就職祝い金とは?ハローワークで受け取る方法!いつ・いくらもらえる?

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この記事のまとめ

  • 就職祝い金(再就職手当)は、失業保険の受給者が早期就職すると受給できる
  • 就職祝い金の受給額は、失業保険の支給残日数で変わる
  • 就職祝い金は、1年以上の安定した雇用に限って支給対象になる
  • 就職祝い金がもらえなくても、就業手当の対象となる可能性がある
  • 再就職後6ヶ月働くと、状況によって就業促進定着手当が支給される

就職祝い金(再就職手当)を受け取る方法について気になる方はいるでしょう。就職祝い金は、失業保険を受給することで支給対象になる可能性があります。また、受給条件に満たなかった場合も、就業手当を受給できることも。再就職手当は就職が早いほど支給額が多くなるため、早めの就職を目指すのがおすすめです。
このコラムでは、早期就職に向けてできることもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

ハローワークの就職祝い金とは

ハローワークの就職祝い金(再就職手当)とは、「失業保険(基本手当)を受給している人が、安定した職業に就いた場合に支給される手当」のこと。ハローワークを利用して就職した人すべてが対象ではなく、受け取るには条件に当てはまっている必要があります。

受け取れる手当の額は就職のタイミングによって異なるので、以下で前もって計算式をチェックしておくと良いでしょう。

受給金額が分かる計算式

厚生労働省の「雇用保険受給資格者のみなさまへ 再就職手当のご案内」によると、失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っていると給付率は支給残日数の70%の額、3分の1以上残っている場合は60%の額と定められています。

支給残日数と、失業保険の1日分の支給額となる基本手当日額は、失業保険を申請する際に受け取る「雇用保険受給資格者証」に記載されているので、その数字を当てはめてみましょう。

失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合は「所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額」、失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合は「所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額」で計算できます。

計算式からも分かるように、就職が早ければ早いほど受給できる額は多くなることに。「失業保険を最後まで受給しないともったいない」と思わずに、良いと思う求人があればすぐに応募し早めの再就職を目指すのが賢明です。
再就職手当の計算方法とは?基本手当日額や算出の仕方について解説!」のコラムもあわせてご覧ください。

参照元
厚生労働省
就職促進給付について

失業保険とは?

失業保険とは、仕事を失った「失業状態」になった際に手当を受給できる保険のこと。ただし、誰でも受け取れるわけではなく、一定期間以上雇用保険に加入している人が対象です。失業の理由や失業時の年齢、失業前の収入によって受給できる金額や期間は異なります。

失業保険については「失業保険の受給条件は?給付日数やもらい方などもあわせて紹介!」のコラムで詳しく解説しているので、ご確認ください。

就職祝い金(再就職手当)の受給条件

就職祝い金を受給するには、一定の条件を満たす必要があります。すべての条件を満たしたときに、受給資格があるとみなされるので確認しましょう。

  • (1)受給手続き後、7日間の待期期間を満了している
    (2)失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている
    (3)再就職先が退職した事業所ではない。また、密接な関わりを持たない(資本、資金、人事、取引面)
    (4)失業保険の給付制限がある人に限り、求職申込から待期期間満了後の1ヶ月以内はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職している
    (5)1年以上勤務することが確実である
    (6)雇用保険の被保険者である
    (7)過去3年以内に就職祝い金を受給していない
    (8)求職申込前から採用または内定をもらっていない

上記のとおり、就職祝い金は「雇用保険に加入している」「失業手当を受給している」というだけでは対象になりません。冒頭でも述べた通り、失業保険の支給残日数が規定より少なかったり、非正規など1年未満の雇用契約だったりする場合は対象外です。

参照元
ハローワークインターネットサービス
就職促進給付

就職祝い金を受け取れない例

受給対象者になる8つの条件をもとに考えると、「数ヶ月間の短期アルバイトに採用された」場合は就職祝い金は支給されませんが、雇用形態が支給の有無に影響するわけではありません。パートや派遣であっても、1年以上の勤務が確実で雇用保険に加入していれば支給の対象となります。また、自営業の場合も、条件を満たせば就職祝い金の受給が可能です。

離職前と同じ会社に就職した場合

離職した企業に戻ったり、離職した企業の関連会社や子会社、大口取引先といった「密接な関係にある企業」に就職したりした場合は、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていても就職祝い金の支給対象外となります。

支給残日数が足りない場合

就職祝い金の判断基準となる「支給残日数」は、「再就職する日の前日まで」です。所定給付日数が90日の場合は、支給日数が30日以上ないと対象となりません。

支給条件が未達成な場合

就職祝い金の受給条件において雇用形態は制限されていないため、アルバイトやパート、派遣社員といった契約でも就職祝い金は受け取れます。ただし、前述したとおり「1年以上の確実な勤務」が条件として定められているため、数か月の短期アルバイトや日雇いなどは対象外。契約更新が前提であれば認められることもあるようです。

就職祝い金を満額もらうには?

失業保険を受給せずに就職することで、就職祝い金(再就職手当)を満額もらえます。
前述したように、就職祝い金を受けるには、受給手続き後7日間の待期期間を満了していることが必要です。そのため、受給手続きを行った8日以降に失業保険を受給せずに就職すれば、就職祝い金を満額もらえるでしょう。

就職祝い金(再就職手当)を受給するメリット

就職祝い金を受給するためには、早期での再就職が条件となります。早い段階で再就職することで、「給与と再就職手当どちらも振り込まれる」「空白期間が短くなる」といったメリットに期待できるでしょう。

収入が安定する

就職祝い金は、ハローワークに申請してからおよそ1ヶ月で振り込まれます。また、振込までの期間は、すでに新しい就職先で業務を開始しているため、再就職先からもらえる給与と就職祝い金どちらも受け取れることに。一時的でも収入が増え、大きな安心感を得られるでしょう。

早く社会復帰できる

これまで説明したように、就職祝い金を受け取るには早い段階での再就職が条件です。失業保険を満額受給してからの再就職を検討する方もいるようですが、失業保険受給期間が伸びれば空白期間も長引くため、再就職に難航する可能性も。また、ブランクが長いことで再就職への不安が強くなったり、モチベーションが下がったりすることも考えられます。

所定給付日数の3分の2以上残っていればより高い金額を受け取れるため、より早い段階で再就職を目指しましょう。「再就職の不安解消法を5つ紹介!気をつけることや何から始めるべきかも解説」のコラムも参考にしてください。

就職祝い金(再就職手当)を受給するデメリット

就職祝い金のデメリットとして考えられるのは、失業保険が打ち切りになること。

しかし、前述したとおり失業保険は支給期間が定められています。金額にも上限があるため、早期に再就職して働いたほうが高い収入に期待できるでしょう。また、「もったいないから」「せっかくだから」と満額受給すると、空白期間が長くなり、再就職に影響が出る可能性があります。

就職祝い金はもらわない方がいい?

人によって、体調不良や家庭事情などで早期の再就職が難しかったり、再就職活動をしていても希望に合う企業が見つからなかったりすることもあるでしょう。「就職祝い金をもらって早い時期に再就職したほうが良い」「就職祝い金はもらわないほうがいい」といった意見に左右されず、自分の置かれた状況に合わせて決めることが大切です。

就職祝い金の申請方法

就職祝い金を申請するには、まず再就職先から「採用証明」を受け取りましょう。ここでは、就職祝い金をハローワークに申請する方法をまとめています。

1.採用証明書をハローワークに提出する

再就職先から受け取った採用証明をハローワークへ提出したら、「再就職手当支給申請書」をもらってください。再就職手当支給申請書を再就職先に提出し、証明を受けることが可能です。なお、採用証明書は「受給者のしおり」に含まれていますが、ハローワークのWebサイトでダウンロードもできます。

2.ハローワークで再就職手当支給申請書を受け取る

申請が認められると、ハローワークから「再就職手当支給申請書」が届きます。申請書には支給日や支給額の記載があるので、確認しておくと良いでしょう。

3.転職先に再就職手当支給申請書を提出する

ハローワークから受け取った「再就職手当支給申請書」を再就職先に提出し、企業側の記入欄を埋めてもらいます。「事業主証明欄」の押印がないと受理されないため、必ず確認しましょう。

4.ハローワークに必要書類を提出する

再就職先に記入してもらった「再就職手当支給申請書」と、雇用保険に加入している証明となる「雇用保険受給資格証」をハローワークに提出します。場合によっては「離職前の企業と関連性のないことを証明する書類」「勤務実績を証明するもの」が求められることも。必要になったら再就職先に依頼しましょう。

就職祝い金を申請するときの注意点

以下は、就職祝い金(再就職手当)を申請するときの注意点です。

  • ・再就職手当の申請は、就職日の翌日から1ヶ月以内に行う
    ・再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証は、ハローワークへ直接行く時間がなければ郵送でも可
    ・支給するかどうかの審査の際、在籍確認や雇用保険に加入しているかの確認あり(それまでに退職してしまうと受給不可)

就職祝い金の受け取りには申請からおよそ1ヶ月程度掛かります。再就職が決まったら、上記の点に注意しながら早めに手続きを行いましょう。就職祝い金(再就職手当)の受け取り方をより詳しく知りたい方は、「再就職手当とは?必要書類はいつ・どこでもらえる?」のコラムもぜひ参考にしてみてください。

就職祝い金をもらわなかった場合

再就職手当の申請は「再就職日の翌日から1ヶ月以内」が基本ですが、就職日から2年以内であれば申請が可能です。2年を過ぎると時効となるため、「条件を満たしているにもかかわらず再就職時に申請を行っていない」「対象だと思っていなかったが支給対象だった」などの場合は、早めに申請しましょう。

就職祝い金の対象外でも「就業手当」が受け取れる

就職祝い金の受給条件を満たさなくても、一定の条件を満たせば「就業手当」を受け取れます。
就業手当は、失業保険の支給対象である人が、常用雇用以外で就職して就職祝い金(再就職手当)の対象にならない場合に支給される手当のことです。

ただし、令和7年3月31日をもって廃止されることが決定しており、令和7年4月1日以降は条件を満たしていても支給されません。

就業手当の受給条件

就業手当を受給するには、「再就職手当の対象とならない常用雇用以外の形態で就業している」「失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上」の条件に当てはまる必要があります。

1日あたりの就業手当の支給額を計算する式

就業手当は、「基本手当日額×30%」が1日当たりの金額です。なお、1日当たりの支給額の上限は1,918円、60歳以上65歳未満は1,551円となっています(令和6年9月時点)。
就業手当の受給条件については、「就業手当の受給条件は?再就職手当との違いと申請方法」のコラムでも詳しく解説しています。就業手当を受け取りたい方は、ぜひご一読ください。

参照元
ハローワークインターネットサービス
就職促進給付

就職祝い金にプラスできる!就業促進定着手当とは?

就業促進定着手当は、就職祝い金(再就職手当)を受給した人が一定期間同じ勤め先に雇用された場合に受け取れる手当のこと。就業促進定着手当の受給条件は、以下の2点です。

  • ・再就職先に6ヶ月以上雇用されている
    ・再就職後6ヶ月間に支払われた賃金の1日分の額が、離職前の1日分の額より下がっている

また、就業促進定着手当は「離職前の1日分の賃金-再就職後6ヶ月間の1日分の賃金×再就職後6ヶ月間の賃金の支払い基礎となった日数(※)」で計算できます。
※月給の場合は休日を含む、日給・時給の場合は出勤日数

就業促進定着手当を受け取る条件や手続き方法をより詳しく知りたい場合は、「就業促進定着手当とは?受給条件や申請方法も知っておこう!」のコラムもぜひご覧ください。

参照元
ハローワークインターネットサービス
就職促進給付

早めに再就職して就職祝い金を受け取ろう

早めに就職先を決めることで、給料だけでなくより多くの再就職手当を得られるため、生活を安定させられるようになります。早いうちに自分に合う企業への就職を決めるには、応募する企業数を増やしたり、選考対策の方法を変えてみたりすると良いでしょう。応募しているのが本当に自分に合った業種なのか、面接で企業が魅力に感じる強みを伝えられているかを振り返ってみるのもおすすめです。

再就職手当はハローワークを通して支給されますが、「仕事探しもハローワークで行わなければならない」というわけではありません。ハローワークは地元の求人が見つかりやすいメリットがありますが、「職員が専任制ではない」「稀に空求人が紛れている」といったデメリットもあります。

より手厚いプロからのアドバイスを望むなら、民間の就職・転職エージェントを使うのがおすすめです。エージェントであれば、カウンセリングから求人提案、選考対策まで専任のキャリアアドバイザーが一貫してバックアップしてくれる良さがあります。「プロのキャリアアドバイスを受けながら就活をしたい」「就活の方向性が定まらずに悩んでいる」という方は、利用すると良いでしょう。

就職・転職エージェントのハタラクティブは、学歴や経験を問わない求人を多数用意し、若年層の仕事探しをサポートしています。
サービス内容は、カウンセリングや求人提案、応募書類の添削、模擬面接など。面接日程の調整や条件交渉といった企業とのやり取りはすべてキャリアアドバイザーが行うので、効率的な就活が可能です。
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ハローワークで受け取る就職祝い金に関するお悩みQ&A

ここでは、ハローワークで受け取れる就職祝い金(再就職手当)に関するお悩みをQ&A方式で解決しています。就職祝い金のデメリットや受け取り方法について触れているので、ぜひチェックしてみてください。

就職祝い金(再就職手当)にデメリットはありますか?

就職祝い金を受け取ると、失業保険を満額受け取れなくなります。また、残っている失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1よりも少ないと、申請できないのがデメリットです。

再就職後にすぐ退職…就職祝い金は受給できますか?

ハローワークに就職祝い金を申請後、すぐに退職した場合は受給できません。
ハローワークで受給要件を満たしているか審査されるため、その時点で退職していれば支給対象外になります。詳細は「早期就職手当は失業保険よりメリット大?受給条件と受給額の計算式を解説」のコラムをご確認ください。

アルバイトでも就職祝い金の受給は可能ですか?

アルバイトや非正規社員も、要件を満たしていれば就職祝い金を受給できます。
再就職手当はパートももらえる?受給の条件や計算方法を徹底解説!」のコラムでも解説しているように、「雇用保険に加入している」「1年以上の雇用見込みがある」などの条件をクリアしているなら、申請してみると良いでしょう。

ハローワーク経由外の再就職でも就職祝い金は出ますか?

自己都合退職ならハローワークに離職票を提出後7日間の待期期間を除き、3ヶ月の失業保険給付制限期間のうち最初の1カ月を過ぎれば受給可能です。
ハローワークの紹介以外による就職祝い金の受給要件については、「再就職手当はハローワーク以外で内定が出ても支給される?受給条件を解説」のコラムで詳しく説明しています。

就職祝い金の支給額は一律ですか?

就職祝い金の支給額は、個々人における失業手当の支給残日数と基本手当日額によって決まり、一律ではありません。就職祝い金の受給金額を算出する方法は、「再就職手当の受給条件とは?残日数が足りない場合の対処法も解説」のコラムをご覧ください。
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