はじめに

現代社会において人と自然の距離は遠くなっており、自然の真の価値が見過ごされがちです。こうした状況を打開し、自然との関わりに新たな価値を見出そうとしているのが、本コラムで紹介するNPO法人ECCOMです。

概要

人と自然が共存する社会の実現を目指しているNPO法人ECCOM。自然に関わる施設の運営管理や地域の自然環境の保全、まちづくりなどに取り組んでいます。

活動内容

NPO法人ECCOMは、日本カモシカセンターの閉園に伴い、それまでの取り組みと理念を継承すべく、2007年2月19日に設立されました。
同団体は人と自然が笑顔になれる場所をつくるべく、自然に触れられる施設の運営やプログラムの提供を行っています。

指定管理施設・自然関係施設

三重県民の森は、鈴鹿山脈釈迦ケ岳のふもとにある森林公園です。自然や生きものについて学べる自然学習プログラムなど、森を存分に楽しめるイベントを毎月開催しています。

三重県上野森林公園は、森や草原、池、湿地などが点在する森林公園です。四季折々の草花や、さまざまな種類の蝶などを楽しめます。地域とのつながりを強化し、高齢者、外国人、障がい者、幼児など、多様な背景を持った人に利用してもらえる公園づくりをしています。

ございしょ自然学校は、鈴鹿山脈を代表する山である御在所岳山上にあった日本カモシカセンターの跡地を活用した施設です。四季折々のイベントやガイドツアー、登山者・観光客への案内などを行っています。

大阪府堺市では、「みんなが楽しくなる体験型植物園」をコンセプトにした堺市都市緑化センターを、他社と共同運営しています同団体は体験プログラムや広報関連業務を主に担当するとともに、ロゴ、ウェブサイト、広報誌の制作など、ブランディングに関する業務をおこなっています。

管理・運営施設で行っているプログラム

三重県民の森で実施している「山猿塾」は、「森を遊び尽くせ」をテーマにした、子どもたちが森の中で楽しく遊びながら生きる力を育むプログラムです。年間を通して、圃場づくりやお泊りナイトウォーク、魚釣り、樹木伐採など、自然と触れ合う多種多様なプログラムを提供しています。

「お楽し森の学校」は、三重県上野森林公園の里山を舞台に、子どもたちの主体性や創造力、生きる力を育むプログラムです。参加した子どもたちは自分がやりたいことに挑戦して楽しみを見つけ、より楽しくするために何が必要か考え行動する力を養っています。

赤とんぼマーキング調査は、日本カモシカセンターで1971年に開始した調査で、ECCOMがそれを引き継ぎ「ございしょ自然学校」で実施しているプログラムです。準絶滅危惧種に指定されているアキアカネの行動範囲を明らかにし、育つ環境を守れるよう調査を続けています。

その他、各施設を中心として、時には出張もしながら、人と自然をつなぐプログラムを多数行っています。

詳細情報

NPO法人ECCOM