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試用期間の給与は本採用より低い?変わらない?制度の内容を詳しく解説
更新日
この記事のまとめ
- 試用期間とは、企業が人材を本採用するか見極めるための期間のこと
- 試用期間の給与は本採用と変わらないことが多いが、低い場合もある
- 試用期間中の給与が減額される場合は、雇用契約書に記載されている
- 試用期間でも雇用契約を結んでいるので、給与がまったく支払われないのは違法
- 試用期間の長さは3~6ヶ月が一般的で、正当な理由なしに解雇されることはない
「試用期間の給与や待遇は本採用と違うの?」と、心配な人もいるのではないでしょうか?試用期間とは、従業員の勤務態度や適性を見極めるために設けられている期間です。試用期間であっても雇用契約を結んでいるため、待遇や給与については雇用契約書を確認してみましょう。
このコラムでは、試用期間の給与や待遇について、本採用との違いを解説します。解雇のリスクについても解説するため参考にしてください。
試用期間中の給与が本採用よりも低い理由は?
一部の企業では、試用期間の給与を本採用よりも低く設定しています。これは法律的に問題があるわけではなく、珍しいことではありません。
試用期間中の給与が低い理由としては、企業の利益につながる成果を出しにくい時期だからです。試用期間中は、周囲に協力してもらったり知識を身に付けたりする段階。周囲の人と同じスピードで業務をこなすことはできません。また、仕事を教える側も時間をとられ、いつもと同じ量の仕事をこなすことが難しくなるでしょう。これらの理由から、給与が低めに設定されています。
なお、雇用契約で制限されていない場合は、本採用者と同じ給与や待遇のもとで就業可能です。試用期間について詳しく知りたい方は、「試用期間とは?解雇される?給料や社会保険についても解説」でまとめられているのでチェックしてみてください。
試用期間中は給与が減額されることもある
試用期間の給与が減額されるのは、企業側と労働者の間で合意が取れたときだけです。試用期間は「給料が下がるかも?」と心配している人もいるでしょう。しかし、企業の独断で合意なしに給料が下がることはありません。
減額の程度については企業に任されており、それぞれ異なります。厚生労働省「最低賃金の減額の特例許可制度」により、企業は試用期間の従業員の給与を最低賃金の20%まで減額が可能です。ただし、都道府県労働局長の許可を得る必要があります。
就業規則や労働条件通知書に給与や待遇について書いてあるので、よく確認してからサインしましょう。コピーを取って合意内容を保管しておくと、トラブルを防止できるのでおすすめです。
参照元
厚生労働省
最低賃金の減額の特例許可申請について
残業代は支給されるが手当なしの場合も
法定労働時間を超過した分の残業手当や休日出勤手当は、試用期間中でも必ず支払われます。ただし、会社が独自に支給している家族手当や住宅手当は対象外になることも。ほかにもボーナスが支払われるかどうかは会社によって異なり、支給されても満額ではない可能性があります。雇用契約書や就業規則にボーナスや手当支給の有無が記載されているので、確認しておきましょう。
また、残業したのに残業手当が支払われないのは違法なので、会社に相談することをおすすめします。状況が改善しないときは、労働基準監督署に相談しに行くのも一つの手段です。
試用期間に給料が支払われないのは違法
企業は労働者が働いたぶんの賃金を支払うことが法律で決められているので、試用期間だからといって給与が支払われないのは違法になります。「この会社はおかしいかも…」と思ったら、労働基準監督署や厚生労働省の労働条件ほっとラインに相談してみましょう。就業規則や雇用契約書には規定がないにも関わらず一部の人が不当な扱いをしてくるときは、人事や本社に報告すると状況が改善されることもあります。
社会保険は加入できる
試用期間でも雇用契約が結ばれているため、社会保険に加入できます。雇用保険・健康保険・労災保険・厚生年金の対象になるため、知っておきましょう。給料日に支給される金額は、これらの社会保険や税金が引かれた額です。詳しくは「給与から税金はいくら引かれる?割合や計算方法を知って手取りを確認しよう」でご確認いただけます。
試用期間の長さは?給与と一緒に確認しよう
試用期間はどのくらい続くのか気になる人もいるでしょう。試用期間の長さは3ヶ月から6ヶ月が一般的ですが、法的な決まりはないので企業によって差があります。試用期間は2週間だけと短く設定している企業もあれば、1年間は様子見したい企業も。
この項では、試用期間の確認方法や延長について解説します。
雇用契約書の記載を確認する
試用期間の長さやその間の給与に関しては、就業規則や雇用契約書に記載がされています。契約の際はよく確認してから、同意のための押印をしてください。
雇用契約書は試用期間だけでなく、休日や就労時間など大事な項目が説明されています。福利厚生や待遇など雇用される条件がまとめてあるため、読み込んでおきましょう。就業規則には、企業で働く際に守るべきルールが載っています。
試用期間は延長される可能性がある
本採用をしても問題ないかの判断がつかなかった場合、試用期間を延長することがあります。企業側と従業員の間で合意が取れれば延長されますが、大幅に試用期間を延ばされることはあまりありません。
企業側の都合だけで同意なく試用期間を延ばされることは、違法な延長といえます。
試用期間と本採用の違いは給与だけ?
試用期間と本採用後で特に大きな違いはありません。試用期間はスキル取得のための研修期間ではないため、基本的には社員と同様の業務に従事します。さらに、雇用関係にあるため社会保険の加入も必須です。
このように大きな違いはありませんが、あえて試用期間を設けることで、企業にも従業員にもそれぞれメリットがあります。試用期間が設けられている理由について確認していきましょう。
試用期間が設けられている理由
企業が試用期間を設ける理由は、本採用したときにミスマッチを起こさないようにするためです。短い採用試験の間に相手の本質を見抜くことは難しいでしょう。そこで試用期間を設けて、実際の働き方やコミュニケーション能力を確認します。指導している先輩や上司、同僚から意見を聞いて適性を見極められるうえ、勤務状態に不安があれば本採用を見送る判断をすることも可能です。
試用期間のメリット
一方で、この試用期間の制度は従業員にもメリットがあります。試用期間があれば、職場の人間関係や実際の社風など、求人情報だけではわからない職場環境を本採用前に確認できるでしょう。
また、働きながら社内ルールを覚え、合意した労働条件と相違がないか確認することもできます。働いてみて「自分には合わないかも」と思ったら本採用を辞退できるので、実際の職場環境を確かめたい人にとってはうれしい制度です。
試用期間中は解雇されやすい?
試用期間中は本採用後に比べて解雇されやすい傾向にあります。ただし、正当な理由なく解雇されることはありません。勤怠状況が悪かったり、選考時に「できる」といった仕事がこなせなかったりした場合、本採用してもらえない恐れがあるので気をつけましょう。
試用期間中に解雇になってしまったときの対処法は「試用期間にクビになる可能性はある?主な理由や前兆も解説」で紹介しているので、あわせて確認してみてください。
試用期間中に退職する方法
「業務内容が思っていたものと違った…」「人間関係が合わない!」など、辞めたくなったときは試用期間中でも退職できます。ただし、試用期間とはいえ雇用契約を結んでいるので、すぐに辞めることはできません。就業規則に従って事前に退職の申し出をする必要があります。法律上は2週間前までに退職を申し出れば辞められますが、円満退職したいなら企業の就業規則に基づいて連絡しましょう。
試用期間中の給与でトラブルがあった場合
試用期間中の給与について、疑問点や不明点がある場合の対応方法について紹介します。雇用についての詳細は、まず雇用契約書を見直してみましょう。特に記載がないのに給与が支払われていない場合や給与が減額されている場合などは次の場所へ相談してみてください。
まずは会社に相談する
不明な点がある場合はまず会社に相談しましょう。直属の上司、あるいは人事や経理を担当している部署へ問い合わせます。明確に説明してもらえない場合やはぐらかされる場合は、外部の相談機関も検討しましょう。
労働基準監督署に相談する
企業外の相談機関としては、労働基準監督署や厚生労働省の労働条件相談「ほっとライン」があります。企業の対応が十分でない場合は、こちらの利用も検討してみてください。
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試用期間の給与に関するFAQ
最後に、試用期間の給与に関してよくある質問をまとめました。試用期間の給与に疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。
試用期間の給与はどうやって計算されますか?
雇用契約書で双方が同意していれば、試用期間の給与を減額しても違法ではありません。その場合、最低賃金の減額の特例許可制度により、最低賃金の20%まで減額が可能です。
給与明細の見方や手取りの計算方法は「総支給額とは?交通費は含まれる?手取りの計算方法や年収について解説!」のコラムも確認してみてください。
試用期間後に給料は上がるのでしょうか?
試用期間中は給与が減額される契約になっていた場合は、期間が終了することによって元の給料に戻り給料が上がります。また、本採用になったことで手当の対象となり、そのぶん給料が増えることもあるでしょう。金額はそれぞれ企業の雇用契約書を確認してみてください。
手当などの福利厚生については「福利厚生には何がある?企業が用意する目的と対象となる条件について解説」のコラムで詳しく解説しています。
試用期間の長さは平均どのくらいですか?
一般的に試用期間は3〜6ヶ月程度のことが多いようです。環境に慣れ、適性を見極めるためにはある程度期間が必要になります。試用期間の長さについては、雇用契約書や就業規則に記載されているため確認してみましょう。応募前なら求人票に記載されている場合もあります。
求人票の見方については「求人票を正しく見よう!ハローワークの活用法」もチェックしてみてください。
試用期間中の給与を計算したら最低賃金を下回っていました
試用期間中は、最低賃金の20%まで減額できます。そのため、最低賃金の20%までであれば、最低賃金を下回っていたとしても違法ではありません。しかし、都道府県労働局長の許可が必要なので、許可を得ず下回っている場合は違法です。
最低賃金については「手取りが少なすぎる?最低賃金よりも給料が下回っている場合の対処法」のコラムでも解説しています。
試用期間でも休職できますか?
試用期間中の休職については法律で定められていません。企業の雇用契約書に記載があるかどうか確認し、なければ人事に問い合わせましょう。ただし、試用期間中に体調を崩す場合、本採用になった後も継続して勤務できるか疑問です。企業から適性がないと判断されてしまう可能性があります。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。