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コンプライアンスとは?意味や社会的規範を守る取り組み方などを解説

#ビジネス用語#労働法#労働に関する制度#知っておきたい制度・法律

更新日2026.03.10

公開日2021.01.28

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ひとことポイント

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コンプライアンスとは、法令遵守のほかに社会的常識や倫理を遵守する意味も含まれる

コンプライアンスとは「法令遵守」を表す言葉です。よく耳にする言葉ではあるものの、具体的な意味はあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。コンプライアンスは、法令だけではなく社会規範や倫理を遵守することも対象になります。このコラムでは、コンプライアンスの意味と企業の在り方について解説。また、コンプライアンス違反の具体例や起きてしまう理由についても紹介しています。

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  • コンプライアンスとは?
  • CSRとコンプライアンスの繋がり
  • 具体的なコンプライアンス違反とは
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後藤祐介
監修者:後藤祐介キャリアコンサルタント

一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

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    目次
    企業がコンプライアンスを重視するのはなぜ?
  • コンプライアンスが求められる背景
  • コンプライアンス違反が起きてしまう理由
  • コンプライアンスを徹底する方法
  • 企業がコンプライアンスに違反するとどうなる?
  • コンプライアンスとは社会のルールに従った企業活動
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    コンプライアンスとは?

    コンプライアンスとは「法令遵守」という意味を持つ言葉です。これは、法令だけ守れば良いというわけではなく、社会的常識や倫理などを遵守するという意味も含まれています。

    コンプライアンスの範囲

    コンプライアンスは「法令遵守」という意味ですが、単純に法令だけを守るのがコンプライアンスではありません。一般的に見て、社会規範に則って公正公平に業務を行っているかどうかが基準になります。コンプライアンスの範囲とされるのは、以下のとおりです。

    法令

    国民として守るべき法律のほか、政令・府令・省令なども含まれます。地方公共団体による条例や規則が追加されることもあるようです。

    就業規則

    就業規則は、会社が定めているルールで、就業・業務において社員が遵守すべき取り決めのことです。「労働基準法第八十九条」により、常時10名以上を雇用する雇用主は、就業規則の作成・労働基準監督署への届出が義務となっています。

    参照元:e-Gov法令検索「昭和二十二年法律第四十九号 『労働基準法』」

    企業倫理・社会規範

    法令では定められていないものの、社会通念上守るべき倫理観や公序良俗の意識のことを指します。時代や社会情勢、国民の意識によって大きく変化する可能性がある内容です。

    コンプライアンス経営の意味

    コンプライアンス経営とは、社会的ルールに従って企業活動を行うことを指します。ほかにも、不祥事を回避するためのリスク管理といった意味もあるため、組織の大きさに関わらず、多くの企業にコンプライアンス経営が求められているといえるでしょう。また、「コンプライアンスを強化する」といった表現は、企業の営利よりも社会における道徳的な正しさを重視した経営を目指すという意味をもちます。

    医療・看護分野におけるコンプライアンス

    医療や看護分野で用いられるコンプライアンスとは「医師の指示に従うこと」を指します。具体的には、「服薬コンプライアンス」と呼ばれ、患者側が医療従事者から処方された薬剤の服用回数や行動制限などを守るという意味です。一方で、「患者が処方された薬剤の服用を拒否する」「治療をするうえでの注意を守らない」といった、「ノンコンプライアンス」も多く、医療現場でも問題視されています。ほかにも、医療従事者や病院組織側における個人情報の漏洩や患者データの改ざんといった不正行為も該当します。コンプライアンスを徹底することは、患者により良い医療提供をするだけでなく、医療従事者の働きやすい環境づくりにも繋がっていくため、非常に重要であることがうかがえるでしょう。

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    CSRとコンプライアンスの繋がり

    CSRとは、corporate social responsibilityの略称で、「企業の社会的責任」という意味を持つ言葉です。企業は自社の利益だけではなく、社会への影響にも責任をもつことが必要になるため、大企業であるほど強く求められる傾向にあります。 CSRを理解し、社会的責任を果たすための項目や対象を把握することが、コンプライアンスの遵守につながるといえるでしょう。社会的責任を果たすために捉えるべき主な項目は、以下の3つです。

    企業倫理

    企業活動のうえで守るべき主要な考え方を指します。基準は法令のみならず、人権保護や労働環境など道徳的な観点も含まれるのが特徴です。

    内部統制・コーポレートガバナンス

    内部統制とは、企業の事業や経営に対する目的・目標などを達成するために必要なルールを構築し、正しく運用することを指します。企業に関わるすべての人たちが業務中に遂行できるものとして、内容の明確化が必要です。コーポレートガバナンスは、コンプライアンスに基づき、社外取締役の設置や社内ルールの確立など、企業経営をチェックする仕組みを指します。

    SDGs

    外務省の「SDGsとは?」によると、SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で「持続可能な開発目標」を意味します。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、2016年から2030年の15年間に達成するために掲げられた17項目の目標です。近年、SDGsはCSRを達成させる基準の一つと考えている企業が増加しています。

    参照元:外務省「SDGsとは?」

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    具体的なコンプライアンス違反とは

    では、どのようなときに「コンプライアンス違反」とされるのでしょうか。以下では、具体的なコンプライアンス違反の例を紹介します。「何気なく行っていることが実はコンプライアンス違反だった」とならないよう、しっかり確認しておきましょう。

    労働関連

    コンプライアンス違反として、まずは過度な残業やハラスメントが該当します。労働基準法を大きく逸脱した長時間労働、立場・役職・雇用形態を理由とする差別的な扱いや不合理な待遇差などもコンプライアンス違反になるでしょう。ハラスメント被害で悩んでいる場合は、「パワハラの相談が無料でできる窓口はどこ?労働基準監督署についても解説」のコラムを参考にしかるべき場所に相談してみてください。

    法令違反

    食品の原材料や製造元、賞味期限の偽造といった食品衛生法に反する行為や著作権、肖像権の侵害など、法令に違反する事例もコンプライアンス違反に該当します。なお、労働基準法を守らない行為も立派な法令違反です。法令違反については、「労働基準法違反の判別基準と違反に気づいた時の対処法」のコラムで違反例を確認してみましょう。

    不正経理

    架空請求、業務上横領、粉飾決済といった金銭に関する不正は、広範囲に被害をもたらし、経営破綻に陥る可能性があるため、コンプライアンス違反です。

    社会規範

    顧客データの販売や不適切な金品の受け取り、社員による競合他社への誹謗中傷といった、社会規範に反する行為もコンプライアンス違反になるでしょう。

    コンプライアンス違反を犯すと、内容によっては懲戒処分となる可能性が高いです。懲戒処分については「懲戒解雇が転職に与える影響とは?再就職を成功させる方法を解説!」のコラムを参考にしてみてください。

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    企業がコンプライアンスを重視するのはなぜ?

    コンプライアンスの重要性は、リスクを適切に管理することで企業の不祥事を未然に防ぎ、健全な活動を通して企業価値を向上させることにあります。ルールを破ったり、法令に違反したりすることは、企業の社会的信用を失うことにも繋がりかねません。また、近年では、メディアで企業の不祥事や不正行為などが多数報道されるようになりました。それによって、消費者や投資家からの批判が企業に大きな影響を受けることも、コンプライアンスの重要性を高めている理由といえるでしょう。

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    コンプライアンスが求められる背景

    コンプライアンスが注目されるようになったのは、1990年代後半に起こった規制緩和にあるとされています。これに伴い、自由な経済活動ができる分、企業側に責任ある行動を求める動きが盛んになりました。以下で、コンプライアンスを重視するようになった事例について紹介します。

    企業の不祥事

    大量生産の文化によって豊かさを増していた高度成長期の日本では、企業が販売する製品への毒物混入事件や薬害事件などが発生。消費者にとって命の危険を伴う問題が多く起こりました。これらの事件を踏まえたうえで、1968年に制定されたのが「消費者保護基本法」です。消費者保護基本法は、国民の消費生活の向上と安定を確立するために定められました。

    参照元:e-Gov法令検索「昭和四十三年法律第七十八号『消費者基本法』」

    消費者からの要請

    1970年代には、企業が利益を追求したことで消費者被害が拡大し始めます。バブル期には企業による違法活動が増加し、不況期には経営のスリム化によって社会的倫理観を無視する活動が横行。それによって物々しい事件も多く生じたことから、消費者からは非難と同時にコンプライアンスを強化する声が上がりました。

    企業へコンプライアンス遵守の制度化

    度重なる企業の不祥事や海外の動向を踏まえたうえで、各企業にコンプライアンスの推進として会社法における内部統制の規定が制度化されました。これ以降、会社法に基づき、大企業かつ取締役会を設置している場合は、内部統制システムの整備が義務化。また、上場企業では金融商品取引法により内部統制の監査を行っています。このように、行政の動きや法改正によって、企業にコンプライアンスを重視する姿勢が形成されていきました。

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    コンプライアンス違反が起きてしまう理由

    コンプライアンス違反が起きてしまうのは、そもそも企業や従業員にコンプライアンスの意識や知識がないことが理由として挙げられます。また、知識はあっても防ぐ方法や仕組みが行き渡っていないのも、コンプライアンス違反の要因となるでしょう。以下で、それぞれの要因について解説していきます。

    コンプライアンスの知識がない

    企業や従業員が、コンプライアンスという言葉は知っていても意味を知らなかったり、ルールとして導入をしていなかったりする場合は、防ぎようがありません。全社員がコンプライアンスに関する知識を理解と身につければ、「うっかり」や「知らなかった」が原因で生じるコンプライアンス違反を防げるでしょう。

    会社のPCや記録媒体などのデバイスを外部へ持ち出すことが多い

    仕事を終えるために会社のPCや記録媒体などのデバイスを外部へ持ち出す機会が多い職場だと、機密情報が流出してしまう恐れがあります。また、何気ない会話で外部に社内の情報が漏れてしまうことも。会社のデバイスを外部に持ち出す機会が多い場合は、持ち出す際のルールを設定するだけでなく、就業時間で終わる業務量の調整や、従業員が気持ちよく働ける環境整備を行う必要があります。

    内部でコンプライアンス違反を防ぐ仕組みがない

    企業や従業員にコンプライアンスの意識があっても、内部で違反を防ぐ仕組みがないのも違反が起きる理由として挙げられます。たとえば、不正や法令違反を行っている従業員に気づいても、誰に相談して良いか分からなければ、解決にはなりません。また、社内システムが脆弱で誰でも機密情報にアクセスできてしまうといった環境も、コンプライアンス違反を防げない理由にあたります。

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    コンプライアンスを徹底する方法

    コンプライアンスを遵守するためには、会社内の管理体制を整備することが重要です。以下では、コンプライアンスを遵守するための具体的な項目について解説します。

    行動規範を定める

    企業でコンプライアンスを推進するためには、法律や条例を守るだけでなく、会社として何をすべきかを示す必要があります。また、行動規範を実践するには、社長や役員などの経営側が積極的に呼びかけを行うことも大切です。

    規定内容の整備

    就業規則や行動方針などの規範内容を整えます。また、個人で認識の相違が発生しないよう、ルール内容を分かりやすくしたり、いつでも確認できる場所に掲載したりといった工夫も必要です。

    推進部門の設置

    コンプライアンスを推進するための部門を組織内に設置します。推進部門には、さまざまな対処ができる権限を付与し、問題が起きた際の状況把握や対応、上層部への報告といった素早い行動ができるようにしておくのも重要です。また、ハラスメントなどの相談先や内部通報窓口を設置することで、社内におけるコンプライアンス違反を早期発見・対処できることも。窓口は利用しやすいように外部委託を行うほか、利用によって評価に影響は出ないことなどを共有すると良いでしょう。

    従業員に向けたコンプライアンス研修の実施

    組織内におけるコンプライアンスの推進には、従業員一人ひとりの意識や行動改善が大きなポイントになります。そのためには、従業員を対象としたコンプライアンス研修が必要です。ただし、情報セキュリティやハラスメントなど、各分野において正しい教育を行うには専門的な知識が求められることから、外部機関へ研修を委託する企業もあります。

    法改正などの情報を素早くキャッチする

    コンプライアンスに関する新しい法律が成立することに対して、常にアンテナを張っておき、正しい知識を身につけていく姿勢を保つようにしましょう。

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    企業がコンプライアンスに違反するとどうなる?

    もし、企業側がコンプライアンスに取り組まない場合、どのようなリスクが懸念されるのでしょうか。以下で考察していきます。

    社会的信用を失う

    会社経営においては、事業内容や財務などの情報を開示することが強く求められています。そんな中、コンプライアンス体制を構築しない企業は非常にリスクが高く、消費者をはじめ、取引先や投資家などからの信頼を失ってしまうことも少なくありません。

    従業員のモラル低下

    問題解決に取り組まない企業では、従業員のモラルが低下する恐れがあります。一人ひとりの意識に齟齬がある場合、企業が求める人材の確保や、取引先の維持が困難になることも想定できるでしょう。

    倒産

    コンプライアンス違反の発見やリスク対策に努めていない企業は、不祥事やミスが生じた際に適切な対応ができず、多大な影響を受ける可能性があります。コンプライアンス体制が構築されていないことで十分な対処ができず、その結果倒産に至ってしまうこともあるでしょう。

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    コンプライアンスとは社会のルールに従った企業活動

    コンプライアンスは「法令遵守」の意味だけが先行し、法令だけを守れば良いと認識されることも多いようです。しかし、法令遵守だけではなく「社会的ルールに則って企業活動をする」といった重要な意味も併せ持っています。コンプライアンスを遵守するには、企業の管理体制や行動規範を整え、定期的なコンプライアンス教育が大切です。そのためには、CSRを理解し、企業に必要な項目をしっかりと捉えることも大きなポイントになります。

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