はじめに

1960年設立のスキー場が2002年に民間撤退した際、集落の過疎化と民宿の存続に危機感を抱いた地元有志が「NPOあわすの」を設立。地域経済の核であるスキー場を残すために、試行錯誤の末、住民が主体となって運営を引き継ぎました。現在は、スキー場の運営やスキーの普及活動、ボランティアによる地域の環境整備など、さまざまな活動を展開しています。

概要

同団体は、スキー場を核として、文化・芸術・スポーツの振興、地域の環境保全、およびまちづくり推進を目的として活動しています。財政難やウィンタースポーツの愛好者の減少、雪不足などにより、2020年には法人解散とスキー場閉鎖の危機に直面しました。しかし、一部の会員やその仲間たちによる「復活を支援する会」の設立で、解散・閉鎖の危機を回避。現在はオールシーズンアクティビティのベース基地として、人々の生活を豊かにするためのイベントや環境づくり、地元住民と他地域の方々が交流する拠点となっています。

支援内容／活動内容

ボランティアによる草刈り

スキー場のゲレンデは、グリーンシーズンにはススキをはじめとする大型の雑草が覆います。放置しておくと積雪量に影響があり、来場者により良いゲレンデ環境を提供できません。そこで、2020年の存続へのスタートアップイベントとして、一縷の望みをかけてボランティア数百名で草刈りを実施。この市民運動は債権者の心を揺さぶり、スキー場の存続に繋がる思い出深い出来事となりました。現在は7月、9月、10月の日曜日早朝に有志が集まり、草刈りを実施しています。ボランティア会員が自ら広大なゲレンデ環境を保全してゆくことは、経費面での支援にも繋がっています。

ボランティアによるリフト搬器脱着

ウィンターシーズンのみ運行するリフトの搬器は、グリーンシーズンには全て取り外されます。リフト2基、合計180台ある搬器は、1台あたり100kgを超える重量があります。
人件費抑制のため、営業期間外は最低限の人員で活動していることから、搬器の脱着作業は草刈り作業と同様にボランティアによって実施されています。この活動には、さまざまな地域から多世代のボランティアが集まり、参加した地元住民との交流の場にもなっています。

1日限定20食、地元そば粉を使用した山菜御膳と手打ち蕎麦

地元で栽培したそば粉を使用し、提供当日に地元の住民たちが手打ち蕎麦を作ります。年齢や体力を考慮し、週2回程度、平日を中心とした予約制のイベントです。地元で採れる山菜料理も数品添えて提供しています。もともと民宿を営んでいた60代後半から70代後半の住民（お母さんたち）は、料理の腕もさることながら、お客様とのコミュニケーションをしっかりと取れる点も強みです。
スキー場が存続したおかげで、外部からの来場者と地域住民が交流する機会が生まれ、過疎地への関心も高まりました。その結果、若干の収入にも繋がっています。さらに、施設利用料が支払われることでNPO運営の一助となっています。

詳細情報

NPOあわすの

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