はじめに

子どもたちは、家庭の中で経済面や精神面でさまざまなバックアップを受けながら成長しますが、そういったバックアップを受けることができない子どもたちが存在します。自立援助ホームあすなろ荘は、家庭で生活できない子どもたちが自活するための力と知恵を養えるための援助を行うことを目的とする施設です。
本コラムでは、同施設について詳しくご紹介していきます。

概要

自立援助ホームとは、何らかの事情により家庭にいられない15歳から20歳（状況により22歳）までの子どもたちに暮らしの場を与え、自立できるように援助する施設です。

家庭で生活ができなくなった子どもたちを、保護者に代わり社会が養護することを「社会的養護」といいます。この社会的養護のもとで暮らす子どもたちは、虐待や貧困、ネグレクトなどの不安定な状況で生きてきたため、人一倍ケアを必要とすることがほとんどです。しかし、児童養護施設で十分なフォローを受けられていない子どもや、児童養護施設にすら入れずに生きていかなければならない子どもがいるなど、数多くの問題が起きている現状があります。

自立援助ホームあすなろ荘は、大人の支えがない子どもたちが自立できるための適切な援助を行う施設です。ゆったりとした雰囲気の安心できる環境で、スタッフとともに「食」や「住」に始まる「当たり前の生活」を送ります。入居時には、まず入居の意思を確認して、自分で選び、考える一歩からスタートします。子どもたちのそのままの姿を認め、受け入れることから始め、失敗しても、自分で考えて行動を起こし、その結果を受け入れる経験を積み重ねていく「主体性の保障」を大切にしています。

活動内容

自立援助ホームあすなろ荘では、子どもたちが自立するための力と知恵を育てるべく、5つの取り組みを行っています。その取り組みについてご紹介します。

寮生へのメンタルケア

あすなろ荘では、スタッフとともに日常生活を送る寮生に寄り添い、「あなたはかけがえのない存在」であるというメッセージを伝えています。また、子どもたちの生い立ちの整理の実践も行います。

就労支援

就労相談やハローワーク・ジョブスポットへの同行などの就労へのサポートを行います。将来に向けた自立のために、毎月の給与精算やお金の使い方、貯金の管理についてもフォローしています。

同行支援

病院の付き添いや不動産屋への契約、市役所・出張所などへの各種手続き、家庭裁判所への同行を行っています。

積極的ホールディング（環境整備）

あすなろ荘では、安全で清潔な生活の場の提供、朝・夕の食事の提供を行っています。寮生はスタッフとともに安心安全の場で生活を送ります。

退寮生への支援

自立援助ホームあすなろ荘では、退寮した卒園生にも支援を行っています。支援内容は、面会や電話相談、同行支援だけでなく病院への見舞いなど多岐にわたります。誕生日カードや食料品の送付も行い、あすなろ荘を退居した後もつながっているというメッセージを送り続けています。

詳細情報

自立援助ホームあすなろ荘