国内外において被災地のニーズを的確に捉えた災害支援に取り組む団体【一般社団法人 ピースボート災害支援センター（PBV）】

はじめに

一般社団法人 ピースボート災害支援センター（PBV）は、被災地での災害支援活動や、災害に強い社会作りに取り組んでいる団体です 2011年3月に起こった東日本大震災の災害支援を機に団体を設立し、これまで数多くの国や地域で支援活動を実施してきました。日本各地の風水害や地震被害などの被災地で緊急支援を行うほか、国際ネットワークを活かした海外での支援活動も展開しています。

本コラムでは、同団体の活動内容についてご紹介していきます。

概要

ピースボート災害支援センター（PBV）は、「人こそが人を支援できる」をテーマに、被災地のニーズを迅速かつ的確に捉えた支援活動を行っている団体です。発災直後から被災地に入り、物資支援や食事支援（炊き出し）、避難所の運営サポート、災害ボランティアの受け入れなど、支援内容は多岐にわたります。
同団体が行う国内外での支援活動を、以下で詳しくまとめています。

活動内容

国内外の災害支援

ピースボート災害支援センター（PBV）は、2011年の設立以来、国内外で発生したさまざまな災害に対し、被災者のニーズに寄り添ったきめ細やかな支援活動を行ってきました。その活動は、発災直後の緊急支援から、中長期的な復興支援、そして将来の災害に備えた防災・減災活動まで広範囲にわたります。

国内での支援活動は、東日本大震災をはじめ、熊本地震や九州北部豪雨、西日本豪雨、能登半島地震など、日本全国に及びます。まずは先遣スタッフが被災地入りして、現地の状況やニーズを確認。そのうえで適切な支援の形を検討し、日々変わる状況に合わせて組織的かつ責任のある支援活動を進めます。
刻一刻と変化する被災者のニーズに合わせて、物資の支援や食事の提供、避難所の運営サポート、被災家屋の清掃・保全、災害ボランティアの受け入れといった多岐にわたる支援活動を実施していきます。また、緊急期から中長期的な視点に立ち、コミュニティの形成支援や心のケア、仮設住宅への生活支援など、被災者の生活再建に寄り添った支援も継続しています。

東日本大震災の際は、甚大な被害を受けた宮城県石巻市と女川町を中心に、インターナショナル・ボランティア、企業ボランティアのコーディネート含むのべ87,000名以上のボランティアが支援活動に参加しました。 同震災後には、ピースボート災害支援センター（PBV）とNGOピースボートが協力し、「福島こどもプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、保養と国際交流体験を通じて子どもたちに夢と健康を届けることを目的としたものです。これまでに100名以上の子どもたちが参加し、洋上や寄港地での国際交流を図りました。

これまでに国内で78地域以上、海外でも29ヶ国以上で災害支援活動に携わってきた実績を持ちます（2023年3月時点）。国際ネットワークを活かした海外支援においては、ネパール地震や米国ハリケーン・カトリーナ、ウクライナ人道危機など世界各地で発生する災害に対し、支援物資の提供や現地のニーズに合わせた復興支援プログラムを実施しています。

防災・減災への取り組み

ピースボート災害支援センター（PBV）では、災害支援活動に加え、現場経験を活かした防災・減災に関する取り組みにも力を注いでいます。自然災害の発生を止める術はなくても、過去の災害からの学びによって、次の災害の被害を最小限に食い止める努力はできるという考えから、減災サイクルという考え方を取り入れています。
減災サイクルとは、人命救助や支援物資の配布などを含む「応急対応」、仮設・恒久住宅の整備を含む「復旧・復興」、過去の災害対応や支援活動のフィードバックを含む「被害抑止」、インフラや備蓄物資の整備などを含む「被害軽減」の好循環を生み出すサイクルのことを指します。これは、国際的にも取り入れられている考え方です。

このほか、各家庭で防災・減災の取り組みを考えるワークショップも実施。家族のライフスタイルや自宅・地域の状況に合わせて被災時をイメージしながら、「わが家」で役立つ具体的な災害対応や備えを考えるワークショップです。
加えて、知識や装備など万全の状態で災害ボランティアに臨むためにこれまでの災害支援の経験を共有する「災害ボランティア・トレーニング」も行っています。

詳細情報

一般社団法人 ピースボート災害支援センター（PBV）