女差が見られます。

正社員の仕事を辞めた理由【男女別】

※回答者数 : 男性85人、女性 : 452人

1-4. 就職してから退職までの期間(フリーター)

正社員経験のあるフリーターのうち、およそ5人に1人が就職してから半年で退職しています。また、3年未満で退職するいわゆる「早期離職」が全体の約75%を占めています。

退職までの期間【フリーター】

※回答者数 : 537人

1-5. フリーターになったきっかけ

フリーターになったきっかけとしては、高卒フリーター・大卒フリーターともに、「社員として働くのが厳しいと思ったため」がもっとも多い結果となりました。大卒フリーターは「就職活動がうまくいかなかったため」といった回答も多く見られ、高卒フリーターとの違いが見られます。

その他の回答として高卒フリーター・大卒フリーターともに「社員として求められるスキルがなかったため」や、「結婚・出産のため」「育児のため」といった子供に関する理由、「うつなどの病気のため」「持病のため」など健康上の理由も。
また、「ニートから正社員になるまでのつなぎのため」「資格取得のため」といった今後のキャリアをふまえた回答も見られました。

  • 高卒フリーター

    1. 1位 社員として働くのが厳しいと思ったため(21.3%)
    2. 2位 社員になる必要性がないため(12.6%)
    3. 3位 組織に縛られたくなかったため(9.5%)
    4. 4位 明確な職業を思い描けなかったため(8.9%)
    5. 5位 会社を退職・離職したため(8.5%)
  • 大卒フリーター

    1. 1位 社員として働くのが厳しいと思ったため(18.8%)
    2. 2位 会社を退職・離職したため(17.2%)
    3. 3位 就職活動がうまくいかなかったため(12.1%)
    4. 4位 社員になる必要性がないため(11.9%)
    5. 5位 組織に縛られたくなかったため(8.9%)
※回答者数:高卒フリーター 506人、大卒フリーター 494人
※5位まで抜粋

1-6. フリーターを続けている理由

フリーターを続けている理由を尋ねると、学歴別では1位・2位の結果に違いはないものの、3位以降に差異が見られました。大卒フリーターの場合、「1-4.フリーターになったきっかけ」と同様に、「就職活動がうまくいかないから」が理由として挙げられています。

「その他」の回答では、学歴問わず、「社員登用のため」や「資格を取得するため」といったキャリアアップのためといった回答や「今の仕事が好きなため」といった回答が見られました。

  • 高卒フリーター

    1. 1位 社員として働くのが厳しいと思ったから(22.9%)
    2. 2位 社員になる必要性がないから(15.4%)
    3. 3位 組織に縛られたくないから(9.7%)
    4. 4位 家庭の経済事情やトラブルのため(8.9%)
    5. 5位 明確な職業を思い描けないから(7.7%)
  • 大卒フリーター

    1. 1位 社員として働くのが厳しいと思ったから(19.8%)
    2. 2位 社員になる必要性がないから(15.4%)
    3. 3位 就職活動がうまくいかないから(10.5%)
    4. 4位 組織に縛られたくないから(8.5%)
    5. 5位 芸能関係やフリーランスに就きたいから(7.7%)
※回答者数:高卒フリーター 506人、大卒フリーター 494人
※5位まで抜粋

1-7. 現在の仕事に就いた理由

現在の仕事に就いた理由は下記の結果になり、フリーター・正社員ともに「仕事内容」を重視していることがわかりました。
フリーターは仕事内容のほか「労働時間」や「休日数」が上位に挙がりました。「1-2.平均労働日数・時間(フリーター)」では「週3~4日×4~6時間」の働き方をしているフリーターが最も多かったことから、フリーターは「体力的に無理なく働ける環境」や「自分の優先したいことを優先できる環境」を求めていることが予想されます。
「仕事内容」を選んだ割合は、正社員の方がフリーターよりも7pt程度高く、正社員の3人に1人が重視していることがわかりました。「最初に内定がもらえたから」が8.8%を占め、2位にランクインしました。
1社目に受け取った内定に対しての思い入れや、就職活動をこれ以上長引かせたくない気持ちが、内定承諾の決め手になったことが考えられます。

  • フリーター

    1. 1位 希望する仕事内容だったため(23.6%)
    2. 2位 希望の労働時間で働けるため(19.7%)
    3. 3位 希望の勤務地で働けるため(10.0%)
    4. 4位 理想的な勤務時間や休日数だったため(9.6%)
    5. 5位 自分のスキルや経験を活かせるため(6.0%)
  • 正社員

    1. 1位 希望する仕事内容だったため(31.0%)
    2. 2位 最初に内定をもらえたため(8.8%)
    3. 3位 福利厚生が整っているため(8.4%)
    4. 4位 希望する収入が得られるため(7.6%)
    5. 5位 希望の勤務地で働けるため(7.4%)
※回答者数:フリーター 1,000人、正社員 1,000人
※5位まで抜粋

1-8. 手取り月収の分布(フリーター)

フリーターの手取り月収の分布【学歴別】

フリーターの手取り月収は、高卒・大卒どちらも「7~10万円未満」が最も多いことがわかりました。また、高卒・大卒の平均手取り月収分布は類似しており、フリーターの場合学歴による収入差は少ないといえます。

※回答者数:高卒 506人、大卒 494人

フリーターの手取り月収の分布【男女別】

男女別に分けてみると、女性フリーターは「10万円未満」の回答が半数近く占める結果になりました。
男性フリーターは「10万円未満」が37.1%、次いで「10~15万円」、「15~20万円」と女性フリーターと比べてばらつきが少ないです。

※回答者数:高卒 219人、大卒 790人

1-9. 手取り月収の分布(正社員)

正社員の手取り月収の分布【学歴別】

正社員の平均手取り月収は、フリーターの額を上回り「15~20万円未満」が最多の割合になっています。
学歴別に比較すると給与水準は大卒のほうが高くなっていて、大卒者が比較的高い給与を得る機会があることを示唆しています。

※回答者数 : 高卒 500人、大卒 500人

正社員の手取り月収の分布【男女別】

正社員の平均手取り月収を男女別に見ると、女性正社員は「15~20万円未満」が4割近くを占め最多という結果に。男性正社員は「20~23万円未満」が最多の結果になり、男女間で差異がある事がわかります。手取り月収が26万円以上を超えている割合も、男性正社員は女性正社員より10ポイント以上高く、平均手取り月収に差があることがわかります。

※回答者数 : 男性 500人、女性 500人

雇用形態別手取り月収の分布

平均手取り月収を雇用形態別に見ると、フリーターは10万以下の割合が最多なのに対し、正社員は最少の結果になっています。これは、フリーターの場合、比較的低い収入層が多い一方で、正社員の方が給与が安定していることを示唆しています。雇用形態による収入格差が鮮明であり、正社員の方が高い収入を得る傾向があることがうかがえます。

※回答者数 : フリーター 1,000人、正社員 1,000人

1-10. 賃上げの有無と額

現在の職場で賃上げがあったか聞くと、全体の半数近くの人が、現在の職場で賃上げがあったと回答しました。

フリーター・正社員で比べると、フリーター・正社員いずれも賃上げが実施されている割合にあまり差は見られませんでした。フリーターは2023年度に実施された最低賃金の引上げ、正社員は働き方改革における賃上げの働きかけが影響していることが考えられます。
一方、賃上げの金額はフリーターと正社員で大きな差がありました。フリーターは1,000円未満が4割ほどで最多の回答だったのに対して、正社員は5,000円~10,000円の割合が3割近くあり、最多でした。
フリーターと比べ正社員の方が大幅に月収が上がったことがわかります。

現在の職場で賃上げはあったか

※回答者数 : 2,000人

現在の職場で賃上げはあったか

※回答者数 : フリーター 1,000人、正社員 1,000人

賃上げの金額(月額)

※回答者数 : フリーター 504人、正社員 486人

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