Before
バイトを10回辞め、「仕事=責任重大」と思い込み一歩が出ない
10回のバイト離職。「正社員として働くこと」へのハードルが高かった

─学生時代からフリーターになるまでの経緯を教えてください
高校を卒業後、IT系の専門学校に進学したのですが、勉強についていけずに中退してしまいました。その後はフリーターとして働こうと思ったものの、どれも長続きせず、気づけば10回ほどアルバイトを始めては辞め…を繰り返していました。いわゆる「辞め癖」がついてしまっていたんです。
働くことに対して、当時の自分はものすごくハードルが高いと感じていて、なかなか一歩を踏み出せずにいました。
─そこから「正社員を目指そう」と思ったきっかけは何でしたか?
辞め癖がついたまま年齢を重ねるのはよくないと思い、アルバイトを始めたんです。1年間続けられたことで、「正社員として働けるかもしれない」と少し自信がついたのがきっかけです。
初めは週3~4日シフトで無理なく働けるようにしたり、店長に頼まれたヘルプ業務を受けたりしながら、徐々に正社員と同じような時間で働けるように自分なりに調整して、なんとか1年間続けることができました。
─就職活動を始めたとき、焦りや不安はありましたか?
ありました。自分だけがフリーターであることに、どこか後ろめたさを感じていたんです。「学生」という肩書きがある友人たちと比べて、「職業・アルバイト」という自分の状況が嫌で、「早く次のステップに進まなければ」と焦っていました。
自分一人では就活を後回しにしてしまう。だからプロに頼った

─最初から就職エージェントを利用しようと決めていたのですか?
はい、最初からプロに頼ろうと決めていました。
自分一人で進めようとしても、やり方がわからないですし、面倒になって後回しにしてしまうことが目に見えていたからです。興味のあることしか調べない性格なので、自分だけで仕事を探そうとすると視野が狭くなってしまうし、時間だけが過ぎていくのが怖かったんです。
─ご自身で求人サイトを見て応募する、という選択肢はなかったのでしょうか?
自分で企業に応募して、面接の日程を調整して…という一連の流れを想像したときに、自分にはできそうにないなと感じてしまいました。そもそも、どんな仕事がしたいかも明確ではなかったので、自分で調べることすら難しい状態でした。
だからこそ、誰かにリードしてもらったほうがスムーズに進むだろうと考え、エージェントに登録しました。とりあえず登録してしまえば、あとは流れに身を任せて進んでいくだろう、という気持ちもありました。
プロが求人を絞り込む。その中から選ぶ安心感
─キャリアアドバイザーにはどのような相談をしましたか?
まずは自分の経歴や希望をヒアリングしてもらいました。そのうえで、「この求人はどうですか?」と、自分に合いそうな仕事をいくつか絞り込んで提示してくれたので迷わずにすみました。
─実際に紹介されたのはどのようなお仕事でしたか?
「営業」と「接客」が多かったです。営業職はノルマや体力が厳しそうで、自分には向いていないと思っていました。かといって、飲食店の接客はずっとアルバイトでやっていたので、正社員として改めてやるのも違うかなと。その間をとって「販売職」はどうだろう、という考えになりました。
自分では思いつかなかった視点で、家電量販店やコールセンターなど、自分が「これならできそう」と思える職種をいくつか紹介してもらいました。
言葉づかいの不安は面接対策で払拭。プロと練った回答で掴んだ内定
─面接に対して不安はありましたか?また、どのような対策をしましたか?
正社員の面接を受けるのが初めてだったので、言葉づかいや話し方に不安がありました。でも、担当のキャリアアドバイザーの方が「こういう質問が来たら、こう答えるといいよ」という具体的なアドバイスをくれたり、LINEで回答の例文を送ってくれたりしたので、とても助かりました。
二人で話し合って回答を練り上げたので、安心して本番に臨めました。
─実際の面接はいかがでしたか?
対策のおかげで、用意していた答えをスムーズに話せました。事前に「こういうことがよく聞かれる」と教えてもらっていたとおりの内容だったので、焦ることもなかったです。
内定をもらったときは、うれしいというよりは「あ、受かったんだ」と冷静に受け止める感じでしたね。
「今の仕事を続けよう」自分なりに楽しめる職場に出会った

─現在のお仕事内容と、実際に働いてみて感じたことを教えてください
今は携帯ショップで、スマートフォンのプランやクレジットカード、動画配信サービスなどの提案をしています。
最初は「仕事=つらいもの」というイメージがあったのですが、働いてみると意外と楽しいです。お客さまの利用状況を見て、「この人にはこのプランが合っているな」と組み合わせて提案するのが面白くて。
残業も多少ありますが、慣れてしまえば苦にはなりませんし、今は毎日楽しく働けています。
─以前感じていた「働くことへのハードル」は変わりましたか?
変わりました。今の仕事はお客さまの相談に乗る形なので、無理なく取り組めています。
一人では気づけなかった「自分に合う仕事」に出会えたおかげで、「いったんは今の仕事を続けていこう」と思えるようになりました。何も考えずに飛び込んでみましたが、結果的に楽しめる職場が見つかってよかったです。
読者へのメッセージ

─最後に、就職に悩んでいる読者へメッセージをお願いします
仕事に対して、「責任重大だ」「ちゃんとしなきゃいけない」と重く考えすぎないでほしいです。僕も以前は、父親が責任ある立場の仕事をしていたこともあって、働くことをすごく難しく考えていました。「自分には無理だ」と勝手にハードルを上げていたんです。
でも、実際に働いてみたら、「最低限のことをきちんとやっていれば過度に気負う必要はない」と思いました。やってみれば意外と続くものです。難しく考えずに、まずは誰かに頼ってみて、流れに身を任せてみるのも一つの方法だと思います。
Nさんのように、専門学校の中退経験や多くの離職経験があっても、現状を変えたいという思いを行動に移すことで、楽しめる仕事は見つかります。Nさんが「わからないからプロに任せた」と話すように、最初から頼れる存在にリードしてもらうことも立派な戦略です。
もし今、周りとの比較や将来への不安で立ち止まっているなら、ぜひ肩の力を抜いて小さな一歩を踏み出してみてください。その一歩が、「意外と自分でも続けられる」という自信へとつながるはずです。