一人ひとりが豊かに生きていく社会のために。地方と若者を繋ぐNPO法人【特定非営利活動法人SET】

はじめに

少子高齢化が進む現代、地方の担い手である若者は年々減少し、一部の自治体は消滅の危機に直面しています。こういった状況を打破すべく、地方創生に取り組んでいるのが「特定非営利活動法人SET」です。「人口が減るからこそ豊かになるひとづくり、まちづくり、社会づくり」をビジョンに掲げ、多岐にわたる事業を展開しています。
本コラムでは、同団体の活動について詳しくご紹介していきます。

概要

特定非営利活動法人SETは、2011年の東日本大震災を契機に、「もっと何かできないか」という思いから設立されました。日本の未来に「Good」な「Change」を起こすために、岩手県から世界に活動の輪を広げています。

事業内容

特定非営利活動法人SETは、若者と地域のために「交流」「暮らし」「研究」の3つの事業に取り組んでいます。10年以上かけて創った経験の土台をベースに「交流」を通してスケールアップし、「暮らし」を通してスケールディープしていきます。そしてこの「交流」「暮らし」の事業を社会にとって意義あるものにしていくために「研究」の事業でアカデミックに論証をしていきます。

交流事業

同団体の交流事業は、県外の若者と地域住民の交流を促進し、双方に新たな視点や活力を与えています。活動開始から10年間、自主事業としてやってきた様々な取り組みは、県内の多くの自治体から注目され始めています。

Change Maker Study Program

全国の大学生と地域の住民が協力して行う、1週間の地域おこし実践プログラムが「Change Maker Study Program」です。陸前高田市と葛巻町の課題を解決するために、ゼロからアクションを実行。さまざまな世代が協力しながら、多くの交流の中で課題解決に挑みます。本気で実践するからこそ「本当の成長や仲間、町の1人ひとりとの強い繋がり」が得られます。

民泊事業

地域ならではの「学び」や「思い出づくり」を提供する民泊事業を、市や団体と連携して展開。修学旅行の誘致などを通して、地域の魅力を発信しています。コロナの影響で事業を縮小せざるを得ませんでした。しかし、コロナは5類にもなり、本年度は民泊の受け入れ人数は約8000人を超える見込みとなり復活の兆しを見せております。

中高生向けキャリア教育事業/岩手町ユースセンター事業

同団体は、岩手県の中高生向けに「地域活性化×キャリア教育」プログラムを提供。地域課題を考えることを通じて、自身のキャリアについて考える機会も創出しています。2014年の開始以来、中高生と大学生が協働で企画・運営を行い、多くの成果を生み出している事業です。また、岩手県で運営している「いわてユースセンター　ミライト」は、学校や家庭とは異なる、中高生の「第三の居場所」としての役割も担っています。

行政職員・企業職員研修

県内自治体職員や全国の企業向けに、関係人口創出、キャリア自立、well-beingなど、SETの強みを生かした宿泊型研修を提供しています。

暮らし事業

同団体の暮らし事業は、地域での暮らしに焦点を当て、生産や食、ライフスタイルづくりを行なっています。多くの移住者が生まれ、コミュニティが形成された地域だからこそできる、実験的な取り組みを多く行っています。

Change Makers' College

「Change Makers' College」は、デンマークの教育機関「フォルケホイスコーレ」と連携した学び舎です。古民家での共同生活を通して、多様な価値観に触れながら、自分らしい生き方を模索します。

パーマカルチャー

同団体は、人と自然が共生するためのデザイン手法である「パーマカルチャー」を実践。陸前高田市ならではの伝統農法を織り交ぜ、持続可能な生態系づくりに取り組んでいます。

めぐる

古民家カフェ「カフェ彩葉」は、2018年、陸前高田で生まれました。同団体のメンバーが運営しており、週に一度のランチプレートの提供やケータリングサービスなどを行っています。地元の食材をできるだけ使い、地球と身体の持続可能性について考えられるよう取り組んでいます。

研究事業

同団体の研究部では、活動について自主研究調査や書籍執筆、論文投稿などの研究を実践しています。また、特定非営利活動法人SET独自のアカデミックボードを整備し、実践活動と論証活動を組み合わせることで社会変革を加速度的に進めて、その成果を豊かな社会づくりに繋げております。

詳細情報

特定非営利活動法人SET