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アンガーマネジメントは意味ない?怒りのタイプに合った対処法を解説!
更新日
この記事のまとめ
- アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールするための方法
- アンガーマネジメントを現場で実施できず、意味がないという声もある
- 怒りにはタイプがあり、合わない対処法を試すと「意味ない」と感じる可能性がある
- アンガーマネジメントが「意味ない」という人もいるが、仕事の生産性向上に効果はある
- 最初の6秒をやり過ごして冷静になるのも、アンガーマネジメントの一つ
「アンガーマネジメントは意味がないのでは」と、疑問を抱く方もいるでしょう。アンガーマネジメントには、仕事の生産性を上げたり、職場の人間関係を良くする効果があります。
このコラムでは、怒りのメカニズムやコントロール方法、アンガーマネジメントを行う意味などを紹介。怒りには4つのタイプがあり、それぞれに対処法があります。自分のタイプに合った対処法を学び、怒りをコントロールしましょう。
アンガーマネジメントは意味ないって本当?
アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれたとされており、怒りの感情を上手くコントロールするための心理トレーニングです。近年では日本の企業でも取り入れられている手法で、企業によってはアンガーマネジメント研修が行われていることも。アンガーマネジメントが「意味ない」と感じる人もいるようですが、怒りをコントロールできることで得られるメリットはあります。この項では、アンガーマネジメントは意味がないといわれる理由について解説するので、意味があるのか気になっている人は参考にしてみてください。
現場での実践ができず「意味ない」という声もある
アンガーマネジメントが「意味ない」といわれる理由は、現場での実践が上手くできないからです。アンガーマネジメント研修で怒りのコントロール方法を理解したものの、いざ職場で実践してみようとしても瞬間的に冷静になれなかったり、思わず厳しい態度を取ってしまったりして上手くいかないこともあるでしょう。
最初は上手くいかなくても「意味ない」と決めつけずに、習慣化させるのが重要です。
仕事の生産性に効果のあるアンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントを適切に実践できると、仕事の生産性に効果があります。そもそもアンガーマネジメントとは、自身の怒りや苛立ちの感情を制御・予防するための心理トレーニングです。
自身の怒りや苛立ちの感情をコントロールできるようになると、感情的に行動するのを防いで、常に冷静な判断を下せるようになります。
そのため、仕事でミスやトラブルがあってイライラしてしまっても、アンガーマネジメントを行うことで適切な行動を取れるようになり仕事の生産性向上にもつながるでしょう。
アンガーコントロールとの違いとは?
アンガーマネジメントと間違えやすい「アンガーコントロール」との違いは、言い方が新しいか古いかで、意味に違いはありません。アンガーマネジメントは元々アンガーコントロールと呼ばれていましたが、近年では「アンガーマネジメント」が主に使われています。
アンガーマネジメントの6秒ルールとは?
アンガーマネジメントの6秒ルールとは、怒りや苛立ちの感情が生まれたときに、直後の6秒間だけ自身の気持ちを抑える方法です。6秒間待つことで、ある程度の怒りや苛立ちの感情を抑えられ、冷静に判断できるようになります。
完全に怒りの感情がなくなるわけではありませんが、自身の気持ちを落ち着かせる時間を作れるでしょう。
アンガーマネジメントを職場で行う意味
アンガーマネジメントは、職場の人間関係を良好にし、生産性を上げるのに効果的と考えられています。怒りをコントロールできないと、人に当たったり自分を責め過ぎたりして職場の雰囲気を悪くする原因になるでしょう。特に、上司が部下に怒りをぶつけてしまうと、パワハラになりかねません。そのため、近年アンガーマネジメントを管理職研修、マネジメント研修に導入する企業が増加傾向にあります。
以下でアンガーマネジメントを職場で行う意味について詳しく解説していくので見てみましょう。
仕事の生産性を上げる
アンガーマネジメントは、仕事の生産性を上げるために職場で行われているようです。前述したように、アンガーマネジメントを仕事中に実践できると冷静な判断を行えるため、仕事の生産性向上にもつながります。
また、イライラした状態で仕事を続けていると、しなくてもいいミスをしてしまう可能性もあるので、ミスを防ぐ対策にもなるでしょう。
職場の人間関係を良くするため
アンガーマネジメントを行う意味として、「職場の人間関係を良くするため」も挙げられます。怒りや苛立ちの感情が生まれると、自分がイライラするだけでなく周りの人にも影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
たとえば、イライラしていると、八つ当たりをしてしまったり、周りに気を使わせたりすることで、職場の雰囲気が悪くなる場合も考えられます。しかし、アンガーマネジメントを実践し、自分で怒りをコントロールできるようになると、周りに影響を与えてしまうことも減るため、職場の人間関係も良好になりやすいでしょう。
また、退職理由の一つとして多いのが人間関係。「合わない上司がいる」「同僚と上手くコミュニケーションが取れない」などが原因として挙げられます。アンガーマネジメント研修を行う企業が増えているのは、早期離職を防ぐのに効果があると考えられている点も理由の一つです。職場の人間関係を理由に退職を考えている方は「人間関係で仕事を辞めるのはあり?ストレスになる理由や対処法などを解説」を、一読いただくと良いでしょう。
アンガーマネジメントを実践するメリット
アンガーマネジメントを実践することで、自分の感情をコントロールしやすくなります。そのため、怒りの感情がわいても適切な対応ができ周囲と良好な人間関係を築けるでしょう。
アンガーマネジメントを行わずに自分の感情を周囲にぶつけてしまうと、相手にストレスを与えたり傷つけてしまったりする可能性があります。
以下でアンガーマネジメントを実践するメリットについていくつか紹介します。
怒りのコントロールができるようになる
アンガーマネジメントによって、自分の怒りをコントロールできるようになります。必要以上に怒ることがなくなるので、ストレスが減り、仕事にも集中しやすくなるでしょう。部下や後輩が失敗したときにストレスを感じたとしても、感情をコントロールして冷静に対処できるようになります。結果、職場の生産性向上につながりやすくなるでしょう。
人の怒りに対して寛容になれる
怒りのメカニズムが分かることで、怒っている人に対して寛容になれます。一見、自分に怒っているように見えても例えば「不安が蓄積されているのかも…」と、冷静に考えられるでしょう。相手の気持ちに寄り添い、思いやりのある行動が取れるようになるのもアンガーマネジメントの特徴の一つ。対人ストレスが軽減でき、チームでの仕事や私生活での人付き合いがしやすくなります。
コミュニケーションが円滑に取れるようになる
アンガーマネジメントを行うメリットとして、コミュニケーションが円滑に取れるようになることも挙げられます。なぜならアンガーマネジメントを行うことで、自身の怒りの感情をコントロールすることが可能になり、ほかの人の感情の変化にも気づきやすくなることで、適切な対処をできるからです。
それにより、イライラして雰囲気の悪い状況を防ぎ、常にコミュニケーションを取りやすい環境を整えやすくなります。
また、職場全体でアンガーマネジメントを実践できるようになると、より職場環境も良くなり、業務を円滑に進めていけるでしょう。
仕事を行ううえで必要になるコミュニケーション能力の鍛え方については「コミュニケーション能力を鍛えるには?具体的な方法をご紹介」のコラムで詳しく紹介しているので参考にしてください。
社員のストレス減少やハラスメント防止に繋がる
アンガーマネジメントは、社員のストレス減少やハラスメント防止に繋がるメリットもあります。怒りや苛立ちの感情をコントロールする方法を知らないと、上手く発散できずにストレスを溜め込みやすくなるでしょう。しかし、アンガーマネジメントで自身の怒りの感情をコントロールできるようになると、状況が悪化する前に対処できるため上手くストレスと付き合っていくことが可能です。
また、自身の苛立ちを他人にぶつけてしまうことも減るため、社内でのハラスメント防止にも繋がりやすいといえます。
自己肯定感が高まり仕事の生産性が上がる
自己肯定感が高まり、仕事の生産性が上がるのもアンガーマネジメントのメリットといえるでしょう。アンガーマネジメントにより自身の怒りの感情をコントロールできるようになると、心に余裕が生まれ、前向きに仕事を行えることから自己肯定感が高まりやすくなることも。
また、自己肯定感が高まると自信がつき積極的に行動できるようになることから、仕事の生産性も上がるでしょう。
自己肯定感を高めたい人は「自分に自信が持てない原因とは?自己肯定感を高める方法を紹介」のコラムもあわせてご覧ください。
まずは怒りのメカニズムを知ることが重要
怒りの背景には、不安や悲しみ、疲れ、孤独、焦燥感、恐怖など、さまざまな感情や状態があります。この項では、怒りの感情がわき起こるメカニズムを解説。なぜ怒るのかを理解し、根本的な原因を探ることでアンガーマネジメントを実践しやすくなるでしょう。
怒りの背景には第一次感情がある
第一次感情とは、日常的に感じているストレスや不安などのことです。「仕事で失敗してしまった」「友人と意見がぶつかった」「上司に注意された」といった出来事が積み重なると、無意識のうちにネガティブな感情が溜まってしまう場合も。第一次感情が小さいうちに解消できれば問題ないものの、溜め込んでしまうと何かのきっかけで爆発してしまう可能性がでてきます。
もし、仕事や職場のストレスに悩んでいるという方は「仕事の理不尽への対処法は?上司に怒られるストレスやイライラの解消法」のコラムも、参考にしてみてください。
そもそも「怒り」の感情が生まれる理由とは
「怒り」の感情が生まれる理由は、自身を守ろうとしているからです。一般的に自身の理想や願望が叶わなかったときや、大切にしているものや価値観が傷つけられたときに怒りの感情が生まれます。そのため、「怒り」の感情は、危険なものや傷つくことから自分の身を守るためのものであり、誰にでも起こりえる感情なので決して悪いことではないといえるでしょう。第一次感情があふれ出て怒りになる
第一次感情が蓄積し、容量オーバーとなったときに怒りがわき起こります。怒りは第二次感情といわれており、第一次感情がなければ発生しません。つまり、アンガーマネジメントは第一次感情と上手く付き合うためのトレーニングといえます。
怒りをなくすのは不可能ですが、怒りの原因を理解して上手に付き合うことはできるようになるでしょう。
4つに分かれる怒りのタイプとそれぞれの対処法
この項では、怒りの4つのタイプと、それぞれの対処法を紹介。怒りのタイプを理解せず、やみくもにアンガーマネジメントを試しても効果を感じにくく「意味ない」と決めつけてしまう恐れがあります。まずは自分がどのタイプに当てはまるかを診断してみましょう。
1.頻発する怒り
常にイラつき、不機嫌な態度を取ってしまうタイプです。第一次感情の種類や量が多く、すぐに容量オーバーになってしまう状態が続いているといえます。このタイプの人は、アンガーマネジメントの第一歩として、自分の第一次感情が何なのかを具体的にすることから始めると良いでしょう。「仕事に対して不安がある」「人間関係に疲れている」など、ネガティブな感情の原因を明らかにして、解決策を探るのがおすすめです。
2.瞬間的な強い怒り
怒るほどのことではないのに、激高してしまう人もいます。このタイプの人は、過去に怒ってしまったことへの反省が足りず、怒るのが癖になっていると考えられるでしょう。このような人は、怒りを出してしまったときにしっかりと反省する必要があります。
アンガーマネジメントとして、本当に怒るほどの出来事だったのかをよく考えてみることが有効です。瞬間的に怒りを感じた際は、少し待ってみることで怒りが収まる可能性もあります。
3.長く続く怒り
過去の出来事を思い出して怒ったり、何年も前のことを根に持っていたりするのを「長く続く怒り」といいます。「あのとき、こうしていれば…」といった過去の出来事は解決しようがないため「意味のない怒り」ともいえるでしょう。
このような怒りを解消するには、未来へ目を向けるのが効果的な対処法です。「5年後の資格取得を目指そう」「スキルアップを目指して転職しよう」など、前向きな目標を持つことで怒りから解放されるでしょう。
4.攻撃的な怒り
職場の同僚に八つ当たりをしたり、自分を責め過ぎたりしてしまうタイプは、攻撃的な怒りを抱えているといえます。集中力が高い人に多く、目先のことしか見えない状態になっているために「あの人に負けた」「ライバルのほうが優れている」と、勝敗にこだわってしまうのが特徴です。
このような人は、視野を広げることで効果的なアンガーマネジメントができるでしょう。職場ではライバルに負けたとしても、趣味の世界では活躍できたり、ボランティアで人から感謝されたりすると、怒りが緩和される可能性があります。
アンガーマネジメントで怒りをコントロールする方法
この項では、アンガーマネジメントで説かれている怒りをコントロールする方法についてまとめました。怒りをコントロールする方法を知り、アンガーマネジメントを実践してみましょう。
最初の6秒をやり過ごす
アンガーマネジメントでは、怒りを感じたら最初の6秒をやり過ごすことが推奨されています。6秒待つことで冷静さが生まれ、相手への怒りが失速し、落ち着いて話すことができるようです。怒りを感じたら、頭のなかで「1、2、3…」とカウントするのを習慣にしましょう。「4つに分かれる怒りのタイプとそれぞれの対処法」の項で紹介した「瞬間的な強い怒り」を感じやすい人におすすめです。
固定概念を捨てる
人や物事に対し、こうあるべきだという固定概念を極力捨てましょう。価値観の許容範囲が広がり、怒りを感じづらくなります。たとえば、仕事のプロジェクトで「絶対にこうしたほうが良い」という場合も、他人の意見を尊重してみたり、違う視点から考えてみたりするなど、少しずつ許容範囲を広げるのがアンガーマネジメントのコツです。次第に、細かいことを気にするのは「意味ない」と思えるようになり、怒りを感じにくくなるでしょう。
自身がコントロールできる範囲内で注力する
アンガーマネジメントを実践する際は、自身がコントロールできる範囲内で感情のコントロールに注力するようにしましょう。アンガーマネジメントを実践するからといって、必ずしもすべての怒りをコントロールできるわけではありません。たとえば、交通機関の遅延や自然災害など自分で解決しようと思ってもできないこともあるでしょう。このようなときは、「仕方ない」と現状を受け入れることも必要です。
怒りの感情が生まれたときに、自身で解決できる問題かを判断し、状況に応じてアンガーマネジメントを実践していくことをおすすめします。
怒りのレベルに点数をつける
怒りを感じたときに「自分はどの程度怒っているのか」を客観視するため、点数をつけてみましょう。数値化することで「実はそれほど怒っていない」と、気づく場合もあります。点数をつけるのが習慣になると、同じような状況になったとき「前回はレベル6だったのが、今回は3になった」というように、アンガーマネジメントが身についていることも確認できます。また、レベルを落とすには何をしたら良いか、といった具体策も考えやすくなるでしょう。
アンガーログ(怒りの記録)を書く
悔しいこと、腹が立ったことなどをノートに記録するのも良いでしょう。「書くだけなんて意味ないのでは…」と思う人もいるようですが、明文化することで客観視でき、気持ちが落ち着きやすくなります。
さらに特筆すべきは、アンガーログを振り返ることで、自分の怒りの傾向が把握できる点です。傾向が分かれば、アンガーマネジメントの対策も立てやすくなるでしょう。
考えるのをやめる
怒りの感情が生まれたら、考えるのをやめることも一つの手段です。考えるのをやめることで、冷静さを保ち、余計な怒りを生むことを防ぎます。
イライラしているときに深く考えてしまうと余計怒りの感情が大きくなってしまう恐れも。そのため、一度思考を停止して、冷静になる時間を作ると良いでしょう。
考えるのをやめる際は、何もない空間や、真っ白な紙などを想像すると頭のなかがクリアになるのでおすすめです。
職場の人間関係に悩んでいる方は、ハタラクティブに相談してみませんか。「上司に頻繁に怒られる」「周りの人とコミュニケーションが取りにくい」といった職場では、仕事を続けるのが辛い場合もあるでしょう。アンガーマネジメントを試したり、配置転換を希望したりと努力したものの、改善の見込みがなければ転職するのも方法の一つです。
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アンガーマネジメントに関する疑問
ここではアンガーマネジメントに関する疑問をQ&A方式でお答えします。アンガーマネジメントについて疑問がある人は参考にしてください。
アンガーマネジメントを知らないとどうなる?
アンガーマネジメントを知らないと、怒りの感情が生まれた際にコントロールするのが難しくなるでしょう。イライラがずっと続いてしまい、職場の雰囲気を悪くしてしまったり、ほかの人に八つ当たりしてしまったりする可能性も考えられます。
怒りのコントロールが上手くできない人は、周りの人に迷惑をかけないためにもアンガーマネジメントを学んでいくと良いでしょう。
アンガーマネジメントの習得方法については「アンガーマネジメントとは?具体的な習得方法やメリットを紹介!」のコラムで紹介しているのでご覧ください。
自分へのイライラが止まらないときはどうしたら良い?
怒りのレベルに点数をつけたり、アンガーログ(怒りの記録)を書いたりすると良いでしょう。自分の怒りに点数や記録をつけることで、自身がどのような理由でイライラしやすいのかを明確にできます。そのほか、今までの怒りの感情と比較できるため、対策や改善方法を見つけやすくなるのでおすすめです。
イライラしてしまう理由が分からない人は「イライラする原因とは?自分に合った解消法を見つけよう」のコラムもあわせてご参照ください。
アンガーマネジメントで良い人間関係を作るには?
アンガーマネジメントは、自分の怒りのコントロールだけでなく、周囲の怒りの感情に気づけるため、寄り添った対応ができるようになるでしょう。イライラしている人の心情を察し、適切な対処を行うことで良い人間関係を築いていけます。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。