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正社員とフリーターの違いは?待遇や将来性を比較!就職成功のコツも解説
更新日
この記事のまとめ
- 正社員とフリーターには雇用条件や生涯年収、将来性などに違いがある
- 正社員とフリーターの違いは、社会的信用度や責任の重さにも現れる
- フリーターが正社員を目指すときにおすすめの職種は、営業職や販売職などがある
- フリーターが正社員への就職を成功させるには、前向きな姿勢のアピールが大切
「正社員とフリーターの具体的な違いを知りたい」と思う方もいるでしょう。正社員とフリーターには、生涯年収や福利厚生、社会的信用度などに違いがあります。
このコラムでは、正社員とフリーターの違いを項目別にまとめました。また、正社員とフリーターのメリット・デメリットにも触れています。フリーターを続けるべきか悩んでいる方は、正社員を目指す方法やおすすめの職種も参考にしてみてください。
正社員とフリーターの違いとは?
正社員とフリーターには、就業者数や雇用条件、収入など、待遇や将来性の違いがあります。フリーターを続けるべきか悩んでいる方は、正社員との違いを把握したうえで検討しましょう。
正社員とフリーターの違い
1.就業者数の違い
正社員とフリーターは、就業者数に違いがあります。総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果」によると、正社員とフリーターの数は以下のとおりでした。
雇用形態 | 人数 |
---|---|
正規の職員・従業員 | 3,606万人 |
フリーター | 134万人 |
参照:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果(p.1)(p.12」
上記のデータから、正社員の就業者数は非常に多く、フリーターとの違いが明らかです。なお、こちらの調査では、「パート・アルバイト及びその希望者の若年層(15〜34歳)」をフリーターとしています。
参照元
総務省統計局
労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果
2.雇用条件の違い
正社員は、会社と無期雇用契約を結ぶため、雇用期間に定めがなく長期的に安定した雇用が保証されています。一方で、パートやアルバイトとして雇用されているフリーターは、会社と有期雇用契約を結ぶため、雇用期間に定めのある働き方です。雇用が安定している正社員と比べると、雇用元の経営状況や方針によっては契約終了となる可能性があるでしょう。
雇用条件について詳しく知りたい方は、「労働条件通知書とは?確認すべき項目や雇用契約書との違いを解説」のコラムを参考にしてみてください。
3.収入の違い
正社員とフリーターの年収や生涯賃金を比較すると、その差は大きいことがわかります。以下で詳しく確認してみましょう。
正社員とフリーターの年収の差
正社員とフリーターの年収には大きな差があります。「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した正社員と正社員以外の平均給与は以下のとおりです。
雇用形態 | 1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与 |
---|---|
正社員 | 523万円 |
正社員以外 | 201万円 |
参照:「令和4年分 民間給与実態統計調査 / 2 平均給与(p.14)」
正社員と正社員以外を比較すると、1年で300万円程度の収入の差があります。正社員とフリーターの収入差について詳しく知りたい方は、「フリーターと正社員の収入の違いはどれくらい?就職のためのコツも解説」もあわせてご覧ください。
正社員とフリーターの生涯賃金の差
フルタイムの正社員・非正社員を続けた場合の生涯賃金も確認してみましょう。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―」によると、正社員と非正社員の生涯賃金は以下のとおりです。
学歴・性別 | 正社員 | 非正社員 |
---|---|---|
高卒男性 | 2億300万円 | 1億2600万円 |
高卒女性 | 1億4900万円 | 1億400万円 |
大学卒男性 | 2億4700万円 | 1億4000万円 |
大学卒女性 | 1億9800万円 | 1億1900万円 |
参照:総務省統計局「ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集(p.300)(p.315)」
大卒の正社員・非正社員の生涯賃金を比較した場合、男性では1億700万円、女性では7,900万円程度の差が生まれます。なお、上記には退職金が含まれないため、さらに差が生じることも考えられるでしょう。
参照元
国税庁
民間給与実態統計調査結果
独立行政法人労働政策研究・研修機構
ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―
フリーターと正社員はどっちが稼げる?
フリーターと正社員を比べると、正社員のほうが給料が高い傾向にあります。ハタラクティブの「若者しごと白書2024」によると、フリーターの手取り月収は「10万円以下」が一番多い結果でした。一方で正社員の場合、女性は「15~20万円未満」が一番多く、男性は「20~23万円未満」が一番多い結果でした。
このことから、フリーターは、正社員に比べて月給が低めであることが分かるでしょう。
フリーターの場合、キャリアアップのチャンスが正社員より少ない傾向にあるため、長く働いていても収入はほぼ横ばいです。収入アップを目指すなら、正社員を目指してみることをおすすめします。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
4.税金や社会保険料の違い
所得税は年間所得、住民税は年間所得と居住地によって税額が決まります。これらの税率に関しては、正社員とフリーターに違いはありません。社会保険料に関しては、社会保険の加入の有無によって違いが生じる場合があるでしょう。
政府広報オンラインの「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」によると、2024年10月から従業員数51人以上の企業であれば社会保険の加入対象に拡大されます。そのため、フリーターの場合も、社会保険に加入できる方が増えるようになりますが、従業員数50人以下だったり、他の条件を満たさないフリーターの場合は、国民年金に加入する必要があるでしょう。
厚生年金と国民年金の主な違いは以下のとおりです。
厚生年金 | 国民年金 | |
---|---|---|
加入できる人 | 以下のすべての条件を満たしたうえで、フルタイムで働くかた及び週所定労働時間及び月所定労働日数がフルタイムの4分の3以上のかた(正社員か否かは問わず) ・週の所定労働時間が20時間以上 ・所定内賃金が月額8.8万円以上 ・2か月を超える雇用の見込みがある(フルタイムで働くかたと同様) ・学生ではない ・従業員数51人以上の企業で働いている(2024年10月から) | 自営業・無職・学生など |
保険料 | 毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率をかけて計算され、事業主と被保険者とが半分ずつ負担 | 令和6年度は月額16,980円(保険料は毎年度見直しが行われる) |
将来の年金受給額 | 加入していたときの収入と期間による(国民年金に厚生年金受給額が上乗せされる) | 加入期間に応じて一律 |
社会保険に加入している場合は、保険料の半分程度を会社に支払ってもらえます。一方で会社の社会保険に加入しない場合は、国民健康保険に加入しなければなりません。その場合、保険料は全額自己負担となります。社会保険については、「正社員の社会保険加入条件を解説!非正規も入れる?加入メリットは?」のコラムで触れているため、参考にしてみてください。
参照元
政府広報オンライン
パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。
日本年金機構
国民年金保険料
5.福利厚生や待遇の違い
福利厚生や役職などによる待遇は企業によって異なりますが、正社員のほうが家族手当や家賃補助などが充実している傾向にあります。また、正社員の場合、役職手当が支給されることもあり、充実した福利厚生や待遇を受けられるでしょう。
福利厚生について詳しく知りたい方は、「福利厚生とはどんな制度?目的や適用条件を分かりやすく解説します!」のコラムを参考にしてみてください。
6.社会的信用度の違い
フリーターは雇用や収入が不安定なため、正社員に比べて社会的信用度が低い傾向にあります。社会的信用度が低いと、住宅ローンやクレジットカードの審査が通らない可能性もあるようです。将来的に住宅や車の購入を考えているフリーターの方は、正社員を目指したほうが無難といえるでしょう。
フリーターが一人暮らしをする際に審査で不利になる場合も
賃貸契約の際も、職業がフリーターだと審査で不利になる可能性があるようです。貸主や保証会社によってはフリーターを含む非正規雇用社員の方も受け入れているところはあるので、全く借りれないわけではありません。とはいえ、正社員に比べて入居の審査が厳しくなる場合もあると考えられるので、念頭に置いておいたほうが良いでしょう。
フリーターが一人暮らしをする際の注意点は、「フリーターの一人暮らしはきつい?審査や家賃の気になる疑問を解決!」でまとめているので、ぜひあわせてご覧ください。
7.業務範囲や責任の違い
正社員として働く場合は、会社の経営に直結する業務や部下の指導役のように、社歴やスキルによって幅広い業務を任されます。個々の権限や裁量が与えられる場合もあり、仕事に対する責任が重くなることも。ただし、成果が評価されれば昇進や昇給などにつながるため、責任がある分、やりがいも感じやすいでしょう。
一方で、フリーターがアルバイトやパートとして雇用される場合は、業務範囲が明確に定められている傾向があります。専門性の高い仕事にチャレンジしたり、キャリアアップを考えたりしている方は、正社員のほうが実現しやすいといえるでしょう。
ただし、職場によっては正社員と同じような業務を任される場合もあるようです。自分のやりたい仕事ができるか気になるときは、契約内容を確認しておくと安心できるでしょう。
8.ビジネススキルや社会人経験の違い
実務経験を重ねている正社員と比べて、フリーターはビジネススキルや社会人経験が不十分だとみなされる場合もあります。パートやアルバイトの仕事内容や教育体制によっては、ビジネスマナーやスキルを学べる機会が少ないからです。
求人情報には、「社会人経験必須」「正社員1年以上」などの応募条件が提示されているものもあります。パートやアルバイトが社会人経験としてみなされるかは企業次第であるため、就職・転職の際は確認しておく必要があるでしょう。
9.将来性の違い
正社員は、将来的に仕事の幅が広がったり、昇進が望めたりする傾向があります。雇用が安定しているため、生活やお金に関する将来的な不安も解消しやすいでしょう。一方で、フリーターは雇用に定めがあるため、将来的な生活やお金に関して不安に思う方もいます。
将来的な不安を解消するために正社員を目指すのであれば、早めの行動が必要です。フリーターの今後については、「フリーターの将来は不安?男女で違いはある?正社員になるためのコツを紹介」のコラムをご参照ください。
フリーターとは?大まかな4分類
フリーターがとして働いている理由はさまざまです。夢を叶えるためにあえて正社員を選ばない方もいれば、なんとなくアルバイトを継続している方もいます。
ここでは、独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213」を参考に、代表的な4つのタイプをまとめました。
分類 | 夢追求型 | モラトリアム型 | やむを得ず型 | ステップアップ型 |
---|---|---|---|---|
構成比 | 9.1% | 32.8% | 42.0% | 16.1% |
現職正社員比率 | 23.7% | 39.3% | 39.6% | 51.9% |
参照:法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213(p.228)」
上記の表を参考に、フリーターの分類を確認してみましょう。
夢追求型
夢追求型は、仕事以外にしたいことがあるため、当面の生活の糧を得るためにフリーターになった方を指します。
たとえば、音楽家や俳優といった職種を目指し、アルバイトで生活している方は、夢追求型のフリーターにあてはまるでしょう。自己実現志向や独立志向で、現在の状況に対して肯定的といった特徴があります。4つのタイプのなかでは、構成比と現職正社員比率ともに一番少ない割合です。
モラトリアム型
モラトリアム型は、「やりたいことを探したい」「正社員になりたくない」といった理由からフリーターになった方を指します。
学校卒業後になんとなくアルバイトを続けている方や、離職後にアルバイトをしている方があてはまるでしょう。今すぐ正社員になるのではなく、「今はゆっくりしたい」「就職までの猶予がほしい」という特徴がみられるようです。
やむを得ず型
やむを得ず型は、正社員になれない、または家庭の事情などで、やむなくフリーターになった方を指します。
具体的には、「新卒時に就職活動をしていたけれどなかなか採用につながらなかった」「怪我や病気によってフルタイムでの勤務が実現できない」といった理由が考えられるでしょう。4つのタイプの構成比では、42%と一番多くを占めているのが特徴です。やむを得ず型の方は、ほかのタイプより「フリーターより正社員で働いたほうが得だ」と考えている割合が多い傾向にあります。
ステップアップ型
ステップアップ型とは、就きたい仕事のために勉強や修業をして、何らかの過程を経ようという方を指します。
たとえば、留学で帰国後なかなか仕事に就けない時期にフリーターをしている方。また、やりたい仕事がアルバイトからでないと就けないというような、将来をある程度設計しているフリーターの方もステップアップ型といえるでしょう。自身のキャリアプランが決まっており、「いずれは正社員になりたい」「必要な資格を取得したい」などの明確な目標があるようです。そのため、専門職や資格職に就く割合が多いという特徴があります。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
No. 213労働政策研究報告書 大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から
フリーターの人数は減少している?
フリーター全体の人数は、過去10年間で非正規雇用者の人数が一番多かった2019年と比べると、減少傾向にあるようです。「労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の要約、概要、統計表等」によると、2022年の非正規雇用者の平均人数は2,101万人でした。2019年時点では2,173万人だったため、約70万人減少していることが分かります。
日本のフリーターの割合が気になる方は、「フリーターの割合は全人口でどれくらい?正社員になるためのコツも紹介」のコラムで詳しく解説しているため、ぜひご参照ください。
参照元
総務省統計局
労働力調査 過去の結果の概要
フリーターとアルバイト・ニートの違い
フリーターとアルバイト、ニートは、年齢や働いている状況によって定義は異なります。それぞれの違いについて解説するので、自分がどれにあてはまるか曖昧な方は参考にしてみてください。
フリーターとアルバイトの違い
フリーターとアルバイトの違いは、年齢が定義されているか否かです。「1.就業者数の違い」で前述したように、フリーターとは「15~34歳の若年者のうち、勤め先における呼称がアルバイトまたはパートである人のこと」を指します。
一方で、厚生労働省の「さまざまな雇用形態」によると、アルバイトとは「パートタイム労働者」のこと。言い換えると、「1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員と比べて短い労働者」のことです。アルバイトはフリーターと異なり、年齢は限定されていません。
フリーターとアルバイトの違いについて詳しく知りたい方は、「フリーターとパート・アルバイトの違いは?雇用形態の違いを解説」のコラムをご参照ください。
参照元
厚生労働省
さまざまな雇用形態
フリーターとニートの違い
ニートとフリーターの大きな違いは「働く意思があるかどうか」「働いているか否か」です。
ニートの明確な定義はありませんが、総務省統計局の「16A-Q10 ニートの人数」ではニートに近い概念として、「若年無業者」を「年齢15歳~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者」のように定義しています。
ニートは「無職かつ働く意志がない」のに対し、フリーターは「無職の状態でも働く意思があったり、アルバイトまたはパートで働いていたりする状態」だと区別すると分かりやすいでしょう。
詳しくは、「ニートとフリーターの違いとは?就職に向けてできることと行動を起こすコツ」のコラムもご覧ください。
参照元
総務省統計局
16A-Q10 ニートの人数
正社員とフリーターの働くメリット・デメリットの違い
この項では、正社員とフリーター、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。フリーターを続けるか悩んでいる方は、正社員とのメリット・デメリットの違いを把握したうえで、キャリアプランを考えてみましょう。
正社員のメリット・デメリット
正社員の主なメリットは福利厚生や待遇面が良好だったり、雇用や収入が安定していたりすることが挙げられます。デメリットとしては、正社員ならではの責任があったり、好きな仕事ができなかったりする可能性があることが挙げられるでしょう。以下で、代表的なメリットとデメリットを紹介します。
メリット
正社員の代表的なメリットは、以下のとおりです。
- ・福利厚生や待遇が充実している
- ・雇用が安定している
- ・社会的信用度が高い
- ・毎月一定の収入が得られる
- ・転職活動で有利になる
- ・教育制度が充実している
雇用や収入の安定を求める方は、正社員を目指したほうが不安を解消しやすくなります。また、教育制度や評価制度が充実している正社員のほうが、キャリアアップやスキルの習得を目指しやすいといえるでしょう。
デメリット
正社員の代表的なデメリットは、以下のとおりです。
- ・異動や転勤の可能性がある
- ・責任のある仕事が多くプレッシャーが掛かる
- ・プライベートを優先しにくい
- ・副業できない場合がある
- ・希望の仕事に就職できない場合もある
正社員は転勤があったり、副業ができなかったりする可能性があるため、契約内容を漏れなく確認する必要があります。また、配属先が限定されていない場合、希望している仕事を担当できない可能性もあるでしょう。
正社員のメリット・デメリットについては、「正社員のメリット・デメリットとは?派遣や契約社員についても解説!」のコラムでもまとめています。
フリーターのメリット・デメリット
フリーターには、プライベートの時間が確保しやすかったり、転職がしやすかったりという「自由さ」がメリットがあるといえるでしょう。一方、収入や社会的信用度が低く、不安定な面もあることがデメリットとされています。
メリット
フリーターの代表的なメリットは、以下のとおりです。
- ・仕事に対する責任、ノルマが少ない
- ・働く時間や日数は比較的自由に決められる
- ・プライベートと仕事を両立しやすい
- ・働いた分だけ稼げる
- ・残業はあまりない
- ・転勤や異動がない
- ・仕事の掛け持ち(副業)が可能な場合がある
- ・仕事を変えたいときなどに辞めやすい
- ・やりたいことに時間を割ける
正社員と比較すると、仕事に対する責任やノルマが少なめです。また、働く時間や日数は比較的自由に決められるため、プライベートと仕事を両立しやすいでしょう。なお、異動や副業の可否については契約内容によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。
デメリット
フリーターの代表的なデメリットは、以下のとおりです。
- ・収入が安定しにくい
- ・手当やボーナスがない場合がある
- ・福利厚生が少ない
- ・正社員と比べると重要な仕事を任せてもらえない
- ・社会的信用度が低い
アルバイトやパートの場合は、雇用期間に定めがあり契約が更新されない可能性もあります。そのため、収入が不安定になったり、解雇されたりするリスクもあります。また、手当やボーナスが支給されない場合が多いほか、正社員と比べると福利厚生の恩恵が少ない傾向にあるでしょう。
「フリーターにはデメリットが多い!社会保険や税金について正社員と比較」のコラムも参考に、フリーターと正社員の違いを理解しましょう。
フリーターから正社員に就職するのは難しい?
一般的に、フリーター期間が長引くほど正社員への就職は難しくなるようです。フリーターは正社員に比べて自由度が高い反面、辛い仕事やきつい仕事を任されることが少ない傾向にあります。フリーター歴が長くなると、企業から「大変な仕事を避けてきたのでは?」という懸念を企業に抱かれてしまう可能性もあるでしょう。そのため、明確な目的や目標がない状態でフリーターを長く続けている場合は、正社員への就職は難しくなると考えられます。
とはいえ、将来性を見込んでポテンシャル採用を行っている企業もあるため、年齢が低いほど就職・転職に有利に働く場合があります。フリーターから正社員を目指すのであれば、早めに就活を始めたほうが就職難易度は低くなると考えられるでしょう。
ポテンシャル採用について詳しく知りたい方は、「ポテンシャル採用とは?何歳まで適用される?新卒・中途との違いも解説」のコラムで解説しているため、ご参照ください。
30歳以上は就職の難易度が上がる可能性も
フリーターから正社員になるのに年齢制限は特にありませんが、30歳以上になると就職のハードルが高くなる傾向があるようです。30歳以上になると転職時に即戦力としての経験やスキルが求められることもあります。しかし、フリーターの経験は社会人経験として評価されにくく、同年代の正社員経験者より不利になる可能性があるでしょう。
仕事や職種によってはフリーターとして身につけたスキルが評価されることもありますが、できる限り若いうちに就活を始めたほうが就職成功の可能性が高まるはずですよ。
「社会人経験とは?フリーターや契約社員も含まれる?正社員になる方法も解説」のコラムでは、社会人経験について詳しく解説しています。フリーター歴が長く、正社員になれるか不安な方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
正社員としての採用時に企業がフリーターに抱きがちな懸念点
「フリーターから正社員に就職するのは難しい?」で前述したように、企業はフリーターを長く続けている方に対して懸念を抱くことがあるようです。この項では、企業が正社員を採用する際、フリーターにどのような懸念点を抱きがちかを解説します。
ビジネススキルやマナーは大丈夫か
フリーター歴が長いと、「ビジネススキルが身についているか」という懸念点を抱かれがちです。フリーターの仕事は正社員と比べて責任が低いため、経験やスキルを身につけにくく、社会人として必要なスキルが低いのではないかと疑われてしまうことがあるでしょう。
また、職種によっては基本的な電話やメールの対応方法、来客時の作法といった社会人としての基礎的なマナーを教わらない可能性もあります。ビジネススキルやマナーが身についていることは、応募書類や面接でアピールできるため、企業の懸念を払拭できるようにしておくと良いでしょう。
責任が求められる仕事の経験があるか
正社員の仕事には責任が求められるため、フリーターとしての経験のなかで「責任がある仕事をしたことがあるか」という点は企業が気にするポイントと考えられます。フリーターは重責を担う立場になりにくいため、正社員として働く際にアルバイトと比べて仕事が「辛い」「しんどい」と感じることもあるでしょう。そのような場合でも、仕事を途中で投げ出さずやり遂げられる能力があるかを企業は見ています。
経歴に不安があるなら第三者に相談してみよう
「フリーター歴が長く、社会人経験がないと判断されるかも…」という不安を抱いている方は、第三者に相談してみるのがおすすめです。今までの経験や身につけたスキルを客観的な視点でみてもらうことにより、自分では気づかなかったアピールポイントが見つかる可能性も期待できます。
家族や同僚などの周囲の人に聞くのも手ですが、就職や転職の事情に詳しい就職・転職エージェントに相談してみるのもおすすめ。プロのキャリアアドバイザーに不安を共有すれば、就活に最適なアドバイスをもらえるでしょう。ハタラクティブでは、若年層の方を対象に就職支援サービスを提供しているので、一人での就活が不安な方は、ぜひ一度ご相談くださいね。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
フリーターから正社員を目指す5つの方法
フリーターから正社員を目指している方は、求人サイトや就職エージェントの利用を検討しましょう。また、正社員登用があるアルバイト・パートから目指す方法もあります。この項では、フリーターから正社員を目指す方法を4つ紹介するので、参考にしてみてください。
フリーターから正社員を目指す方法
- アルバイト先で正社員を目指す
- 派遣社員や契約社員として経験を積む
- 求人サイトで正社員の求人を探す
- ハローワークを利用する
- フリーター向けの就職エージェントを利用する
1.アルバイト先で正社員を目指す
アルバイトやパート先の企業に「正社員登用制度」がある場合は、正社員として就職できる可能性があります。正社員登用制度とは、パートやアルバイトといった働き方から正社員へ雇用契約を変更する制度のこと。アルバイトから正社員を目指す場合は、「職場に正社員登用制度があるか」「正社員登用の実績はあるか」を確認しておきましょう。
制度を利用する条件は、勤続年数や特定のスキル、社内で定められたテストの合格、上司の推薦など企業によってさまざまです。正社員登用制度があっても実績がない、または少ない企業だと正社員を目指すのが難しくなります。そのため、アルバイト・パートから正社員を目指す場合は、正社員登用を積極的に行っている企業を選びましょう。
アルバイトから正社員へステップアップする方法については、「アルバイトから正社員になるには?登用制度や採用されやすい人の特徴を解説」のコラムをご参照ください。
2.派遣社員や契約社員として経験を積む
フリーターから正社員を目指す場合、派遣社員や契約社員として経験を積んでから正社員になる方法もあります。派遣先によっては、アルバイトと同じように正社員登用制度がある企業もあるため、直接雇用してもらえる可能性があるでしょう。ただし、正社員登用の条件は企業によって違うため、情報を集める必要があります。
また、最長6ヶ月ほど派遣社員として勤務した後、企業と本人の同意のもとで正社員登用される「紹介予定派遣」もあるため、活用することも検討してみましょう。紹介予定派遣について気になる方は、「紹介予定派遣の実態とメリットを解説!正社員になるコツとは」のコラムで詳しく説明しているため、あわせて参考にしてみてください。
3.求人サイトで正社員の求人を探す
求人サイトには全国の幅広い求人が掲載されているため、選択肢を広げて探したい方におすすめの方法です。正社員経験のないフリーターの場合は、「未経験歓迎」「職歴不問」のように条件を絞って求人を探してみましょう。
また、新卒で入社した企業を3年程度で離職してフリーターになった場合、第二新卒枠で応募できる可能性があるので、「第二新卒歓迎」の正社員求人を探すのもおすすめです。「フリーターから正社員になるには?就職活動の基本や受かりやすい職業を紹介」のコラムでは、就活の取り組み方をまとめています。
4.ハローワークを利用する
地元企業の正社員求人を探したい方は、ハローワークの利用がおすすめ。ハローワークは無料で求人掲載が可能なため、数多くの求人を保有しているのが特徴です。初めて利用する方は、居住地の管轄のハローワークを探し、求職申込みの手続きをしましょう。
ハローワークの利用を検討する場合は、「ハローワークで正社員を目指すには?利用するメリットも紹介」のコラムをご一読ください。
5.フリーター向けの就職エージェントを利用する
就職エージェントを利用する場合は、フリーターが利用できるサービスを選びましょう。自分の年齢や経歴を対象とした就職エージェントを選べば、応募できる求人に出会いやすくなるからです。就職エージェントには、担当のアドバイザーが一人ひとりのスキルや希望に合った求人を提案してくれるといったメリットもあります。
プロのアドバイザーによる履歴書や職務経歴書の添削、面接対策が受けられるのも就職エージェントを利用する大きなメリット。転職エージェントの利用を検討する方は、「フリーターが転職エージェントを利用するメリットは?選び方もチェック」のコラムも参考にしてみてください。
フリーターから正社員を目指すときに注目!未経験から挑戦しやすい職種
フリーターの方が正社員を目指すときは、未経験から応募できる職種やアルバイト経験が活かせる職種を選ぶのがおすすめです。また、興味があったり、強みが活かせたりする職種を選ぶのもポイント。下記では、フリーターの方向けに、正社員を目指すときにおすすめの職種を紹介します。
フリーターから正社員を目指すときに挑戦しやすい職種
- 営業職
- 販売職
- 警備員
- IT技術職
営業職
人と関わることが好きな方やコミュニケーションに自信があるフリーターの方は、営業職がおすすめです。営業職は、どのような職種・業界でも欠かせない存在で求人数が多いため、未経験からチャレンジできる可能性があります。また、営業職で身につけたビジネスマナーや営業スキルは、次の転職時にも役立てられるでしょう。
フリーターから営業職の正社員を目指す方は、「フリーターが営業職の正社員になるには?向いている人や就職のコツをご紹介」のコラムをご覧ください。
販売職
アルバイトで接客や販売の経験があるフリーターの方は、販売職の正社員を目指すのがおすすめです。販売職には、アパレルや保険、医薬品販売などさまざまな仕事があります。
販売職として働くために特別な資格は必要ないため、アルバイトで実務経験がある場合は評価されやすくなるでしょう。販売職は人と接する仕事のため、未経験でもコミュニケーションに自信がある方に向いています。
販売職に興味がある方は、「販売職の仕事内容とは?活躍できる場・向いている人について解説」のコラムも参考にしてみてください。
警備員
体力に自信がある方や責任感があるフリーターの方は、警備員の正社員がおすすめです。警備員の正社員は、18歳以上であれば経験、資格がなくても採用されるチャンスがあります。未経験者が警備業務をするには法定研修が必須のため、多くの会社で入社後の研修や教育体制が用意されているでしょう。
警備員は職務上、冷静な判断力や護身術、臨機応変な対応が求められる大変さがあります。一方で、責任のある仕事にやりがいも感じられるでしょう。警備員の正社員を目指す方は、「警備員の正社員はきつい?主な就職先や向いている人の特徴を解説」のコラムも参考にしてみてください。
IT技術職
ロジカルシンキングができたり主体的に学ぶ姿勢を持っていたりする方は、IT技術職の正社員がおすすめです。厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)「IT・通信の仕事 IT業界で働くためには」によると、IT技術職として働くために必須となる学歴や資格はありません。未経験でほかの仕事から入職した場合は、企業内で一定期間の教育を受けた後に配属されるのが一般的です。
ただし、人材育成の観点から未経験の場合は、20代が有利になる可能性もあるため、フリーターからIT技術職の正社員を目指す場合は早めに行動しましょう。
未経験からIT技術職を目指す方法については、「IT業界は未経験者も挑戦できる?おすすめな職種と転職成功のコツをご紹介」のコラムをご参照ください。
参照元
職業情報提供サイト(日本版O-NET)
IT・通信の仕事
フリーターが正社員への就職を成功させる6つのコツ
正社員への就職を成功させるためには、採用担当者がフリーターに抱きがちなマイナスイメージを払拭する必要があります。ここでは、フリーターが正社員への就職を成功させるポイントを解説するので、足りない経験やスキルがあればカバーできるように取り組みましょう。
フリーターが正社員への就職を成功させるコツ
- ビジネスマナーを学ぶ
- スキルや経験を活かせる業種や職種の求人を探す
- フリーター経験で得たものが評価されるようアピールする
- フリーターだった理由を説明できるようにする
- やる気や前向きな姿勢をアピールする
- 「社会人未経験」という気持ちで一からチャレンジする
1.ビジネスマナーを学ぶ
社会人経験のないフリーターの方は、基本的なビジネスマナーを身につけると、採用時の懸念を払拭できます。ビジネスマナーを身につけるには、ハローワークや就職エージェントが主催している就活セミナーで学ぶのが方法の一つです。就職活動を成功に近づけるためにも、直近で開催されているものがないか調べてみましょう。
ビジネスマナーについては、「仕事での立ち振る舞いのマナーとは?就活に活かせるコツをご紹介」のコラムを参考にしてみてください。
2.スキルや経験を活かせる業種や職種の求人を探す
アルバイトで身につけたスキルを活かせる業種や職種の正社員求人であれば、経験が評価される可能性があります。特に即戦力や経験者を求めている企業であれば、アルバイトの経験も評価されやすいでしょう。
ただし、アルバイトの場合は職歴とみなされない場合もあるため、応募条件を満たせるかどうかは確認が必要です。
3.フリーター経験で得たものが評価されるようアピールする
正社員になるためには、フリーターの経験で得たスキルや強みを具体的なエピソードを交えてアピールすると効果的です。エピソードを伝えるときは、具体的な数字を盛り込むと説得力が増し、採用担当者も理解がしやすくなります。
たとえば、「コンビニエンスストアで3年間、週5勤務を続けて接客の経験を積んだ」「2年間テレアポとして勤め、電話応対やトラブル対処力を磨いた」など、分かりやすく経歴をまとめると良いでしょう。
4.フリーターだった理由を説明できるようにする
フリーターとして過ごしていた理由は、ポジティブな表現で説明できるようにしておきましょう。正社員への就職面接では、フリーターだった理由を質問される可能性があります。家庭の事情や病気など、やむを得ない理由の場合でも、ネガティブな表現は避け、前向きに正社員として活躍したい姿勢を示しましょう。
また、前職を辞めた理由について聞かれた際も、不平不満ではなく、面接を受けている会社に惹かれた部分のみを伝えるほうが印象が良くなります。フリーターの正社員面接でよくある質問は、「フリーターの正社員面接でよくある質問は?ふさわしい服装についても解説」のコラムでまとめているので、参考にしてみてください。
5.やる気や前向きな姿勢をアピールする
フリーターが正社員への就職面接を受けるときは、仕事へのやる気や前向きな姿勢を示しましょう。フリーターの期間が長いと、「正社員として働く意欲の高さ」や「正社員として長く活躍できるか」を懸念される可能性があるからです。
やる気や前向きな姿勢をアピールするためには、応募先企業に入って実現したいことを具体的に伝えると効果的でしょう。また、5年後、10年後のキャリアプランのように、長期的に活躍していきたいという意思を示すと効果的です。
6.「社会人未経験」という気持ちで一からチャレンジする
フリーターから正社員を目指す際は、「社会人としての経験を一から積む」という気持ちが大切です。フリーター歴は、採用選考時に職歴とみなされない場合があります。
ビジネスマナーや社会人としての一般常識を一から覚える気持ちを伝えられれば、チャレンジ精神があることをアピールでき、好印象を与えられる可能性があるでしょう。
フリーターから正社員への転職を成功させる方法については、「フリーターから正社員になった人の特徴!就職できた人の成功ポイントとは?」のコラムで詳細をまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
「本当にフリーターから正社員になれるの?」という不安を抱いている方は、就職支援サービスを活用しながら就職活動を進めるのがおすすめです。若年層の就職・転職支援サービスを提供するハタラクティブでは、求職者一人ひとりの適性に合った求人紹介を実施。面接指導や書類の添削はもちろん、無料の適職診断も受けられます。
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正社員とフリーターの違いに関するよくある質問
ここでは、正社員とフリーターの違いに関するよくある質問に回答します。正社員とフリーターにどのような違いがあるか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
フリーターのままでいると何か悪いことはありますか?
フリーター期間が長引くと、「収入が安定しにくい」「福利厚生が少ない」「スキルが身につきにくい」といったデメリットがあります。フリーターは正社員に比べてリスクのある働き方だと認識し、それでも「後悔しない」「不安はない」という場合であれば、フリーターを続けるのも方法の一つです。
「フリーターの何が悪い?就職しない人が良く思われない理由と対処法を解説」のコラムでは、世間がフリーターにどのようなイメージを抱いているかを紹介しているため、参考にしてみてください。
「フリーターはやめとけ」というのは本当ですか?
フリーターを長く続けると就職難易度が上がるため、「やめとけ」といわれることがあるようです。しかし、何か理由や目的があってフリーターを続けているのであれば、問題はないでしょう。明確な理由がない場合や、将来的に正社員を目指している場合は早めに就職活動を始めるのがおすすめです。効率的に就職活動を進めたいなら、就職エージェントを活用しましょう。
ハタラクティブでは、一人ひとりに寄り添った就活のサポートを実施しているため、就活に不安を感じている方はぜひお気軽にご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。