はじめに

近年、職場や行政におけるLGBTQ施策は急速に広がっているものの、現場での理解が進まず、多くのLGBTQの人々は生きづらさを感じています。職場や地域によって対応に格差があり、法整備が遅れていることも大きな要因です。
こうした現状を変えるべく活動しているのが、本コラムで紹介する虹色ダイバーシティです。

概要

2013年に設立された虹色ダイバーシティ。LGBTQを含む多様な人々の尊厳や権利を守り、誰ひとり取り残さない社会の実現の実現を目指している認定NPO法人です。企業・自治体・教育機関向けの講演や研修・コンサルティング、情報発信などを通じて、多様性と包摂の実現をサポートしています。さらに、学術研究者との協働による調査研究や政策提言、国際ネットワークとの連携、LGBTQセンターの運営を通じて、地域社会全体の包摂と平等の実現にも取り組んでいます。こうした幅広い取り組みにより、誰ひとり取り残さない社会づくりを推進しています。

支援内容／活動内容

社会教育事業

LGBTQ/SOGIに関する講演や研修、教材作成、コンサルティングなどを実施しています。2023年度には講演・研修を158回実施するなど、精力的な活動を展開中です。

LGBTQ研修分野では、対面・オンライン両形式での研修を、全国で実施しています。これまで蓄積してきたノウハウを詰め込んだ、オーダーメイドの研修を提供しているのが特徴です。また、全従業員向け・人事部門向け・管理職向けの3コースからなるeラーニングや、オリジナルコンテンツ・教材の作成にも対応。さらに、最新の知見を取り入れながら、それぞれの組織にあったコンサルティングサービスも実施しています。

調査研究事業

LGBTQは人口の5〜8%だと言われていますが、周囲の人に自分がそうであると表明すること（カミングアウト）ができる人は少なく、「見えにくい」「声を拾いにくい」という特性があります。学術研究者とともに、LGBTQの仕事や暮らしに関するアンケート調査「nijiVOICE」を、2014年より継続的に実施し、2025年時点で累計20,000人以上の声を集めました。これは国際的にも非常に貴重なデータとして評価されており、多くの日本企業のLGBTQ施策推進の根拠資料として活用されています。
過去の調査報告書は、情報サイト「NIJI BRIDGE」上ですべて無償公開されています。

LGBTQセンター運営事業 

2022年4月から、大阪の天満橋にて常設のLGBTQセンター「プライドセンター大阪」を運営しています。LGBTQだけでなく、その周囲の人々やLGBTQに関して学びたい人など、誰でも利用できるのが特徴です。LGBTQやSOGIに関する個別相談や本の閲覧、コミュニティ情報の収集、各種交流などに幅広く対応しています。2025年7月までの累計来館者数は4,616人、対面・オンライン相談・LINE相談の累計相談者数は1,581人に及んでいます。
毎年、大阪天満橋周辺の大川で開催している、水上パレードと啓発イベント「プライドクルーズ大阪」など、様々なイベントを通じて、地域社会への可視化にも努めています。

詳細情報

特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ