はじめに

かつて障がい者は世間から隔絶された世界に生きてきました。その名残か、あるいは遺伝子に記憶されているためかは定かではありませんが、現在も障がい者が社会に出にくい状況は続いています。障がい当事者が社会で居場所を見つけようと、自ら立ち上げたのが「くれよんBOX」です。当初は任意団体として発足しましたが、2008年にNPO法人化しました。

本コラムでは、同団体の活動内容についてご紹介します。

概要

「くれよんBOX」が発足した2001年頃、障がい当事者が自ら運営する「自助グループ」は、障がい者福祉の制度としては想定されていませんでした。当時の障がい者福祉は、自助や共助ではなく、公助が中心となっていたのです。そこで、団体の有志が作業所を立ち上げ、他のメンバーを支援する形をとりました。この状況は、2006年の障害者自立支援法（現：障害者総合支援法）施行後、公助の一部が民間に移管されてからも大きく変わることはありませんでした。現在も、作業所型地域活動支援センターとして、立ち上げ当初と変わらぬ活動を続けています。

支援内容／活動内容

作業所型地域活動支援センターくれよんBOXの運営

同センターでは、障がい当事者が集う作業所として、居場所づくりに重きを置いた活動を行っています。ここでは、各自の得意分野や興味、知識などを共有しています。具体的には、アート作品をもとに、カレンダーやポストカード、エコバッグなどのグッズを制作・販売するほか、各自の体験談や知識を法人のウェブサイトなどで発表するといった活動も行っています。また、これらの活動の一環として、後述する「コミュニティスペースとしての活動」も展開。「地域活動支援センター」という名称の通り、地域社会との密接な関係を重視しています。

コミュニティスペースとしての活動

同団体は、毎週土曜日にコミュニティカフェ「くれよんカフェ」を営業しています。このカフェは、近隣住民が何もせず、何も考えずに過ごせる場所を提供したいという想いから、コーヒーの提供を始めたのがきっかけでした。
その後、次第にメニューを増やし「くれよんカフェ」は充実。さらに鉄道好きのメンバーが組み上げた鉄道模型を展示し、子供たちが触れることができるように「くれよん鉄道」を企画しています。また、地域の芸術家が作品を発表する機会として「くれよんミニギャラリー」も企画・運営しています。

詳細情報

特定非営利活動法人くれよんBOX

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