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宅建は就職に有利になる?向いている人や就活でアピールするコツ
更新日
この記事のまとめ
- 宅建とは、宅地建物取引士という国家資格の略称
- 不動産取引は宅建士がいないと行えないため、不動産業界では需要の高い資格
- 宅建の資格は経済に関する知識も求められるため、不動産業界以外でも評価されやすい
- 就職に際して、資格を持っていれば必ず採用されるわけではない
- 資格取得をゴールにせず、就職に向けて計画的に取り組もう
宅建とは、不動産取引で必須となる資格のこと。このコラムでは、宅建の資格が就職で有利になるかを解説しています。不動産業界への就職では、宅建は必須資格ではありません。持っていることで有利になるのも事実ですが、就活で大切なのは資格の有無よりも志望動機や仕事への熱意といった基本。持っている資格をよりアピールするためにも、就活で企業が評価するポイントを知っておくことが大切です。
宅建は就職で有利になる?
宅建の資格を持っていると、特に不動産業界で就職が有利になりやすいといえます。
不動産業界の業務のなかには、宅建の資格を持つ「宅建士」しか行えない法定業務が存在するためです。また、不動産業界のうち「宅地建物取引業」として営業する事務所や企業は、宅建士の有資格者を設置する義務も。最低ひとりで、人数の規定は事業規模によって決められているため、規模の大きな事業所・企業ほど宅建の資格を持つ方が必要になります。
宅建とは
宅建とは、不動産に関する国家資格「宅地建物取引士」の略称です。不動産取引における専門家として、違法な値段での売買やトラブルから専門知識のない一般の人を守るのが仕事。不動産売買における重要事項説明と重要事項説明書への記名・捺印、契約書への記名・捺印は宅建士にしかできない「独占業務」です。
宅建の資格を取得する方法
宅建の資格を取得するには、「宅建試験」を受けて合格する必要があります。
宅建試験の受験に際して資格は設けられていないため、年齢や学歴、経験などを問わず誰でも受験できるのが特徴。年間20万人もの受験者がいるともいわれています。
試験科目は大まかに「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税金・その他」の4つで、問題数は50問。四択式マークシートです。
宅建に合格するためには?
宅建に合格するには、300時間程度の勉強時間が必要といわれています。1日2時間勉強できたとしても半年かかる想定のため、働きながら資格取得を目指すのは簡単ではないでしょう。
なお、宅建試験の合格率は15%前後。独学で勉強して合格する方もいますが、法改正があれば改正の内容などを調べる必要があるので、難しい面があるのも事実です。民間の資格予備校に通ったり、通信制の講座を受講したりする方も多いでしょう。
宅建の資格が就職で役立つ理由
前述したように、宅建の資格を持つ宅建士にしかできない独占業務があります。また、宅地建物取引業を行う事業所・会社では宅建士の配置が必須。宅建士は需要が高いともいえるため、就職で役立つでしょう。国家資格を取得していることで、物事に取り組む姿勢も評価されやすくなります。
宅建士にしかできない独占業務に取り組める
前述したように、不動産取引のなかには宅建士にしか行えない「独占業務」が存在します。事業所や企業がどれだけ不動産を売買しようとしても、宅建士がいなければ契約は行えません。
また、宅地建物取引業を行う事業所・企業は常に規定人数の宅建士を配置する義務があります(業務に従事する従業員のうち5人につき1名以上の割合)。会社員であれば、異動や転勤で有資格者が減ることもあるでしょう。規定を満たさない場合は2週間以内に有資格者を配置しなければいけないため、不動産業界では宅建資格が役立ちます。
就職に必要な経済の基本が学べる
宅建試験をパスするためには、不動産の知識だけでなく法律や税金に関する知識も必要です。経済についての基礎が身につくため、金融業界でもアピールになるでしょう。また、関連する仕事として建設業界でも役立ちます。
宅建をとおして業界に対する意欲をアピールできる
宅建の資格を取得すれば、業界で活躍していく姿勢を伝えられます。土地や建物は不動産業界を中心として経営基盤になるため、宅建の資格を有している事実が高く評価されるでしょう。
また、資格取得のために努力したことや計画性を上手に伝えれば、やる気・熱意の評価にもつながります。
宅建は国家資格のため評価されやすい
宅建士は国家資格です。信頼性もさることながら、国家資格を取得していることで「物事に取り組む姿勢」が評価されるでしょう。前述のとおり、宅建士は決して合格率が高いとはいえない資格。合格に向けてコツコツと勉強してきた経緯や結果を出している点は、業界を問わず評価対象になるでしょう。
不動産以外で宅建を活かせる就職先
宅建の資格を活かせるのは、不動産業界だけではありません。経済の基礎が身につくことから金融業界、関連する仕事である建設業界なども選択肢として考えてみましょう。
金融業界
先に述べたように、宅建資格の出題範囲には法律や税制に関する内容が含まれます。また、金融業界では不動産を担保にした融資やローンの実行、取引など不動産に関連する業務が多いのも特徴。特に不動産取引を行っている金融機関では宅建士の配置が必須となるため、活躍の場は多いでしょう。業界について詳しくは「金融業界の仕事」をご覧ください。
建設業界
「建設業界の仕事」でも説明しているように、建設業界は主に設計や施工管理など建物を建てるのが仕事ですが、建てた物件を自社で販売するには重要事項の説明や契約書への記名・捺印といった不動産取引と同じ業務が発生します。また、自社で設計・建築した物件に対して深い理解のある宅建士がいれば、販売アピールにもつながるでしょう。
小売業
小売業で宅建士が活躍するのは、出店場所の選定。小売店では、どんなに優れた商品やサービスを販売していても、立地が売上に大きく影響するといわれています。不動産に関する知識が豊富な宅建士がいれば、出店地の選定や物件管理が容易になるでしょう。
独立
宅建士の資格と「宅地建物取引業免許」を取得すれば、宅建士として独立することも可能です。取引業の申請を行う際は事業所の開設が必須ですが、自宅でも問題ないため独立のハードルは低いといえます。自営業に興味があるなら、「自営業として起業するには?年金や保険は?就労証明書などの書き方も解説」のコラムをご一読ください。
宅建士の就職に向いている人
宅建士として就職するのに向いているのは、不動産に興味がある人。宅建士は不動産取引の専門家として活躍するため、業界や自分が担当する仕事に興味があれば、積極的に取り組めるでしょう。また、宅建士が担当する独占業務は細かい確認点が多くミスが許されないため、物事に冷静に取り組める人も向いています。
不動産に興味がある
宅建士の仕事の性質上、不動産に関わります。不動産に興味があれば、身につけた知識を活かしたり、新たな知識を吸収したりするのも苦に感じないでしょう。建物だけでなく、リフォームや室内設備、リノベーションなどに興味がある方にもおすすめです。
物事に対して冷静に取り組める
宅建士が扱うのは数千万円といった大きな額。そのためミスは許されない仕事です。さらに、独占業務である重要事項の説明は細かい項目が多く、説明を漏らしたり怠ったりしてはいけないため、物事に対して冷静に取り組める、責任感を持って仕事をこなせる人が向いているでしょう。
積極的にコミュニケーションを取れる
宅建士の主な業務は独占業務ですが、重要事項の説明や契約の締結にあたっては、売り主・買い主と重要事項の内容で疑問がないか、契約内容に齟齬がないかなどを確認する必要があるでしょう。独占業務以外にも営業や不動産調査なども行います。営業活動に抵抗がない、他者とコミュニケーションを取りながら業務ができるという方は、宅建士の適性があると考えられます。
不動産業界は土日仕事が基本
不動産業界は小売店などと同じく、多くの人が休みになる日は基本的に仕事。もちろんシフトや働き方によっては土日が休みになることもありますが、土日や祝日は仕事になることが多いと考えておきましょう。宅建資格を就職活動でアピールするコツ
宅建のし各区を就職活動で効果的にアピールするには、「なぜ資格取得を目指したのか」「どうやって取り組んだのか」「資格を取得して将来はどうしたいか」を述べましょう。
宅建資格取得の経緯を伝える
魅力的な自己PRをするには、資格取得の動機を伝えます。
資格取得前後のエピソードを盛り込めば、あなたの人となりをアピールすることが可能です。
資格をメインにアピールするためには宅建を有している事実ではなく、取得の過程を伝えることが重要。どのような考えで資格取得を目指したのかをしっかり伝えることができれば、志望分野に対する向上心や意欲を見てもらえるでしょう。
宅建資格への取り組みを具体的に述べる
宅建の資格を取得するために行った努力や取り組んだ学習方法があれば、その内容を具体的に盛り込みます。1日の学習時間や効率性を意識して工夫したことを伝えれば、努力や姿勢を評価されるはず。苦手の克服や取得までのスケジューリングなど、資格取得のために行ったことは就職先でも役立てられる可能性があります。
宅建の資格を活かした将来ビジョンを伝える
宅建の資格を活かして業界や企業で活躍していくビジョンを伝えましょう。
今後どのようなことに挑戦したいか、どのような仕事に取り組んでいきたいかなど、これから関わる業務に関連付けます。
志望する企業でしか達成できないことを伝え、宅建の資格と自分のスキルをかけ合わせて実現していけることをアピールしましょう。
宅建士への就職に向けた資格取得は計画的に行おう
宅建士の資格があることで不動産業界をはじめとする就職に有利になる可能性はあります。しかし、資格取得ばかりに気をとられていては、志望する業界や企業の求人に申し込む機会を失ってしまう場合も。資格取得そのものを目的にせず、就職を見据えて資格取得・就職活動の計画を立てましょう。
就職は資格だけでは決まらない
宅建士など専門的な資格を取得したからといって、確実に就職で内定が得られるわけではありません。そもそも、不動産業界で働くにあたって宅建の資格は必須ではないことも。「不動産業界に就職する5つのメリットとは?仕事内容や働き方について」のコラムでも解説しているように、資格よりも業界や仕事に適したスキルやポテンシャルを持っていれば採用される可能性があります。
宅建などの資格に固執するのは危険
資格を取得する前に応募が締め切られると、ポテンシャルを重要視している企業へのチャンスを逃してしまう可能性があります。ポテンシャルは年齢が若いほど評価されやすい傾向があるため、資格取得だけを目標に何年も挑戦するのは避けたほうがベター。せっかく資格を取得できても、企業が求める柔軟性やポテンシャルを失ってしまう可能性があります。
資格がなくても就職は可能
「資格なしでも就職できる!企業が重視するポイントを解説」のコラムでも説明しているように、宅建に関わらず就職には必ずしも資格は必要ありません。資格を持っている人だけが業務を行える「業務独占資格」の仕事、資格を持っている人しか名乗れない「名称独占資格」の仕事に就く場合は例外ですが、一般的な企業や仕事であれば、資格の有無よりも「自己分析ができているか」「業界・企業に対して深く理解しているか」「志望動機や自己アピールは適切か」「年齢とスキルが見合っているか」などを重視するでしょう。
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宅建士の就職に関するFAQ
ここでは、宅建士の資格や就職について、よくある質問にQ&A形式で回答します。資格取得を目指している方、宅建の資格を就職に活かしたい方は参考にしてください。
宅建とは?
不動産に関する国家資格「宅地建物取引士」の略称です。
また、宅建士を取得するために受験する「宅建試験」を指すこともあります。
不動産取引では大きな額の契約になるため、不正や犯罪、トラブルを未然に防げるよう宅建士が活躍。不動産取引は、宅建士がいないと行えません。
宅建の資格は就職に有利になる?
有利になることが多いようです。
不動産業界の仕事の一環である「重要事項の説明」「重要事項の説明への記名・捺印」「契約書への記名・捺印」は宅建士の独占業務。また、不動産の取引を行う事業所や企業は、働く人数に応じて宅建士を配置する義務があります。このことから、有資格者は有利になる傾向があるといえるでしょう。
宅建を取得していれば、未経験業界へも就職しやすい?
未経験でも、資格を取得していれば就職できる可能性はあります。
特に年齢の若い20代なら、実務経験が無くても資格を持っていること事態への評価や将来のポテンシャルから採用される可能性は高め。「業界未経験からの転職は何歳が壁?企業がそれぞれの年齢に求めているものは」のコラムでも説明していますが、宅建にかかわらず、年齢が高くなるにつれて実務経験や年齢に応じたスキルが重視される傾向です。
不動産以外で宅建を活かせる就職先はある?
金融業界や小売業界での活用が可能です。
金融業界には、不動産取引を行っている銀行もあります。その場合、不動産業界でなくても宅建士の配置は必須のため需要があるでしょう。また、小売業界では出店地の調査や物件の管理で宅建士が活躍することも。ほかに、自社で物件の建設から販売まで行っているハウスメーカーなど、建設業界でも宅建士の資格が活かせます。自分に合った仕事をお探しなら、ハタラクティブにご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。