はじめに

トピアリーとは、一言で表すと「植物アート」です。映画で主人公がハサミの手でさまざまな形に刈り込んでいた樹木も、テーマパークや遊園地で見かける植物で形作ったキャラクターもトピアリーです。「NPO法人日本トピアリー協会」では、「植物を人工的・立体的に形づくる造形物」と定義して、その普及活動を行っています。

本コラムでは、同団体の詳しい活動内容を紹介します。

概要

「日本トピアリー協会」は、1999年に民間団体として設立されました。NPO法人として15周年を迎える国内唯一のトピアリー団体です。国内におけるトピアリー文化の普及活動や海外への情報発信などの活動を展開しています。
名誉理事である故樋口春三氏が発案した「PLAY」P：Play　遊び心いっぱいに L：Learn 学び A：Art　創り Y：Yen　ご縁（円）を結ぶという理念・理行に基づき、「遊び心いっぱいに、学び、創り、ご縁（円）を結ぶ」団体として、多くの方々と愉快で楽しい生活空間づくりを共有すべく、日々の活動を続けています。

支援内容／活動内容

同団体は、毎年秋に日比谷公園でトピアリー愛好家向けの講座やイベントを開催するほか、日比谷公園・芝公園のボランティア花壇へのトピアリー設置、トピアリーイベントの監修、技術開発、インストラクター養成など多岐にわたる活動を行っています。

竹を活用した「循環型トピアリー」制作プロジェクト

竹林の間伐材を活用する「循環型トピアリー」の取り組みは、2025年に始まりました。トピアリーは通常、鉄などの金属フレームに植物を沿わせるように仕立てます。しかし、近年は猛暑の影響で、金属に接する部分が枯れたり、熱がこもって蒸れたりするというこれまでになかったダメージが多発しています。そこで、金属に代わる素材として竹などの自然素材に着目。都立蘆花恒春園の竹林から出る間伐材を、日比谷公園の花壇でトピアリーのフレームとして活用する実験的な取り組みを実施しています。この新たな循環型トピアリーは、放置竹林問題の解消にも貢献し、未来へとつなげる試みです。

トピアリー講座・イベントの開催

同団体では、毎年、日比谷公園ガーデニングショー期間中に愛好家向けの講座やイベントを開催。植物の楽しみ方のひとつとして、植物をさまざまな形に仕立てて楽しむ植物造形「トピアリー」を体験できる機会を提供しています。2025年は、10月に「刈り込みトピアリー実演イベント」「ガーデニングエディターとプロ写真家がこっそり教える写真の撮り方・伝え方講座」を開催。トピアリーを楽しみ、さらに発信することで、より多くの方にその魅力を広げています。

都立公園へのトピアリー設置

トピアリーのある場所には人が集まり、笑顔が生まれ、思わず写真を撮りたくなるものです。都立公園を訪れる方が「笑顔」になるよう、同団体は、日比谷公園のボランティア団体として20年以上にわたり、園内の花壇へのトピアリーの設置・管理やチューリップ球根の寄付などを行っています。2024年には、芝公園に「タワー型」のトピアリーを設置。東京タワーと「タワートピアリー」を一枚の写真に収めることができるフォトスポットとして、公園を訪れる人々を楽しませています。

詳細情報

NPO法人日本トピアリー協会

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