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残業が少ない業界は?就職するメリット・デメリットや仕事を探す方法を解説
更新日
この記事のまとめ
- 残業が少ない業界には、「医療・福祉」「飲食サービス業」などが挙げられる
- 事務や工場作業員はルーティンワークが主となるため、残業が少ない職種に含まれる
- 残業が少ない業界の会社では、離職率が低いといった傾向がみられる
- 残業が少ない仕事はストレスがかかりにくいが、収入が減る可能性があるので注意が必要
- 残業が少ない業界の仕事を探したいなら、就職・転職エージェントを活用するのも手
これから就職・転職を検討している方のなかには、残業が少ない業界へ就職したいと考えている方もいるでしょう。残業が少ない業界には、「医療・福祉」「飲食サービス業」などが挙げられます。
このコラムでは、残業が少ないといわれる業界・職種や仕事の探し方を解説。また、残業が少ない会社の特徴や就職するメリット・デメリットをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
残業が少ない業界はある?
残業すること自体は、法定労働時間を超える際に必要な「36(サブロク)協定」を結んでいる限り違法にはなりません。厚生労働省の「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」によると、36協定とは、法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合に必要な労使協定です。
ただし、36協定の限度時間内であっても、長すぎる残業はストレスになったり、プライベートの時間を確保しにくかったりするため、不満につながる可能性があります。ライフワークバランスを保ちたい方は、残業が少ない業界に就職・転職したいと考える傾向があるでしょう。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和5年7月分結果速報」による一般労働者(パートタイム労働者を除いた常用労働者)の所定外労働時間をもとに、以下で、各業界を残業が少ない順にまとめました。残業が少ない業界に就職・転職したい方は、参考にしてみてください。
産業 | 所定外労働時間 |
---|---|
医療、福祉 | 6.9時間 |
生活関連サービス等 | 9.9時間 |
複合サービス事業 | 10.1時間 |
卸売業、小売業 | 10.9時間 |
その他のサービス業 | 13.7時間 |
金融業、保険業 | 14.時間 |
教育・学習支援業 | 14.2時間 |
建設業 | 14.6時間 |
製造業 | 14.9時間 |
学術研究等 | 14.9時間 |
電気・ガス業 | 15時間 |
不動産・物品賃貸業 | 15.1時間 |
情報通信業 | 15.7時間 |
鉱業、採石業等 | 16.5時間 |
飲食サービス業等 | 16.6時間 |
運輸業、郵便業 | 25.9時間 |
調査産業計 | 13.6時間 |
参照:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年7月分結果速報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(p.7)」
調査の結果から、平均残業時間は6.9時間の「医療、福祉」が最も少なく、「運輸業、郵便業」の25.9時間が最も長いことが分かります。平均残業時間が13.6時間となっているため、それを下回る「生活関連サービス等」「複合サービス事業」「卸売業、小売業」は、残業が少ない業界といえるでしょう。
「平均残業時間ってどのくらい?もしかして働きすぎかも?」のコラムでも、平均残業時間や法律で定められている残業のルールを解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
残業が少ないといわれる5つの職種
仕事を選ぶ際は、平均残業時間や給与などの労働条件も重要な項目です。しかし、残業をしたくないからといって業務内容を確認せずに就職すると、ミスマッチが起こる可能性があるので注意しましょう。
以下で、残業が少ないといわれる職種を5つ解説します。業務内容や向いている人の特徴もご紹介しているので、自分に合っているか確認し、就職先を選ぶときの参考にしてみてください。
残業が少ないといわれる職種
- 事務
- ビルメンテナンス
- BtoBメーカーの営業
- 公務員
- 工場作業員
1.事務
事務には「一般事務」「営業事務」などさまざまな種類があり、どの部署で行うかによって仕事内容も異なります。なかでも、一般事務は書類作成や電話対応など事務処理全般を担当する職種で、会社を円滑に運営するために欠かせないポジションの一つです。
緊急対応が求められにくいうえに、取引先との打ち合わせがない、部署内の会議が少ないことが残業が少ない要因と考えられるでしょう。幅広い業務をこなしながら会社をサポートする職種のため、スキルや経験よりも「周囲に気配りができる」「コツコツ作業を進められる」といった人柄が評価されやすいでしょう。
2.ビルメンテナンス
ビルメンテナンスは、オフィスビルやマンションなどの管理業務全般を行う仕事です。清掃や設備点検などのルーティンワークが基本となるため、残業は少ない傾向があるでしょう。
ただし、セキュリティ業務やクレーム対応なども業務に含まれるため、問題が起きた際は残業が発生する可能性があります。ビルメンテナンスではトラブルを円滑に解決するための対応力や、コミュニケーション能力が求められるでしょう。
3.BtoBメーカーの営業
BtoBメーカーの営業は、企業間取引を対象に自社製品やサービスを他社に提案・販売するのが主な業務です。顧客ニーズを引き出すための傾聴力や自社の魅力を伝える提案力があると、活躍しやすいでしょう。
基本的に契約や商談は取引先企業の営業時間内に活動するため、時間外の対応を求められにくいのが、残業が少ない背景といえます。
「BtoBとは?今さら聞けないワードについて解説!」のコラムでも、BtoB企業の特徴や魅力を解説しているので、参考にしてみてください。
4.公務員
公務員は国や地方自治体の行政機関で、税務や教育、インフラ整備などの分野において国民の生活を支えるための事務作業や手続き対応を行います。行政の仕事を担うため責任感がある人や、地域に貢献できる仕事がしたい人に向いているといえるでしょう。多くの業務が計画的に進められるため、残業が発生することは少ないようです。
ただし、公務員や管理監督者は労働基準法が適応されない可能性があるため、配属先によっては長時間労働を行う場合があります。大規模災害や緊急性の高い重要な業務があれば、勤務時間外労働を求められることがあるでしょう。
「公務員に転職したい!民間との違いや成功のポイントを解説」のコラムでは、公務員の種類や民間企業との違いを解説しているので、チェックしてみてください。
5.工場作業員
工場作業員は、製品の製造ラインで部品の組立や検品、梱包を行う仕事です。シフト制で働く傾向があり、生産スケジュールが管理されているため、残業が少ない職種といえるでしょう。
工場作業員の仕事は、長時間勤務によって疲労が溜まると、思わぬ事故やトラブルが起こりやすくなります。生産計画に基づいて作業を進めるために、残業を控える傾向が強いと考えられるでしょう。
残業が少ない会社の特徴
残業が少ない会社では、「離職率が低い」「BtoB商材を取り扱っている」といった特徴があります。以下でそれぞれ解説するので、残業が少ない会社を判断するときの参考にしてみてください。
離職率が低い
残業が少ない会社の特徴には、離職率の低さが挙げられます。ハタラクティブの「若者しごと白書2024」によると、正社員を辞めた理由とその割合は以下のとおりです。
参照:ハタラクティブ「若者しごと白書2024 1-3. 正社員の仕事を辞めた理由 正社員の仕事を辞めた理由【男女別】(p.8)」
正社員を辞めた理由で最も多いのが、「労働環境・時間が不満(25.9%)」です。この結果から、残業が少ないと従業員の不満が溜まりにくく、「辞めたい」と感じる人が少ないことが、離職率の低下につながるでしょう。
企業研究では業務内容や勤務時間のほかに、離職率にも注目してみることで、残業が少ない企業を見つけられる可能性があります。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
BtoB商材を取り扱っている
BtoB商材を取り扱っている企業も、残業が少ない傾向があるでしょう。BtoB商材を取り扱っている会社は、取引先企業に納入する商材の量やスケジュールが決まっています。
また、コラム内の「3.BtoBメーカーの営業」で触れたように、休日や終業時間後は取引先の企業が対応できないため、商談や契約を行うのは難しいでしょう。突発的なトラブルが起きた場合でも、取引先の企業の勤務時間内に行われる傾向があるため、残業が発生する可能性は低くなります。
残業が多い仕事の特徴
残業が少ない企業に共通した特徴があるように、残業が多い仕事にも特徴があります。残業が多い仕事の特徴には、「顧客を対象としたサービスを提供している」「人手不足な傾向がある」が挙げられるでしょう。
飲食店のスタッフやアパレル店員などのサービス・販売職は営業時間が設けられているものの、来客があれば対応する必要があります。また、IT関連や建築業界の職種では技術の発展や住宅の需要に対して、人材の供給が間に合っていないため、一人あたりの業務量が増えるため残業につながる可能性があるでしょう。「早く帰れる仕事とは?主な特徴やおすすめの職種をご紹介」のコラムでは、仕事内容に関わらず定時で帰れる職場環境や早く帰るのが難しい仕事の主な特徴をまとめているので、あわせてチェックしてみてください。
残業が少ない仕事のメリット・デメリット
仕事を選ぶときは、自分の希望する働き方ができるかどうか確認することが大切です。以下で、残業が少ない仕事に就職するメリットとデメリットを解説するので、参考にしてみてください。
メリット
残業が少ない仕事を選ぶメリットには、「プライベートの時間が確保できる」「ストレスがかかりにくい」などが挙げられます。定時で帰れたり残業が少なかったりするとワークライフバランスが保ちやすくなるため、プライベートの時間を確保できるでしょう。
プライベートの時間は、体を休ませるためにも欠かせません。長時間労働が続いたり、しっかり休息が取れなかったりすると、ストレスがかかり、体調不良につながる恐れがあるでしょう。
デメリット
「やりがいを感じにくい」「収入が減る」などが、残業が少ない仕事に就職するデメリットです。残業が少ない仕事は、ルーティンワークの傾向があります。同じ作業を繰り返し行うことで飽きてしまい、やりがいを感じにくくなる可能性があるでしょう。
また、残業が少ないことで、残業代や休日手当を受け取れず収入が減る場合もあります。プライベートの時間が確保できれば、出費も増えるため収入が足りないと感じることもあるでしょう。
残業を減らしたいときの対処法
残業が少ない業界へ転職を決断する前に、今の職場で残業を減らすのも方法の一つです。以下で、残業を減らしたいときの対処法を解説しているので、参考にしてみてください。
1日の業務スケジュールを立てる
残業を減らしたいときは、1日の業務スケジュールを立ててみましょう。すべてのタスクを完了するために、1タスクにどのくらいの時間をかけられるかを定時から逆算して計画することが大切です。時間配分を意識して計画を立てれば効率良く作業が進み、残業を防げるでしょう。
仕事に優先順位をつけることを意識する
残業を防ぐために、仕事に優先順位をつけることを意識するとも有効です。無計画に自分のやりたいタスクから着手すると、苦手な分野や納期に余裕がないタスクが最後に残ってしまうことがあります。終業時間内で完了できない場合、残業をする必要が出てくるでしょう。仕事の優先順位をつければ、仕事の進め方も明確になるため、効率良く作業を進められます。
「仕事の進め方が上手い人とは?効率を上げる方法も紹介」のコラムでは、仕事をうまく進める人の特徴や効率の良い仕事の進め方を解説しているので、参考にしてみてください。
上司や人事に相談してみる
業務の効率化を図っても、残業時間を解消できない仕事量を抱えている場合は、上司や人事に相談してみるのがおすすめです。上司にタスクの割り振りを見直してもらえれば、一人ひとりのタスク量が減って残業時間を解消できる可能性があるでしょう。
上司に相談しても状況が改善されない場合は、人事に相談したり、残業が少ない職種へ転職を検討するのも手です。
残業が少ない業界の仕事を探す3つの方法
残業が少ない仕事を求める人は一定数いるため、転職活動が難航する可能性もあります。残業が少ない仕事を探す際は、視野を広げて探すことが大切だといえるでしょう。
以下で、残業が少ない業界の仕事を探す方法を解説しているので、転職活動するときの参考にしてみてください。
残業が少ない業界の仕事を探す方法
- 別業界の同職種へ転職する
- 企業研究を念入りに行う
- 就職・転職エージェントを活用する
1.別業界の同職種へ転職する
残業が少ない仕事を探すときは、別業界の同職種へ転職する方法があります。たとえば、「食品関係の営業からBtoBメーカーの営業への転職」「営業事務から一般事務への転職」などが挙げられるでしょう。残業の少ない業界の同職種に転職することで、前職と同じ系統の仕事をしながら残業を減らせる場合があります。
また、別業界の同職種の転職は業務の経験者と判断されるため、未経験の職種へ転職するよりも、選考が有利に進みやすくなる可能性があります。選考では、前職での業務内容で身についたスキルのなかで転職先で活かせるスキルを見つけると、好印象を得やすくなるでしょう。
2.企業研究を念入りに行う
企業研究を念入りに行うのも、残業が少ない仕事を探すときの方法の一つです。企業研究では、応募先企業のWebサイトや口コミサイトをもとに、理念や経営方針、取り組んでいる事業などの情報を集めることを意識してみましょう。
企業研究で応募先企業の理解を深められれば、企業がどのような人材を求めているかが見えてきます。選考や面接で企業が求めている企業ニーズに適した人材であることをアピールできれば、内定獲得が近づくでしょう。
「ホワイトマーク」の認定を受けている会社に注目しよう
残業が少ない企業で働きたい場合、「ホワイトマーク」の認定を受けているか確認してみましょう。厚生労働省の「『安全衛生優良企業公表制度』について 2.安全衛生優良企業とは?(p.4)」によると、「ホワイトマーク(安全衛生優良企業認定)」は、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のことです。
ホワイトマークがある企業は国から優良企業と認められているため、長時間労働がある職場を避ける目安となるでしょう。
参照元
厚生労働省
安全衛生優良企業公表制度について
3.就職・転職エージェントを活用する
残業が少ない企業を探したい方は、就職・転職エージェントを活用するのも手です。「とりあえず残業がない仕事がしたい」と業務内容や自分の活かせる適性があるかどうかを確認せずに就職先を決めると、ミスマッチが起きて早期退職につながる恐れがあります。
就職・転職エージェントでは求職者に合った求人を紹介してくれたり、面接のアドバイスを受けられたりできるので、自分に合った仕事に就職しやすくなるでしょう。
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残業が少ない業界に就職したい方によくある疑問Q&A
ここでは、残業が少ない業界に就職したい方によくある疑問をQ&A形式で解決します。
残業は何時間から「きつい」と感じやすいですか?
きついと感じる残業時間の基準は人によって異なります。ただし、厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定基準 改正に関する4つのポイント」では、「月の残業時間が100時間」「2~6ヶ月間平均で月80時間」が、長時間労働による過労死を労災認定する基準です。そのため、月に100時間や2~6ヶ月間に平均80時間、またはそれに近い時間の残業をしている場合、「きつい」と感じる目安となるでしょう。
参照元
厚生労働省
脳・心臓疾患の労災補償について
残業が少ない業界の特徴を知りたい
残業が少ない業界の特徴には、「離職率が低い」「BtoB商材を取り扱っている」が挙げられます。長時間の残業はストレスや疲労につながるため、不満の原因になるでしょう。離職率の低さは、従業員が働きやすい環境が整っている可能性があることが分かります。また、BtoB商材を取り扱っている会社は取引先も企業です。納入すべき量やスケジュールが管理されているので、突発的な業務は起こりにくく残業も発生しにくいでしょう。
残業が少ない仕事に就職するにはどうしたら良い?
残業が少ない仕事に就職したい場合、企業研究を念入りに行いましょう。企業研究で応募先企業の働き方や社風を調べれば、ミスマッチを防げます。企業研究が難しい場合、就職・転職エージェントに残業が少なく、自分に合った企業を紹介してもらうのも手です。ハタラクティブでは丁寧なヒアリングをしたうえで、ぴったりな求人をご提案。実際に働いてみないと分からない企業の社風や人間関係もお伝えできるので、ぜひご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。