はじめに

キャンプや登山などで自然を利用することはあっても、その自然を維持するためにどれほどのコストがかかっているのか、理解している人は少ないでしょう。利用者自らが環境保全に取り組めば当事者意識が芽生え、自然を守るための活動はより活性化する可能性があります。
本コラムでは、「利用者による環境保全の仕組みづくり」に注力している団体を紹介します。

概要

北海道上川郡東川町を拠点に活動するNPO法人大雪山自然学校。「人と自然が共生する持続可能で豊かな暮らし」をビジョンに掲げ、自然体験活動や環境教育、人材教育といった多岐にわたる活動を展開しています。
自然との共生で生じる問題を一人ひとりが自分ごととして捉え、課題解決に向けて自発的に行動できる社会の創造を目指している団体です。

活動内容

同団体は自然と人とのつながりを深めるべく、多様な活動を展開しています。

イエティくらぶ

子どもたちの心身の成長を促す自然体験プログラムです。
人と人とのつながりが希薄になりつつある昨今、子どもたちの他者と関わる機会が減っていると言われています。イエティくらぶは多様な人との関りを自然の中で生み出すことで、子どもたちのコミュニケーションを促進しています。活動の大きな目標は、子どもたちの「未来を創造する力」を育むことです。プログラムを通し、子どもたちは未来を切り開くために必要な想像力や多様性、思いやりの心、危険を察知する直感力などを養っています。
日帰りのトレッキングやキャンプなど、さまざまなプログラムが企画されています。

森つく（月に一度は森づくり）

誰もが気軽に訪れて安全に楽しめる、「森のコミュニティセンター」をつくるための活動です。毎月第3土曜日に、キトウシの森にて実施しています。
倒木の運搬や危険物の撤去、散策路の整備などを実施。また、自然観察やアウトドアクッキングなど、森で過ごす際に必要な知識やスキルを養うための活動も行っています。
活動には、子どもから大人までどなたでも参加可能です。

エコツアー

旭岳周辺を中心に、自然を満喫するためのツアーを企画・実施しています。
旭岳の姿見の池やキトウシの森を散策するツアー、北海道に棲息する野生動物を観察するツアーなど、さまざまなツアーが企画されています。冬はスノーシューを履いて、夏場は行くことができない場所へ散策することもできます。

旭岳自然保全員

受託事業として、旭岳・天人峡地区における環境保全対策事業を実施しています。
具体的には、旭岳周辺の見ごろな植物や登山情報などをブログやSNSで発信しています。

詳細情報

NPO法人大雪山自然学校