はじめに

世界では今もなお、多くの子どもたちが貧困や差別、紛争など、厳しい現実の中で生きています。そんな現状を知り、「自分にも何かできることがあるはず」と立ち上がったのは、わずか12歳の少年でした。
本コラムで紹介するのは、その少年の意思を日本にも広めるべく活動している団体です。

概要

特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、貧困や差別で苦しむ子どもを支援している団体です。12歳の少年がカナダで立ち上げた国際NGO「Free The Children」のパートナー団体として、1999年に活動を開始しました。
同団体が目指すのは、子どもたちが国籍や性別、生まれた環境に左右されず、自立して生きていける社会の実現です。困難な状況にある子どもたちを救うべく、国内外でさまざまな自立支援事業を展開しています。
同団体の活動の根底には、「子どもは助けられるだけの存在ではなく、変化を起こす担い手である。」という思いがあります。そのため、子どもたち自身が問題に立ち向かい、社会を変える力を育むための機会の創出も積極的に行っています。

活動内容

国際協力事業

貧困地域の子どもが継続して教育を受けられるように、「教育」「水」「保健」「収入向上」の4つの分野を軸とした自立支援プログラムで支えています。

教育

貧困のために学校に通えなかった子どもたちは、貧しさから抜け出す方法を知らないまま大人になっていきます。この貧困の連鎖を断ち切るべく、同団体は教育支援を全ての事業の中で最も重要な柱としています。
支援内容は、学校建設や教育アクセスの改善、教員育成など多岐にわたっています。

水

水の確保が困難な地域において、清潔な水へのアクセスを確保する取り組みを行っています。支援内容は、井戸や手動式ポンプの設置、手洗い場やトイレの整備、集水設備の整備、衛生教育など多種多様です。

保健

貧困地域に住む人たちが健康を維持・改善できるよう、クリニックの運営や学校での予防接種、医療従事者へのトレーニング、村人への保健教育などでサポートしています。

収入向上

保護者が安定した収入を得ることは、子どもの生活の安定にもつながります。そこで同団体は、子どもの保護者を対象とした収入向上支援を行っています。特に女性支援に重きを置いています。

国内支援事業

国内においても、さまざまな事業で困難な状況にある子どもを支援しています。

スカラシップ（参加費助成制度）

同団体主催の、子どもの問題発見・解決力を育てる合宿型プログラム「テイク・アクション・キャンプ」への参加費を全額助成する精度です。子どもたちはキャンプに参加することで、「自分に何ができるか」を考え行動する力を養っています。

ひとり親家庭・経済的課題のある子育て家庭への支援

ひとり親家庭や、家計が苦しい状況にある子育て世帯への支援活動を行っています。各家庭の負担が少しでも減るよう、入学セットや文房具の配布、応援金の給付などで支えています。

食糧支援

各地域の支援団体と協力し、子ども食堂の運営支援やお米の配布、お弁当の配布などを行っています。

緊急・復興支援

大規模災害が発生した際の緊急支援や復興支援を行っています。これまでに、無料のオンラインワークショップやアレルギーに対応した炊き出し支援などを行ってきました。被災した子どもたちが一日も早く笑顔で過ごせるよう、現地のニーズに寄り添ったプロジェクトで支えています。

詳細情報

特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン