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大卒フリーターはやばい?割合と就職を成功させるコツを解説
更新日
この記事のまとめ
- 大卒でフリーターになる人すべてが一概に「やばい」とはいえない
- 大卒でフリーターになる人は卒業者の1%程度
- 正社員よりも責任が少なく、自由に働けるのがフリーターのメリット
- 年齢を重ねるほどフリーターと正社員の収入格差が広がるため、やばいと感じる
- 「大卒フリーターはやばい」と思った段階で、正社員に向けた就活を始めよう
大学卒業後、正社員として働かずに有期雇用や非正規で働くフリーターになるのは「やばい」といわれることも。自由なイメージのあるフリーターですが、将来を考えるとデメリットが気になります。将来の選択肢を多く持ちたい場合やライフステージの変化に対応できる基盤づくりを行いたい場合は、正社員になることも考えましょう。このコラムでは大卒フリーターのメリット・デメリットのほか、就職アドバイスもあわせて行います。
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大卒フリーターは「やばい」のか
大卒でフリーターになることが、一概に「やばい」とは言い切れません。本当にやりたい仕事を目指すためにフリーターを選択しているなど、理由があるなら問題ないと考える人は多いでしょう。また、家庭の事情や体調面から正社員就職が難しいケースもあるため、人によってやばいかどうかは異なるといえます。
しかし、「正社員として働くのは嫌だから」「特に就職したい会社もやりたい仕事もないから」といった理由で大卒フリーターになり、そのまま年齢を重ねていくのはやばいことも。若いうちは周囲にも同じ状況の人が多く安心できても、年齢を重ねるごとに同じ状況の人が減り、「やばい」と思って正社員を目指してもうまくいかない可能性が高まります。
大卒でフリーターを続けるリスクについては、「将来を考えたらやばい?フリーターで居続けた場合の末路とは」で後述しているほか、「一生フリーターでい続けるのはリスクが高い?正社員になるメリットを解説!」のコラムでもご確認ください。
大卒フリーターが「やばい」といわれる理由
大卒でフリーターを続けることで、十分な収入が得られなかったり雇用が不安定になったりする可能性が高まります。ここでは、一般的に「大卒でフリーターはやばい」といわれる理由について解説。若いうちは良くても、年齢を重ねたときのリスクが大きいことから「大卒でフリーターを続けるのはやばい」という意見が多いようです。
十分な収入を得にくいため
大卒でフリーターになった場合、20代のうちは感じなくても、30代を過ぎたときに同じ大卒の友人との賃金差に劣等感を覚えることも。給料の話になった際、友人が「今回のボーナスは2ヶ月分だった」という話を聞いて「自分はボーナスはないのに…」と羨ましさを感じることもあるでしょう。
厚生労働省が発表する令和4年賃金構造基本統計調査によると、正社員・正職員として働く人の平均賃金が328,000円なのに対し、それ以外の有期雇用で働く人の平均賃金は221,300円。正社員の賃金を100とした場合、有期雇用者は67.5の割合です。
なお、年齢階級別の平均賃金とその格差は以下の通りでした(男女計)。
年齢階級 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 | 雇用形態間賃金格差 |
---|---|---|---|
~19 | 185,000円 | 170,100円 | 91.9 |
20~24 | 221,000円 | 196,200円 | 88.8 |
25~29 | 255,900円 | 212,300円 | 83.0 |
30~34 | 288,400円 | 215,500円 | 74.7 |
35~39 | 323,500円 | 213,300円 | 65.9 |
40~44 | 347,500円 | 217,600円 | 62.6 |
45~49 | 366,300円 | 212,800円 | 58.1 |
50~54 | 387,500円 | 211,900円 | 54.7 |
55~59 | 396,200円 | 216,700円 | 54.7 |
60~64 | 329,800円 | 254,300円 | 77.1 |
65~69 | 296,600円 | 220,900円 | 74.5 |
70~ | 272,900 円 | 200,000円 | 73.3 |
引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況 (6)雇用形態別にみた賃金」
表を見て分かる通り、年齢が若いうちは正社員と正社員以外の賃金格差は少な目。しかし、正社員は30代から50代に比べて大きく賃金が増えているのに対し、正社員以外はすべての年齢を通して大きな変化はありません。最大で倍近い差が出ることが分かるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
雇用が不安定なため
フリーターは採用の時点で雇用される期間が定められている「有期契約労働者」。そのため、定められた期間を終えたとき、会社の都合で契約が更新されない可能性も十分あります。正社員は無期雇用のため臨む限り働き続けることが可能なので、「いつ仕事がなくなるか分からない」という点からフリーターはやばい、といわれるようです。
社会的信用を得にくくなるため
雇用がいつまであるか分からない、いつ仕事がなくなるか分からないという点から、フリーターは社会的信用を得にくいといわれています。これが影響するのが、賃貸やローンの契約。どんなに安定した収入があっても、フリーターは審査に通さない、という企業もあるでしょう。社会的信用を得にくくなると、思うような生活を送れない可能性もあるため「やばい」といわれると考えられます。
年齢に即した社会人スキルが身につきにくいため
フリーターは企業にとって臨時雇用であり、数年にわたる長期雇用は前提としていません。そのため、正社員のように業務スキルや社会人スキルを向上させる研修の対象に入らないのが一般的。アルバイトには誰でも行いやすい仕事を任せる傾向があるため、長くフリーターとして働いていても、同年齢の正社員に比べるとスキル不足になるでしょう。
なお、「転職に役立つスキル一覧!仕事が変化しても通用するポータブルスキルとは?」のコラムでは、社会人として身に着けておきたいスキルを紹介しています。スキルアップや就職を検討している人は、参考にしてください。
大卒フリーターの割合
大学卒でフリーター(非正規や有期雇用で働いている人)は毎年一定数見られます。厚生労働省が発表する「令和4年度学校基本調査」によると大学卒業後にフリーターのような雇用形態で働く人は卒業者の1%程度です。
進路 | 割合 |
---|---|
進学者 | 12.4% |
就職者(卒業者に占める就職者の割合) | 74.5% |
有期雇用労働者[雇用契約期間が1ヵ月以上から1年未満] | 1.2% |
臨時労働者(率) | 0.7% |
引用:厚生労働省「令和4年度学校基本調査(確定値)について公表します」
すべての人が望んでフリーターになっているとは限らず、冒頭でも述べたように家庭の事情などやむを得ないケースもあるでしょう。また、在学中に就職先が決まらず、卒業後も既卒として就活を継続している人も、生活のためにいったんフリーターになる可能性も。とはいえ、全体に対しての割合は低いといえます。
参照元
厚生労働省
学校基本調査
やばいとは限らない!大卒でフリーターになるメリット
フリーターに対してネガティブな印象を持つ人も多いですが、時間に融通がきいたり多くの仕事を経験できたりするのは、フリーターならではのメリットです。
1.時間に融通がきく
フリーターとして働く大きなメリットとして挙げられるのが、正社員に比べて時間に融通が効きやすいこと。フリーターは短時間労働・シフト制が基本なので、正社員では叶えにくい「1日5時間で週3日」といった働き方が叶います。
また、シフト制なら希望した日時に休みやすいのもポイントでしょう。詳しくは「アルバイトや正社員にもあるシフト制とは?メリット・デメリットも解説!」のコラムをご覧ください。
プライベートの時間が確保できる
働く時間をある程度自分でコントロールできるため、プライベートの時間を大きく確保できるのもフリーターのメリット。本当に就きたい仕事に向けた勉強や夢をかなえるための練習時間など、正社員として働くと難しい両立も叶えやすいでしょう。
2.自分に合った仕事を探しやすい
正社員として採用されるのに比べ、フリーターは仕事が決まりやすい傾向があります。その特徴を生かし、多くの仕事を経験して自分に合ったものを見つけやすいのはフリーターならではのメリット。
正社員は仕事の責任や担当業務の多さなどから、安易に短期間で転職を繰り返しにくいといえます。また、短期間での転職を繰り返すと「忍耐力がない」「すぐ辞めるなら採用したくない」とネガティブに捉えられる可能性も。フリーターだからといって企業に迷惑のかかるような安易な離職は許されませんが、正社員よりは多くの仕事を経験できるといえるでしょう。
3.仕事の責任が少ない
企業はフリーター・アルバイトを臨時雇用として考えており、突然の離職も想定しているので正社員のように企業活動に大きな影響をもたらす業務は任せません。基本的には誰でもできる、定型的な仕事を担当します。
その業務特性から、フリーターは正社員に比べて業務責任が少なめ。仕事で困ったことがあれば正社員に頼ることもできるでしょう。
基本的に残業は発生しない
フリーターが担当する仕事の責任の少なさやシフト制などから、フリーターとして働く場合は基本的に残業は発生しないでしょう。ただし、接客業で想定以上の集客があったり、交代で来るはずのスタッフがこれなかったりした場合は、フリーターでも残業の可能性はあります。
残業の有無については、雇用契約書に明記されているので必ず確認しましょう。なお、フリーターも法定労働時間を超えた残業を行えば残業代が支給されます。詳しくは「残業手当とは?正しい計算方法や基礎知識をご紹介!」のコラムをご覧ください。
やばいと感じやすい?大卒でフリーターになるデメリット
フリーターとして働くメリットもあるものの、収入や雇用の安定など生活に直結するデメリットのほうが大きいと考える人は多いでしょう。
収入が少なく安定しない
前述したように、フリーターは正社員に比べると収入は低め。もともとの賃金基準が低いことに加え、働いた時間に対して賃金が支払われる時給制が多いことが要因です。
正社員は月給制や年俸制が多く、毎月の給与は基本的に固定。変動があっても大きな額ではないので、生活を安定させやすいでしょう。いっぽうフリーターは、「先月は20日働けたけど今月は16日だけ」など月によって働ける日が変動することも珍しくありません。時給1200円で1日6時間働いている場合、単純計算で4日間の賃金は28,800円。もちろん安定してシフトに入れる就業先もありますが、月によって賃金が変動すると生活にも影響が出るでしょう。
社会保険に入れない可能性がある
働き方にもよりますが、フリーターとして短時間勤務を行っている場合は社会保険に入れない可能性があります。
社会保険とは、一般的に「厚生年金」「健康保険」「雇用保険」「労災保険」を指します。社会保険に加入することで、将来もらえる年金額が増えたり、健康保険の負担額が減ったりするのがポイント。
社会保険に加入できない場合は国民年金・国民健康保険に加入することになります。たとえば、病気やケガで長期にわたって働けなくなった場合、社会保険に加入していれば傷病手当を受け取れますが、国民健康保険では受け取れないことも。そのほかの相違点については、「社会保険とはどんな制度?アルバイトやパートでも加入対象になる?」のコラムでご確認いただけます。
福利厚生の適用範囲が狭い
正社員に対して住宅手当や家族手当、スキルアップの機会といった充実した福利厚生を用意している企業は多くあります。しかし、フリーターは正社員と同じ福利厚生を受けられないのが一般的。たとえば、手当の対象となる資格を保有していた場合、正社員は毎月5000円の手当がもらえても、フリーターはもらえないことは珍しくないでしょう。
福利厚生は充実した生活の一助になるだけでなく、手当などで収入アップにもつながります。
年齢を重ねると応募できる求人が減る
どんな仕事でも、「柔軟性が高く仕事を覚えやすい」「体力がある」「将来性がある」といった理由から若い人材が求められます。仕事内容も誰でも取り組みやすいものが多いため、年齢を重ねたときにアルバイト採用されにくくなる可能性は高め。また、一般的にフリーターは若年層が多いため、一緒に働く人との関係性などを考慮されることも。
年齢を重ねてもフリーターを続けることは可能ですが、希望する仕事内容や条件で働けなかったり、体力面から働く時間が減ったりと影響は避けられないでしょう。
将来を考えたらやばい?フリーターで居続けた場合の末路とは
大卒から正社員にならずフリーターを続けた場合、下記のケースが想定されます。20代でフリーターはやばいと思われなくとも、30代、40代と年齢を重ねる中で周囲からやばいと思われる事はもちろん、自分でも将来を考えて「やばいのでは…」と思うことも。やばいと気づいた場合は、早めに行動に移しましょう。
友人との差を実感して辛くなる
大卒で正社員として働く他の友人がだんだんと昇給・昇格して行くなか、フリーターの場合は昇給はあっても額が小さいため、その開きに劣等感を覚える可能性も。
また、フリーターは役職に就けないのが一般的。役職者として誇りを持ち働く友人に羨ましさを感じることがあるでしょう。結果、友人との差にネガティブな気持ちを抱き、人付き合いが疎遠になってしまう可能性も考えられます。
結婚や出産などライフステージの変化に対応しにくい
結婚を考えた場合、フリーターの働き方では少々不安を感じます。共働きだったとしても、固定費や貯蓄にまとまった出費が必要なため、正社員で働いた方が生活を安定させられるでしょう。
フリーターの結婚については「フリーターは結婚できる?できない?後悔しないためのポイントを紹介」のコラムでも取り上げています。
退職金がなく老後に不安を抱える
フリーターの場合、退職金をもらえるケースは極めて稀でしょう。正社員の場合、退職金が設定されていたり積み立てで行えたりと、備える方法が用意されています。
しかし、フリーターの場合は老後の資金まで自分で全て準備する必要があります。日々の生活費で精一杯の場合、老後の蓄えまで気が回らず40代や50代以降に不安を抱えることになるでしょう。
フリーターから正社員を目指すなら
大卒フリーターのままではやばいと感じた場合、出来る限り早めの行動がおすすめ。年齢を重ねれば重ねるほど正社員としての雇用が難しくなったり、スキルアップの期間が短くなったりします。
やりたいことを見つける
まずは自分のやりたいことを見つけましょう。フリーターなら「やりたい仕事」「あこがれていた仕事」なども選べますが、正社員として就職するなら「長く安定して働ける仕事」に重きを置くのがポイント。正社員就職すると長ければ定年まで働くことになります。
やりたくない仕事や苦手な仕事を選んでしまうと、就職しても続けることができず離職につながることに。「転職回数が多いと不利になる?面接や履歴書で強みをアピールするコツ」でも説明しているとおり、目的のない転職は歓迎されません。
なお、やりたいことを見つける方法は「やりたいことの見つけ方とは?自分が本当にしたい仕事を見つける方法」でも詳しく紹介しているため、ご覧ください。
転職エージェントに相談する
転職エージェントに相談したり登録したりする方法もおすすめです。大卒フリーターは新卒ではないので転職枠で就職活動を行うことに。しかし、新卒時に就活を行っていなければ求人の見極め方がわからなかったり、書類作成で悩んだりすることも。新卒就活を経験していても、転職枠での就活と新卒の就活ではポイントが異なります。
そこで転職エージェントに登録し、求人を探してもらいつつ、選考サポートも依頼しましょう。正社員の選考はアルバイトやパートの面接とは違い、詳細な履歴書や職務経歴書等を準備します。初めての転職の場合、何から手をつけていいかわからないため、専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。
なお、転職エージェントの基本情報については「就職エージェントとは?活用するメリットやデメリットを知ろう」のコラムで詳しく解説しています。はじめて転職エージェントを利用する場合はぜひ参考にしてください。
正社員就職を成功させるポイントは、早めに行動すること。フリーターの期間が長くなるほど、正社員としての雇用が厳しくなると考えましょう。職種によって違いがありますが、20代前半であれば就職先の選択肢も広く、求職活動をスムーズに進められるでしょう。また、正社員として働いた年数は昇給やボーナス、退職金といった収入、将来貰える年金にも影響します。長い目で見ても、できるだけ早く正社員になっておいたほうが良いでしょう。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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