若者しごと白書2025

3-1. 現在、就職活動をしているか(フリーター)

フリーターに対し、現在就職活動をしているか尋ねると、8割以上が「していない」と回答しました。

男女別に昨年度の調査※と比較すると、就職活動をしているフリーターの割合は、男性が30.0%から23.2%に減少、女性は15.9%から15.2%に減少しています。減少幅は男性が6.8ポイント、女性が0.7ポイントです。
なおどちらの年度も、女性より男性のほうが就職活動をしている割合が高い傾向がありました。

現在、就職活動をしているか
【フリーター】

※回答者数 : 1,000人

就職活動をしている割合【フリーター】

※回答者数 : 2023年度 男性 210人、女性 790人
2024年度 男性 211人、女性 789人

3-2. 現在、転職活動をしているか(正社員)

正社員に現在転職活動をしているかを尋ねたところ、「している」と回答したのは全体の18.8%でした。
「3-1. 現在、就職活動をしているか(フリーター)」の回答と比較すると、フリーターが就職活動している割合よりも、正社員が転職活動している割合が1.9ポイント多い結果となりました。このことから、正社員の転職意向とフリーターの現状維持志向が見て取れます。

男女別に昨年度の調査※と比較すると、転職活動中の割合は男性が21.4%から20.4%と1ポイント減少、女性が21.4%から17.2%と4.2ポイント減少しました。

現在、転職活動をしているか【正社員】

※回答者数 : 1,000人

転職活動をしている割合【正社員】

※回答者数 : 2023年度 男性 500人、女性 500人
2024年度 男性500人、女性 500人

過去3年間の転職活動率【正社員】

正社員で転職活動をしている割合を過去3年で比較すると、2022年度の18.2%から2023年度には21.4%に上昇しましたが、2024年度には18.8%に減少しています。
2023年度の一時的な上昇は見られるものの、過去3年間で比較すると、ほぼ横ばいで推移していることが分かります。

※回答者数 : 2022年度・2023年度・2024年度 各1,000人

3-3. 過去に就職活動・転職活動をしたことがあるか

現在就職・転職活動をしていない人に対し、過去に活動経験があるか尋ねると、フリーターは「ある」が約半数、正社員は「ある」が約4割となっています。

過去に就職活動をしたことがあるか
【フリーター】

※回答者数 : 831人

過去に転職活動をしたことがあるか
【正社員】

※回答者数 : 812人

就職活動・転職活動の経験がある割合

「3-1. 現在、就職活動をしているか(フリーター)」「3-2. 現在、転職活動をしているか(正社員)」の結果と合わせると、フリーターは56.7%が就職活動の経験があり、正社員は51.9%が転職活動をした経験があるようです。フリーターも正社員も、約2人に1人が就職活動あるいは転職活動の経験があることが分かりました。

就職活動経験はあるか【フリーター】

※回答者数 : 1,000人

転職活動経験はあるか【正社員】

※回答者数 : 1,000人

3-4. 就職活動・転職活動を始めたきっかけ

フリーターが就職活動を始めたきっかけは「金銭面的な不自由・不安」の回答が最多、正社員が転職活動を始めたきっかけは「給与が低い」の回答が最多でした。どちらも金銭面での不満や不安が1位を占めました。

2位以降はフリーターと正社員で異なり、フリーターは「正社員のほうが雇用が安定しているから」と雇 用の安定性を求める回答が目立つ一方、正社員は「やりがい・達成感がない」と、現在の仕事内容への不満を理由に挙げる人が多く見られました。

  • フリーター

    1. 1位 金銭的な不自由、不安(52.4%)
    2. 2位 正社員のほうが雇用が安定しているから(20.6%)
    3. 3位 自分の興味・関心の変化(17.8%)
    4. 3位 やりがいのある仕事がしたいため(17.8%)
    5. 5位 もともと正社員になりたかったが、一時的にフリーターとして働いていただけ(15.7%)
  • 正社員

    1. 1位 給与が低い(43.4%)
    2. 2位 やりがい・達成感がない(25.6%)
    3. 3位 人間関係が悪い(22.2%)
    4. 4位 残業や休日出勤が多い(15.2%)
    5. 5位 企業や業界の将来性が不安(12.9%)
※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人
※3つまで回答
※5位まで抜粋

3-5. 就職・転職を希望するタイミング

現在、就職活動や転職活動をしている人の就職・転職を希望するタイミングは、フリーターと正社員で違いが見られました。

フリーターの場合、3ヶ月以内に就職を希望する割合が1番多く、半数以上のフリーターが半年以内の就職を望んでいます。一方正社員の場合、1年以内に転職を望んでいる人が25.0%と最多に。就職・転職を希望するタイミングには違いがあることが分かります。

就職を希望する時期【フリーター】

※回答者数 : 169人

転職を希望する時期【正社員】

※回答者数 : 188人

3-6. 就職先探しの手段・利用サービス

就職活動・転職活動における就職先探しの手段・利用サービスについては、フリーターも正社員も「求人サイトや就職・転職情報サイト」が最多となりました。正社員は2位に「就職・転職エージェント」が挙げられ20.0%となっている一方で、フリーターは2位に「ハローワーク」がランクインし、「就職・転職エージェント」は8.3%と1割未満でした。

これは、正社員向けの転職エージェントに比べてフリーターを対象とする就職エージェントが少なく、就職時に手段として想起されにくいことが理由と考えられます。

就職先探しの手段で最も利用したサービス
【フリーター】

※回答者数 : 567人

就職先探しの手段で最も利用したサービス
【正社員】

※回答者数 : 519人

就職先探しの手段・利用サービス

さらに学歴別で見ると、利用しているサービスはいずれも「求人サイトや就職・転職情報サイト」が最多に。2位以下は、高卒はフリーター・正社員問わずハローワークの利用度が高いことが分かりました。

大卒正社員の約4人に1人は「転職エージェント」を利用しており、高卒正社員よりも14ポイント高い数値が出ています。大卒で就職活動の際にエージェントを使用した経験がある人は、その後の転職活動においてもエージェント利用が想起されやすいことが予想されます。

  • 高卒フリーター

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(62.1%)
    2. 2位 ハローワーク(19.3%)
    3. 3位 就職・転職エージェント(5.9%)
    4. 4位 家族や親戚からの紹介(3.3%)
    5. 5位 友人からの紹介(3.0%)
  • 大卒フリーター

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(67.8%)
    2. 2位 ハローワーク(11.1%)
    3. 3位 就職・転職エージェント(10.4%)
    4. 4位 企業ホームページ(5.7%)
    5. 5位 友人からの紹介(1.7%)
  • 高卒正社員

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(46.4%)
    2. 2位 ハローワーク(23.0%)
    3. 3位 就職・転職エージェント(13.2%)
    4. 4位 友人からの紹介(5.7%)
    5. 5位 企業ホームページ(4.2%)
  • 大卒正社員

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(44.9%)
    2. 2位 就職・転職エージェント(27.2%)
    3. 3位 ハローワーク(9.1%)
    4. 4位 企業ホームページ(6.7%)
    5. 5位 スカウトサービス(3.1%)
※回答者数:高卒フリーター 269人、大卒フリーター 298人、高卒正社員 265人、大卒正社員 254人
※5位まで抜粋

3-7. 就職・転職が決まった際に使った手段

就職・転職が決まった際に使った手段に関しては、フリーターも正社員も「求人サイトや就職・転職情報サイト」をメインで活用しており、そのほかの手段に大きな差は見られません。

「就職・転職エージェント」と回答した割合は、フリーターでは6.0%、正社員では9.6%と3.6ポイント正社員のほうが多い結果になりました。正社員は、SNSやYouTubeを参考にしている割合もフリーターより高く、幅広い媒体から企業や業界の情報を得ていることが分かります。

就職・転職が決まった際に使った手段
【フリーター】

※回答者数 : 567人

就職・転職が決まった際に使った手段
【正社員】

※回答者数 : 519人

就職・転職が決まった際に使った手段
【雇用形態・学歴別】

雇用形態・学歴別で見ると、どのグループも「求人サイトや就職・転職情報サイト」が最多となっています。具体的にはフリーターでは高卒・大卒共に60%以上の人が利用しており、正社員でも高卒52.1%、大卒48.8%と約半数の人が利用していました。

高卒フリーターでは「家族や親戚からの口コミ」が6.7%で2位にランクインしている一方で、大卒フリーターでは「企業のホームページ」が9.1%で2位でした。高卒フリーターは身近な人からの情報を参考にする傾向があるのに対し、大卒フリーターは企業の公式情報を確認する傾向があると推測できます。

正社員に関しては、大卒正社員では「就職・転職エージェント」の利用が14.2%と高卒正社員に比べて倍近い結果となりました。大卒正社員はキャリアアップやスキルアップを求めて専門家からのサポートを得ながら転職活動を行う傾向があると考えられます。

  • 高卒フリーター

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(66.2%)
    2. 2位 家族や親戚からの口コミ(6.7%)
    3. 3位 企業のホームページ(4.8%)
    4. 4位 就職・転職エージェント(4.5%)
    5. 5位 就職・転職関連のイベントに参加(2.2%)
  • 大卒フリーター

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(60.7%)
    2. 2位 企業のホームページ(9.1%)
    3. 3位 就職・転職エージェント(7.4%)
    4. 4位 企業説明会(4.4%)
    5. 5位 就職・転職関連のイベントに参加(3.7%)
  • 高卒正社員

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(52.1%)
    2. 2位 企業のホームページ(10.6%)
    3. 3位 家族や親戚からの口コミ(8.3%)
    4. 4位 企業説明会(6.0%)
    5. 5位 就職・転職エージェント(5.3%)
  • 大卒正社員

    1. 1位 求人サイトや就職・転職情報サイト(48.8%)
    2. 2位 就職・転職エージェント(14.2%)
    3. 3位 企業のホームページ(11.0%)
    4. 4位 企業説明会(7.5%)
    5. 5位 家族や親戚からの口コミ(4.7%)
※回答者数:高卒フリーター 269人、大卒フリーター298人、高卒正社員 265人、大卒正社員 254人
※5位まで抜粋

3-8. 就職活動・転職活動を始めるときの不安度

フリーターと正社員に、就職活動や転職活動を始める際の不安の度合いを尋ねると、下記の(1)~(8)の結果になりました。
ほとんどの質問で「非常に不安」「やや不安」との回答が過半数を超えており、就職活動・転職活動を始める際は不安を抱える人が多いことが分かります。全体的に正社員よりもフリーターのほうが就職活動に対して不安を感じやすいようです。

(1)自分の経歴やスキルで就職・転職できる
仕事が
あるかが不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(2)自分に向いている仕事(適職)が
分からず不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(3)就職・転職の相談、
サポートをしてくれる人がおらず不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(4)就職/転職活動の進め方が分からず不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(5)たくさん求人があって、
どれを選べばいいか分からず不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(6)事前準備をたくさんする必要があり不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(7)選考時に上手く自分を伝えられるか不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(8)内定が出るまで就職活動や
転職活動を続けられるか不安

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

就職活動・転職活動の不安度を高い順に並び替えると次の通りです。フリーター・正社員共に経歴・スキルへの不安が1位と共通しているものの、フリーターは「自分の経歴やスキルで就職・転職できる仕事があるか」「選考時に上手く自分を伝えられるか」がどちらも7割を超えています。正社員と比べて、フリーターは経歴や自己PRへの不安が大きい傾向があることがうかがえます。

  • フリーター

    1. 1位 自分の経歴・スキルで就職・転職できる仕事があるかが不安だ(72.7%)
    2. 2位 選考時に上手く自分を伝えられるか不安だ(71.4%)
    3. 3位 自分に向いている仕事(適職)が分からず不安だ(65.4%)
  • 正社員

    1. 1位 自分の経歴・スキルで就職・転職できる仕事があるかが不安だ(64.5%)
    2. 2位 自分に向いている仕事(適職)が分からず不安だ(58.2%)
    3. 3位 選考時に上手く自分を伝えられるか不安だ(57.6%)
※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人
※3位まで抜粋
※「非常に不安だ」「やや不安だ」を合算した数値を表記

3-9. 就職活動・転職活動における選考中の不安度

就職活動・転職活動における選考中の不安度は次の通りです。こちらも全体的にフリーターのほうが不安度が高い結果になっています。

フリーター・正社員共に「事前の面接対策」や「面接でのアピール方法」など面接に対して不安を感じる割合が高く、「面接のスケジュール調整・管理」に不安を感じる割合は比較的低くなっています。

(1)履歴書や職務経歴書の準備

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(2)履歴書の書き方や面接時のマナー

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(3)事前の面接対策

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(4)面接のスケジュール調整・管理

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(5)面接でのアピール方法

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(6)実際の業務内容や社風の把握

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

(7)就職活動・転職活動の
モチベーション維持

※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人

不安に感じる度合いが高いものを抜粋すると次の通りです。フリーター・正社員共に、1位から3位で同じ結果となりました。いずれも面接に関して不安を抱いていることが分かります。

  • フリーター

    1. 1位 面接でのアピール方法(72.5%)
    2. 2位 事前の面接対策(71.1%)
    3. 3位 履歴書の書き方や面接時のマナー(68.3%)
  • 正社員

    1. 1位 面接でのアピール方法(60.7%)
    2. 2位 事前の面接対策(60.5%)
    3. 3位 履歴書の書き方や面接時のマナー(59.2%)
※回答者数:フリーター 567人、正社員 519人
※3位まで抜粋
※「非常に不安だ」「やや不安だ」を合算した数値を表記

3-10. 就職活動・転職活動で辞退する要因となるもの

就職・転職活動の経験があるフリーター・正社員に対し、選考や内定を辞退する要因となるものを尋ねると、「社内の雰囲気が良くないと感じたとき」や「面接官の行動や態度が悪かったとき」の割合が高くなりました。

「2-5. 仕事で一番大切にしている価値観」でも、「人間関係の良い職場環境で働くこと」が上位に挙がっており、人間関係を重視する傾向が辞退理由にも表れていると推察できます。

就職活動・転職活動の辞退要因

※回答者数 : 1,086人(複数回答)
※3つまで回答

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