はじめに

現代の労働環境において、働く人々のメンタルヘルス問題は深刻な社会課題です。精神的な不調により休職や離職を余儀なくされる労働者は年々増加しており、企業の生産性低下や社会保障費の増大といった問題を引き起こしています。
このような状況の中、社会に「こころの健康セーフティネット」を築くべく活動しているのが、本コラムで紹介する特定非営利活動法人EAPメンタルヘルスカウンセリング協会です。

概要

社会全体のメンタルヘルス向上に向けた活動を展開していている特定非営利活動法人EAPメンタルヘルスカウンセリング協会。働く人々のメンタルヘルスケアに対する社会的需要の高まりを受け、2013年に従業員支援プログラム（EAP）やメンタルヘルス分野における専門知識と心理療法などをベースとした心理カウンセリングの実践力をもつ専門家を育成する資格制度を創設しました。これまでに、約2,000名のメンタルヘルス支援者を社会に輩出しています。
同資格の使命は、「こころの健康を支える心理カウンセリングが提供できる専門性の高い人材の育成」「質の高いEAPサービスの提供」「企業におけるメンタルヘルス対策の推進」です。
将来的にEAPメンタルヘルスカウンセラーが組織で働くすべての人々の心の健康を支え、生産的な労働環境の実現に寄与する存在となることを目標としています。

支援内容／活動内容

EAPメンタルヘルスカウンセラー資格（eMC）

同協会では、メンタルヘルス支援者の育成を目的として、EAPとメンタルヘルス分野における総合カウンセラー資格「EAPメンタルヘルスカウンセラー（eMC）」の認定試験を実施しています。試験は学科試験と実技試験で構成されており、受験には大学の心理学科やスクールの養成講座など協会が認定したカリキュラムの修了が必要です。

資格取得者の背景は、企業の人事担当者や既存のカウンセラー資格保有者、キャリアコンサルタントなど多岐にわたっています。メンタルヘルス対応が求められる職種の方々が、実践的なEAPスキルを習得するケースが多数見られます。一方で専業主婦や営業職など、これまで対人支援とは異なる分野で活動していた方々が資格を取得し、支援の現場で活躍している事例も数多く報告されています。
資格取得者からは、「チーム内の雰囲気が険悪だった問題が、カウンセリングスキルを活かした面談によって解決できた」「従業員の心の健康に配慮できるようになり、離職率が低下した」といった声が寄せられています。

EMCA全国支部会

同団体の地域における活動基盤となるべく発足されたのが、EMCA全国支部会です。地域に根差した「こころの健康セーフティネット」の構築を目指し、全国4つの支部（関東・東京・神奈川・西日本）で活動しています。会員同士の交流と相互研鑽の場として、研修会や勉強会、カウンセリングセッション、シンポジウムなどを積極的に開催。これらの活動を通じて会員同士がスキルを高め合い、地域社会への貢献を目指しています。

EMCAアカデミー

EAPメンタルヘルスカウンセラーの知識とスキルを体系的に修得する場です。より実践的なプログラムの受講を通して、それぞれの現場で実際に活躍できる「実務能力の育成」を目指しています。
EAPメンタルヘルスカウンセラーに求められる継続学習・自己研鑽のために、ブリーフセラピーや認知行動療法、対人関係療法や実践のカウンセリング・プラクティカムといったさまざまなプログラムが用意されています。

詳細情報

特定非営利活動法人EAPメンタルヘルスカウンセリング協会

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