はじめに

2021年に開幕した東京オリンピック・パラリンピックの5年ほど前から、JRAの支援事業もあり“ホースセラピー”という言葉が日本中で広く浸透していました。

ホースセラピーとは乗馬療法とも呼ばれ、馬との触れ合いや乗馬体験によって心身の健康を促進する療法のことです。

この活動に関わる人が増加している一方で、障害のある方を馬に乗せるための知識や技術を持たない人も増えている側面があります。

それは、欧米と日本ではそもそも寄って立つ馬の文化や歴史の背景が大きく異なり、世界から見たとき、日本のこの領域はとても遅れている現実があるからです。

特定非営利活動法人 RDA Japanでは、国際基準言語であるEquine Assisted Services、つまり馬介在サービスの知識と概念を普及啓発し、次世代の人材育成に邁進しています。

本コラムでは、同団体の活動内容についてご紹介していきます。

概要

特定非営利活動法人RDA Japanは、英国RDA（総裁はアン王女）の海外支部として1998年に発足した団体です。英国本部の理念に基づき、障がいのある人も健常者と同じように乗馬や馬車操作を楽しむ機会を提供し、健康や暮らしの質の向上を目的としています。

この活動理念に賛同する団体がユニットとして登録し、全国各地で活動を行っています。

また、同団体は国際連盟であるHETI（Horses in Eduvcation and Therapy International）の連盟会員でもあり、HETIの執行役員も輩出しています。

支援内容／活動内容

各種人材育成

特定非営利活動法人RDA Japanでは、安全で楽しく計画性のあるレッスンプログラムを作成し、実行できるインストラクターの養成に力を入れています。インストラクターは、活動の主役である馬に関する知識と馬を扱う技術はもとより、障害や疾病についても学び、レッスンにふさわしい馬や馬具の選定からアクティビティ、ボランティアの管理までのすべてを担う重要な責務があります。

また、重度身体障害者を馬に乗せるには、理学療法士や作業療法士などしかるべき専門の療法士のアドバイスや助けが必要です。

海外では療法士が主導し、治療の一環として行うヒポセラピーがあります。しかし、日本では国の保険制度の壁という問題以前に、馬を知らない療法士が多いのも実情です。

同団体では、医療従事者のための認定アドバイザーコースを設け、医療従事者に馬介在サービスをはじめとする障がい者乗馬に関する知識を学ぶ座学と、実際の馬を使った実技講習を実施。終了した方には、認定アドバイザーの証を授与しています。

そして、ボランティア活動に参加される方のためにヘルパー講習会も行い、障がい者乗馬チームの一員としての役割と知識を深める機会を設けています。

インストラクターや療法士などの人材派遣

特定非営利活動法人RDA Japanが行っている、障がい者乗馬を全国に普及するための活動の一環です。

障がい者乗馬を始めたくてもノウハウがないことや、講習会を開催したくても講師がいないことなどでお困りの団体や個人を対象に、特定非営利活動法人RDA Japanから人材を派遣しています。

詳細情報

特定非営利活動法人 RDA Japan

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