雇用保険の加入条件とは？支給される手当についても解説

雇用保険の加入条件について、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。雇用保険は雇用形態に関わらず2つの条件を満たすことで加入できます。また、失業時以外にも支給される手当がいくつかあります。どのような手当があるか覚えておきましょう。このコラムでは、雇用保険の加入条件をご紹介。失業時以外に受け取れる手当についても解説しています。

雇用保険の加入条件

雇用保険は、正社員やパート、アルバイト、派遣社員などの雇用形態に関わらず、2つの条件を満たしていれば雇用保険の加入対象となります。具体的な条件は以下のとおりです。

1週間の所定労働時間が20時間以上である

雇用保険に加入するには、1週間の所定労働時間が20時間以上であることが条件の一つです。週3日勤務している場合は1日7〜8時間、週5日勤務の場合は1日4時間程度の労働時間が必要となります。なお、欠勤や遅刻、早退などによる一時的なものであれば、20時間未満になった週があっても問題ありません。

31日以上継続して雇用される見込みがある

もう一つの雇用保険の加入条件は、勤務開始から続けて31日以上雇用される見込みがあることです。定められた雇用期間がない場合は、この条件は満たしている扱いになります。また、31日未満の雇用期間だった人が途中で31日以上雇用されることになった場合は、その時点から条件を満たしていることになります。

2つの条件を満たす場合でも、事業所自体が雇用保険の適用外である場合は加入の対象とはならないため、注意が必要です。雇用保険の加入条件については、「雇用保険とはどんな制度？概要や加入条件を紹介！」のコラムでも解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

雇用保険に加入するとどうなる？

雇用保険に加入すると、失業したときに基本手当（失業給付）を受給することができます。パートやアルバイトなどの非正規雇用も、雇用保険の条件を満たして加入している場合は、正社員と同様に基本手当の受給が可能です。支給条件については、以下のとおりとなっています。

• ・ハローワークで求職の申込みを行い、就職する意思と能力があるにもかかわらず、失業の状態にあること
  ・離職日以前に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上（※）あること（会社都合による退職などで、特定受給資格者または特定理由離職者にあたる場合は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あれば可）
  （※）離職日から1ヶ月ごとに区切った被保険者期間のうち、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上または時間数が80時間以上ある月を1ヶ月として計算

支給条件を2つとも満たす場合は、基本手当を受給するための手続きを行いましょう。詳しい手続き方法については、「ハローワークで雇用保険（基本手当）の受給手続きをする方法を紹介！」のコラムで紹介しています。こちらもチェックしてみてください。

雇用保険で受けられるのは「基本手当」だけじゃない！

雇用保険には、基本手当のほかに「技能習得手当」や「就業促進手当」などがあります。失業時以外にも受け取れる手当があることを覚えておくと、いつの日にか役に立つ日がくるでしょう。ここでは、基本手当以外の給付適用について説明していきます。

技能習得手当

「技能習得手当」は、再就職に向けて公共職業訓練などを受講するときに給付される手当です。「受講手当」と「通所手当」の2種類があり、条件に当てはまった場合は基本手当とは別に支給されます。なお、公共職業訓練は、公共職業安定所の所長または地方運輸局長からの指示により受講できます。受講したい場合は、まずハローワークの職業相談窓口で相談しましょう。

就業促進手当

「就業促進手当」は、再就職した場合などに給付される手当のことです。「再就職手当」や「就業促進定着手当」などがあります。「再就職手当」は、基本手当の支給日数を一定以上残すなどの条件を満たして早期に再就職した場合に支給される手当です。「就業促進定着手当」は、再就職先で支払われた6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金の1日分よりも低い場合に支給される手当です。
詳しくは、「ハローワークで再就職手当をもらう条件は？必要書類や申請方法などを解説」や「就業促進定着手当とは？受給条件や申請方法も知っておこう！」のコラムもご覧ください。

教育訓練給付金

「教育訓練給付金」は、安定した雇用と再就職へと繋がる取り組みとして設けられた制度です。厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に、受講にかかる費用が一部支給されます。支給条件は、受講開始の時点で雇用保険の支給要件期間が3年以上あることや、離職した翌日から教育訓練を受講する日までの期間が1年以内であること、以前に制度を利用したことがある人は3年以上の期間が経過していることなどです。「技術を身につけたい」「資格取得を目指したい」というときに活用できる制度だと言えます。詳しくは、各市区町村にあるハローワークで確認をして、必要な提出書類を準備しましょう。

その他給付金

ほかにも、仕事を辞めたり、職を失ったりしたとき以外で、雇用保険の以下の給付金が対象になる可能性があります。

• ・子育て中の方が育児期間として休みを申請したときに支給される「育児休業給付」
  ・家族の介護をするときに支払われる「介護休業給付」
  ・働き続けたい高齢者の方を支援する「高年齡雇用継続給付」　など

このように雇用保険にはさまざまな支給項目があるため、加入している場合は現在の自分の状況に適用されるものがないか、今一度チェックしてみると良いでしょう。もし支給条件に当てはまるかどうか分からないときは、お住いの地区にあるハローワークに相談してみてください。

正規雇用・非正規雇用どちらの働き方をしていても、一定の条件を満たせば雇用保険へ加入し、さまざまな支給を受けることができます。しかし、福利厚生面ではどうしても正社員の方が手厚くなるでしょう。福利厚生面も充実した正社員への転職をお考えの場合は、ハタラクティブまでご相談ください。
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