履歴書は「御社」と「貴社」のどちらを使う？敬称に関するマナーも解説

「履歴書では御社と貴社のどちらを使うの？」と悩む方も多いのではないでしょうか。「貴社」は文語で、「御社」は口語にあたります。そのため、履歴書では「貴社」を使用するのが適切です。シーンにあわせて、使い分けるようにしましょう。このコラムでは御社と貴社の違いや使い方をご紹介。覚えておきたいビジネスマナーも解説しています。これから就職・転職活動を始める場合は、ぜひ参考にしてみてください。

履歴書は「御社」と「貴社」のどちらを使う？

履歴書などの応募書類やメールといった文面で記載する場合は、「貴社」を使用しましょう。面接や電話などの口頭で話す場合は、「御社」を用います。なぜなら、「貴社」は文語で、「御社」は口語にあたるからです。些細なことですが、シーンによって使い分けるようにしましょう。就職・転職活動をするうえでは、御社と貴社の違いを把握しておくことが大切です。

また、御社と貴社は敬語に該当するため、「御社様」のように敬称を重ねる使い方はしないようにしてください。一般的に敬語を使い過ぎる「二重敬語」はマナー違反とされており、相手に対して失礼になってしまう恐れがあります。企業に好印象を与えられるよう、しっかりとマナーを守りましょう。

御社と貴社の違いについては、「「御社」と「貴社」にはどんな違いがある？敬称の正しい使い方まとめ」のコラムでも解説しています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。

履歴書や面接における「御社」と「貴社」の使い方

ここでは、御社と貴社の使い方について、例文を交えてそれぞれ解説します。使い分けに悩んでいる場合は、参考にしてみてください。

御社

「御社」は、主に面接で志望動機や自己PRを伝えるときなどに使用します。使い方の例文は、以下のとおりです。

例文

私が御社を志望した理由は、食を通して人々の日常を豊かにするという理念に共感したからです。私はこれまで飲食店の企画部として、どうしたらお客さまのお食事の時間がより楽しいものになるか常に考えながらメニューを提案してきました。この経験を御社でも活かし、チームの方と一丸となってお客さまの生活に彩りを与えるお手伝いをしていきたいと考えています。

貴社

「貴社」は、主に履歴書やエントリーシートなどの応募書類を書くときやメールを送るときに使用します。

例文

私は、相手が何を求めているのかを常に考え、円滑なコミュニケーションを心掛けています。前職の総務では、各部署が仕事をスムーズに進められるよう常に「報連相」を怠らず、トラブルが起きた場合は解決に向けてともに対策を考えていました。そのような努力が実を結び、社内で「○○さんがいると仕事がしやすい」と言っていただける存在となりました。この経験を貴社でも活かし、皆さまのお仕事を的確にサポートしていきたいと考えています。

御社と貴社の使い方については、「貴社はどういうときに使う？「御社」との違いと使用方法まとめ」のコラムでも例文付きで紹介しています。こちらもあわせてチェックしてみてください。

一緒に覚えておきたい4つのマナー

ここでは、御社や貴社の使い方と一緒に覚えておきたいビジネスマナーを4つ解説します。

1.一般企業以外の呼び方

一般企業に対しては「御社」や「貴社」を使いますが、それ以外の学校や銀行などに応募する場合は、用いる敬称がそれぞれ異なります。以下にいくつか例を挙げているので、参考にしてみてください。

上記のとおり、御社・貴社と同様、口語のときは「御」をつけ、文語のときは「貴」をつけるのが決まりとなっています。応募先に合わせて、適切な使い分けを心掛けましょう。

2.「弊社」と「当社」の使い方

「弊社」と「当社」はどちらも自分が勤めている会社を表す言葉ですが、相手との関係性によって使い分けが必要です。「弊社」は自分の会社をへりくだって言い表す謙譲語で、社外の相手に対して使用します。例文は以下のとおりです。

弊社の例文

• ・いつも弊社をご利用いただきありがとうございます。
• ・ご要望などございましたら、弊社スタッフにお申しつけください。

一方、「当社」は自分の会社を丁寧に言い表す丁寧語です。社内や対等な立場の相手など、へりくだる必要のない場面で使用します。

当社の例文

• ・当社の来期の目標は海外進出です。
• ・このご意見につきましては、当社としては同意いたしかねます。

なお、御社や貴社とは異なり、弊社と当社は文語でも口語でも使える言葉です。使い方については、「弊社とはどのような時に使う？御社や貴社との違いを知り使い分けよう」のコラムでも解説していますので、あわせてご覧ください。

3.転職の面接における勤め先の言い方

転職の面接では、勤め先に対して「現在の職場」「現職」「現在の勤務先」などの言い方を用いるのが適しています。履歴書などの書面では、文字数の関係上「現職」がおすすめです。離職中の場合は「前職」を使います。自分が勤める会社を表す言葉に「弊社」という謙譲語もありますが、転職したい会社の面接官を前にして使用するのには適していません。会社の一員ではなく、個人で行う転職活動では、自分の会社について謙譲語を使ってへりくだる必要がないからです。「御社」と区別して、正しく言葉を使い分けましょう。

4.「様」と「御中」の使い方

「様」と「御中」は、履歴書の郵送や、面接の日程調整でメール送信などを行うときに使われる敬称です。採用担当者宛てに送るときは「様」、会社や団体、人事部（特定の部署）に送るときは「御中」を使います。

「様」の例文

○○会社　△△△△様
○○会社　人事部　△△△△様

「御中」の例文

○○会社　御中
○○会社　人事部　御中

なお、「様」と「御中」を併せて使用することは敬称の二重使用となるため、「○○株式会社　御中　△△△△様」といった使い方はしないように気をつけましょう。

注意すべき敬語表現

仕事で使われる表現の中で注意したいのが、「了解しました」です。「しました」がつくことで丁寧な言い方にはなっていますが、へりくだった表現ではありません。「了解」という言葉は「分かる」という意味で、これを謙譲語にすると「承る」「承知」となります。よって、目上の人に対しては「承知しました」を使うと良いでしょう。丁寧語である「しました」を、謙譲語である「いたしました」に言い換えて「承知いたしました」とすると、さらにへりくだった表現になります。

また、サービス業などでお客さまに対して使われる「かしこまりました」も、目上の人に対して使用しても失礼にならないでしょう。「かしこまる」は「謹んで受けとめる」という意味を持つ謙譲語です。やわらかい響きがあるため、ビジネスシーンではメールよりも会話の中で使われる傾向があります。このように、丁寧な表現ではあるものの、実はへりくだってはいないケースも多々あるため、慣れるまでは「丁寧語」と「謙譲語」の違いに気をつけながら敬語表現を使うようにしましょう。

就職・転職活動を行ううえで、覚えておくべきマナーはほかにも多々あります。企業側に好印象を与えられるよう、応募する前にある程度は把握しておくと良いでしょう。もしマナーに不安がある場合は、エージェントに相談するのも一つの手です。お困りの方は、ぜひハタラクティブを活用してみませんか。

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