Before
家族介護で離職し1年半無職。収入も自由な時間もなく将来が不安
After
週3日の施設警備員。無理なく働き心も体も余裕ができた
家族の介護で一度止まったキャリア。自分の時間がない生活と将来への不安

─学生時代から前職を退職されるまでの経緯について教えてください
高校時代に祖父が認知症になったことをきっかけに、福祉の道を志しました。専門学校を経て「介護福祉士」の資格を取得し、意欲を持って介護施設に就職しました。
しかし、現場は想像以上に過酷でした。利用者への対応で精神的に疲弊することが多く、安全を守るために常に気を張っていなければなりません。さらに、業務量に対して人員が不足しており、サービス残業が常態化している環境にも疑問を感じていました。
心身ともに限界を感じていたころ、自宅にいた祖母の介護も必要になったため、半年ほどで退職を決意しました。そこからは仕事に就かず、家族の介護に専念する生活を送っていました。
─再び就職活動を始めようと思ったきっかけは何でしたか?
退職してから約1年半ほど、家族の介護中心の生活を続けていました。転機は、祖母が施設に入所することになり、自分の時間が持てるようになったことです。
介護が一段落したことで、ふと自分の将来について考える余裕が生まれました。それまでは無職であることへの焦りを感じる暇もありませんでしたが、時間ができたと同時に、収入がないことへの不安や、趣味などにお金を使いたいという欲求が湧いてきました。社会との接点を持ち直し、経済的に自立するためにも、再び働こうと決意しました。
「プロに導いてほしい」適職を選ぶために踏み出した一歩

─1年以上のブランクがあるなか、どのように就職活動を始めましたか?
最初は自分で求人サイトを見て探そうかとも思いましたが、正直なところ、どんな仕事が向いているのか、何ができるのかがよくわかりませんでした。自己分析をしようとしても、自分のことは自分でもわかっていないような気がして、自信が持てなかったんです。
そこで、一人で悩んで決めるよりも、プロの視点で客観的にアドバイスをもらったほうが納得して進めるだろうと考えました。以前テレビCMで見たことがあったハタラクティブの存在を思い出し、まずは登録をしてみました。
─実際にサービスを利用してみて、どのような印象を持ちましたか?
登録前は不安もありましたが、担当のキャリアアドバイザーが親身になって話を聞いてくれたので安心しました。これまでの経歴や介護での経験、希望条件などを伝えるなかで、自分では気づかなかった視点を提示してもらえました。
特に良かったのは、ただ求人を紹介されるだけでなく、私の性格や適性を踏まえたうえで「こういう仕事なら向いているかもしれない」と提案してくれたことです。一人で求人票を眺めているだけではわからなかった選択肢が見えてきて、就職活動へのモチベーションが上がりました。
文章作成が苦手でも大丈夫。アンケートを埋めてプロと考えた自分の強み
─就職活動のなかで、不安だったことや大変だったことはありますか?
文章を考えたり自分の思いを言葉にして表現したりするのが、あまり得意ではありませんでした。そのため、履歴書と職務経歴書の作成には大きな不安がありました。
「語彙力がない自分にまともな書類が作れるだろうか」と心配していましたが、キャリアアドバイザーが丁寧にサポートしてくれました。イチから文章を作るのではなく、用意されたアンケート項目に答えていく形式で情報を整理し、それをもとに書類を作成できたので、心理的な負担が少なかったです。
─面接に向けてはどのような準備をされましたか?
本番前に模擬面接を実施してもらい、想定される質問への回答を練習しました。「こういう質問が来たらこう答えるといいよ」といった具体的なアドバイスをもらえたおかげで、当日の不安を和らげることができました。
また、入社後も「困ったことはありませんか」とフォローの連絡をいただき、仕事で迷ったときの対応などについても相談に乗ってもらえたので、最初から最後まで一貫して支えられている安心感がありました。
「体を動かすほうが自分らしい」自己理解を深めて選んだ警備の道
─最初は製造業も検討されていたそうですが、なぜ警備の仕事を選んだのですか?
単純作業の繰り返しだと眠くなってしまうかもしれず、ミスをするのが怖いという懸念がありました。学生時代に陸上をやっていたこともあり、体を動かす仕事のほうが向いているのではないかという話になりました。
また、以前スポーツ観戦に行った際、警備員の方がテキパキと誘導している姿を見て「かっこいいな」と感じたことも思い出しました。警備の仕事なら適度に体を動かせますし、施設の安全を守るという点でやりがいを感じやすいと考え、選びました。
─選考中、印象に残っているエピソードはありますか?
実は面接の日、緊張と疲れからか、説明を聞いている途中に少し眠くなってしまった瞬間がありました。「これはもう落ちたかもしれない」と諦めかけていたのですが、結果は内定でした。
模擬面接をしていただいたおかげで、落ち着いて回答することができていたのだと思います。
過去の経験を活かして働ける喜び。今は自由な時間を楽しめる

─現在の仕事内容と、実際に働いてみて感じた心境を教えてください。
現在は施設警備員として、主に出入管理や巡回業務を担当しています。
実際に働いてみると、やりがいを感じる瞬間が多いです。たとえば、来場者の方に道を聞かれた際、ご案内すると「ありがとう」と感謝の言葉をいただけます。小さなお子さまと接するときは、前職の介護職で学んだ「姿勢を低くして相手と目線を合わせる」ということが自然とでき、怖がらせないようにコミュニケーションをとれていると思います。
─働き方やプライベートの過ごし方はどのように変わりましたか?
現在は体力的な負担を考えて、週3日程度のシフトで働いています。無理なく始められたことで精神的な余裕も生まれました。
今は仕事以外の時間を自由に使えるようになっています。収入を得られるようになったことで、欲しいものを買ったりスマホゲームに課金をしたりと、お金を使える喜びも感じています。
読者へのメッセージ

─最後に読者の方々へメッセージをお願いします。
家族の介護などで一度キャリアが途切れてしまうと、「もう正社員として働くのは無理なんじゃないか」「自分にできる仕事なんてない」と不安に思うことがあるかもしれません。
でも、一人で悩み続けていても答えはなかなか出ないものです。そんなときは、思い切ってプロに相談してみてください。自分一人では気づけない適性や、無理なく働ける場所を一緒に探してくれる人がいます。一歩踏み出すことで視界が開け、将来への不安が希望に変わるはずです。
Hさんのように、家族の介護でキャリアが途切れてしまっても、自分に向いている仕事がわからなくても、「自立したい」という思いを行動に移すことで、自分らしい働き方は手に入ります。
「ブランクがあるから難しい」と悩む必要はありません。もし今、将来への不安で立ち止まっているなら、ぜひ勇気を出して小さな一歩を踏み出してみてください。その一歩が、あなたの経験が活かせる職場へとつながるはずです。