はじめに

日本では、年間多くの犬が行政施設に収容され、殺処分の危機に直面しています。悪徳ブリーダーからの保護や、飼い主の病気・高齢化による飼育放棄など、さまざまな理由で行き場を失った犬たちが存在します。
一方で、一般的な選択肢として保護犬を迎えることがまだ根付いていない現状があります。このような中で、「1匹でも多くの犬たちを殺処分や劣悪な環境から救いたい」という強い使命感のもと、地道な保護活動を続けているのが、NPO法人はぴねすDOGです。

本コラムでは、同団体の活動内容についてご紹介していきます。

概要

NPO法人はぴねすDOGは、2010年に理事長の間柴氏が一人で取り組んだ保護活動から発足しました。
「1匹でも多くの捨てられた犬たちを殺処分や劣悪な環境から救う」「保護犬を迎えることが当たり前の選択肢である日本にする」をビジョンに掲げ、大阪府を中心に活動しています。
小さな活動からスタートし、現在は多くの賛同者や預かりボランティアスタッフが参加し、行政収容犬や悪徳ブリーダーからのレスキューを通じて、殺処分を待つ犬たちを一匹ずつ確実に幸せへと導く地道な保護活動を継続しています。

支援内容／活動内容

行き場を無くした犬たちと家族のご縁をつなぐ

NPO法人はぴねすDOGの保護活動の基盤は、レスキューした犬たちをボランティアが一般家庭で一時的に預かる「預かりシステム」です。行政施設や廃業予定のブリーダーからの引き出し、飼育放棄された犬たちの健康管理、社会化トレーニング、そして新しい家族との出会いまで、一匹一匹に寄り添いながら丁寧なケアを提供しています。定期的な譲渡会の開催により多くの保護犬が新しい家族と出会い、第二の犬生をスタートさせています。

活動は、単なる保護・譲渡に留まらず、保護活動に関わるボランティアのスキルアップセミナーの開催も含まれます。犬を飼っている方や犬に関わる仕事をしている方などが、犬に関して正しい知識を身につけるためのセミナーです。
同セミナーでは、ドッグトレーナーやトリマーをはじめとする犬に関わる専門家から、医療やトリミング、整体、トレーニング、食事など多岐にわたる内容を学ぶことが可能です。正しい知識を身につけることは、犬たちの幸福度に影響します。セミナーでの学びが、「犬たちのためにもっとできることがあるのでは」という気づきを得るきっかけにもなっています。

代表のチャレンジ：老犬ホーム設立クラウドファンディング

NPO法人はぴねすDOGの理事を務める間柴氏は、飼育放棄の問題解決を図るため、2025年8月6日より「愛犬と飼い主が生涯一緒を実現できる老犬ホーム」設立のためクラウドファンディングに挑戦し目標額の200%を越えての達成をしています。

17年間の保護活動を続ける中で、間柴氏は従来の保護活動では救うことのできない犬たちの存在に直面してきました。医療ケアが必要な老犬、介助が必要な犬、そして飼い主の病気や高齢化により手放される犬たちです。
これらの犬たちにも安心できる居場所を提供し、「もう捨てさせない」社会の実現を目指すため、老犬ホーム設立という新たな挑戦に踏み出しました。
10年前から温めてきた構想が、物件との出会いと譲渡した犬が繋いでくれた縁により、ついに実現への道筋が見え始めているのです。

犬と暮らしている人にとって、愛犬はもはや家族も同然でしょう。
そんな大切な家族の未来のため、ひとりでも多くの方に、この問題を「自分ごと」として考えてもらえたら、という想いで活動を続けています。

詳細情報

NPO法人はぴねすDOG

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