営業企画とは？仕事内容や向いている人について解説

「営業企画と聞いたことはあるけれど、具体的にどんな仕事なのだろう」と疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、営業企画の仕事内容や向いている人、求められるスキルに関して紹介します。記事を読むことで、自分に営業企画が向いているか分かり、就職・転職の判断材料となるでしょう。営業企画の素質があるのかお悩みの方はぜひ参考にしてください。

営業企画とは

営業企画とは、自社商品の分析を行い、営業戦略を立案し遂行する仕事のことです。営業職は顧客に商品を販売しますが、営業企画は顧客に営業は行いません。商品を売るための道筋を立て、企業の認知度を高めて営業職が目標を達成できるよう環境を整えるのが営業企画の役割です。

営業企画と混同しやすい職種の違い

営業企画と混同しやすい業種は複数あるため、名称や業務内容を確認しておきましょう。とはいえ、営業企画の扱う業務は企業によって異なり、境界が曖昧で幅広く兼任する場合があります。

営業企画を希望するなら「兼任する職種や業務はあるのか」を求人にて確認し、希望と相違がないように注意しましょう。企画職についてより詳しく知りたい方は、「企画職の仕事内容とは？向いている人の特徴や未経験から就職する方法も解説」も参考にしてみてください。

営業企画の仕事内容

営業企画の主な仕事は、「市場分析」「自社商品・競合商品の分析」「営業戦略の立案」「営業戦術の実行」の4つです。

1.市場を分析する

営業企画は、顧客が求めるニーズや動向について、データを用いて市場を分析します。営業成績の達成には、市場の動向に合わせた営業戦略が欠かせません。市場の規模を知るために業界の総売上などを用いて分析します。市場は常に変化し営業目標によって必要なデータも異なりますが、正確な情報を得て分析することが求められます。

2.自社商品・競合商品を分析する

自社商品や競合商品に「どのような強みや弱みがあるのか」「市場ではどのポジションにいるのか」を分析します。競合商品について理解を深めると自社商品との違いが顕著になり、商品やサービスを売り出す方法を検討しやすくなるためです。たとえば、競合製品と比べて「価格改定や品質を見直す必要があるのか」などを調査します。

3.営業戦略を立てる

長期的な営業方針を達成するために、どのような営業戦略であれば利益につながるかを考えます。営業戦略の具体例は以下のとおりです。

• ・営業目標の設定
  ・販促イベントの実施
  ・インセンティブ導入の検討

「どのターゲット層にどのような営業を、どのタイミングでしたら効果的か」まで考える必要があるでしょう。

4.営業戦術を遂行する

営業戦略を設定したら、営業職に落とし込み実行してもらう必要があります。営業職のマネジメント管理や営業ツールの導入も営業企画が行う業務の一環です。マーケティング手法も活かし、戦略的に売上が向上するよう管理します。最初から完璧な営業戦略は存在しないため、営業戦術を状況によって都度振り返り、迅速に改善することが大切です。

営業企画の魅力・やりがい

経営に関わる会社全体の業績を押し上げるために仕組みを整える営業企画は、やりがいのある仕事です。営業企画に携わる魅力として、以下3つを解説します。

• ・大きな達成感が得られる
  ・会社に貢献できる
  ・多岐にわたったスキルが身に付く

「会社全体の利益に貢献したい」と情熱をお持ちの方は、確認してみてください。

大きな達成感が得られる

苦労して立てた企画が、必ずしも実現するとは限らないものの、企画を成し遂げて営業成績が達成できれば、大きな達成感が得られるでしょう。営業戦略が影響する範囲は広く、結果もデータに表れます。結果が求められる職種ですが、影響力の大きさを実感できるのは、営業企画ならではのやりがいでしょう。

会社に貢献できる

営業職は個人の営業成績の達成を追い求める一方で、営業企画は営業全体での達成を担います。一人のトップセールスを育成するよりかは、営業職の人全体が業績を作れるようにする仕事のため、会社への貢献度が高くやりがいのある仕事です。

多岐にわたったスキルが身に付く

営業企画を経験すると、営業力や企画力、分析力など、ほかの業種でも活躍できるスキルが身に付きます。たとえば、マーケティング調査をして売れる仕組みづくりは、利益を求めるなら今やどの企業でも欠かせないスキルです。
仕事を通して関わる人も幅広く、コミュニケーション能力も自然に向上するでしょう。将来的にさらなるキャリアアップを視野に入れている人は、営業企画を経験することで選択肢が広がる可能性があります。

営業企画に向いている人の特徴

営業企画に向いているのは、好奇心のある人。また、論理的な思考ができる人や情熱と冷静さを兼ね備えた人も、営業企画として活躍できるでしょう。特徴をまとめました。

好奇心のある人

トレンドに敏感で好奇心が旺盛な人は営業企画の素質があるかもしれません。営業企画が調査する市場は世の中のトレンドや動向によって日々変化します。「社会はどのような動向になっているか」「特定の商品・サービスがなぜ流行しているのか」をデータに基づいて突き詰めれば、営業戦略に役立てられるでしょう。

論理的な思考ができる人

マーケティング力を駆使して説得力ある企画を作成するため、営業企画には論理的な思考が求められます。営業戦略を練る際に筋が通っていなければ、多くの人を納得させられず企画の実現には至りません。「現状の課題はどこにあるのか」「具体的に何を行うのか」などを社歴に関わらず全ての人が理解できるよう、論理的に伝えることも求められます。論理的な思考を養いたい場合には「問題解決の基本的な手順とは？スキルを高める方法も解説」を確認してみましょう。

情熱と冷静さを兼ね備えた人

営業企画には粘り強く営業戦略をやり遂げる情熱が必要ですが、マーケティング調査の際には冷静な分析が求められます。課題解決の妨げになる原因を追究するには、全体を見わたすことも大切です。常に変動する市場に合わせて迅速に適応していく冷静さを持ち、情熱を持って営業に関わる人を先導できれば、営業企画で活躍できるでしょう。

営業企画に求められる5つの力

営業企画には分析力と企画力が欠かせません。さらに、立案した企画を伝えるコミュニケーション力や業界全体を見渡す俯瞰力も求められるでしょう。

1.分析力

市場のデータを正しく理解して営業戦略に活かす必要があるため、分析力は営業企画に必須のスキルです。営業戦略を練るためには、市場や競合商品、顧客のニーズなどを活用し、最適な営業方法を構築していく必要があります。
分析方法の一例としては、自社・顧客・競合の3つの面から自社の課題を洗い出す「3C分析」があります。ほかにもさまざまな分析方法を掛け合わせるため、論理的に分析する力があれば営業企画で発揮できるでしょう。

2.企画力

営業企画には、課題を解決するために実現可能なアイディアを形にする企画力が求められます。アイディアを想像する力があっても実現が不可能であれば課題解決はできません。たとえば、「ターゲットに響く企画を立案する力」「営業の関係者を納得させるプレゼン力」も企画力に含まれます。有限な費用や作業量を抑え、最大の営業成績が得られる企画力を身につけましょう。

3.営業力

営業力がなければ、営業の核心に触れられず、営業戦略が見当違いの内容となる恐れがあります。営業企画には営業戦略を遂行する役割もあるため、営業の業務内容を理解しておくことは欠かせません。そのため、営業職が未経験の場合には、営業の経験を積んでおくと営業企画に役立つでしょう。

4.コミュニケーション能力

営業企画には、自分の意見を分かりやすく伝え、相手の意見を傾聴するコミュニケーション能力が求められます。営業戦略を成功させるには、営業の担当者や経営陣と連係をとり、企画の意図や営業方法などを正しく伝達することが欠かせません。営業に関わる部署であるからこそコミュニケーション能力は必須といえるでしょう。

5.俯瞰力

営業戦略の立案のため、営業企画には全体をみる俯瞰力が求められます。企画を立案する際には自社商品だけを深く理解するだけでなく、トレンドや経済状況などの外部要因も分析することが必要となるためです。競合が張り合う市場で営業成績を出すには、経営陣や顧客、競合などさまざまな立場に立って、根拠のある営業企画をたてることが大切になります。

営業企画に就く方法

営業企画への配属を希望する場合には、「自社」か「他社」でどちらの営業企画を選択するか考えましょう。それぞれ営業企画に就く方法を解説します。

自社で営業企画を希望する

自社に営業企画がある場合には、キャリアアップを希望することをおすすめします。自社の営業企画を希望すると、転職よりもリスクを伴わずに希望が叶う可能性が高いでしょう。上司との面談の際に「営業企画を希望している」と伝えてください。ただし、評価される実績がなければ希望は通りにくいため、在籍している部署で成果を出すことを優先しましょう。

他社の営業企画へ転職する

自社に営業企画がない場合には、転職を検討しましょう。ただし、企業によっては「営業職を伴う営業企画」など、希望より業務の幅が広い可能性も。「営業職ばかりで営業企画に携わらせてもらえない」などと失敗しないように、転職を希望する場合には、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

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営業企画に関するFAQ

営業企画を仕事にするか悩んでいる方から、よく聞かれる質問にお答えします。営業企画への就職・転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

営業が未経験でも営業企画に就けますか？

営業企画が未経験でも募集している求人はあるため、不可能ではありません。ただし、営業職よりも総合的なスキルが求められるため、営業の実務経験を条件とする企業は多い可能性があります。未経験を歓迎する求人に応募するか、営業企画がある企業で営業職の経験を積んでからキャリアアップする方法もあります。未経験から営業職を目指すなら「未経験で営業職はきつい？厳しいといわれる理由とおすすめの業界」を参考にしてみてください。

営業企画に就くために必要な資格はありますか？

営業企画に必要な資格は必要ありませんが、マーケティングに関わる資格を持っていれば業務で活かせるでしょう。具体的には下記の3種類があります。

・ネットマーケティング検定
・マーケティング・ビジネス検定
・マーケティングマスターコース

資格があっても実務経験の方が重視される可能性があるため、現職でマーケティングや企画に携わる機会があるなら、実績を作ることを優先しておきましょう。