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労働基準法における有給休暇の定義とは?違反した場合の罰則についても紹介
更新日
この記事のまとめ
- 労働基準法は、労働者を守るためにつくられた法律
- 有給休暇は、労働基準法で定められた労働者の権利
- 「有給休暇を付与しない」「希望日に取得させない」などは労働基準法違反になる
- 有給休暇について、労働基準法に違反した場合は6ヶ月以下の懲役や罰金が科される
- 有給休暇以外で労働基準法違反になるのは賃金・残業代の未払いや労災かくしなど
労働基準法において、「有給休暇がどのように定められているのか」「違反した場合はどうなるのか」詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、労働基準法における有給休暇制度や、違反した場合にどのような罰則があるかを詳しく解説。また、そのほかの違反例や罰則についてもまとめています。適切な労働環境で働けるよう、労働基準法に関する知識を身につけましょう。
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労働基準法における有給休暇の定義とは
有給休暇とは、正式には「年次有給休暇」といい、労働者の心身のリフレッシュを目的に付与される休暇のことを指します。「有給」の名のとおり、休暇を取得しても所定の賃金が支払われるのが特徴です。「労働基準法第39条」によると、有給休暇は「雇用日から6ヶ月以上経過していること」「全労働日の8割以上出勤していること」の2つの条件を満たす場合、雇用形態に関係なく付与しなければならないと定められています。そのため、アルバイトやパートなどの非正規雇用であっても、条件を満たせば有給休暇の取得が可能です。
なお、厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」によると、2019年4月から、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、付与した日から1年以内に、年5日の有給休暇を取得させることが義務化されました。有給休暇の義務化については、「有給休暇の義務化とは?年5日の取得が可能って本当?」のコラムでも詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号「労働基準法」
厚生労働省
年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
有給休暇の付与日数
有給休暇は、まず入社日から6ヶ月経過したときに付与され、そのあとは1年ごとに所定の日数が付与される仕組みです。付与日数は労働者の勤務時間や勤務日数、勤続年数によって異なります。厚生労働省の「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」を参考に、一般労働者と短時間または変則的に働いている労働者の有給休暇の付与日数を以下にまとめました。
一般労働者の場合
継続勤続年数 | 付与日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月~ | 20日 |
引用:厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」
非正規雇用の場合も、有給休暇の付与条件を満たしている人は、上記の日数が付与されます。
短時間・変則勤務労働者の場合
週の所定労働日数が4日以下でかつ、週の所定労働時間が30時間未満の短時間労働者の場合、以下の日数が付与されます。
週の労働日数 | 勤続継続年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月~ | |
4日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
引用:厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」
上記のように、短時間または変則的に働いている労働者の場合、週の勤務日数や1年間の所定労働日数によって有給休暇の日数が異なります。年数を重ねるにつれて日数が増える点は一般労働者と同様です。
参照元
厚生労働省
年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
企業側が労働基準法に違反して有給を与えないとどうなる?
「労働基準法第119条」では、もしも企業側が労働者に所定の有給を付与しなかったり、希望日に有給を取得させなかったりした場合は、「6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科される」と定められています。
また、「労働基準法第120条」において、有給休暇取得日数が10日以上の労働者に、基準日から1年以内に5日以上の有給休暇を取得指せない場合は、違反者1人につき30万円以下の罰金が企業側に科されることになります。
有給休暇の時季変更権とは
有給休暇は、法律で定められた労働者の権利です。そのため、基本的には労働者が希望したときに自由に休暇を取得できます。しかし、厚生労働者の「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」によると、繁忙期や人手不足など、業務に大きな支障が出る場合に限り、企業側が時季変更権を行使して、労働者側の有給取得日を変更させることが可能です。有給休暇の時季変更権については、「有給休暇が取れないのはおかしい?人手不足でも取得できる方法を解説」のコラムでも紹介しているので、参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号「労働基準法」
労働基準法とは
労働基準法は労働者を守るための法律であり、企業側が人事労務管理を行う上でも重要な規則です。
賃金や労働時間、休日などに関して最低限の基準を設けており、労働者が不利な状況にならないようにルールを定めています。労働基準法は、国家公務員など一部を除いたすべての労働者に適用され、正社員だけでなく契約社員や派遣社員、パートやアルバイトで働く人も対象となる法律です。
しかし、中には労働基準法に違反する会社もあり、トラブルに巻き込まれる労働者がいるのが現状です。違反した場合に罰せられるのは「使用者」で、「労働基準法第10条」によると、「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定められています。そのため、「代表取締役」といった個人だけでなく、法人自体が罰則の対象となることもあると考えられます。
参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号「労働基準法」
労働基準法違反の例と罰則:賃金、補償編
有給休暇以外にも、労働基準法に違反すると罰則があります。以下で、賃金や補償に関する労働基準法違反の例と、それに対する罰則をご紹介します。
賃金未払い・不払い
「労働基準法第24条」では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められており、違反した場合は30万円以下の罰金が科されることになります。労働者に給料を支払わないことは、明らかな労働基準法違反です。不払いのまま転職した場合も、「労働基準法第115条」によって賃金請求権が5年間(当面の間は3年間)認められています。なお、退職手当の請求権は5年間有効です。「在職中は言い出しづらかった」という場合は、状況が落ち着いてから請求してみましょう。
残業代未払い・不払い
「労働基準法第37条」では、労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、「賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と定められています。これに違反した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。残業代の支給は企業の義務です。残業代を支払われるべき日から3年以内であれば、転職したあとも請求権があります。
労災かくし
労働災害の報告書の提出を怠ることを「労災かくし」といいます。「労働基準法第75条」では、「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない」と定められており、違反した場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。特に、労働災害が多い業種に就職・転職する場合は、事前にチェックしておきたい重要なポイントです。
参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号「労働基準法」
労働基準法違反の例と罰則:労働編
労働に関する違反の例は、以下のとおりです。
定めのない時間外労働
「労働基準法第32条」では、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」と定めており、労働者が1週間に40時間を超えて働いた場合は残業となります。
残業については、「労働基準法第36条」において「労働者は法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない。」と定められており、労働者に残業や休日出勤をさせる場合は、法律に基づいて「36協定」と呼ばれる協定を結んでいる場合にのみ有効となります。そのため、協定を結ばずに残業をさせた企業は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになるでしょう。
36協定については、「36協定って何?違反するとどうなる?」のコラムでも詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
産前産後休業について
労働基準法には、産前産後休業に関する規定もあります。「労働基準法第65条」では、以下のように定められています。
- ・使用者は、6週間(多胎妊娠の場合14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない
- ・また、使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない
- ・ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えない
上記に違反した場合も、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。ただし、上記で言及されているように、産後6週間を過ぎ、労働者側から申し出た際は、医師の許可があれば就業することが可能です。
解雇の予告
解雇は労働者に重大な過失があったときややむを得ない人員整理の際に行われます。「労働基準法第20条」では、以下のように解雇予告、もしくは不足分の賃金の支払いをする必要があると定められています。
- ・使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前に解雇予告をしなければならない
- ・30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない
上記に違反した場合も、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
会社が労働基準法に違反していたら
有給の取得拒否や賃金・残業代の未払い、違法な長時間労働など、働いている会社が労働基準法を違反していた場合、労働基準監督署に相談する方法があります。相談は、メールや電話のどちらでも可能ですが、メールの場合は「情報提供」と見なされ、個別で相談ができません。そのため、より具体的に相談したい場合や、個別に対応してもらいたい場合は、電話または来局して相談するようにしましょう。「労働基準監督署に相談できる内容やメリットは?方法は電話やメール?」では、労働基準監督署に相談する内容や流れなどを紹介しているため、参考にしてみてください。なお、もしも相談してもなかなか労働環境が改善されず「働く環境を変えたい」「落ち着いて生活したい」という場合は、転職を検討してみるのも1つの方法です。
「有給を取得しやすい職場に転職したい」「転職活動は何から始めたら良いか分からない」「自分に合った職場で働きたい」などとお悩みの場合は、ハタラクティブにご相談ください。
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参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号「労働基準法」
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。