支援制度の枠からこぼれた18歳以上の若者が、望む未来を選べるように伴走する団体【一般社団法人アマヤドリ】

はじめに

本記事では、既存の制度では社会的な支援が届かず孤立・困窮している若者への支援を行っている団体についてご紹介します。「若者が、自分の生き方を自分で選んでいける世界をつくっていきたい。」という思いから、主に相談同行支援および居住支援を行っています。

概要

一般社団法人アマヤドリは、神奈川県の三浦半島を拠点とし、18歳から29歳ぐらいの若者を対象にサポートを行っている団体です。SOSを出したくても支援先がない18歳以上の若者が必要なサポートを受けられるように、伴走支援を行っています。

同団体の立ち上げのきっかけとなったのは、代表理事を務める菊池 操氏が高校の養護教諭だったころの出来事です。卒業生から「家出してしまった」「ずっと家で居場所がなく、ついに我慢できなくなった」「一人暮らしをしているけど経済的に困るようになった」といった相談がたくさん来るようになりました。
高校卒業後に頼れる相談先・支援先が激減するという現状を知り、支援を頑張っていきたいとの思いで、2020年に同団体を立ち上げたました。
以下では、シェアハウスを含む同団体の事業内容についてお伝えしていきます。

事業内容

日本の法律では、成人年齢が18歳です。そのため、家庭を頼ることができない何らかの事情があっても、18歳までを対象とした児童福祉法や児童虐待防止法などの支援制度の枠組みからこぼれ落ち、支援や相談先を失ってしまう現状があります。
そこで、一般社団法人アマヤドリでは、このような既存支援制度が届かず孤立・困窮している若者がさまざまな壁を超えられることを願い活動を実施。若者ご本人の意見を尊重し、自ら意思決定できるように伴走しています。

一人ひとりが最善の選択をできるように、同団体では主に次の3つの事業を通じて若者をサポートしています。

相談サポート「コレカラ」

支援を必要とする若者の「コレカラ」のことを、ご本人の意向を大切にしながら一緒に考えていくための相談サポートです。
たとえば、「家族の暴力や暴言で家に居場所がないので、安心して一人暮らしをするための初期費用を貯めたい」「バイト代をすべて親に渡しているため自由がない。自分で稼いだお金で自立したい」など、家庭に居場所がない・家族のサポートがない18歳から29歳までの若者のさまざまな相談に応じています。

サポート付きシェアハウス「アマヤドリ」

居場所がない、経済的に困っているなどの18歳から29歳までの女性を対象に、安心できる住まいの選択肢の一つとして提案しているシェアハウスです。神奈川県横須賀市にある一軒家タイプで、若者に今の居場所を提供し、未来の居場所を作っていけるようにサポートしています。
「アマヤドリ」では、共用部の掃除や共用品の洗濯などの生活サポートを週に2回、キャリアコンサルティングを月に1回実施。また、一人ひとりの希望や課題を整理するために面談も行っています。
入居期間は一年を目安に、新たなスタートラインに立つことを目指します。契約更新は一回までとし、最長2年間利用可能です。

アパート型ステップハウス「コモレビ」

シェアハウスよりも一人暮らしに近い環境があり、一人暮らしに向けた練習というイメージでも利用できます。こちらは性別を問わず、お子さまと一緒に入居することも可能です。
サポート付きシェアハウス「アマヤドリ」のほかにも安心できる住まいの選択肢になればという思いから、新たに開設されました。

詳細情報

一般社団法人アマヤドリ