持続可能なコミュニティづくりのために「農」「育」「協」に関わるプロジェクトを実施【NPO法人オルタナティブビレッジ】

はじめに

NPO法人オルタナティブビレッジは、神戸市北区に拠点を構え、エコビレッジや持続可能なコミュニティづくりを基盤とした環境活動、教育活動、農的な暮らしに関わる事業を行っている団体です。

本コラムでは、同団体の活動内容について詳しくご紹介していきます。

概要

NPO法人オルタナティブビレッジは、2010年に特定非営利活動法人デモクラティックスタイル「和」として設立され、2013年に現在の団体名に名称変更しました。

現代社会における、少子高齢化や耕作放棄地の増加、不登校、空き家などのさまざまな問題。その解決策の根元にあるのが「持続可能なコミュニティ」だと、同団体の代表理事を務める山口寛人氏は考えています。
食や農、教育、経済など、暮らしに必要なことはすべて自分たちで持続可能なコミュニティを創るという答えにたどり着き、その受け皿になるために同団体の立ち上げに至りました。

活動内容

NPO法人オルタナティブビレッジが手掛けている事業内容は、次のとおりです。

• (1)環境教育、農業、自然体験によるスクール事業
  (2)イベント企画・管理・運営事業
  (3)情報発信・啓発事業
  (4)ニート・保護者に対するカウンセリング事業
  (5)都市部と地方の人材交流事業
  (6)エコビレッジ、コミュニティ創りのコンサルタント事業

なかでも、「農」「育」「協」の3つの要素は持続可能なコミュニティ創りのために不可欠だと考えています。

農のプロジェクト

古来から続く稲作や、環境保全型農業（自然栽培や有機農業など）を実践することによって、豊かな里山や日本的文化を次世代へつないでいくプロジェクトです。

NPO法人オルタナティブビレッジが特に力を入れている事業が、自然栽培稲作スクール「yuine project」および糀合宿シリーズ：はっこうビレッジです。

自然栽培稲作スクール「yuine project」は、田んぼ実践・座学の自然栽培稲作講座、稲作を通じて自然と関わり生きる力を身につける自給自足プロジェクト、皆で出資しシェアで運営するシェア田んぼの3つのプロジェクトを進めてきました。現在は、神戸市の認定機関として、農家育成や空き家の活用、移住促進などにも積極的に取り組んでいます。

糀合宿シリーズ：はっこうビレッジは、糀作りを体験したい方向けに1Day、週末にしっかり糀作りを学びたい方向けに2Days、糀作りや米の調味料など幅広く学びたい方向けに3Daysのプログラムを用意しています。
発酵食を作るために必要な糀の元を販売する種麹屋が、近年の食の多様化によりついに全国で10店舗を切る状況になっています。こうしたなかで、同プロジェクトでは日本食の根源である米を使用した米麹の作り方を伝え、日本が古来から持っている発酵技術を継承していくための講座を全国で展開しています。

このほか、働きながら農業を行う兼業農家を目指す方のために、短時間の農業研修を受けることで小規模な農地を借りて農業を行えるようになる「神戸ネクストファーマー制度」、農薬や化成肥料を使わない栽培方法を学ぶ自給野菜スクール「いのちのわ」など、「農」を学ぶたくさんのプロジェクトを行っています。

育のプロジェクト

「種まきから食卓まで」「好奇心を育むのが教育」などを実現するため、画一的ではなく個性を尊重してさまざまなオルタナティブ教育を行っています。

神戸ビオオルタナティブスクールでは、持続可能な暮らしの実現を目指して、環境や人に優しいオーガニック食品を選択し、稲作を通じて謙虚さや感謝の心を育む活動を行っています。
親子で農業体験や自然体験を満喫する「satonovi」も、「育」を学ぶプロジェクトの一部です。

協のプロジェクト

同団体の代表理事の山口氏が先進的な海外コミュニティを築く韓国やイタリアへ視察に行った際に取り入れられていたのが、協同組合の仕組みでした。
10年以上持続可能なコミュニティづくりにおいて重要なエッセンスとなる「 農・育・協 」の3つ。同団体では、コミュニティにこれら3つを加えることによって、持続可能なコミュニティをデザインする「サスティナブルコミュニティプランナー」のオンライン養成講座を行っています。

詳細情報

NPO法人オルタナティブビレッジ