就活の面接で「あなたにとって仕事とは？」と、質問された場合の回答に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。面接官に好印象を与える回答をするためには、仕事に対する自分なりの価値観を明確にしておくことが大切です。このコラムでは、面接官が「あなたにとって仕事とは何ですか」と聞く意図や、回答をまとめるときのコツを解説。具体的な例文も参考に自分なりの考えをまとめ、面接に備えましょう。

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企業が「あなたにとって仕事とは？」と聞く意図

面接官が「あなたにとって仕事とは？」と聞く主な意図は、応募者の「仕事への価値観」「会社とのマッチ度」「仕事に対する意欲」を見極めるためです。面接官に好印象を与えられるよう、質問の意図を的確に把握しましょう。

応募者の仕事に対する向き合い方を知るため

面接官は「あなたにとって仕事とは？」と聞くことで、応募者の仕事に対する価値観を知ろうとしています。「プライベートを大切にしながら働きたい」「自分の成長を実感したい」「能力を活かした仕事がしたい」など、仕事に対する考え方や向き合い方は人によってさまざまです。

「あなたにとって仕事とは？」という質問に対する回答から、応募者が働くうえで重視していることを把握できるでしょう。応募者の仕事観を知ることで、入社後にどのように仕事に取り組んでくれるのか、周囲と良い関係を築いていけそうかといったことを見極めるのにも役立ちます。

応募者の価値観が社風や理念とマッチするか確認するため

面接官は「あなたにとって仕事とは？」という質問の回答をとおして、応募者の価値観が、企業が掲げる理念や社風などにマッチするかも見極めようとしています。価値観は人によって異なるため、応募者がどのようなバックグラウンドを持っているのか、どのような考え方で就活に臨んでいるのかなどを企業側が把握することは重要です。

入社後に「自分の思い描いていたキャリアプランと方向性が異なる」「社風が合わない」と思われると、早期離職につながりかねません。企業は面接の段階で早期離職のリスクを避けるため、応募者と企業とのマッチ度を見極めているといえます。仕事観については、「『仕事観』とは？自分と向き合って価値観を見つめ直そう」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

仕事に対する責任感や意欲をチェックするため

企業にとって、応募者の働く姿勢や入社意欲は重要なチェックポイントです。「あなたにとって仕事とは」の質問によって、「与えられた仕事を責任を持ってできるか」を確認しています。また、応募者の入社に対する意欲の高さもチェックされているでしょう。

仕事への意欲をアピールするには「自分がその会社で何を実現したいのか」「これまでの経験をどのように活かしたいのか」を具体的に述べることが重要です。新卒の場合には、応募者の能力より意欲の高さが重視されやすいことを念頭に置き、面接官にポテンシャルが伝わるような答え方を意識しましょう。

公務員試験では適性をチェックするため

公務員試験の面接で「あなたにとって仕事とは？」と面接官が聞く理由の一つとして、公務員としての適性をチェックしていることが挙げられます。国家公務員と地方公務員のどちらにおいても「人の役に立つ仕事がしたい」というホスピタリティが重要です。
「地域に貢献したい」「住民の役に立ちたい」といった奉仕の心を根拠づけて面接官に伝えられれば、公務員として適性があると評価される可能性があります。公務員に向いている人の特徴は「公務員に転職したい！民間との違いや成功のポイントを解説」をご覧ください。

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実際に行動を起こすことは、自分に合った働き方へ近づくための大切な一歩です。しかし、何から始めればよいのか分からなかったり、一人ですべて進めることに不安を感じたりする方も多いのではないでしょうか。

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「あなたにとって仕事とは？」回答のコツ

「あなたにとって仕事とは？」の質問に対する回答を考えても、答えやエピソードが浮かばない方もいるでしょう。回答作成のコツを紹介するので、「自分の仕事の価値観が分からない」「うまく伝えられない」と行き詰まっている方は、ぜひ参考にしてください。

1.仕事に対する自分の価値観を明確にする

「あなたにとって仕事とは何か」の回答を考える際、働くうえで自分が軸にする価値観や判断基準に基づき、どのような働き方を実現したいかをイメージすることが重要です。以下で具体的なポイントを解説します。

過去を振り返り自己分析する

過去を振り返り、今までの失敗や挫折を糧に成長できた経験のほか、メンバーと意見交換をしながら問題解決に取り組んだ経験、自信を持って最後まで何かをやり遂げた経験などをピックアップしましょう。

そのとき自分がどのような立場や環境だったのか、その経験から何を学び、どう結果につなげたかを振り返ってみてください。過去の経験を振り返ることで、自分の適性やモチベーションの原点が明らかになれば「あなたにとって仕事とは？」への回答を作成しやすくなるでしょう。

振り返るときには、家族や友人、先生など、身近な人から自分の印象深いエピソードを聞き出すのも一つの手です。自分では気づけなかった一面を発見できる可能性があります。自己分析のやり方については、「自己分析のやり方が知りたい！ノートやツールを使って実践しよう」をご一読ください。

自分が大切にしていることの優先順位を決める

自分の仕事観を把握するためには「働くうえで大切なもの」「譲れないこと」を明確にすることが重要です。仕事の目的や働くことに対する考え方は、人によって異なります。キャリアや仕事での成果を大事にしている人もいれば、人間関係やワークライフバランスをより大切にしたい人もいるでしょう。

価値観を明確にするうえで重要なのは、自分のなかで優先順位を決めることです。キャリアとワークライフバランスのどちらも求めてしまうと「あなたにとって仕事とは？」に対する結論が分かりにくくなります。自分の人生において大事にしたいものが複数ある場合は「これだけは譲れない」という条件を明確にすることが大切です。

自分自身が仕事に何を求めるのかを理解して明確にしておくと、モチベーションを保ちながら楽しく働くこともできるでしょう。自分の価値観に合った企業に就職することで達成感・充実感が得られ、仕事のやりがいにもつながるでしょう。企業とのマッチ度を確認するためにも、働くうえで大切にしているものを明確にしておくことが重要です。

2.応募先の企業で働くことをイメージして考える

「あなたにとって仕事とは？」という質問に対する回答を考える際は、自分が応募先の企業で働く姿をイメージしましょう。出勤してから勤務を終えて帰宅するまでを頭の中でシミュレーションすると、具体性を高められます。

働いたことがなくイメージができない人は、企業のWebサイトや広報誌などで実際の事業や部署の情報を調べましょう。企業によっては、先輩社員のインタビューや1日のスケジュールを掲載している場合もあるので、自分に置き換えてイメージを膨らませながら考えられるでしょう。

3.志望動機と関連づける

「あなたにとって仕事とは」の回答は、志望動機と関連づけましょう。たとえば志望動機が「社員の成長を後押しする制度が充実しているから」という場合は「私にとって仕事とは、自分を成長させるための手段です」というように、結び付けられる内容にすると効果的です。

ただし、志望動機と回答が全く同じにならないように注意しましょう。2つとも全く同じ答えだと「自社のことをきちんと調べていない」「志望度が低いのでは」というように、熱意が疑われる可能性があります。考え方の軸を揃えたうえで、「仕事をする理由」「この会社を選んだ理由」とそれぞれの回答をまとめるのがポイントです。

4.マインドマップを作成して思考を整理する

「あなたにとって仕事とは」の回答を考える際に、マインドマップを作成すると、思考や記憶の整理に役立ちます。マインドマップとは、特定の物事に関することを枝状に図式化しながら書き起こしていき、考えを深堀りしていく方法です。自分の漠然とした考えをアウトプットすることで、軸や考え方の傾向を把握できます。

「あなたにとって仕事とは」の答えを考える際は、仕事を中心のテーマに置き、関連のある事柄をマップ化して深堀りすれば、自分の中にある軸を見つけられるでしょう。マインドマップの作り方は「マインドマップとは？ノートを活用して頭の中を整理しよう」で詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

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あなたにとって仕事とは？に答える際の4つの注意点

面接の場では「企業が何を知りたくて質問をしているのか」を念頭に入れ、一貫性のある回答を意識して答えましょう。ネガティブな表現や曖昧な回答は避け、前向きな姿勢を見せることが大事です。

1.矛盾がないよう自分軸をしっかり持って答える

「あなたにとって仕事とは」という質問に対して、その場しのぎの発言は避け、一貫性を意識した回答にしましょう。ほかの質問で答えた自分の主張やエピソードなどと回答が矛盾していると「信念がないのではないか」と思われ、面接官からの心証が悪くなる恐れがあります。

面接全般において相手が納得する回答をするには、仕事を選ぶうえでの基準となる就活の軸が重要。「就活の軸とは？大切な理由と答え方の例文を紹介」のコラムも参考に、就活における自分軸を明確にしておきましょう。

2.「生活のため」のような直接的な表現は避ける

仕事をするのは「生活に必要だから」というような直接的な回答は避けましょう。たとえ「あなたにとって仕事とは？」に対する率直な回答だとしても、面接の場では「仕事へのモチベーションが低い」とマイナスに捉えられる恐れがあります。就業への意欲や向上心など前向きな志を積極的にアピールすることが大切です。

3.ネガティブな回答は控える

「あなたにとって仕事とは？」の質問に対して「お金を稼ぐための手段に過ぎない」「暇つぶしのために行うもの」といったネガティブな印象を与える回答は控えましょう。ネガティブな回答をすることで、「働く気がないのでは」という印象を企業に与えてしまう恐れがあります。「目標を達成するための手段」「自己成長する機会」など、ポジティブな表現に言い換えて回答しましょう。

4.「分からない」という答えは避ける

「働いたことがないから分かりません」「考えたことがありません」などの回答は避けましょう。正社員として働いたことがなくても、アルバイトやインターン、学生時代の経験から、自分なりの仕事観を考えてみてください。

もし、一度も働いたことがなく「あなたにとって仕事とは？」の回答イメージがわかない場合は、家族や周りの人の働く姿を見て感じた思いをもとに考えるのもおすすめです。また、転職エージェントなどの専門家のアドバイスを受けるのも良いでしょう。

あなたにとって仕事とは？への3つの回答例文

「あなたにとって仕事とは？」の回答は、学生時代のアルバイトやインターン、ゼミでの活動経験など、実際のエピソードを交えて根拠を語れば回答の説得力がアップします。以下の例文をもとに自分らしい答えを作成し、面接に臨みましょう。

1.自己実現・自己成長のためと回答する場合の例文

「私にとって仕事とは、自己成長や自己実現をするための手段であると考えています。自分が成長することで組織に貢献できると考えているので、どのような仕事でも『問題を解決するための挑戦と努力』を忘れず、向上心を持って仕事に取り組む所存です。

このように考えるようになったのは、家電量販店でのアルバイト経験がきっかけです。知識不足でお客様に適切な提案ができていないと実感し、棚卸しの作業の合間を縫って自分なりに商品について勉強しました。社員にも助けてもらいながら各商品の長所と短所、モデルチェンジの時期を正確に把握するようにした結果、商品入れ替え時の集客力が目に見えてアップし、自信につながりました。
御社でも『どのように組織に貢献できるか』という視点を常に持って成長を続け、チームの要となりたいと考えています」
この例文では、現状に満足せず、創意工夫しながら高みを目指して挑戦し続ける人材であることをアピールしています。仕事は自己実現・自己成長のためにするものだと考える人物は、多くの会社・職場においても大きな期待を寄せられるでしょう。ただし、自分の成長のためだけという印象を与えないよう「なぜ成長したいのか」「どのように会社に貢献できるのか」もあわせて述べるのがポイントです。

2.生きがいであると回答する場合の例文

「仕事とは、人生を豊かにするものだと考えています。なぜなら、働く必要がないほど経済的に豊かだとしても、打ち込める仕事を持たなければ、本当に豊かな人生を送ることはできないと考えているからです。このような考えに至ったきっかけは、父が定年退職を迎えた際の言葉にあります。

父は『仕事をないがしろにすることは、自分の人生をないがしろにすることだ。どんな仕事でも良い。胸を張ってしっかりやり遂げろ』と私に話してくれました。父は長年アフリカで発電プラントの建設に携わってきたため、家を留守にすることが多かったのですが、発展途上国の人々の暮らしを豊かにしようとやりがいを持って働いていた姿が目に焼きついています。私も父のように自分の仕事に責任と誇りを持ち、御社に貢献できる人材になるべく尽力いたします」

この例文のように、身近な人の影響を受けて仕事観が形成された話をするのもおすすめです。ただし「人に△△と言われたから」といった伝え方をすると、「自分の考えがない」と思われてしまいます。人からの言葉によって、自分がどう感じたかを伝えるように心がけましょう。

3.社会貢献のためと回答する場合の例文

「私が考える仕事とは、自分の能力を活かして社会に貢献することです。仕事を通じて、社会とどう関わっていくのか、社会のために何ができるのか、常に考えて実行することが大切だと考えています。

そう考えるようになったきっかけは、学生時代に4年間続けた塾講師のアルバイトです。教え子たちが目指す進路に向かって歩んでいく姿を見て、自分の教えやアドバイスが教え子の将来に役立つと感じ、常にやりがいを感じながら働けました。御社でも目の前の業務に専念し、自分の役割を全うすることで社会貢献がしたいと考えています」

どのような仕事も社会貢献になりますが、具体的なエピソードを盛り込むことで自分の明確な意思をアピールできます。

あなたにとって仕事とは？への4つの対策ポイント

「あなたにとって仕事とは？」という質問に対しては、面接官に好印象を与えるためのいくつかのポイントを意識するのが重要です。ここでは例文とあわせて回答時のポイントを4つ紹介します。

1.最初に結論を伝えてから理由やエピソードを述べる

「あなたにとって仕事とは？」という質問に回答する際は、まず結論から述べることを意識しましょう。「私にとって仕事とは、自分自身を成長させるものです」のように、冒頭で結論を述べると相手は内容をより理解しやすくなります。

結論を述べたあとは、理由や具体的なエピソードを伝えましょう。結論を裏付けるような説得力のある内容や経験を具体的に伝えれば、印象深くアピールできるでしょう。順序よく説明し、企業に納得してもらえるような文章を組み立てましょう。

2.自分自身の仕事に対する価値観が生まれた背景を具体的に述べる

自分自身の仕事に対する価値観を持つに至ったきっかけや、出来事などを伝えるのも効果的です。先に述べた「あなたにとって仕事とは」の結論に真実味を持たせるためにも、具体的なエピソードを織り交ぜながら伝えましょう。

回答に説得力を持たせるには「何のために、どのような仕事がしたいか」という軸をはっきりさせておくことが肝心です。仕事に対する考え方の軸が生まれたきっかけを掘り下げ、さらに挫折や成功などを交えて自分の信念を具体的に述べましょう。

3.応募先の企業での目標や意気込みを伝える

結論と理由を述べたあとに、応募先の企業でやりたいことや実現したいことを盛り込みましょう。「どのように企業に貢献できるか」「どのように働きたいか」を具体的に述べるのがポイントです。

たとえば「私にとって仕事とは、社会貢献することです」という意見を伝えたい場合、「インフラエンジニアとして災害に強いインフラ対策を実現し、非常時の通信手段確保に貢献したい」のように、入社後どのように仕事に取り組み、成し遂げたいと考えているのかを伝えましょう。「私の△△という考え方や経験を活かし、御社で〇〇に貢献したいです」といった流れで話を締めるとスムーズです。

4.応募先の経営理念や戦略に沿った回答を目指す

「あなたにとって仕事とは？」の回答は経営理念や企業戦略に沿っていることが重要です。先述のとおり、企業は質問をとおして、応募者の自社とのマッチや志望度の高さをチェックしています。企業と自身の価値観が合っていることをアピールするためには、企業理念や社風を理解しておくことが大切です。企業研究をしっかり行い、回答が企業理念や社風に合っているかを確認しましょう。

たとえば、保守的な社風の企業に対し「私にとって仕事とは、新しいことに挑戦し続けることです」と述べた場合「うちの会社に合っていない」「企業研究をしていないのでは」と捉えられる恐れがあります。企業研究を行い、応募先企業が求める人材に沿ったアピールを行いましょう。

企業研究については「企業研究ってどうやるの？基本的なやり方と目的を解説」で説明しているので、参考にしてください。

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「あなたにとって仕事とは」の質問に関するQ＆A

ここでは「あなたにとって仕事とは」という質問に関するお悩みに、Q＆A方式で回答します。面接で聞かれた際にスムーズに答えられるよう、事前にチェックしておきましょう。

「あなたにとって仕事とは」に対する上手な答え方は？

面接では、企業研究と自己分析を十分に行い、「結論から述べる」「実際のエピソードを交える」「入社後の目標を述べる」などを意識すると、面接官に好印象を与えられるでしょう。「面接で『仕事とは何か』を聞く意図とは？上手な回答法を紹介」では、質問への回答の作り方も詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

働く意義が分からない場合は、どうすれば良いですか？

仕事における「やりがいを感じるとき」「楽しいと感じるとき」「将来の目標」などから考えてみましょう。「あなたにとって仕事とは」という質問への答えを作る際、働く意義や目的について考えることが重要です。一度じっくりと自分について考える時間を設けましょう。

働く意義の見つけ方は「働く意義とは何？面接での回答例文や働きがいのある会社の見つけ方を解説！」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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