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国民健康保険への切り替えタイミングは？変更方法と注意点を解説
更新日
この記事のまとめ
- 日本は国民皆保険制度のため、国民健康保険か社会保険に加入する必要がある
- 退職後から転職まで期間が空く場合は、社会保険から国民健康保険への切り替えが必要
- 国民健康保険の切り替えは、被保険者が退職の翌日から14日以内に行おう
- 国民健康保険への切り替え以外にも、任意継続や家族の扶養に入る方法がある
「国民健康保険の切り替え方法が分からず、退職後が不安」となかなか転職に踏み切れない方もいるでしょう。国民健康保険へ切り替えるには、必要書類を役所へ提出する必要があります。
このコラムでは、社会保険から国民健康保険への切り替えのタイミングや健康保険証の受け取り方を解説。また、切り替えの際の注意点や、加入以外の方法も併せて紹介します。保険制度に関する疑問をなくし、安心して就職・転職活動を行うための参考にしてみてください。
国民健康保険への切り替え
会社を退職すると、加入していた社会保険の資格も喪失します。日本は「国民皆保険制度」のため、社会保険に入らない場合には国民健康保険に加入しなければなりません。退職後から転職まで期間が空く場合は、国民健康保険に切り替えましょう。
切り替えのタイミングは退職後14日以内
社会保険から国民健康保険への切り替えは、退職の翌日から14日以内に行わなくてはいけません。社会保険の資格喪失日は退職日の翌日です。資格喪失日から自動的に国民健康保険料が発生してしまうため、できるだけ早めに手続きを行いましょう。
国民健康保険の切り替えはどこでできる？
国民健康保険への切り替えは、居住地の役所で行います。一般的に役所内は行える手続きごとに窓口が設けられているので、国民健康保険のブースを探してみてください。どこが国民健康保険のブースなのか不明な場合は、近くの職員か窓口に「国民健康保険の手続きをしたい」と伝えましょう。国民健康保険と社会保険の違い
国民皆保険制度とは、一人ひとりの国民が保険料を負担して、万一のときにかかる高額な医療費の負担をお互いに支え合うことで成り立つ、相互扶助制度のことです。すべての国民が対象のため、労働の有無に関わらず何らかの健康保険に加入する必要があります。
非労働者や自営業など企業に属さない人は国民健康保険、民間企業で働く人は社会保険に加入するのが一般的です。以下では、国民健康保険と社会保険の違いをまとめました。
社会保険とは
社会保険は健康保険とも呼ばれる、「全国健康保険協会」や「健康保険組合」が運営している公的医療保険のことです。正社員や一定の条件を満たしている非正規社員が加入しています。加入対象者は、勤め先の会社を通して社会保険に加入しており、保険料は会社と加入者の折半になるのが特徴です。
また、「扶養」の概念があるのも社会保険の特徴の一つでしょう。政府広報オンラインの、「会社員などの配偶者に扶養されているかた、扶養されていたかた（主婦・主夫）へ。知っておきたい『年金』の手続」によると、加入者が配偶者や子などを扶養している場合、被扶養者に対しても保険が適用されます。
参照元
政府広報オンライン
年金・保険
国民健康保険とは
厚生労働省の「国民健康保険制度」によると、国民健康保険制度は、都道府県及び市区町村が保険者となる市町村国保と、業種ごとに組織される国民健康保険組合から構成されています。職に就いていない方や自営業者、年金受給者などの社会保険に加入していない人たちが対象者です。国籍や年齢を問わず、日本国内に住所があれば加入義務が生じます（外国籍の場合は3ヶ月以上の在留で加入対象）。なお、国民健康保険には扶養の概念がないため、家族がいる場合は人数分の加入と保険料が必要です。
「保険証の種類には何がある？番号の確認方法や保険制度について解説」でも保険の種類についてまとめているので、併せてご覧になってください。
参照元
厚生労働省
国民健康保険制度
社会保険から国民健康保険への切り替え方法
前述のとおり、日本では全国民が公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」を採用しているため、会社を辞めたからといって社会保険の一種である健康保険を辞めることはできません。正社員が会社を退職すると、会社で加入していた社会保険は使えなくなるので、国民健康保険への切り替え手続きを行いましょう。
以下では、社会保険から国民健康保険へ切り替える手続きの方法をご紹介します。
必要書類を準備する
国民健康保険へ切り替える際に必要なものは以下のとおりです。
- ・健康保険の資格喪失を証明する書類
- ・顔写真つきの身分証明書
- ・マイナンバー
- ・印鑑
- ・キャッシュカード
手続きの際には、健康保険の資格喪失日の分かる証明書が必要になるので、健康保険被保険者資格喪失証明書、退職証明書、離職票のどれか1通を持参してください。そのほか、運転免許証やパスポートなどの身分証明書と、各市町村で定められた届出書、印鑑が必要になります。
国民健康保険の手続きに必要なものは役所によって異なる場合があるため、住居地の役所のホームページで事前に確認しておくのがおすすめです。
居住地の役所で届出を行う
必要書類を揃えたら、居住地の役所で国民健康保険への加入手続きを行います。
国民健康保険に関する手続きを担当する窓口で、国民健康保険への加入を希望していることを伝えましょう。必要書類を提出し、担当者の指示に従って加入手続きを行えば、健康保険証を受け取れます。
国民健康保険から社会保険へ切り替える方法
就職で国民健康から社会保険へ切り替える場合、社会保険への加入手続きは会社が行いますが、国民健康保険の脱退手続きは自分で行う必要があります。加入したときと同様、役所の窓口へ行き、脱退手続きを行ってください。脱退手続きを忘れてしまうと、二重払いの原因になるため注意しましょう。社会保険への切り替え方法については、「就職したら保険証の手続きを！国民健康保険から社会保険への切り替え方法」のコラムでもご確認いただけます。国民健康保険の脱退方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
国民健康保険に切り替えるときの注意点
国民健康保険へ切り替える際は、健康保険証を会社へ返却し、できるだけ早く申請を行いましょう。
以下では、国民健康保険へ切り替える際の注意点を解説します。
健康保険証は会社へ返却する
退職する際は、健康保険証を会社へ返却する必要があります。会社で加入していた社会保険は、退職日の翌日に資格を喪失します。退職日に健康保険証を返却していないと、再度会社へ足を運んだり、郵送したりする手間がかかってしまうでしょう。特別な事情がない限り、健康保険証は退職日に会社へ返却しておくのがおすすめです。
できるだけ早めに申請する
社会保険の資格を喪失して14日以上経ってから国民健康保険へ切り替える場合、「健康保険資格喪失証明書」があればさかのぼって加入できますが、未加入時期の保険料をまとめて支払う必要があります。なお、特別な理由なく届け出が遅れた場合、保険未加入時に発生した医療費は全額負担になるので注意しましょう。
国民健康保険料については「国民健康保険料はいくら？無職は支払いを免除される？金額や計算方法を紹介」のコラムで詳しく解説しているので、気になる方は目を通してみてください。
土日は役所が開いていないので注意
国民健康保険への切り替えを行う際は、役所の開庁日や受付時間に注意しましょう。一般的に、役所は毎週土曜日と日曜日は開いていないようです。また、平日の受付も16時や17時で終了してしまうことが多いといわれています。退職から14日の猶予はあるものの、行けるうちに手続きを済ましておくのがおすすめです。
国民健康保険へ切り替える以外は？任意継続も検討しよう
任意継続被保険者制度とは、前に勤めていた会社を退職したあとでも、在職中と同じ健康保険の被保険者資格を継続できるものです。この制度を利用するためには、「退職日以前に継続して2ヶ月以上の被保険者期間がある」「退職日の翌日から20日以内に手続きを行う」の2つを満たす必要があります。
申請できる期間は短いものの、最長で2年間制度を利用できるのが特徴です。ただし、任意継続は一度制度を利用したら、原則として途中で国民健康保険に切り替えたり、家族の扶養に入ったりできません。さらに、医療費の自己負担額など給付内容は概ね変わりませんが、出産手当金や傷病手当金は支給対象外となるので注意しましょう。任意継続については、「健康保険の任意継続とは？国民健康保険との違いや手続き方法」にもまとめているので併せてご覧ください。
任意継続被保険者制度のメリット
退職した会社の社会保険を引き続き利用できる任意継続は、国民健康保険に比べて保険料が安く済む可能性があります。任意継続にすると、会社は退職しているので保険料は全額負担になりますが、扶養家族の保険料は不要のため、扶養家族がいる場合は国民健康保険より安くなる場合もあるようです。また、保険給付や健康診断なども、在職中とほぼ同じ条件で利用できます。
任意継続被保険者制度のデメリット
メリットの面でも前述したように、任意継続保険の保険料は全額自己負担です。扶養家族がいない場合は、国民健康保険より高くなることも考えられます。また、任意継続は2年間と期間が決まっています。加入中は保険料に変化がないため、所得が減ると負担を大きく感じる場合も。2年を超えたら任意継続ができなくなるため、国民健康保険や家族の扶養に切り替える必要があるのもデメリットといえるでしょう。
任意継続の保険料は？
任意継続を利用すると、勤めていたときに比べて保険料は高くなります。これは、社会保険の制度として「会社と労働者が折半」する仕組みのためです。任意継続を利用する人は「労働者」ではなくなるため、会社との折半も退職によって解消されます。加えて、任意継続の保険料は、退職時の標準報酬月額と都道府県の保険料率を基に計算され、2年間は原則変わらないことも押さえておきましょう。
家族の扶養に入るのも選択肢の一つ
会社を退職したあと、家族の扶養に入る選択肢もあります。ただし、被扶養者になるには前提として家族に被保険者がいる必要があるようです。また、扶養に入るには、三親等内の親族であることや、年収が130万円未満かつ被保険者の2分の1未満であることなど、いくつか条件があります。扶養についての詳しい情報は、「扶養者とは誰のこと？社会保険と所得税での「被扶養者」条件の違いも解説」のコラムでも確認できるので、ぜひチェックしてみてください。
国民健康保険に切り替えたら支払いはどうなる？
社会保険は給与天引きが一般的ですが、国民健康保険は自分で支払わなければなりません。国民健康保険に加入すると、自治体から納付書が郵送で届きます。納付書をコンビニや銀行・郵便局の窓口などに提出し、規定の金額を払いましょう。手続きを行えば口座振替も可能です。
納付書は1ヶ月ごとのものと、数ヶ月分がまとまったものが同封されることが多いようです。いずれも総額に変わりはないため、自分に合った支払い方法を選択しましょう。もし、まとめて支払ったあとに就職で社会保険に加入した場合は、手続きを行えば過払い分は返金されます。
すぐ転職すれば国民健康保険へ切り替えなくて良い
「仕事を辞めたらすることは？もらえるお金や手続きなど退職後の流れを解説！」のコラムで解説しているとおり、退職後は健康保険の手続きをはじめ、失業保険の受給申請や国民年金への切り替えなどやるべきことが多くあります。転職活動に集中したいと思っても、細かな手続きに手間をとられて思うようにスケジュールを組めないという方もいるでしょう。
退職から日にちを空けずに転職ができれば、これらの手続きは基本的に転職先の企業が行ってくれます。無職期間がないので精神的・経済的に安心できるのも、期間を空けずに転職するメリットです。退職後に国民健康保険に切り替えるか悩むなら、期間を空けずに転職をするのも一つの手でしょう。
しかし、働きながら計画的に転職活動を行うのは簡単なことではありません。もし、不安があるならエージェントの利用も検討してみましょう。
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国民健康保険の切り替えに関するQ＆A
ここでは、国民健康保険の切り替えに関する質問に、Q＆A形式でお答えします。
前職を退社後、国民健康保険への切り替えを忘れて就職したらどうなる？
就職後は社会保険へ加入しますが、未加入時期の国民健康保険料を支払う必要があります。退職後に国民健康保険の切り替えを忘れてしまっていた場合は、早めに役所へ行き、未加入分の支払い手続きを行いましょう。国民健康保険の手続きについては、このコラムの「社会保険から国民健康保険への切り替え方法」をチェックしてみてください。
国民健康保険から社会保険へ切り替えた後に返金してもらえる？
返金してもらえます。国民保険料をまとめて支払ったあとに社会保険へ加入し、過払い金が発生してしまったら、国民健康保険の加入手続きを行った役所で相談してみましょう。ただし、返還してもらえるのは過去2年間分までなので、注意してください。
退職後に期間を空けず転職すると、健康保険の手続きを自分で行う必要はありません。国民健康保険の過払いや二重払いを避けたい方は、期間を空けずに転職するのも一つの手といえます。在職中の転職活動を効率的に行いたい方は。ハタラクティブへご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています！
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
