はじめに

NPO法人ファザーリング・ジャパン関西(FJK)は、「笑ろてるパパがええやん！」を合言葉に、「父親が笑顔で子育てできる社会」を目指して活動している団体です。
日本の社会に根強く残る長時間労働や固定的な性別役割意識は、父親の育児参加を妨げる大きな壁となっています。その結果、多くの父親が家庭や職場で孤立し、それは子どもや家族全体にも影響を及ぼしています。
こうした現状を変えるため、同団体では父親が自分らしく子育てを楽しめる環境づくりに取り組んでいます。
本コラムでは、同団体の活動内容についてご紹介します。

概要

FJK（ファザーリング・ジャパン関西）は、2010年に関西支部が誕生し、2013年に兵庫県の認証を受けてNPO法人化を果たしました。
「父親が笑顔になれば、家族も社会も笑顔になる」という理念のもと、父親の子育て参加を促進し、働き方や生き方を見直し、父親として社会にアプローチするきっかけを提供しています。

同団体のビジョンは、父親が育児を楽しみ、家族とともに豊かな時間を過ごせる社会を実現することです。
父親向けの子育て講座やワークショップ、企業や自治体と連携した働き方改革の推進、地域イベントでの親子交流などを実施しています。
特に、父親同士が悩みや喜びを共有できるコミュニティづくりはFJKの大きな特徴です。「父親だからこそ抱える葛藤」を安心して話せる場を提供し、パパ友同士の交流の輪を広げ、職場とも家庭とも地域とも違うしがらみのない心理的安全性の高いサードプレイスとしての役割を担っています。

支援内容／活動内容

父子キャンプ 

毎年恒例の「父子キャンプ」では、父親と子どもが自然の中で過ごして絆を深め、同時に、母親には「育児に追われない時間」を提供します。
参加家族皆が協力し合い、バーベキューや焚き火、スイカ割り、カートンドッグづくりなどを実施。パパ同士、子ども同士の「ヨコの関係」だけでなく、パパ友と子どもたちが関わることで「ナナメの関係」が生まれるのも魅力です。
家庭での末っ子がお姉さんとしての役割を果たすようになったり、他の父親にだけ心の内を打ち明けたりと、普段とは違う姿が見られます。そのような変化を見られるのが、父子キャンプの醍醐味です。
子育ては期間限定だからこそ、こうした体験を大切にしています。

FJK的ビッグシャボン玉プロジェクト

子どもたちが大喜びする、大きな大きなシャボン玉。店舗でシャボン液を買って楽しむのが一般的ですが、同プロジェクトではFJKが誇る理系パパ達が本気を出して集結。巨大シャボン玉を作るための特殊な液材と、巨大シャボンを打ち出す道具を開発しました。
プロジェクトの目的は、親子の笑顔があふれる遊びの場を提供すること。大きなシャボン玉に映る子どもたちの笑顔、空に舞う無数のシャボン玉、それを見上げる家族…そんな温かい光景を生み出しています。

「同プロジェクトで開発した巨大シャボン玉のノウハウを、FJK会員の親子が遊ぶためだけに使うのはもったいない！」という思いから、子ども会やPTAなどの地域団体からの要請にも道具持参で対応。プロジェクトを通じて、地域の絆と活力を高めています。

小さなシールで泣く子を笑顔にプロジェクト

まちなかで子どもが泣いてしまったとき、保護者の方は申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいです。そのようなとき周りの大人からご家族に渡せるかわいいシールを作りました。
シールを渡すと子どもは泣き止み、保護者の方はホッとして微笑み、周囲の大人たちが笑顔を送れるようになります。そして、シールを受け取った人や見ていた人は、今度はシールを配る側に回ってくれるようになるという良い循環が生まれます。
これは、誰でも子育てに参加できる、そして優しさの連鎖を生み出す、社会全体で子どもを育てる仕掛けです。

全ては会員のために。そして、会員とトモに。

FJKは、「全ては会員のために」というスローガンのもと、所属する会員が能力を発揮し、成長できるアウトプットの場を提供しています。
同団体には、会社員や公務員、社労士、中小企業診断士、公認会計士などの士業、主夫、地方議会議員といった幅広いバックグラウンドを持つ会員が集結。熱い思いと多様なスキルを持ったパパたちが集まり、行動できるFJKだからこそ、次々と新しい取り組みが実現しています。 FJKは「笑ろてるパパ」を増やすために、メンバーとトモに（友に、共に）積極的に伴走しています。

詳細情報

NPO法人ファザーリング・ジャパン関西(FJK)

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