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ニートからの社会復帰は何から始める?実現方法と支援サービスをご紹介
更新日
この記事のまとめ
- ニートから有業者として社会復帰した割合は39.4%
- ニートからの社会復帰を困難に感じる理由は、コミュニケーションや心身の不調など
- ニートから社会復帰する選択肢は、「専門学校」「アルバイトを始める」「就職」など
- ニートから社会復帰するためには、生活習慣を見直したりスキルを身につけたりする
- ニートからの社会復帰を目指す際はハローワークや就職エージェントを利用しよう
ニートから社会復帰を目指す際に、「何から始めたら良いのか分からない」と行動に移せない人もいるでしょう。ニートから社会復帰するためには、必要な準備を整えたり現状の不安を理解したりすることが大切です。このコラムでは、ニートの方が社会復帰するためにできることを具体的に解説。社会復帰の選択肢や活用できる就労支援サービスもまとめています。社会復帰の具体的な方法を知り、一歩踏み出すための参考にしてください。
ニートの方は社会復帰の準備と目標設定どちらを優先すべき?
ニートの方は、社会復帰の準備を優先させるのがおすすめといえます。その理由は、目標を具体的に設定しようとすると、なかなか定まらず結果的にニート期間が長引いてしまう可能性があるからです。
とはいえ、「目標を決めてから社会復帰の準備を進めたほうが行動を起こしやすい」という方もいるでしょう。自分の特性や置かれている状況に応じて、最初の一歩を踏み出しやすいほうを優先するのも手です。
「まずは人生の目標について考えたい」という方は、「人生の目標の立て方やメリットを紹介!日々の生活を充実させよう」のコラムを参考にしてみてください。
ニートから社会復帰できる可能性はある?
ニートからの社会復帰は可能です。特に、20代をはじめとした若年層であれば、社会復帰できる可能性は高まるでしょう。この項では、ニートからの社会復帰を考えるうえで参考になる情報やデータをご紹介します。
そもそもニートとは
厚生労働省の「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究(63p)3.ニートの類型化と試算」では、「ニートとは15~34歳の非労働力(仕事をしていない、また失業者として求職活動をしていない者)のうち、主に通学でも、主に家事でもない独身者」と定義されています。この定義から、ニートは若年無業者と呼ばれることもあるようです。
ニートとフリーターの違いについては、「ニートの定義とは?フリーターとの違いや就職を目指す際のコツも解説」のコラムで触れているので、気になる方はあわせてご覧ください。
参照元
厚生労働省
「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」
若年層のニートの方は増えつつある
総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、15〜24歳の若年無業者数(ニート)は26万人、25〜34歳は33万人でした。2019〜2023年の推移は以下のとおりです。
年代 | 15〜24歳の無業者 | 25~34歳の無業者 |
---|---|---|
2023年 | 26万人 | 33万人 |
2022年 | 26万人 | 31万人 |
2021年 | 27万人 | 31万人 |
2020年 | 37万人 | 32万人 |
2019年 | 24万人 | 32万人 |
参照:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要」
2023年のニートの方の総数は、2022年に比べると2万人増加しています。2020年に若年ニートが増加していた理由は、新型コロナウイルス感染症の影響でリストラや内定の取り消しが生じたり、会社そのものが倒産したりしたことなどが考えられるでしょう。
若年ニートは社会動向の影響を受けて増減しやすいことから、社会復帰を目指すなら就職しやすいタイミングを逃さないことが重要です。
ニートの割合については、「ニート人口の割合はどれくらい?現状を脱して就職する実践的な方法とは」のコラムでも解説しているので、あわせてご覧ください。
参照元
総務省統計局
労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果
ニートから社会復帰した人の割合
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③」によると、1年前に無業だった方のなかで、有業者として社会復帰した割合は39.4%となっています。内訳の詳細は以下のとおりです。
正規の職員・従業員 | パート・アルバイト | 労働派遣事業所の派遣社員 | 契約・嘱託・その他雇用 | 家事などが主で有業 | 求職者 | 非求職無業者 | 独身・家事 | その他無業 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
15~34歳男女計 | 18.0% | 10.5% | 3.4% | 5.2% | 0.9% | 17.6% | 40.5% | 1.9% | 0.4% |
1年前「無業・非家事非通学・無配偶で卒業者」(非求職無業+求職者)であった者の現状
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 (図表3-18)」
上記の数値を確認すると、1年で社会復帰した方の選択としては正社員が一番多い結果となっています。「ニートから社会復帰はできない」と考えて可能性を狭めてしまうのではなく、自分らしく活躍できる場所を探していく姿勢が重要です。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
資料シリーズ No.217 若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③ ―平成29年版「就業構造基本調査」より―
ニート期間は短いほうが社会復帰しやすい?
厚生労働省の「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究 報告書 」によると、ニート期間が5年を超えた方の「就業できなかった」割合は42.3%でした。ニート期間5年以下の方と比べると、最も高いことがわかります。
ニート歴(期間)と就業成否のクロス表
ニートの期間 | 就業した | 就業できなかった | 無回答 |
---|---|---|---|
1年以下 | 0.442 | 30.2% | 25.6% |
1年超~3年以下 | 0.451 | 0.352 | 0.197 |
3年超~5年以下 | 0.507 | 31.9% | 17.4% |
5年超 | 0.423 | 42.3% | 15.5% |
参照:厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究 報告書 (P.13)」
ニート期間が長期化して年齢が上がると、就活でスキル保有者や経験者などがライバルとなります。社会復帰の目標を就職にしている方は、ニート期間が短いうちに就活するのが無難といえるでしょう。
参照元
厚生労働省
ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究
ニートの方が社会復帰できない・怖いと感じる6つの理由
「ニートから社会復帰できない」「社会復帰するのが怖い」と感じる理由には、コミュニケーション面での不安や空白期間による懸念が挙げられるでしょう。不安の原因を深堀りしてみれば、現在抱えている悩みを解消できる可能性は十分にあります。
以下では、ニートの方が社会復帰を困難に感じてしまう6つの理由を解説していますので、自分の気持ちや状況を整理するための参考にしてみてください。
ニートの方が社会復帰できない・怖いと感じる理由
- 人間関係やコミュニケーションに苦手意識がある
- ニート期間の長さに不安を感じる
- 心身に不調をきたしている
- 体力に自信がなくて不安を感じている
- 就労経験が少なく業務内容を覚えられる自信がない
- 自分に厳しく「無理だ」と思い込んでいる
1.人間関係やコミュニケーションに苦手意識がある
「就職活動や職場で上手くコミュニケーションを取れるか分からない」という不安から、社会復帰は難しいと感じてしまう方もいるようです。
厚生労働省の「ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究報告書(概要)」によると、就労にあたって苦手意識を感じるスキルは「人に話すのが不得意」という回答が64.4%と最多でした。
また、同調査では、就労に必要な行動のなかでも「面接に通る」「面接で質問に答える」「職場で友達をつくる」などのコミュニケーションに対する不安が目立つと報告されています。人と関わることへの苦手意識が、ニートから社会復帰するハードルを上げていると考えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究
2.ニート期間の長さに不安を感じる
ニート期間が長期化すると、人や社会との距離を感じ不安に思う方もいます。自分の経歴がネガティブに捉えられることを恐れて社会復帰に踏み出せないまま、年齢を重ねてしまうと就職が一層遠のいてしまうこともあるでしょう。
3.心身に不調をきたしている
心身の不調を原因に、「社会復帰が難しい」「就職できても、働き続けられるか不安」と思うこともあるでしょう。不調を抱えたまま社会復帰を急ぐと、体調が悪化してニート期間を延ばさざるを得なくなる可能性もあります。
このような不安を抱えているときは、自分自身を労わることを優先させ、万全の状態で就職活動に挑めるようにしましょう。
4.体力に自信がなくて不安を感じている
あまり運動をしない生活をしているニートの方は、体力に自信がなくて不安を感じている場合もあるでしょう。普段から運動をしていないと体力が低下して疲れやすくなるため、「就職できても体力がもたず仕事が続けられないのではないか」と社会復帰に不安を抱いてしまう方もいるようです。
5.就労経験が少なく業務内容を覚えられる自信がない
社会復帰に一歩踏み出せないニートの方のなかには、就労経験が少なく「業務のフローを覚えられるのか」「ミスをすると怒られるのではないか」と不安を感じている人もいます。また、過去の失敗や挫折を引きずっていると、働くことに自信をもていない場合もあるでしょう。
6.自分に厳しく「無理だ」と思い込んでいる
完璧主義であることが理由で「経験が少ない自分を採用してくれる会社はないだろう」と、就職に踏み出せない方もいるようです。また、仕事に対する理想が高く、「社会復帰は無理だ」と思い込んでいるニートの方もいるでしょう。
ニートから社会復帰できないと感じる理由は、「ニートを脱出して働く方法やメリットとは?きっかけや得るものをご紹介」でも触れているので、あわせてご覧ください。
何のために働くのか分からないという理由もある
「お金を稼ぐことに興味がない」「何のために頑張るのか分からない」というニートの方もいるでしょう。生活に困っておらず働くことへの関心が薄いと、就職意欲が低くなってしまいます。このような場合は、社会復帰ができないというより、「社会復帰したい」という気持ちがないためニート期間が長引いていることも。働く目的さえ明確になれば社会復帰が早まる可能性もあるので、自己分析で仕事に対する考え方や価値観を洗い出してみましょう。
ニートから社会復帰する際に挙げられる6つの選択肢
ニートからの社会復帰は、就職だけとは限りません。スキルを身につけたりアルバイトから始めたりする方法もあるため、どの方法で社会復帰を目指すか検討してみましょう。
ニートから社会復帰する際に挙げられる選択肢
- 大学へ入学する
- 専門学校で知識を身につける
- 職業訓練でスキルを定着させる
- アルバイトやパートを始める
- 契約社員や派遣社員として働く
- 正社員として働く
1.大学へ入学する
学びたいことがあるニートの方は、大学で社会復帰するのも一つの方法です。職種や求人によっては、大卒以上の条件が求められることもあるため、就職に近づきやすくなることもあります。
ただし、大学卒業までは4年ほどかかり、学費も必要になるため、年齢や貯金なども考慮する必要があるでしょう。大学入学で社会復帰を目指す場合は、将来的な目標やキャリアプランを明確にすることが重要です。
2.専門学校で知識を身につける
就職に役立つスキルを身につけたい方は、専門学校へ入学して社会復帰を目指すのも手です。専門学校には、美容師や保育士、デザインなどの幅広い種類があります。専門学校の授業は実践的な内容がメインとなるため、働きたい業界が明確な方におすすめです。
ただし、大学と同じく学費や時間などがかかるため、勉強と就職どちらを優先したいかをよく検討しましょう。
3.職業訓練でスキルを定着させる
ニートから社会復帰するには、職業訓練の受講も挙げられます。職業訓練では給付金をもらえるので、収入を得ながらスキルを向上できる点がメリットです。
なお、職業訓練には定員や条件が設定されているので、訓練を受けられないという場合も想定して行動するようにしましょう。ニートの方が受講できる職業訓練については、「ニートから受けられる職業訓練とは?受講方法や費用を紹介」のコラムをご覧ください。
4.アルバイトやパートを始める
アルバイトやパートを始めるのも、社会復帰の選択肢といえます。
アルバイトやパートは、正社員に比べて働く時間や日程を調整しやすいため、徐々に社会や働くことに慣れていけるでしょう。正社員や契約社員など、いきなりフルタイムでの社会復帰が不安な方は、アルバイトやパートから始めるのも手です。
5.契約社員や派遣社員として働く
契約社員や派遣社員になるのも、社会復帰の一つです。契約社員や派遣社員は、正社員に比べて高いスキルや経験が問われないこともあるため、就職を成功しやすい場合もあるでしょう。
また、業務態度やスキルが評価されれば、正社員になれるチャンスがあることも。アルバイトやパートに比べると勤務時間が長かったり、スキルが求められたりしますが、将来的に正社員を目指したい方は前向きに挑戦してみましょう。
6.正社員として働く
過去に正社員経験があったり、スキルがアピールできたりする方は、社会復帰の目標を正社員にするのも一つの選択肢です。応募先の企業に関連する経験やスキルがあると、即戦力として評価されやすくなるでしょう。正社員になれば雇用や収入が安定するため、将来に対する不安も解消しやすいかもしれません。
ニートから社会復帰を成功させる11のコツ
ここでは、ニートから就職を目指して社会復帰を成功させるコツを紹介します。自己分析をしたり、生活習慣を整えたりしておくと将来的な就職に役立つでしょう。
1.社会復帰の課題やハードルを明確にする
ニートから社会復帰を目指すときは、現在抱えている課題やハードルを明らかにしましょう。自分にとって何が課題となっているのか、どのようなハードルがあるのかを明確にすれば、対策を考えたり、仕事・働き方の選択がしやすくなったりします。
たとえば、社会復帰の課題が「人とのコミュニケーション」であれば、単独作業がメインの仕事や在宅ワークができる仕事を目指すといった方法で解決できることも。働き続けやすい環境が得られれば、社会復帰の成功につながるでしょう。
2.自己分析で強みを把握する
自分にマッチした選択肢を検討するためにも、就職活動に取り組む前に自己分析をしましょう。自己分析を通じてやりたいことを明らかにしておくと、求人を選択しやすくなります。
自己分析をするときは、自分がこれまでに経験したことを紙に書き出しましょう。箇条書きした内容を深掘りすると自分の得手不得手が可視化され、就活で活かせる強みや大切にしたい価値観を発見できるでしょう。その際、ニートになった理由や、ニート経験で学んだことも振り返ってみてください。
自己分析のやり方は「フリーターが自己分析するのは何のため?やり方がわからない方へのヒント集」で紹介しているので、参考にしてみてください。
3.コミュニケーション能力を鍛える
コミュニケーション能力に不安があるニートの方は、社会復帰の準備として家族以外の人と話す機会をつくりましょう。ニートの期間が長期化すると社会との関わりが薄れ、家族以外の人や初対面の人とのコミュニケーションが難しく感じることも。コミュニケーション能力は練習を重ねることによって、ある程度身につけられます。
相手を褒めたり、相槌を打ったり、難しく考えずに小さなことから始めてみるのがおすすめです。コミュニケーション能力の鍛え方については、「コミュニケーション能力を鍛えるには?具体的な方法をご紹介」のコラムを参考にしてみてください。
4.スキルアップや資格取得で自信をつける
スキルアップや資格取得に取り組み、就職に向けて自信をつけるのも一つの方法です。就活で資格をアピールすれば、実務経験がなくても知識や働く意欲が評価されることもあるでしょう。独学や資格取得によってできることが増えれば、仕事として興味のある範囲が広がったり、自己肯定感が上がったりする効果にも期待できます。
5.選択肢や視野を幅広く持つ
社会復帰の選択肢や仕事に対する視野を広げれば、第一候補がうまく実現できないときも第二候補・第三候補に行動を移すことが可能です。たとえば、気になる仕事が正社員では難しくとも契約社員やアルバイトなら働ける可能性があります。
社会復帰成功へのチャンスを掴むためには、幅広い視野をもったうえで目標設定を検討してみましょう。
6.不安や悩みは相談して解消する
社会復帰への不安や悩みは一人で抱え込まず、家族や友人、第三者などに相談してみると適切なアドバイスが得られることもあります。人に話すことで気持ちが楽になったり、思わぬ解決策が浮かんだりすることもあるでしょう。
厚生労働省「全国のひきこもり支援機関」では、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格をもつ専門家への相談窓口が紹介されています。家族や友人に相談しにくい方は、公的機関を利用して相談してみましょう。
参照元
厚生労働省
全国の相談窓口はこちら
7.生活習慣や環境を見直し体力をつける
家に引きこもりがちだったり、昼夜逆転の生活を送ったりしているニートの方は、社会復帰へ向けて規則正しい生活を心掛けましょう。
正社員の仕事は、フルタイムで働くのが一般的です。社会復帰して自分に合う仕事に出会えても、体力不足が原因で目標に向かって進めなくなってしまっては元も子もありません。家に引きこもりがちという場合は近所を散歩したり、軽いジョギングをしたりして体力をつけておくのがおすすめです。
不規則な生活を送っている場合、いきなり「早寝早起きをしよう」と思ってもなかなか難しいことも。朝陽を浴びたり昼寝をし過ぎないよう意識したりして、徐々に生活リズムを整えていきましょう。
8.自分に合う働き方を考える
ニートの方が社会復帰を目指す際は、自分に合う働き方を考えてみるのがおすすめ。「フルタイムで働くのは体力的に厳しい」「1人で集中して業務に取り組みたいから在宅勤務をしたい」というように、どのような働き方なら長く続けられそうかを考えてみましょう。
自分にはどのような働き方が合うか分からないニートの方は、「自分に合う仕事が分からない!適職の上手な見つけ方と注意点を解説」を参考にしてみてください。適職診断についても触れているので、自分に合う仕事を手軽に調べてみたい方は試してみましょう。
9.嫌ではないことから始めてみる
ニートから社会復帰するための一歩として、「嫌ではないことから始めてみる」のも一つの方法です。自分が得意としていることや、苦ではないことに携われば、小さな成功体験を積み重ねられます。
たとえば、長時間働くのに抵抗がある場合は、アルバイトやパートから始めるといった方法もあるでしょう。また、「いきなり求人に応募するのは不安」といった方は、ハローワークや就職エージェントに相談してみるのがおすすめ。できることから徐々にステップを踏んでいけば、社会復帰への道が開けるでしょう。
10.不安要素や苦手なことを避けて求人を選ぶ
求人を選ぶ際も、不安要素や苦手だと思うことを避けたほうが、社会復帰が成功する可能性を高められます。
人とのコミュニケーションが苦手なら、1人で作業する時間が多い仕事を選ぶといった対策を取れるでしょう。苦手意識を克服するのも大事ですが、早めに就職活動を行って社会復帰を優先する姿勢も必要です。ある程度仕事に慣れてやりたいことが見えてきたら、新しい分野に転職してみるのも良いでしょう。
業務内容を覚えられるか悩んでしまう方は、「覚えることが少ない仕事で正社員求人はある?負担が少ない仕事を紹介します」のコラムを参考に、取り組みやすそうな求人の傾向をチェックしてみてください。
11.未経験から挑戦しやすい職種で正社員を目指す
ニートから正社員を目指す場合は、「未経験歓迎」や「職歴不問」の求人を選ぶと良いでしょう。たとえば、以下のような職種は実際に仕事をするなかでスキルを身につけられるため、意欲やポテンシャル重視で採用される可能性があります。
- ・販売職
・営業職
・事務職
そのほかにも、ドライバーやIT系職種は、人手不足のため未経験者を採用している傾向にあるようです。専門的な知識や技術を入社後の研修によって一から身につけられたり、資格取得を支援してくれたりする会社もあります。資格取得支援制度の有無は、企業のWebサイトをはじめ、求人サイトや口コミサイトなどで事前に調べておくと安心です。
なお、正社員として就職すると収入が安定するだけでなく、非正規雇用社員よりも福利厚生が充実するなどのメリットがあります。ニートの方が社会復帰する方法は、「ニートから正社員を目指そう!受かるための方法やおすすめの仕事を紹介」で解説しているので、ぜひご一読ください。
正社員経験があるなら同業界・同職種に応募するのも手
正社員経験があるニートの方は、経験を活かせる同業界・同職種で就職活動するのが社会復帰のコツといえます。応募先企業で活かせる経験やスキルがあれば、評価されるでしょう。面接では「キャリアアップを目指したい」というように、応募先で活躍する意欲をアピールするのがポイントです。ハタラクティブアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
ニートから社会復帰の道を切り開ける人に見られる特徴
ここでは、ニートから社会復帰の道を切り開ける人の特徴を紹介します。社会復帰する際に身につけておく良い能力としても、参考にしてみてください。
体力がある人
体力面に自信のあるニートの方は、就職をはじめとした社会復帰のあとも無理なく活動できるでしょう。体力があれば、日々の通勤が苦にならなかったり、フルタイムの勤務にも適応しやすかったりします。
社会復帰して学校に通ったり働いたりするためには、ある程度体力が必要になるため、規則正しい生活や適度な運動をし、少しずつ体力をつけていきましょう。
物事を前向きに捉えられる人
何事も前向きに考えられる人は、意欲的に社会復帰に向けた行動が取れるでしょう。ニートでいた期間を反省しつつも、これまでの経験を学びに変えられる場合は、採用担当者の評価にもつながりやすくなります。何事も前向きに捉えるポジティブな感情は、新しいことにチャレンジしたり、失敗しても改善につなげたりする際に役立つでしょう。
自分の強み・弱みを理解している人
自分の強みや弱みを理解していれば、どのような要素が仕事に活かせるかを判断できるため、社会復帰への道を切り開きやすくなります。また、弱みが難点になりそうな職種を避けることも可能です。
社会復帰を成功し働き続けるためにも、自分の強み・弱みを理解しておくことが重要です。
論理的な思考が得意な人
社会復帰の目標を就職にしている方は、論理的な思考が得意だと働く際に役立つでしょう。論理的思考力とは、「起こった物事を体系的に整理をし、矛盾や飛躍のない筋道を立てて考える力」を指し、職種や業種、役職を問わず社会人として必要不可欠な能力といえます。
論理的思考の身につけ方については、「問題解決の基本的な手順とは?スキルを高める方法も解説」のコラムで紹介しているので、参考にしてみてください
未経験から挑戦しやすい職種を志望している人
未経験から挑戦しやすい仕事を志望している人は、就職を成功させて社会復帰への道を切り開ける可能性が高いでしょう。ニートにより職歴に空白期間があると、実務経験やスキルが問われる職種への就職は難しいこともあるからです。
一方で、未経験から挑戦しやすい職種を目指せば、経験やスキルがなくても意欲やポテンシャルにより採用される可能性があります。未経験から目指しやすい職種については、「未経験でもできる仕事は?正社員として就職しやすいおすすめの業界・職種」のコラムを参考にしてみてください。
就業経験なしから正社員就職できた方の体験談
ここでは、就業経験のない人が正社員へのステップアップを成功させた体験談をご紹介します。
テニス留学をしていて社会人経験のなかったRさんの場合
父親の影響で子どもの頃からテニスばっかりしてて、アメリカに留学したんですけど、靱帯怪我して帰国したんです。そこそこ実績あったから、やめたってのが恥ずかしくて、しばらく何していいかわかんなくてフラフラしてました。
でも同級生が高卒とか大学とかで頑張っているのを見たら、いつまでもこれじゃダメだと思って、ハタラクティブに登録して高卒から就職を目指すことにしました。
正直テニス以外のことをやるなんて考えたことがなかったんで、高卒からの就職活動のやり方なんて全然わかんなかったんですけど、志望動機の書き方1つで合否って左右されるんだなって。どんな仕事がしたいか、どうしてやりたいか、筋道立てて考えたから、高卒でも今のスポーツ製品会社の内定がもらえたんですよね。
好きなスポーツにまた違った形で関われて、テニスができなくなった喪失感からやっと救われました。本当にハタラクティブでよかったです。
夢を追っていたけれどやりたいことがわからなくなったKさんの場合
夢がなくなってから何すればいいかわからなくなってました。でも今は楽しい毎日です。 歌が好きだったので曲を作れるようになりたいと思って音楽系の専門学校に通ってました。
でもこのご時世、歌で生きていけるほど甘くないって気づいてからはしばらくフラフラ。いわゆる自分探しですかね、とりあえず1年くらい海外を回って今後を考えていたんですが何をやりたいか全然見つからない。
親もだいぶ心配しているので、とりあえず正社員就職できるかどうか相談するつもりでハタラクティブに登録しました。結果、登録してよかったです。応募可能ないい感じの正社員求人も紹介してくれるし、自分のいいところを引き出してくれるというか、自信をつけてくれました。そのおかげで今では楽しい仲間と毎日楽しく仕事してます。
未経験分野から就職を成功させた例については、「未経験から正社員へ 体験談」のページに掲載しているので、チェックしてみましょう。
ニートの方が社会復帰を相談しやすい5つの支援サービス
この項では、ニートの社会復帰を支援しているサービスを5つご紹介しています。1人で就活を進めることに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ニートの方が社会復帰を相談しやすい支援サービス
- ハローワーク
- 地域若者サポートステーション
- ジョブカフェ
- ニートの方の社会復帰支援を行うNPO法人
- 就職・転職エージェント
1.ハローワーク
ハローワークは、誰でも無料で利用できるため、第三者のサポートを受けながら社会復帰を目指したいニートの方におすすめです。ハローワークとは、国が運営する公共職業安定所のことで、全国500ヶ所以上に設置されています。求人情報の閲覧や就職相談、職業訓練、セミナーなどを幅広く行っているのが特徴です。
ハローワークでは、地域に根ざした企業の求人を多く扱っています。詳しくは「ハローワークが初めてのニートも仕事を探せる!利用方法や支援内容を解説」のコラムをご一読ください。
2.地域若者サポートステーション
社会復帰に関して不安を抱いているニートの方は、地域若者サポートステーションを利用するのも手です。地域若者サポートステーションは、就労に不安を感じている15〜49歳の求職者を対象とした就職支援機関。全都道府県に設置されており、就職相談や職場体験といった支援を展開しています。
専門家が求職者の悩みや希望をヒアリングしながら就職までをサポートする体制が整っているので、ニートから社会復帰する不安も相談できるでしょう。利用方法については「サポステとは?就職支援サービスの内容や利用方法を解説」で触れているので、お役立てください。
3.ジョブカフェ
ジョブカフェとは、都道府県が主体となって若者の就職を支援する機関のことです。カウンセリングや職場体験、セミナーなどの就労支援を無料で受けられます。
現在46都道府県に設置されており、ハローワークを併設しているジョブカフェもあるため、ニートからの社会復帰を目指したい人は利用を検討してみましょう。詳しくは、「ジョブカフェはニートも利用できる?ハローワークとの違いとは」をご覧ください。
4.ニートの方の社会復帰支援を行うNPO法人
日本には、ニートの方の社会復帰支援を行うNPO法人もあります。求人を紹介してもらえるだけでなく、就職に関する悩みを相談できたり、社会復帰へ向けたステップを提案してもらえたりするようです。
社会復帰支援を行うNPO法人では、会社へ出社することに抵抗がある場合、在宅でできる仕事を紹介してくれる可能性も。データ入力やチラシの作成といった、取り組みやすい仕事から徐々に働くことに慣れていけるようなプログラムが用意されていることもあるので、ニートの方は利用を検討してみると良いでしょう。
病気や障がいがある場合は就労移行支援事業所も利用可能
就職を考えてはいるものの、病気や障がいなどで働くことが難しいと悩んでいる方は、就労移行支援事業所の利用も検討してみましょう。
厚生労働省の「就労系障害福祉サービスの概要 就労移行支援」を見ると、就労移行支援事業所では病気や障がいのある方が一般企業へ就職できるよう、訓練や適性に合った職場探しといったサービスを提供していることが分かります。支援を受けられる期間は12ヶ月が基本です。
参照元
厚生労働省
障害者の就労支援対策の状況
5.就職・転職エージェント
就職に向けてきめ細かいサポートが受けたいニートの方は、就職・転職エージェントがおすすめ。就職・転職エージェントは、民間企業が運営している就職支援サービスです。プロのキャリアアドバイザーが仕事探しから就職までを一貫してサポートしてくれるため、面接対策や書類の添削といったきめ細やかなサービスを受けられます。
各エージェントごとに対象者や扱う職種に違いがあるため、ニート向きのサービスかどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。「転職エージェントとハローワークの違いを比較!併用は可能?利用方法も紹介」のコラムで、就職・転職エージェントで受けられるサービスについてまとめているので、参考にしてみてください。
「ニートからの社会復帰を1人で実現できるか不安…」という方は、就職エージェントの利用を検討してみましょう。ハタラクティブは、ニートやフリーターを対象とした就職・転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーがマンツーマンでカウンセリングを実施し、適性や希望条件に合った求人をご紹介します。
選考対策も受けられるので、就活が初めてという方やブランクがある方も安心です。サービスはすべて無料で提供しているため、お悩みの方はぜひハタラクティブにご相談ください。
ニートの方が社会復帰を目指す際によくあるFAQ
ここでは、社会復帰を目指すニートの方が抱える悩みをQ&A方式で解説します。
社会復帰するのが辛いときはどうしたら良い?
社会復帰が辛いと感じるニートの方は、なぜそう思うのか原因を掴みましょう。たとえば、コミュニケーションが辛いと思うなら、接客業や営業職を避けて求人を探すと、働きやすい求人を見つけられる可能性があります。
詳しくは、『ニートが「仕事が怖い」を乗り越えるコツを解説!おすすめの職業も紹介』のコラムをご覧ください。
ニートからの就職でブラック企業を回避する方法は?
ブラック企業への就職を回避するためには、企業研究や口コミなどでリサーチしましょう。入社後3年以内の離職率や残業時間などを確認してみるのも一つの方法です。なお、口コミはすべてが正しい情報とは限らないため、参考程度に留めるようにしましょう。
「ブラック企業の特徴とは?入社前の見分け方と対処法を解説」では、ブラック企業の特徴や見抜き方について紹介しています。
20代のニートが社会復帰を成功させるコツは?
社会復帰の目標を就職にするのであれば、なるべく早めに行動しましょう。20代の就職・転職活動では、経験やスキルよりポテンシャル重視で採用されることもあるからです。「ニートって何歳まで?20代のうちに就活すべき理由や注意点を解説!」では、20代のうちに就職活動したほうが良い理由をまとめています。
30代・40代のニートは社会復帰できる?
30代・40代のニートの方も、前向きに行動すれば社会復帰できるでしょう。ただし、就職する際は、20代よりも経験やスキルが問われるため、難易度が上がることも。幅広い選択肢を考えたり、ハローワークや就職エージェントに相談したりして、積極的に行動することが大事です。
30代から就職を成功させる方法については、「30代は就職できない?フリーター・未経験から就活を成功させる方法を解説」で紹介しています。
ニートの就職を支援してくれるサービスは?
ニートから社会復帰する際は、就職エージェントの利用がおすすめです。専任のキャリアアドバイザーが仕事選びや企業との日程調整、選考対策などを行ってくれるので、サポートを受けながら着実に就活を進められます。ニートやフリーターを対象とした就職エージェントのハタラクティブでは、未経験歓迎の求人を多数取り扱っていますので、ぜひご利用ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。