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大学中退を履歴書に書かないとバレる?好印象を与える書き方や例文を紹介
更新日
この記事のまとめ
- 大学中退者の最終学歴は「高校卒業」だが、履歴書には大学を中途退学したところまで書く
- 大学中退を履歴書に書かないと、経歴詐称になる可能性もある
- やむを得ない理由で大学中退となった場合は、履歴書に書いたほうが理解されやすい
- 大学中退の理由がネガティブなものでも、ポジティブに伝えて好印象を与えよう
大学中退を履歴書に書かないとどうなる?
履歴書や職務経歴書には正しい情報を記入する必要があるため、大学中退しているなら経歴を書かないと学歴詐称になります。一般的に大学中退の場合の最終学歴は高卒に該当するため、「大学に入学したことを書かなければ良いのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、「高校卒業」で履歴書の学歴欄を締めくくるのは、経歴詐称に該当してしまいます。
大学中退について調べられる可能性は低いですが、たとえば、内定後に卒業証明書もしくは成績証明書の提出を求められた際に発覚する可能性があります。学歴詐称がバレると信用を失い、最悪の場合には内定が取り消しになるでしょう。
経歴詐称を隠したまま採用された場合、後で発覚すると減給や降格、停職のみならず「懲戒解雇」となることもあります。将来のキャリア形成や生活が困難になりかねないので、履歴書に記入する経歴は嘘をつかないようにしましょう。学歴詐称については「学歴詐称は犯罪になる?バレたときの責任や転職活動への影響とは」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
大学中退の最終学歴は「高卒」
最終学歴とは、その人が卒業した最も高い教育期間を指します。「最後に卒業した学校」ではないので注意しましょう。大学中退した人の最終学歴は、多くが「高校卒業」となります。
なお、大学を中退後に専門学校を卒業したり、大学に再入学して卒業したりしている場合は、それぞれ履歴書の最終学歴は「専門学校卒」「大卒」です。
大卒と大学中退は何が違う?
大卒と大学中退で大きく異なるのは、「最終学歴」を採用や入社後の評価基準に取り入れている企業に応募・入社した際の影響です。中退の場合は、大学卒業としての学歴にならないため「大卒以上」を応募条件としている企業・職種に応募しても選考に通過できない可能性が高いでしょう。また、学歴を応募条件に取り入れていない企業でも、就職・転職後の基本給や昇格スピードが異なる例は多いようです。履歴書や職務経歴書に大学中退と書くと不採用になる?
大学中退の経歴を履歴書に記入するだけで不採用になるとは限りません。大学中退に至った背景が人によって異なることは、採用担当者も理解しているからです。多くの会社は経歴だけでなく、スキルやポテンシャル、会社とのマッチ度も重視しています。
また、そもそも職務経歴書には学歴を記入する必要はありません。職務経歴書は、これまでの職務経験を記入する書類のため、学歴を伝える必要がないからです。むしろ、職務経歴書に学歴を記入してしまうと常識や転職意欲を疑われる要因になるでしょう。
「職務経歴書に学歴が記入されている」というだけで、マイナスイメージは高くなり、ほかの応募者との差がついてしまう可能性があります。
大学中退は珍しくない
令和4年に文部科学省が発表した「学生の修学状況(中退者・休学者)に関する調査」によると、令和3年度末時点の大学中退者は57,875人で、学生数全体の1.95%です。
令和元年から比べると改善しており、特に中退理由を「経済的理由」とした人は大きく減少しているものの、中退する人は一定数いることが分かります。比率でみると少なくても、人数で見ると大きいため決して珍しいことではないといえるでしょう。なお、このデータには短大と高等専門学校の中退者も含まれます。
参照元
文部科学省
学校に関する状況調査、取組事例等
大学中退のマイナスイメージを払拭できれば問題ない
「なぜ中退したのか」「中退後は何をしていたか」などを説明できれば、マイナスイメージを払拭できる可能性が高くなります。
一般的に中退に対してはポジティブな印象を持ちづらく、せっかく入学した大学を途中で辞めることに対し、「最後までやり遂げられない」「嫌なことがあると逃げる」と捉える人もいるでしょう。採用担当者にそのような印象を与えないよう、しっかりと中退に至った理由や経緯、中退後について説明する必要があります。
中退理由や中退後の活動が志望動機につながれば、企業から「熱意がある」と思ってもらえることもあります。「しっかり説明して、自分の良い面を知ってもらおう」という気持ちを持って、前向きに就活を進めましょう。
浪人や留年は履歴書に書かなくてもOK
浪人や留年は履歴書に書かなくても問題ありません。ただし、面接でその期間に何をしていたのか深掘りされる可能性があるので、回答は考えておいたほうが良いでしょう。介護や病気などのやむを得ない理由で浪人・留年が長引いた場合は、履歴書に理由を記入しておくのがおすすめです。「留年したらどうする?すぐに試したい6つの対処法と就活での伝え方を解説」では、留年した際の対処法を紹介しています。あわせてご覧ください。「大学中退」の履歴書への書き方
ここでは、大学中退の履歴書への書き方を具体的に紹介します。履歴書にどう書けば良いか悩みやすい、「高等学校卒業程度認定試験の書き方」もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
大学中退が最終学歴である場合の書き方
大学中退後にそのまま就職する場合は、以下のように履歴書へ書きます。
△年△月 △△高等学校 入学
△年△月 △△高等学校 卒業
△年△月 ●●大学○○学部××学科 入学
△年△月 ●●大学○○学部××学科 中途退学
大学中退後に再入学した場合
大学中退後、ほかの大学や学校に入学した場合は、以下のように履歴書へ書きます。
△年△月 △△高等学校 入学
△年△月 △△高等学校 卒業
△年△月 ●●大学○○学部××学科 入学
△年△月 ●●大学○○学部××学科 中途退学
△年△月 ○○専門学校××科 入学(新入生として進学した場合)
△△大学××学部○○学科 編入学(編入生として進学した場合)
高等学校卒業程度認定試験を経て大学中退した場合
高等学校卒業程度認定試験に合格を経たのちに大学中退した場合、以下のように履歴書へ書きます。
△年△月 ○○中学校 卒業
△年△月 ○○高等学校 入学
△年△月 ○○高等学校 中途退学
△年△月 高等学校卒業程度認定試験合格
△年△月●●大学○○学部××学科 入学
△年△月●●大学○○学部××学科 中途退学
履歴書に大学中退の理由を書くときは?
履歴書に大学中退の理由を書くときは、「経済的な理由により退学」「病気を療養するため退学(現在は完治)」といった形で簡潔に書きます。ここでは、理由ごとの書き方を紹介していますので、履歴書を作るときはぜひ参考にしてください。
大学中退がやむを得ない理由の場合
大学中退がやむを得ない理由の場合の履歴書の書き方は以下のとおりです。
- ・経済的理由のため
・祖父の介護のため(現在は施設に入所したため家庭での介護は不要)
・病気療養のため(現在は完治)
前述した文部科学省の調査「学生の修学状況(中退者・休学者)に関する調査」では、転学以外の中退理由で最も多かったのは「学生生活不適応・修学意欲低下」で15.7%でした。
引用:文部科学省「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査【令和3年度末時点】」
また、上記で分かるように、やむを得ない理由といえる「病気・けが・死亡」は3.3%、「経済的困窮」は13.5%です。採用担当者もこのようなやむを得ない理由で中退する人が一定数いることを把握しているため、理解されやすいでしょう。
ただし、家族の介護や自分の健康問題など、就業への影響を懸念する理由の場合は、問題が解決していると示すことが必要です。大学中退のやむを得ない理由について履歴書への書き方は「大学中退を履歴書に書かないのはアリ?高校や専門学校中退の場合も解説!」でも触れているので、ご覧ください。
大学中退が意欲的な理由の場合
データによると、「海外留学」を理由に大学中退をした人は全体の0.6%、「転学」は16.3%でした。意欲的な理由による大学中退の場合、履歴書へ以下のように記入しましょう。
- ・海外留学のため
・志望進路の変更のため
海外留学や進路変更など、大学中退の理由が意欲的な内容である場合は、「行動力がある」「将来に向けて取り組んでいる」と評価される可能性があります。転学した際は「志望進路の変更のため」と表記するほか、転学先の情報も学歴として書いておきましょう。
大学中退がネガティブな理由の場合
「学校に行くのが面倒臭くなった」「単位を落とした」「大学の雰囲気に馴染めなかった」という理由で中退した場合は、あえて理由を書く必要はありません。履歴書や職務経歴書では、理由を詳細に記入する義務はないため、「一身上の都合により」で問題ないからです。
データでもネガティブな理由に該当する「学生生活不適応・修学意欲低下」は全体の15.7%と「転学等」に続いて最も多いのが実情です。多くの学生がネガティブな理由で中退していると分かります。
ただし、面接では大学中退の理由を聞かれる可能性はあるので、マイナスイメージを抱かれないような説明方法を考えておくことが必要です。中退理由を「一身上の都合により退職」として履歴書や職務経歴書に記入する場合、介護や経済的理由など「やむを得なかった中退理由」や海外留学など「意欲的な中退理由」をしっかり答えられるようにしておきましょう。
面接で大学中退を伝えるポイントは「大学中退の理由ランキング!面接や履歴書での伝え方・書き方も紹介」で紹介しているので、ぜひご一読ください。
参照元
文部科学省
学校に関する状況調査、取組事例等
面接で大学中退の理由を伝えるときの3つのポイント
ここでは、面接で大学中退の理由を伝えるときのポイントを紹介します。履歴書では理由を簡単にしか書けないため、面接でできるだけ良い印象が残せるような回答を目指しましょう。
1.大学中退のポジティブな理由を伝える
ネガティブな理由で大学中退をした場合でも、ポジティブな内容に言い換えて伝えるのが重要です。たとえば、単位を落としたのなら、単位を落とした理由を説明したうえで「大学中退経験から得たもの」を述べると前向きな印象になるでしょう。理由別の回答例は以下のとおりです。
回答例1.進路変更が理由で大学を中退した場合
「履歴書に記載のとおり、デザインの仕事がしたかったことが大学を中退した理由です。高校生のころからイラストやデザインに興味があり独学で制作をしていましたが、親の意向もあり□□学部に進学しました。大学進学時に進路を定められなかったことは、深く反省しております。しかし、やはりデザインを仕事にしたく、今からでも実践的な経験を積みたいと思い、大学を辞めて就職することにしました。」
進路を変更して大学中退した場合、「ほかに勉強したいことができた」「新たな目標を見つけた」といった内容を伝えるよう心がけましょう。このとき、現在勉強している内容と就職先の仕事が一致していると説得力が増します。反対に、一致していないと「なぜ志望したの?」「やりたいことが定まっていないのでは?」と疑問に思われてしまうので注意が必要です。
回答例2.単位を落としたことが大学中退の理由の場合
「大学の勉強よりもアルバイトのほうが自分にとっての学びが多いと感じたため、退学に至りました。進路を考えるとき、就職について深く考えず進学したことは、深く反省しております。アルバイトで学んだプログラミングのスキルや経験を活かし、将来はITスペシャリストを目指したいと考えております。」
学業不振、学校生活不適応といった理由の場合は、事実をそのまま伝えるとマイナス印象を抱かれる可能性があります。少しでもマイナスイメージを払拭するために、「計画性がなかったことは反省している」といった形で、反省の意を伝えましょう。そう伝えれば、面接官から「反省したうえで失敗を活かせる人」と捉えてもらえる可能性があります。
学業不振を理由に大学中退した場合の例は「大学中退理由は嘘でもいい?面接で「経済的理由」のように伝えるべき理由」のコラムでも紹介していますので、ご覧ください。
やむを得ない理由の場合はポジティブに伝えなくてもOK
やむを得ない大学中退理由については、ポジティブな表現にする必要はありません。「父が入院することになり、学費の支払いが難しくなったため中退しました。現在は退院し快方に向かっていますが、経済的に家庭を支えたく就職を考えました。」のように、自分ではどうにもならない理由なら、そのまま伝えるのが無難です。ただし、就職を仕方なくすると捉えられてしまうと、逆境に弱いと判断される恐れも。新たに勉強したことや就職への強い意志を付け加えて、前向きな姿勢を示しましょう。また、「現在は完治していて業務に支障はない」「現在は施設に入所しているので介護の必要はなくなった」など、働く支障がないことも伝える必要があります。
2.ダラダラと大学中退の理由を説明しない
面接において大学中退の理由は、はっきりと結論を伝えることが大切です。「大学中退の理由は履歴書だけでは伝わらない」「マイナスに思われたくない」と思い、長々と説明すると言い訳に聞こえて良くない印象になることもあります。
また、端的に説明しないことで、面接官から「なにか隠そうとしていないか」「受け答えが上手くない」と懸念される恐れもあります。大学中退の事実を認めたうえで、反省点や改善点、今後の展望を伝えるのがおすすめです。
3.大学中退後の経験をアピールする
「業務に活かせる資格を取った」「アルバイトで○○のスキルを磨いた」といった大学中退後の経験をアピールすると、評価される可能性があります。大学中退後の経験で得たものが応募先の会社でどのように活かせるかを具体的に説明すれば、「自社に貢献してくれそう」と好印象を与えられるでしょう。取得した資格は履歴書や職務経歴書に記入したうえで、面接でもアピールするのがおすすめです。
大学中退後の履歴書の書き方や就活の仕方にお悩みがある方は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブでは、経歴に不安を抱える20代への就職や転職支援を実施しています。プロのアドバイザーがカウンセリングし、一人ひとりにあった求人を紹介するので、やりたい仕事が決まっていない方や転職したい方にもおすすめです。サービスはすべて無料のため、ぜひお気軽にご登録ください。
大学中退の履歴書に関するQ&A
ここでは、大学中退の履歴書に関するお悩みや疑問をQ&A方式で解決します。ぜひ参考にしてください。
「大学中退」の履歴書や職務経歴書の書き方は?
履歴書には「△年△月 ●●大学○○学部××学科 中途退学」と簡潔に書きましょう。理由は書かなくても問題ありません。もし書く場合は、「一身上の都合により退学」「経済的な理由により退学」と端的に書きましょう。また、職務経歴書には学歴について記入する必要はありません。履歴書における大学中退理由の詳しい書き方は、このコラムの「履歴書に大学中退の理由を書くときは?」で紹介しています。
就職や転職の際に大学中退の経歴を履歴書に書かなくてもバレない?
大学中退の経歴は履歴書に書きましょう。履歴書には正しい情報を記入しなければいけないため、意図的に大学中退の経歴を書かないと学歴詐称になります。経歴詐称について詳しくは「経歴詐称は罪に問われる?バレる理由や嘘をつくリスクを解説!」をご覧ください。
面接で大学中退について聞かれたらどうしよう…
面接では「なぜ大学を中退したのか」「中退後は何をしていたのか」といったことがよく聞かれます。事実を偽らず、できるだけポジティブに答えれば、経歴だけで不採用になる可能性は低いでしょう。面接が不安な場合は、「大学中退は面接の自己紹介で伝えるべき?回答の例文や対策を紹介」をチェックし、あらかじめ対策しておきましょう。対策をすれば、面接に対しての不安を軽減できます。
高等学校卒業程度認定試験に合格した場合の履歴書は?
高等学校卒業程度認定試験に合格してから大学に入学し中退した場合は、認定試験の合格年度と大学の入学年度、退学年度を履歴書に記入しましょう。高卒認定試験についてより詳しく知りたい方は、「高卒認定試験とは?高卒とは違う?試験費用や就活での活用方法を解説」を参考にしてください。
大学中退で就職できるか不安…
大学中退でも面接で中退理由を明瞭かつポジティブに説明ができれば、就職や転職ができる可能性は高くなります。経済的な理由や健康上の理由以外で中退した場合は、できるだけポジティブな中退理由を伝えることがポイントです。経歴に自信がなく、不安そうな姿勢を面接官に見せてしまうと、採用のチャンスを逃してしまうことも。面接に不安がある方は、若年層の就職や転職支援をサポートしているハタラクティブにご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。