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何年働いたら退職金はもらえる?退職金制度の種類と相場を徹底解説!
更新日
この記事のまとめ
- 退職金は何年働いたらもらえるかは、規定によって異なるが勤続3年以上が多い
- 退職金制度には「退職一時金制度」「退職金共済」など大きく分けて4種類ある
- 「会社の規模」や「学歴」「退職理由」は退職金に影響する可能性がある
- 退職金は何年働いたかで受け取る金額が異なり、年数が長いほど金額も増える傾向にある
- 何年働いたかどうかに関わらず、退職金制度がない企業ではもらえない
「退職金は何年働いたらもらえる?」と気になっている方もいるでしょう。退職金は一般的に、勤続3年以上で支給される企業が多い傾向にあります。このコラムでは、退職金の制度や種類について紹介します。また、企業の規模別の退職金の相場や計算方法も解説。退職金について詳しく知り、現在の職場を退職するか続けるか判断するための参考にしてください。
退職金は何年働いたらもらえるの?
退職金を何年働いたらもらえるかは、企業ごとの規定によって異なります。「1年以上の就労で退職金をもらえる」「5年以上働かないと受け取れない」あるいは「退職金制度がない」などさまざまです。
勤続3年以上で退職金を支給する企業が多い
「勤続年数3年以上で退職金を支給する」としている企業が比較的多いようです。最終学歴や企業規模などによって、どのくらい退職金をもらえるか決まる場合も。
前述したように退職金は、もらえる金額や何年働いたら受け取れるかは、企業によって異なりますので会社へ確認しましょう。
退職金をもらえる場合ともらえない場合を、具体的に知りたい方は「退職金なしは違法?制度や老後の不安の解消法などについて解説!」をご参照ください。
退職金制度について
ここでは退職金制度について詳しく説明します。そもそも退職金制度とは何なのか、自分の会社に制度があるのか確認しながら見てみましょう。
そもそも退職金制度とは?
退職金制度とは、企業で定められている一定の年数以上働くと、離職する際に退職金を受け取れる制度のことです。退職金制度は、働いた年数や業績などで金額が異なり、一般的には長く働くほど退職金の金額は上がっていく傾向にあります。
何年働いたらもらえるかや計算方法などは企業によって異なるため、明確なルールなどは存在していません。また、そもそも退職金制度がない企業などもあるようです。
退職金がある会社の割合は?
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況 第17表 退職給付(一時金・年金)制度の有無、退職給付制度の形態別企業割合」によると、退職金制度がある会社は、80.5%で全体の約8割であることが分かりました。反対に退職金制度がない会社は、19.5%で全体の約2割であることから、退職金制度がある会社のほうが多いことが分かります。
参照元
厚生労働省
平成30年就労条件総合調査 結果の概況
自分の会社に退職金制度があるか確認する方法
退職を考えている人は、まず自分の会社に退職金制度があるかを確認してみましょう。確認する方法は、会社の人事や総務担当に聞く、就業規則を確認するなどの方法があります。
退職金は、年数以外にも会社の業績や社会情勢によって変化する可能性もあるので注意が必要です。退職後トラブルにならないためにも、制度の有無を確認するだけでなく変更点がないかしっかり確認しておくことをおすすめします。
退職金制度には大きく分けて4種類ある
退職金制度には主に、「退職一時金制度」「退職金共済」「確定給付年金」「企業型確定拠出年金」の4つに分けられます。
しかし、退職金に関して法的な定めがないため、就業規則により退職金制度を設けていない企業も。退職金制度について、以下で詳しく解説しますので参考にしてみてください。
1.退職一時金制度
退職一時金制度とは、退職の際に退職金を一括で受け取ることを指します。
何年働いたらもらえるかや、退職したあといつ受け取れるかは企業によって異なりますので、事前に確認しましょう。また、「基本給連動型」や「ポイント制」など、退職金の算出方法はいくつか種類があります。
どのように算出するかについては「退職金の計算方法」の項目で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
2.中小企業退職金共済
中小企業退職金共済は、主に中小企業を対象とした退職金共済制度で、会社が加入した共済によって積み立てられた資金から退職金が支払われます。従業員の退職金を運用・管理するのが難しい企業に対し、事業主の相互共済の仕組みと国の援助でこの退職金制度が設けられているようです。
3.確定給付企業年金
確定給付企業年金は、確定給付企業年金法に基づいた企業年金制度で、「基金型企業年金」と「規約型企業年金」の2種類です。
基金型企業年金は企業が従業員の同意のもと、企業年金基金へ委託し資産管理・運用・年金給付を行います。一方で、規約型企業年金は、信託会社や生命保険会社などが資産管理・運用・年金給付を担当。
どちらの場合も企業が掛け金を負担し、会社単位で運用を行うのが一般的ですが、加入者である従業員が個人で負担し運用することも可能です。また、退職時にもらえる金額は企業から保証されているので、個人的リスクは生じない制度といえるでしょう。
4.企業型確定拠出年金
企業型確定拠出年金とは、企業が毎月掛け金を積み立てて、それを従業員が運用する制度のことを指します。企業型確定拠出年金は福利厚生の一つでもあり、この年金制度を取り入れている会社の従業員は原則として、企業型確定拠出年金に自動加入することが決められているようです。
しかし、なかには企業型確定拠出年金の加入について選択制を取り入れている企業もあります。選択制とは、企業が拠出するお金を企業型確定拠出年金の掛け金にするか毎月の給与で受け取るかを選べる制度です。この場合は企業型確定拠出年金に自動加入するのではなく、自分で加入するかしないかを選択する必要があります。
厚生年金基金制度
厚生年金基金制度は、厚生年金保険法に基づいた企業年金制度で、企業と従業員で掛け金を折半します。
確定給付企業年金と同様に、退職時にもらえる金額が保証されており、運用も企業が行うため個人的なリスクはない制度といえるでしょう。
キャッシュバランスプラン
キャッシュバランスプランは、確定給付年金と確定拠出年金の中間のような制度です。
企業と従業員の双方でリスクを分散します。掛け金を企業が負担し、受け取れる金額のうち一定額を企業が保証。残額は受け取るときの経済状況によって異なります。
前払い制度
毎月の給与や、年に数回の賞与などの際に、退職金の一部を上乗せして前払いされる制度もあります。
退職する前に退職金をもらえるのはメリットに感じますが、上乗せされた金額にも所得税が発生することも忘れてはいけません。また、この制度を導入しているかどうかは、企業によって異なりますので確認が必要です。
退職金の相場
退職金の相場は最終学歴や勤続年数、または退職理由などによって異なります。就労先が民間企業、あるいは公務員によっても異なりますので、以下をご参照ください。
民間企業(中小企業)の場合
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)p1< 図表8‐1>モデル退職金」によると、民間企業の場合、退職金の相場は以下のとおりです。
(高卒者)
・勤続10年:自己都合90万7,000円、会社都合122万3,000円
・勤続15年:自己都合170万5,000円、会社都合214万円8,000円
・勤続20年:自己都合272万9,000円、会社都合328万4,000円
・勤続25年:自己都合397万1,000円、会社都合465万6,000円
・勤続30年:自己都合532万5,000円、会社都合604万6,000円
・定年:会社都合994万円
(高専、短大卒者)
・勤続10年:自己都合98万7,000円、会社都合126万9,000円
・勤続15年:自己都合183万7,000円、会社都合227万4,000円
・勤続20年:自己都合292万4,000円、会社都合346万5,000円
・勤続25年:自己都合423万円、会社都合493万5,000円
・勤続30年:自己都合565万8,000円、会社都合645万9,000円
・定年:会社都合983万2,000円
(大卒者)
・勤続10年:自己都合112万1,000円、会社都合149万8,000円
・勤続15年:自己都合212万9,000円、会社都合265万8,000円
・勤続20年:自己都合343万1,000円、会社都合414万7,000円
・勤続25年:自己都合490万6,000円、会社都合578万2,000円
・勤続30年:自己都合653万6,000円、会社都合754万2,000円
・定年:会社都合1,091万8,000円
なお、ここでご紹介した退職金は学校卒業後すぐに入社した人が、一般的な能力と成績で勤務した場合に、どのくらいもらえるかを算出したものとなります。
参照元
東京都産業労働局
中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)
公務員の場合
公務員の退職金の相場は、内閣官房の「退職手当の支給状況 表2 勤続年数別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」によると以下のとおりです。
・勤続5年未満:自己都合24万5,000円、定年158万7,000円
・勤続5~9年:自己都合84万7,000円、定年446万8,000円
・勤続10~14年:自己都合276万9,000円、定年713万7,000円
・勤続15~19年:自己都合525万5,000円、定年1,159万1,000円
・勤続20~24年:自己都合932万8,000円、定年1,309万2,000円
・勤続25~29年:自己都合1,367万8,000円、定年1,633万2,000円
・勤続30~34年:自己都合1,674万7,000円、定年1,991万7,000円
・勤続35~39年:自己都合1,951万3,000円、定年2,303万8,000円
・勤続40年以上:自己都合2,122万円、定年2,234万7,000円
なお、上記は常勤職員として働いた場合の退職金となります。
公務員の退職金について詳しく知りたい方は「公務員の退職金はどのくらい?どうやって決まるの?」のコラムもあわせてご覧ください。
参照元
内閣官房
退職手当の支給状況
退職金の相場に影響しやすい要素
退職金の支給額は一般的に勤続年数に連動しますが、そのほかにも「会社の規模」や「学歴」「退職理由」などが退職金に影響する場合があります。以下で詳しく見てみましょう。
会社の規模
一般的に会社の規模が大きいほど、退職金も高い傾向にあります。中小企業に比べ大企業は、資金面でも安定しており、給与も高い傾向にあることから、それに連動し退職金も高い傾向に。
人事院の民間企業を対象とした「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解についての参考資料(p9~p12)]によると、企業規模が1,000人以上の大企業は退職給付額の合計が792万6,000円に対し、企業規模50人以上100人未満の中小企業は退職給付額の合計が422万であることが分かりました。
この結果から、中小企業より大企業の方が比較的退職金が高いといえるでしょう。
参照元
人事院
民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について
学歴
退職金は学歴別で変わることもあり、高卒より大卒のほうが退職金が高い傾向にあります。厚生労働省の「就労条件総合調査(平成30年)第23表 退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)]によると、高卒者の定年退職金が1,159万円なのに対し、大学卒の定年退職金は1,983万円で、大卒者の方が比較的退職金が高いことが分かりました。
参照元
厚生労働省
平成30年就労条件総合調査 結果の概況
退職理由
退職金制度は、退職理由ごとに退職金の額を設定している企業もあります。一般的に会社を退職する理由は大きく分けて2つあり、自己都合か会社都合でしょう。自己都合退職か会社都合退職の場合は、会社都合退職の方が退職金が高くなる傾向にあります。
理由としては、会社都合での退職は「経営破綻」や「倒産」「業績悪化」などでやむを得ない事情で退職しなければいけないからです。そのため、自己都合より会社都合での退社の方が退職金が多く設定されている場合が多いといえます。
自己都合と会社都合の違いを詳しく知りたい方は「会社都合のときに退職届は必要?自己都合退職との違いや書き方・例文も解説」にまとめてあるので参考にしてください。
退職金の計算方法
退職金はいくらもらえるのか、主な計算方法をいくつかご紹介します。会社によって計算方法も異なるので、どのような計算方法があるのかを知っておきましょう。
基本給連動型
退職金の計算方法が、基本給連動型の場合は以下の計算式を用いて算出します。
(計算式)
算定基礎額(退職時の基本給)×勤続年数ごとの係数×退職理由別の支給率=もらえる退職金
一般的には勤続年数に応じて、もらえる退職金額が上がる傾向にあります。また、就いていた役職により上乗せされたり、逆に退職理由によっては支給率が下がったりなど企業によりさまざまです。
定額制
定額制の退職金を導入している企業では、主に勤続年数のみを基準に退職金額が決められます。そのため、毎月の給与額や業務実績などに関わらず、勤続年数が長いほど、もらえる金額も多くなるでしょう。
ポイント制
ポイント制の場合は、企業が従業員の業務実績や役職、または勤続年数などをもとに評価し、その合計ポイントによって退職金額が決定します。
(計算式)
退職金ポイント×ポイント単価×退職理由係数=もらえる退職金
ポイントの加算方法や数については企業によって異なりますが、たとえば勤続10年ごとや役職が上がるごとなどに、ポイントを加算されることが多いようです。
別テーブル制
別テーブル制の計算方法は基本給連動型と同様に、勤続年数と退職理由によって決定します。ただし、算定基礎額が退職時の基本給ではなく、役職や等級などによって変動する場合も。計算先は以下のとおりです。
(計算式)
算定基礎額(役職、等級などで変動) ×勤続年数ごとの係数×退職理由別の支給率=もらえる退職金
退職金の相場については「退職金の平均額はいくら?企業規模や勤続年数による違いとは」でも解説していますので、ご参照ください。
退職金を多く受け取るには?
退職金をより多く受け取るためには、「勤続年数」と「退職理由」に注目すると良いでしょう。以下で解説しますので参考にご覧ください。
働いた期間が長いほど退職金は高くなる
前述したように退職金は何年働いたかによって、もらえる金額が異なります。勤続年数が長いほど退職金は高くなる傾向に。
ただし、企業によっては退職金制度を導入していない場合もありますので、就業規則を見たり、人事担当者へ問い合わせたりなどして確認しましょう。
自己都合か会社都合かによって金額が異なる
「退職理由」で紹介したように、一般的には自己都合よりも会社都合で退職する方が退職金を多くもらえる傾向にあります。
「会社都合」とは主に、倒産やリストラ、ハラスメントなどにより就労が困難となった場合を指し、「定年退職」は自己都合・会社都合のどちらにも該当しません。
このように、退職金と呼ばれるものにはいくつかの種類があり、もらえる金額も企業によってさまざま。転職の際は、事前に退職金制度について企業へ確認することが大切です。
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こんなときどうする?退職金に関するお悩みQ&A
退職を考えている人の中には、退職金について気になっている方もいるでしょう。ここでは、想定される退職金に関するお悩みにQ&A方式で答えます。
退職金は勤続何年でもらえますか?
勤続何年で退職金がもらえるかは企業によりますが、「3年以上」としているところが多いようです。一概には言えないので、現在退職を考えていて、退職金も受け取りたいと考えている場合は、もらえるかどうか、もらえる場合は勤続何年でもらえるかを就業規則で確認するのが良いでしょう。
詳しくは、このコラムの「退職金は何年働いたらもらえるの?」でご確認ください。
退職金の種類はどのようなものがありますか?
退職金制度には主に、「退職一時金制度」「退職金共済」「確定給付年金」「企業型確定拠出年金」の4つが挙げられるでしょう。
また、退職一時金の算定方法は、勤続年数に応じた金額が支払われる定額制、給与に勤続年数などを加味した支給率を加算する給与比例制、勤続年数や役職などをポイント化して加算するポイント制に分かれています。
退職金に税金はかかりますか?
退職金にも税金はかかります。ただし、所得税の計算方法は通常の給与所得とは異なるので、注意が必要です。退職金は長年働いてきた人への労いを目的としているため、税の負担が軽減されるよう配慮されています。
退職金にかかる所得税額は「課税退職所得金額×所得税率ー控除額」で計算できるので、気になる方は計算してみると良いでしょう。
退職金は必ずもらえますか?
退職金がもらえるかどうかは企業によります。退職金を支払うことは法律で定められていないため、必ずしももらえるとは限りません。「退職すれば必ずもらえるもの」と過信せず、会社の就業規則を事前に確認しておきましょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。